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三章・いきなりですが冒険編
ラメェエエエ
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「こうして、世界は愛で救われたのよ」
わたしは悪友に事の顛末を全て語り終えた。
悪友はお茶を一口すすると、感想を言った。
「愛じゃなくて、変態に救われたんだと思うんだけど」
「認めたくないの」
「おー、なにやら武勇伝を聞かせておるな」
ひょっこりと現れたのは、事の発端となったロリ女神。
「って、女神さま。お久しぶりッス」
悪友は驚く。
「女神って、例の女神? うわ、ホントにロリコンが喜ぶわ」
「貴様の友だけあって、無礼なのも同じだな。類は友を呼ぶとはこのことか」
悪友は態度をコロッと変えて、女神に媚び始める。
「はじめましてぇ。わたし、いつも女神さまのことをぉ、高貴で神々しくてビューティホーだと崇拝しておりますぅ。つきましては、清く正しくビューティホーだけど赤貧な私にお恵みをぉ」
「やらん」
「ちっ」
態度をコロッと変えて舌打ちする。
わたしは女神に簡潔な報告をする。
「まあ、一応 言われたとおりに解決しましたけど、こんなんで良かったんですか? あの王子が自分から生け贄になってくれて助かりましたけど」
女神はクッキーをボリボリ食べながら、
「まあ、ハッキリ言うと、王子を修道院から引っ張り出すのが目的だったのだ」
「は?」
わたしは首を傾げる。
「あの王子、恋人が寝取られたときに特殊な性癖に目覚めてな。実は寝取られた恋人のように、キモい男に汚されたいという欲求に目覚めたというか そんな感じの。で、あの王子なら大魔王にそーいう特殊な劣情を持つだろうなと」
「つまり、わたしを聖女にしたのは、王子が修道院から出てくるのを期待してのことだったと」
「そーいうことだ」
「ハハハ……、そんなことだったなんて」
これなら わたしが聖女じゃなくても良かったんじゃない?
「明日、王宮で祝賀会をやるだろう。その時、貴様に報酬をやる」
「一生 贅沢三昧できるほどのお金ですか」
「貴様の俗物さは聖女にしたのは間違いだと確信するほどだ。金ではない。他の物だ」
「えー」
「不満たらたらだな。だが、報酬を聞けばおまえは喜ぶぞ。祝賀会を楽しみにしていろ」
そういってクッキー一式を持って行って、女神は消えた。
さて、その祝賀会が行われることとなった。
各国の王。
そして一緒に戦った仲間たち。
みんなが揃っている中、わたしはなんかの儀式を受ける。
世界を救った聖女として歴史に名を残す儀式。
「聖女よ。よくぞ世界を救ってくれた。その功績は、まさに聖女にふさわしい」
その時だった。
頭上から神々しい光が降り注いだ。
そして神々しい声がし始める。
「聖女。見事 世界を救ってくれましたね」
なんか口調が違うけど、ロリ女神の声だ。
「貴方の長きにわたる戦いのねぎらいとして、私からささやかな褒美を授けましょう。
それは清純。
貴方の体を清らかにし、処女に戻しました。
あなたは清き体に生まれ変わったのです。
どうか、次は真に愛する者と結ばれるのですよ」
そして光は消えた。
さて、今の話を整理しよう。
ロリ女神は なんかそれっぽいことを言っていたが、わたしが王子に怪我された話は大嘘だ。
しかし、みんなは私が非処女だと思っていた。
だが、今の女神の言葉で、わたしが処女に戻ったと思うわけだ。
なるほど。
つまり……
みんなは祝福の拍手を送り始めた。
「聖女よ、おめでとう。女神から功績を称えられ、清らかな体に戻ったのだ」
王さまからの言葉を受けて、わたしは中隊長さんのところへ。
「中隊長さん」
「フォオオオ! マイシスター!」
とか叫んでいる兄貴をぶっ飛ばして、改めて中隊長さんへ。
「中隊長さん」
「おめでとう。綺麗な体になったんだね」
「ええ。つきましては早速 中隊長さんと、エス!イー!エックス! と行きましょう」
「「「「「……え?????」」」」」
みんなポカンと疑問の声を上げた。
そして中隊長さん困惑気味に、
「な、なにを言っているんだい? そういうのは もっと順番に、交際して結婚してからと……」
「そーいうのを寝取られフラグというんです! そんな悠長なこと言ってられません! そうやって うかうかしているうちに清らかな体に戻った私をスケベ親父どもがまた汚そうと狙っているんです! だから汚される前にさっさとことをすませますよ! 中隊長さんに拒否権はありません! さあ! ベッドへゴーです! 王妃さま! 寝室を貸してください!」
「案内してあげなさい」
温和な微笑みの王妃さまは執事に命じた。
「さあ! 行きますよ!」
抵抗する中隊長さんを引っ張ってわたしは寝室へ。
「ま、待ってくれ。まだ心の準備が……
