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三章・いきなりですが冒険編
ラウンド1
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役に立たない男どもは ほっといて 女だけで作戦会議。
最初に賢姫さまがわたしに提案する。
「聖女の力を兵士たちに使って、能力をアップするというのはどうでしょうか?」
「聖女の力は秘めた力がないと効果がないんです。普通の人に使っても何の意味もありません。
聖姫さま、なにか聖女の力を応用する方法はありませんか?」
「いえ、なにも。聖女の力を行使する修行はしましたが、やはり秘めた力がなければ効果は出ません」
わたしは東の女王さまに、
「なにか案はありませんか?」
「妾からはなにもない」
手詰まりか。
そこにオッサンが手を上げた。
「あの、僕が似たようなことは出来ますです」
「……はい?」
「能力値アップの魔法なら使えますです。聖女さまほどではありませんが、普通の人でも能力値アップさせることができますです」
「それを早く言ってください! っていうか そんな便利な魔法があるならなんで今まで使わなかったんですか!?」
「聖女さまが同じようなことをしていたので、使う機会がなかったです」
「とにかく兵士の能力値アップさせてください! ハリーアップ!(急げ) ドゥーイット!(それをやれ)」
で、オッサンは兵士全員に一瞬で能力値アップの魔法をかけ、戦況は覆った。
「いやー、北の王国に来てからオッサンが役に立ってますね。この調子なら童貞卒業も夢じゃないですよ」
「ホントですか?」
「ホントですよ。あ、そうだ。聖姫さまに筆下ろしお願いしてみたらどうですか?」
しかし聖姫さまは、
「お断りします」
「「なぜに?」」
「なんというか、タイプじゃないというか、生理的に無理です」
「なら仕方ないですね。オッサン、諦めてください。やっぱり童貞卒業は一生無理です」
「シクシク、酷いです」
そんなことを言えるほど余裕が出てきた。
「おーい」
そこに、姿が見えなかった大魔道士さまがやって来た。
両手を挙げた状態で。
「大魔道士さま、どうしました? なんか人質にされているような感じですけど」
「まさに人質にされた。スマン」
大魔道士さまの後ろに、ドクロの仮面をつけた隠密将軍が現れた。
「こいつの命が惜しければ、全員武器を捨てろ」
いや、武器を捨てろって、
「大魔道士さま。貴方なら隠密将軍を倒せるのでは?」
「実は、色仕掛けで惑わされている隙に、魔法封じの腕輪をつけられてしまったとか、なんかそんな感じで」
マジで 男ども 役に立たねぇ。
役に立ったのがオッサンってどういうことだよ。
普通 逆だろ。
「いやー、このナオンちゃん、ホント ボンッキュンッボンッのボインボイーンで、年甲斐もなくアソコがオッキしてしまって」
「説明しなくて良いんだよ! エロボケジジイ!」
「いや、あの、スンマセン」
などとわたしたちが言っている間に、王さまたちは武器を捨てた。
そして隠密将軍は、
「さて、大魔王様からは兵士の命を取るなと命じられているが、おまえたちは別だ。
ここで死んで貰う」
わたしは時間稼ぎに気になっていたことを聞いた。
「なぜ大魔王は兵士の命を取るなと命じたのです?」
「兵士たちは大魔王様に愛を捧げるのだ。死んでしまってはそれが出来ないだろう」
「つまり、兵士たち全員と、エス!イー!エックス! を するつもりなのでしょうか」
「そうだ」
大魔王! 淫乱BLかよ!
「話は終わりだ。死ぬ覚悟は出来たか」
出来るわけねぇだろ!
その時、大魔道士さまの腕につけられた魔法封じの腕輪に銃弾が命中して砕けた。
隠密将軍は驚きの声。
「なに!?」
そして そこに隠密将軍に向けて、エネルギー弾が飛んできた。
隠密将軍は二本の小太刀でそれをはじき、エネルギー弾が飛んできた方向へ視線を向ける。
「何者だ?!」
視線の先、窓の所にいたのは、
「貴様は魔兵将軍!」
空中を飛翔している魔兵将くんだった。
武器にしている炉歩徒は いつものものよりずっと小さく、フルプレートメイルのように装備していて、前世の映画で言えば 鉄男(英語に変えてみよう)のような感じ。
魔兵将くんはわたしに、
「どうやら間に合ったようですね」
わたしは魔兵将くんに質問する。
「ねえ、炉歩徒から 中隊長さんや兄貴と同じ、破邪の力を感じるんだけど?」
「はい。聖殿での試練のデータを元に、炉歩徒に新機能をつけました。
この炉歩徒には破邪の力が宿っています」
つまり、中隊長さんたちと同じくらい強いってことじゃない。
魔兵将くんは隠密将軍に、
「さあ 隠密将軍! 僕が相手だ!」
「ずいぶん威勢が良いな。しょせん貴様は炉歩徒がなければザコに過ぎん」
「影に隠れて戦うことしかできないおまえに言われたくはないな」
二人の戦いの火ぶたが切って落とされた!
