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三章・いきなりですが冒険編
過大評価してる
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中隊長さんと兄貴、そしてオッサンの三人は、ボートで北極大陸に到着した。
オッサンが指差して、
「発信器の信号はあっちの方向です」
中隊長さんが周囲を見渡して、
「精霊将軍も大魔宮殿を探している。どこかで合流できるかも知れないな」
兄貴が警告する。
「しかし敵に見つかってはまずいでござる。北極大陸が大魔王の領域と言うことは、戦力も相当なはず。三人だけでは勝ち目がないでござるからな」
しばらく三人が進んで行くと、不意に周囲に霧が立ちこめ始めた。
その霧を吸い込んだ三人は体が痺れて動きが取れなくなる。
「な、なんだ? 体が」
「痺れて動かなくなってきたでござる」
オッサンが説明した。
「こ、この霧、毒蛾の粉が混ざっているです」
「その通りです」
オッサンの解説を肯定したのは、執事だった。
霧の向こうから姿を現した執事の隣には、隠密将軍の姿もあった。
執事は不敵な笑みでオッサンに、
「ふふふ。宮廷魔術師殿が何か仕掛けるだろうと、私は予想していました。だから罠を張っていたのです。
まったく、発信器を付けていたとは。本当にあなたのような人間が一番油断できない。ですので、最初に始末させていただきます」
オッサンはうろたえながら、
「えっと、僕 そんなに重要なんですか?」
「貴方のような臆病者が一番危険だ。臆病ですぐに逃げ出す腰抜け。だから将軍たちも相手にせず、仲間からも軽んじられている。
だが、それが油断となる。
思わぬところで潜伏兵の役割を果たしたり、新たな武器を手に入れる知恵を授けたり、あるいは大化けして とてつもない戦力となることもあり得る。
曲がりなりにも銀の月光の称号を授与された魔術師。その潜在能力は侮れない。
そしてなにより、戦場で最後まで生き残るのは勇敢な者ではありません。
すぐに逃げ回る臆病者だ。
貴方は臆病であるが故に危険だ。
危険の芽は摘み取っておかねば」
執事はオッサンを過大評価していた。
「破ぁあああ!」
「フォオオオ!」
中隊長さんと兄貴は破邪の力を解放して、力任せに毒蛾の粉の効力を無効化した。
しかし執事と隠密将軍は慌てなかった。
「ふふふ。さすがは破邪の戦士。毒蛾の粉の効力をもう打ち消しましたか。やはり我々だけでは危険ですね」
そして執事と隠密将軍が少し下がると、その後ろから魔王が現れた。
兄貴は少し動揺した。
「その姿はいったいどうしたでござるか?」
魔王の姿は以前とは違って、より戦闘に特化したような姿になっていた。
「勇者よ。俺はおまえたちを倒すために、新たなる力を大魔王様から授けられた。
俺は完成された造魔 第一号となったのだ」
その雰囲気は以前とは変わり、落ち着いた物になっていた。
前は些細なことで動揺するようなところがあったのに、根本的な気迫が違っていたのだ。
「さあ 勇者、そして竜戦士よ。俺と戦え」
そして魔王は腰からドラゴンスレイヤーを抜いた。
南の国で妖術将軍が盗んでいったドラゴンスレイヤーを大魔王は魔王に与えたのだ。
中隊長さんと兄貴は、以前とは違う魔王に勝算が見えなかった。
だが、毒蛾の粉の罠の他にも罠が仕掛けられているかもしれない。
迂闊に背中を見せるのは危険だ。
中隊長さんは新しい剣を抜き、
「やむを得ない。ここで戦うぞ!」
兄貴も逆刃刀を抜いた。
「しかたがないでござるな」