だめ、だめだ……ダメ……ラ、ラメェエエエ!!」
よくわからない勢いで三章・完
わたしは悪友に事の顛末を全て語り終えた。
悪友はお茶を一口すすると、感想を言った。
「愛じゃなくて、変態に救われたんだと思うんだけど」
「認めたくないの」
「おー、なにやら武勇伝を聞かせておるな」
ひょっこりと現れたのは、事の発端となったロリ女神。
「って、女神さま。お久しぶりッス」
悪友は驚く。
「女神って、例の女神? うわ、ホントにロリコンが喜ぶわ」
「貴様の友だけあって、無礼なのも同じだな。類は友を呼ぶとはこのことか」
悪友は態度をコロッと変えて、女神に媚び始める。
「はじめましてぇ。わたし、いつも女神さまのことをぉ、高貴で神々しくてビューティホーだと崇拝しておりますぅ。つきましては、清く正しくビューティホーだけど赤貧な私にお恵みをぉ」
「やらん」
「ちっ」
態度をコロッと変えて舌打ちする。
わたしは女神に簡潔な報告をする。
「まあ、一応 言われたとおりに解決しましたけど、こんなんで良かったんですか? あの王子が自分から生け贄になってくれて助かりましたけど」
女神はクッキーをボリボリ食べながら、
「まあ、ハッキリ言うと、王子を修道院から引っ張り出すのが目的だったのだ」
「は?」
わたしは首を傾げる。
「あの王子、恋人が寝取られたときに特殊な性癖に目覚めてな。実は寝取られた恋人のように、キモい男に汚されたいという欲求に目覚めたというか そんな感じの。で、あの王子なら大魔王にそーいう特殊な劣情を持つだろうなと」
「つまり、わたしを聖女にしたのは、王子が修道院から出てくるのを期待してのことだったと」
「そーいうことだ」
「ハハハ……、そんなことだったなんて」
これなら わたしが聖女じゃなくても良かったんじゃない?
「明日、王宮で祝賀会をやるだろう。その時、貴様に報酬をやる」
「一生 贅沢三昧できるほどのお金ですか」
「貴様の俗物さは聖女にしたのは間違いだと確信するほどだ。金ではない。他の物だ」
「えー」
「不満たらたらだな。だが、報酬を聞けばおまえは喜ぶぞ。祝賀会を楽しみにしていろ」
そういってクッキー一式を持って行って、女神は消えた。
さて、その祝賀会が行われることとなった。
各国の王。
そして一緒に戦った仲間たち。
みんなが揃っている中、わたしはなんかの儀式を受ける。
世界を救った聖女として歴史に名を残す儀式。
「聖女よ。よくぞ世界を救ってくれた。その功績は、まさに聖女にふさわしい」
その時だった。
頭上から神々しい光が降り注いだ。
そして神々しい声がし始める。
「聖女。見事 世界を救ってくれましたね」
なんか口調が違うけど、ロリ女神の声だ。
「貴方の長きにわたる戦いのねぎらいとして、私からささやかな褒美を授けましょう。
それは清純。
貴方の体を清らかにし、処女に戻しました。
あなたは清き体に生まれ変わったのです。
どうか、次は真に愛する者と結ばれるのですよ」
そして光は消えた。
さて、今の話を整理しよう。
ロリ女神は なんかそれっぽいことを言っていたが、わたしが王子に怪我された話は大嘘だ。
しかし、みんなは私が非処女だと思っていた。
だが、今の女神の言葉で、わたしが処女に戻ったと思うわけだ。
なるほど。
つまり……
みんなは祝福の拍手を送り始めた。
「聖女よ、おめでとう。女神から功績を称えられ、清らかな体に戻ったのだ」
王さまからの言葉を受けて、わたしは中隊長さんのところへ。
「中隊長さん」
「フォオオオ! マイシスター!」
とか叫んでいる兄貴をぶっ飛ばして、改めて中隊長さんへ。
「中隊長さん」
「おめでとう。綺麗な体になったんだね」
「ええ。つきましては早速 中隊長さんと、エス!イー!エックス! と行きましょう」
「「「「「……え?????」」」」」
みんなポカンと疑問の声を上げた。
そして中隊長さん困惑気味に、
「な、なにを言っているんだい? そういうのは もっと順番に、交際して結婚してからと……」
「そーいうのを寝取られフラグというんです! そんな悠長なこと言ってられません! そうやって うかうかしているうちに清らかな体に戻った私をスケベ親父どもがまた汚そうと狙っているんです! だから汚される前にさっさとことをすませますよ! 中隊長さんに拒否権はありません! さあ! ベッドへゴーです! 王妃さま! 寝室を貸してください!」
「案内してあげなさい」
温和な微笑みの王妃さまは執事に命じた。
「さあ! 行きますよ!」
抵抗する中隊長さんを引っ張ってわたしは寝室へ。
「ま、待ってくれ。まだ心の準備が……
だめ、だめだ……ダメ……ラ、ラメェエエエ!!」
よくわからない勢いで三章・完
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