「魔兵将軍VS隠密将軍。
ラウンド1。
ファイト!
隠密将軍の舞うように華麗な小太刀二刀流!
対する魔兵将くんの最新兵器の数々!
白熱したバトルが繰り広げられる!
ホワチャ! アタッ! ビシビシ! ドカーン! 波動拳! 波動拳! 竜巻旋風脚! ショーリューケーン!」
わたしが熱弁していると、悪友はあきれた顔で、
「実はあんた、どういう戦いだったのか 分からなかったんでしょ」
「うん、実はそう」
わたしは素直に認める。
「なんていうか レベルが高すぎて なにがなんだか分からなかったのよね。
まあ、格闘ゲームでも想像しておいて」
ともかく、当初は魔兵将くんが優勢な感じだったってくらいは分かった。
隠密兵軍団のほうの対処も、オッサンの能力値アップの魔法のおかげで優勢。
だけど それも、隠密将軍が奥の手を出すまでだった。
「ふむ、破邪の力を手に入れただけはある。なかなか厄介だな。さっさと奥の手を出した方が良さそうだ」
「奥の手だと? 魔王のように大魔王から力を与えられているのか」
「まあ、そんな所だ」
そして隠密将軍は、ドクロの仮面に右手で触ると、
「全部隊に通告する。薬を投与せよ」
薬?
わたしは隠密将軍に、
「あのー、それって 身体能力を強化するとか、なんかそんな感じの……」
「さすがは聖女。鋭いな」
やっぱり!
「魔兵将くん! 早く隠密将軍を倒して! 薬を投与されたら強くなっちゃう!」
「もう飲んだ。薬は仮面に仕込んであるのだ」
次の瞬間、隠密将軍のスピードが上がり、魔兵将くんを攻撃した。
「ぐわあああ!」
魔兵将くんはそのスピードについて行けず、なすがままに攻撃を受けてしまっている。
ひとしきり攻撃が命中すると、隠密将軍はいったん手を止める。
「弱い。弱いな。破邪の力を手に入れたにもかかわらず、おまえは以前より弱くなっている」
「な、なんだと? 僕が以前より弱くなっているだと?」
「同じ将軍だったよしみだ。おまえが弱くなった理由を教えてやろう。
貴様は勇者を憎んでいた。魔王を憎んでいた。大魔王様すら憎んでいた。
だが、愛する父を取り戻し、さらに新しい愛を手に入れたおまえは、憎しみをなくした。
しかし、その無尽蔵とも思えるほどの憎しみこそが、おまえの力の根源だったのだ。
だから、全ての憎しみをなくした貴様は弱くなった」
「僕は 憎しみをなくしたことで 弱くなったというのか?」
「そうだ」
魔兵将くんは明らかにショックを受けていた。
「僕が弱い……なら、もう一度 強くなるには、強くなるためには……」
なんかダークサイドに落ちそうな感じの魔兵将くん。
でも、わたしのほうを見て首を振る。
「いや、僕はもう二度と憎しみに囚われたりしない。僕は愛のために戦う。大魔王のような利己的な愛じゃない。真の愛のためにだ!」
その時、魔兵将くんの体が光り輝いた。
「なになになに!? なにが起きたの!?」
聖姫さまが説明してくれた。
「破邪の力です。炉歩徒につけられた機能ではなく、魔兵将軍 自身が破邪の力を手に入れました」
「破邪の力って。試練を受けてないのに……」
「推測ですが、炉歩徒につけられた機能を通じて、聖殿となんらかの繋がりが生じたのでしょう。そして試練を受けた状態になった。
魔兵将軍から闘神の力を感じます。
彼は闘神から破邪の力を与えられた、聖闘士となりました」
「もしかして、炉歩徒の力と重なって、破邪の力を二重に使ったのと同じとか」
「その通りです」
勝てる!