そしてオッサンが、
「頑張ってくださいですー」
と応援していた。
執事の奴、絶対オッサンを過大評価してる。
「雷光電撃《ライトニングボルト》!」
「竜斬破《ドラゴンブレイブ》!」
二人の同時攻撃に魔王は、
「竜魔剣衝撃斬」
ドラゴンスレイヤーから放った衝撃で相殺した。
中隊長さんは、
「遠距離攻撃はダメだ」
「ならば直接攻撃するでござる」
そして二人は同時に攻撃を繰り出した。
「電撃突撃《ライトニングランス》!」
「竜突撃《ドラゴンランス》!」
魔王は落ち着いて攻撃を繰り出した。
「竜魔剣打突撃」
とてつもない衝撃音が響き、中隊長さんと兄貴は弾き飛ばされる。
しかし魔王は無傷だった。
「つ、強い。以前とは比べものにならない」
「この強さ。竜騎将軍を上回っているでござる」
魔王は二人に、
「どうした? もう終わりか? ならばこちらからいくぞ」
魔王はドラゴンスレイヤーに魔力を注ぐと、その刃が三つに増えた。
「三魔竜聖剣!」
魔王からすさまじい攻撃が繰り出される。
兄貴と中隊長は咄嗟に最大威力の攻撃を出した。
「電撃爆雷《ライトニングエクスプロージョン》!」
「竜撃斬破《ドラゴンバスター》!」
三つの力が激突し、大きな爆発が起きた。
爆発の余韻が消えると、中隊長さんと兄貴の姿がなかった。
執事が、
「爆発でどこかへ吹き飛ばされてしまったようですね」
そして隠密将軍は気を失っている魔王の様態を見る。
「さすがは造魔。傷が急速に塞がっていく」
魔王も大爆発でダメージを受けたが、しかしその傷は見る見るうちに治癒されていった。
残されたオッサンは恐怖で体が震えていた。
「あわわわわわ……」
隠密将軍は執事に、
「魔王は私が見ていよう。おまえはそこの魔術師を始末しろ」
「わかりました」
執事はオッサンを始末しようと動く。
「ひぃいいいいい!」
オッサンは悲鳴を上げて逃走し始めた。
しかしメタボの体では速く走れない。
悪魔の脚には勝てなかった。
後ろから蹴られて、オッサンは転倒。
顔面を地面にぶつける。
「イ、イタイですぅ」
「安心してください。もうすぐ痛みなど感じなくなりますよ」
「童貞のまま死ぬのはイヤですぅ」
相変わらず変な泣き言を言っているオッサンに、執事がナイフを向けたその時、無数の風の刃が執事に放たれた。
「おっと」
執事は跳躍してその攻撃を回避し視線を向ける。
そこにいたのは、
「やはり精霊将軍殿でしたか」
精霊将軍は風の上位精霊と融合した状態だが、なぜか戦おうとしていなかった。
ただ、油断なく執事を睨みつける。
執事は余裕の笑みで、
「どうされました? 私と戦わないのですか? 今 ここで私を始末しておかないと、後々面倒なことになると思いますよ」
精霊将軍は次の瞬間、
「飛翔《フライ》」
空を飛ぶ魔法を使うと、オッサンの襟を掴み、全力で執事から逃げた。
精霊将軍とオッサンの姿が遠くへ消えるのを、執事はみていた。
「挑発には乗りませんでしたか。やはり将軍の名は伊達ではないと言うことですね」
この時、執事の周囲には眼で確認するのが難しい、極細のワイヤーが仕掛けられていた。
もし精霊将軍が執事に戦いを仕掛けていたら、ワイヤーが体に絡みつき身動きが取れなくなっていた。
精霊将軍はワイヤーの存在には気付かなかったけど、でも執事がなにか罠を仕掛けていると思い、初手で全力逃走を打ったのだった。
そしてオッサンは精霊将軍と一緒に北の国に戻ってきた。
出迎えたわたしはオッサンにボディブロー。
「テメェ! 兄貴はどーでもいーけど中隊長さんはどうした!? どう考えても敵に見つかって見捨てて逃げ帰ってきたって感じじゃねーかコラ!」