「魔兵将くん! やっちゃって!」
「はい!」
少年バトルマンガの展開で続く!
最初に賢姫さまがわたしに提案する。
「聖女の力を兵士たちに使って、能力をアップするというのはどうでしょうか?」
「聖女の力は秘めた力がないと効果がないんです。普通の人に使っても何の意味もありません。
聖姫さま、なにか聖女の力を応用する方法はありませんか?」
「いえ、なにも。聖女の力を行使する修行はしましたが、やはり秘めた力がなければ効果は出ません」
わたしは東の女王さまに、
「なにか案はありませんか?」
「妾からはなにもない」
手詰まりか。
そこにオッサンが手を上げた。
「あの、僕が似たようなことは出来ますです」
「……はい?」
「能力値アップの魔法なら使えますです。聖女さまほどではありませんが、普通の人でも能力値アップさせることができますです」
「それを早く言ってください! っていうか そんな便利な魔法があるならなんで今まで使わなかったんですか!?」
「聖女さまが同じようなことをしていたので、使う機会がなかったです」
「とにかく兵士の能力値アップさせてください! ハリーアップ!(急げ) ドゥーイット!(それをやれ)」
で、オッサンは兵士全員に一瞬で能力値アップの魔法をかけ、戦況は覆った。
「いやー、北の王国に来てからオッサンが役に立ってますね。この調子なら童貞卒業も夢じゃないですよ」
「ホントですか?」
「ホントですよ。あ、そうだ。聖姫さまに筆下ろしお願いしてみたらどうですか?」
しかし聖姫さまは、
「お断りします」
「「なぜに?」」
「なんというか、タイプじゃないというか、生理的に無理です」
「なら仕方ないですね。オッサン、諦めてください。やっぱり童貞卒業は一生無理です」
「シクシク、酷いです」
そんなことを言えるほど余裕が出てきた。
「おーい」
そこに、姿が見えなかった大魔道士さまがやって来た。
両手を挙げた状態で。
「大魔道士さま、どうしました? なんか人質にされているような感じですけど」
「まさに人質にされた。スマン」
大魔道士さまの後ろに、ドクロの仮面をつけた隠密将軍が現れた。
「こいつの命が惜しければ、全員武器を捨てろ」
いや、武器を捨てろって、
「大魔道士さま。貴方なら隠密将軍を倒せるのでは?」
「実は、色仕掛けで惑わされている隙に、魔法封じの腕輪をつけられてしまったとか、なんかそんな感じで」
マジで 男ども 役に立たねぇ。
役に立ったのがオッサンってどういうことだよ。
普通 逆だろ。
「いやー、このナオンちゃん、ホント ボンッキュンッボンッのボインボイーンで、年甲斐もなくアソコがオッキしてしまって」
「説明しなくて良いんだよ! エロボケジジイ!」
「いや、あの、スンマセン」
などとわたしたちが言っている間に、王さまたちは武器を捨てた。
そして隠密将軍は、
「さて、大魔王様からは兵士の命を取るなと命じられているが、おまえたちは別だ。
ここで死んで貰う」
わたしは時間稼ぎに気になっていたことを聞いた。
「なぜ大魔王は兵士の命を取るなと命じたのです?」
「兵士たちは大魔王様に愛を捧げるのだ。死んでしまってはそれが出来ないだろう」
「つまり、兵士たち全員と、エス!イー!エックス! を するつもりなのでしょうか」
「そうだ」
大魔王! 淫乱BLかよ!
「話は終わりだ。死ぬ覚悟は出来たか」
出来るわけねぇだろ!
その時、大魔道士さまの腕につけられた魔法封じの腕輪に銃弾が命中して砕けた。
隠密将軍は驚きの声。
「なに!?」
そして そこに隠密将軍に向けて、エネルギー弾が飛んできた。
隠密将軍は二本の小太刀でそれをはじき、エネルギー弾が飛んできた方向へ視線を向ける。
「何者だ?!」
視線の先、窓の所にいたのは、
「貴様は魔兵将軍!」
空中を飛翔している魔兵将くんだった。
武器にしている炉歩徒は いつものものよりずっと小さく、フルプレートメイルのように装備していて、前世の映画で言えば 鉄男(英語に変えてみよう)のような感じ。
魔兵将くんはわたしに、
「どうやら間に合ったようですね」
わたしは魔兵将くんに質問する。
「ねえ、炉歩徒から 中隊長さんや兄貴と同じ、破邪の力を感じるんだけど?」
「はい。聖殿での試練のデータを元に、炉歩徒に新機能をつけました。
この炉歩徒には破邪の力が宿っています」
つまり、中隊長さんたちと同じくらい強いってことじゃない。
魔兵将くんは隠密将軍に、
「さあ 隠密将軍! 僕が相手だ!」
「ずいぶん威勢が良いな。しょせん貴様は炉歩徒がなければザコに過ぎん」
「影に隠れて戦うことしかできないおまえに言われたくはないな」
二人の戦いの火ぶたが切って落とされた!