「一瞬で察する聖女さまって、もしかして心を読めたりしますですか?」
「オッサンのやることなんざすぐにわかるんだよボケ!」
精霊将軍が間に入り、
「落ち着け。仕方がなかったのだ。二人とは完全に距離が離れていて、助ける余裕もなかった。とにかく捜索隊を送るんだ」
そして賢姫さまがすぐに捜索隊の編制に取りかかったのだが、問題が発生した。
姫騎士さんが妄想を暴走し始めた。
「極限状況下の男が二人、禁断の真実の愛に目覚める。極寒の寒さの中、肌と肌で温め合い、そして……ぐへへへへへ……」
「そうなる前に見つけてください!」
わたしは捜索隊の人たちに必死に頭を下げてお願いした。
そして精霊将軍からの報告。
「私からは吉報がある。大魔宮殿の正確な位置がわかった」
そして賢姫さまが議長となって会議が開かれる。
「みなさん。大魔王を倒すチャンスと言っても過言ではありません。
現在の大魔王軍の幹部は、魔王、隠密将軍、妖術将軍の三人。半分以下となっています。
そして、執事と呼ばれる者。この者の役割は謎。油断はできませんが、少なくとも軍の指揮官ではありません。
そして隠密任務を主とする隠密兵軍団を前線に送り出してきたのは、戦力が足りなくなってきたからにちがいありませんわ。
その隠密部隊も、勇者さま達の活躍によって壊滅」
悪友のせいで説明できなかったが、兄貴たちは活躍していたのだ。
「残っている軍は妖術師軍団のみ。明らかに大魔王には戦力がなくなってきた状態ですわ。この好機を逃すわけにはいきません。
しかし大魔宮殿のある北極大陸は極寒の地。大軍を侵攻させることはできないでしょう。
よって、各国から選りすぐりの戦士たちを集めた少数精鋭で攻めるのが上策でしょう。
勇者さまと竜戦士が戻り次第、大魔宮殿に乗り込めるように、準備を整えるべきですわ」
王さま達は賛成したのだった。
そして北極大陸に捜索隊が向かった。
オッサンが指差して、
「発信器の信号はあっちの方向です」
中隊長さんが周囲を見渡して、
「精霊将軍も大魔宮殿を探している。どこかで合流できるかも知れないな」
兄貴が警告する。
「しかし敵に見つかってはまずいでござる。北極大陸が大魔王の領域と言うことは、戦力も相当なはず。三人だけでは勝ち目がないでござるからな」
しばらく三人が進んで行くと、不意に周囲に霧が立ちこめ始めた。
その霧を吸い込んだ三人は体が痺れて動きが取れなくなる。
「な、なんだ? 体が」
「痺れて動かなくなってきたでござる」
オッサンが説明した。
「こ、この霧、毒蛾の粉が混ざっているです」
「その通りです」
オッサンの解説を肯定したのは、執事だった。
霧の向こうから姿を現した執事の隣には、隠密将軍の姿もあった。
執事は不敵な笑みでオッサンに、
「ふふふ。宮廷魔術師殿が何か仕掛けるだろうと、私は予想していました。だから罠を張っていたのです。
まったく、発信器を付けていたとは。本当にあなたのような人間が一番油断できない。ですので、最初に始末させていただきます」
オッサンはうろたえながら、
「えっと、僕 そんなに重要なんですか?」
「貴方のような臆病者が一番危険だ。臆病ですぐに逃げ出す腰抜け。だから将軍たちも相手にせず、仲間からも軽んじられている。
だが、それが油断となる。
思わぬところで潜伏兵の役割を果たしたり、新たな武器を手に入れる知恵を授けたり、あるいは大化けして とてつもない戦力となることもあり得る。
曲がりなりにも銀の月光の称号を授与された魔術師。その潜在能力は侮れない。
そしてなにより、戦場で最後まで生き残るのは勇敢な者ではありません。
すぐに逃げ回る臆病者だ。
貴方は臆病であるが故に危険だ。
危険の芽は摘み取っておかねば」
執事はオッサンを過大評価していた。
「破ぁあああ!」
「フォオオオ!」
中隊長さんと兄貴は破邪の力を解放して、力任せに毒蛾の粉の効力を無効化した。
しかし執事と隠密将軍は慌てなかった。
「ふふふ。さすがは破邪の戦士。毒蛾の粉の効力をもう打ち消しましたか。やはり我々だけでは危険ですね」
そして執事と隠密将軍が少し下がると、その後ろから魔王が現れた。
兄貴は少し動揺した。
「その姿はいったいどうしたでござるか?」
魔王の姿は以前とは違って、より戦闘に特化したような姿になっていた。
「勇者よ。俺はおまえたちを倒すために、新たなる力を大魔王様から授けられた。
俺は完成された造魔 第一号となったのだ」
その雰囲気は以前とは変わり、落ち着いた物になっていた。
前は些細なことで動揺するようなところがあったのに、根本的な気迫が違っていたのだ。
「さあ 勇者、そして竜戦士よ。俺と戦え」
そして魔王は腰からドラゴンスレイヤーを抜いた。
南の国で妖術将軍が盗んでいったドラゴンスレイヤーを大魔王は魔王に与えたのだ。
中隊長さんと兄貴は、以前とは違う魔王に勝算が見えなかった。
だが、毒蛾の粉の罠の他にも罠が仕掛けられているかもしれない。
迂闊に背中を見せるのは危険だ。
中隊長さんは新しい剣を抜き、
「やむを得ない。ここで戦うぞ!」
兄貴も逆刃刀を抜いた。
「しかたがないでござるな」
そしてオッサンが、
「頑張ってくださいですー」
と応援していた。
執事の奴、絶対オッサンを過大評価してる。
「雷光電撃《ライトニングボルト》!」
「竜斬破《ドラゴンブレイブ》!」
二人の同時攻撃に魔王は、
「竜魔剣衝撃斬」
ドラゴンスレイヤーから放った衝撃で相殺した。
中隊長さんは、
「遠距離攻撃はダメだ」
「ならば直接攻撃するでござる」
そして二人は同時に攻撃を繰り出した。
「電撃突撃《ライトニングランス》!」
「竜突撃《ドラゴンランス》!」
魔王は落ち着いて攻撃を繰り出した。
「竜魔剣打突撃」
とてつもない衝撃音が響き、中隊長さんと兄貴は弾き飛ばされる。
しかし魔王は無傷だった。
「つ、強い。以前とは比べものにならない」
「この強さ。竜騎将軍を上回っているでござる」
魔王は二人に、
「どうした? もう終わりか? ならばこちらからいくぞ」
魔王はドラゴンスレイヤーに魔力を注ぐと、その刃が三つに増えた。
「三魔竜聖剣!」
魔王からすさまじい攻撃が繰り出される。
兄貴と中隊長は咄嗟に最大威力の攻撃を出した。
「電撃爆雷《ライトニングエクスプロージョン》!」
「竜撃斬破《ドラゴンバスター》!」
三つの力が激突し、大きな爆発が起きた。
爆発の余韻が消えると、中隊長さんと兄貴の姿がなかった。
執事が、
「爆発でどこかへ吹き飛ばされてしまったようですね」
そして隠密将軍は気を失っている魔王の様態を見る。
「さすがは造魔。傷が急速に塞がっていく」
魔王も大爆発でダメージを受けたが、しかしその傷は見る見るうちに治癒されていった。
残されたオッサンは恐怖で体が震えていた。
「あわわわわわ……」
隠密将軍は執事に、
「魔王は私が見ていよう。おまえはそこの魔術師を始末しろ」
「わかりました」
執事はオッサンを始末しようと動く。
「ひぃいいいいい!」
オッサンは悲鳴を上げて逃走し始めた。
しかしメタボの体では速く走れない。
悪魔の脚には勝てなかった。
後ろから蹴られて、オッサンは転倒。
顔面を地面にぶつける。
「イ、イタイですぅ」