「魔兵将軍VS隠密将軍。
ラウンド1。
ファイト!
隠密将軍の舞うように華麗な小太刀二刀流!
対する魔兵将くんの最新兵器の数々!
白熱したバトルが繰り広げられる!
ホワチャ! アタッ! ビシビシ! ドカーン! 波動拳! 波動拳! 竜巻旋風脚! ショーリューケーン!」
わたしが熱弁していると、悪友はあきれた顔で、
「実はあんた、どういう戦いだったのか 分からなかったんでしょ」
「うん、実はそう」
わたしは素直に認める。
「なんていうか レベルが高すぎて なにがなんだか分からなかったのよね。
まあ、格闘ゲームでも想像しておいて」
ともかく、当初は魔兵将くんが優勢な感じだったってくらいは分かった。
隠密兵軍団のほうの対処も、オッサンの能力値アップの魔法のおかげで優勢。
だけど それも、隠密将軍が奥の手を出すまでだった。
「ふむ、破邪の力を手に入れただけはある。なかなか厄介だな。さっさと奥の手を出した方が良さそうだ」
「奥の手だと? 魔王のように大魔王から力を与えられているのか」
「まあ、そんな所だ」
そして隠密将軍は、ドクロの仮面に右手で触ると、
「全部隊に通告する。薬を投与せよ」
薬?
わたしは隠密将軍に、
「あのー、それって 身体能力を強化するとか、なんかそんな感じの……」
「さすがは聖女。鋭いな」
やっぱり!
「魔兵将くん! 早く隠密将軍を倒して! 薬を投与されたら強くなっちゃう!」
「もう飲んだ。薬は仮面に仕込んであるのだ」
次の瞬間、隠密将軍のスピードが上がり、魔兵将くんを攻撃した。
「ぐわあああ!」
魔兵将くんはそのスピードについて行けず、なすがままに攻撃を受けてしまっている。
ひとしきり攻撃が命中すると、隠密将軍はいったん手を止める。
「弱い。弱いな。破邪の力を手に入れたにもかかわらず、おまえは以前より弱くなっている」
「な、なんだと? 僕が以前より弱くなっているだと?」
「同じ将軍だったよしみだ。おまえが弱くなった理由を教えてやろう。
貴様は勇者を憎んでいた。魔王を憎んでいた。大魔王様すら憎んでいた。
だが、愛する父を取り戻し、さらに新しい愛を手に入れたおまえは、憎しみをなくした。
しかし、その無尽蔵とも思えるほどの憎しみこそが、おまえの力の根源だったのだ。
だから、全ての憎しみをなくした貴様は弱くなった」
「僕は 憎しみをなくしたことで 弱くなったというのか?」
「そうだ」
魔兵将くんは明らかにショックを受けていた。
「僕が弱い……なら、もう一度 強くなるには、強くなるためには……」
なんかダークサイドに落ちそうな感じの魔兵将くん。
でも、わたしのほうを見て首を振る。
「いや、僕はもう二度と憎しみに囚われたりしない。僕は愛のために戦う。大魔王のような利己的な愛じゃない。真の愛のためにだ!」
その時、魔兵将くんの体が光り輝いた。
「なになになに!? なにが起きたの!?」
聖姫さまが説明してくれた。
「破邪の力です。炉歩徒につけられた機能ではなく、魔兵将軍 自身が破邪の力を手に入れました」
「破邪の力って。試練を受けてないのに……」
「推測ですが、炉歩徒につけられた機能を通じて、聖殿となんらかの繋がりが生じたのでしょう。そして試練を受けた状態になった。
魔兵将軍から闘神の力を感じます。
彼は闘神から破邪の力を与えられた、聖闘士となりました」
「もしかして、炉歩徒の力と重なって、破邪の力を二重に使ったのと同じとか」
「その通りです」
勝てる!
「魔兵将くん! やっちゃって!」
「はい!」
少年バトルマンガの展開で続く!
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