「安心してください。もうすぐ痛みなど感じなくなりますよ」
「童貞のまま死ぬのはイヤですぅ」
相変わらず変な泣き言を言っているオッサンに、執事がナイフを向けたその時、無数の風の刃が執事に放たれた。
「おっと」
執事は跳躍してその攻撃を回避し視線を向ける。
そこにいたのは、
「やはり精霊将軍殿でしたか」
精霊将軍は風の上位精霊と融合した状態だが、なぜか戦おうとしていなかった。
ただ、油断なく執事を睨みつける。
執事は余裕の笑みで、
「どうされました? 私と戦わないのですか? 今 ここで私を始末しておかないと、後々面倒なことになると思いますよ」
精霊将軍は次の瞬間、
「飛翔《フライ》」
空を飛ぶ魔法を使うと、オッサンの襟を掴み、全力で執事から逃げた。
精霊将軍とオッサンの姿が遠くへ消えるのを、執事はみていた。
「挑発には乗りませんでしたか。やはり将軍の名は伊達ではないと言うことですね」
この時、執事の周囲には眼で確認するのが難しい、極細のワイヤーが仕掛けられていた。
もし精霊将軍が執事に戦いを仕掛けていたら、ワイヤーが体に絡みつき身動きが取れなくなっていた。
精霊将軍はワイヤーの存在には気付かなかったけど、でも執事がなにか罠を仕掛けていると思い、初手で全力逃走を打ったのだった。
そしてオッサンは精霊将軍と一緒に北の国に戻ってきた。
出迎えたわたしはオッサンにボディブロー。
「テメェ! 兄貴はどーでもいーけど中隊長さんはどうした!? どう考えても敵に見つかって見捨てて逃げ帰ってきたって感じじゃねーかコラ!」
「一瞬で察する聖女さまって、もしかして心を読めたりしますですか?」
「オッサンのやることなんざすぐにわかるんだよボケ!」
精霊将軍が間に入り、
「落ち着け。仕方がなかったのだ。二人とは完全に距離が離れていて、助ける余裕もなかった。とにかく捜索隊を送るんだ」
そして賢姫さまがすぐに捜索隊の編制に取りかかったのだが、問題が発生した。
姫騎士さんが妄想を暴走し始めた。
「極限状況下の男が二人、禁断の真実の愛に目覚める。極寒の寒さの中、肌と肌で温め合い、そして……ぐへへへへへ……」
「そうなる前に見つけてください!」
わたしは捜索隊の人たちに必死に頭を下げてお願いした。
そして精霊将軍からの報告。
「私からは吉報がある。大魔宮殿の正確な位置がわかった」
そして賢姫さまが議長となって会議が開かれる。
「みなさん。大魔王を倒すチャンスと言っても過言ではありません。
現在の大魔王軍の幹部は、魔王、隠密将軍、妖術将軍の三人。半分以下となっています。
そして、執事と呼ばれる者。この者の役割は謎。油断はできませんが、少なくとも軍の指揮官ではありません。
そして隠密任務を主とする隠密兵軍団を前線に送り出してきたのは、戦力が足りなくなってきたからにちがいありませんわ。
その隠密部隊も、勇者さま達の活躍によって壊滅」
悪友のせいで説明できなかったが、兄貴たちは活躍していたのだ。
「残っている軍は妖術師軍団のみ。明らかに大魔王には戦力がなくなってきた状態ですわ。この好機を逃すわけにはいきません。
しかし大魔宮殿のある北極大陸は極寒の地。大軍を侵攻させることはできないでしょう。
よって、各国から選りすぐりの戦士たちを集めた少数精鋭で攻めるのが上策でしょう。
勇者さまと竜戦士が戻り次第、大魔宮殿に乗り込めるように、準備を整えるべきですわ」
王さま達は賛成したのだった。
そして北極大陸に捜索隊が向かった。
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