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三章・いきなりですが冒険編
なぜに疑問に思うですか
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……続き
賢姫さまの説明では、わたしたち聖女一行の活躍によって、大魔王軍はかなりの打撃を受けている。
精霊将軍と魔兵将軍親子を味方につけ、獣士将軍は子豚にして獣戦士軍団は壊滅。
竜騎将軍は大魔王軍を離れ、妖術将軍の策略を防ぎ、魔王も連続撃退している。
勢いの付いている今、各国が協力して大魔宮殿へ攻めるべきと、賢姫さまは王さまたちに連絡して、こうして軍事会議を開くことになった。
精霊将軍が北極大陸で大魔宮殿の正確な位置を調査しているのは、大魔道士さまから報告で賢姫さまたちも知っている。
その精霊将軍の報告が入り次第、大魔宮殿へ攻撃を開始する。
「もちろん、大魔宮殿へ攻めるときは 勇者さまたちも一緒ですわ」
と 言うことで、わたしたちも呼ばれたのだ。
しかし、軍事大国の王さまが、
「ふん。こんな若造どもと女どもなどに頼らずとも、我が国の軍隊があれば十分だ」
賢姫さまは軍事大国の王さまに、
「大魔王軍を侮ってはなりません。奴らはまだどんな軍勢を持っているのか分からないのですから」
「時代遅れの軍隊など物の数ではない。外を見よ、我が軍の誇る近代兵器の数々を」
軍事大国の王さまの護衛兵が城の窓から見えるが、銃や大砲とかが通常兵器として揃えられていた。
それに比べれば、他国の剣や槍を主な武器とする軍は、確かに時代遅れだろう。
それに異を唱えたのは東の女王さま。
「貴君は火薬に頼りすぎている。戦いは必ずしも遠距離で行うものではない。接近戦もある。その点、妾の国は 接近戦においては随一と自負しておる」
なんか二人が睨み合っていた。
そこに北の王さまが意見を出す。
「北極大陸への侵攻は、我が国の港を使用しなくては不可能。つまり、我が国内に他国の軍を入れると言うことだ。よって指揮は、我が軍の指揮官が執るのが筋というものだろう」
軍事大国の王さまが反論する。
「軍事において最も長けた国は我が国であるのは承知のはず。それに最も戦力を多く出すのも我が国だ。他国の指揮に従ういわれはない」
わたしたちの国の王さま まで、
「旗頭となる聖女の出身は我が国。ゆえに、我が軍の指揮官の意見をないがしろにすることは止めていただきたい」
そこに西の王さまが、
「それを言うのであれば、聖女一行に我が娘が加わっていることを言わせていただく。娘も命をかけているのだ。軽く扱って貰っては困る」
聖王国代表、聖姫さまは。
「申し訳ありませんが。私が国は戦争を経験したことがありません。たいした戦力は出せないのですが」
軍事大国の王さまが、
「そんなことで よくこの会議に参加できたものだな」
南の王さまが みんなをたしなめる。
「みんな やめんか。我々が言い争っていては大魔王の思うつぼだぞ」
賢姫さまも、
「その通りです。各国のわだかまりを捨てて一致団結しなくては、大魔王に勝つことは出来ません」
軍事大国の王さまが、
「お主らの国は長らく戦争を経験していなかったはず。古い兵法しかない者の意見など価値はない」
南の王さまは怒りを見せ、
「賢姫殿は世界で最も賢い女性と言っても過言ではありませんぞ! その者の言葉をないがしろにするとは何事か!?」
「女になにが出来る」
軍事大国の王さまが一蹴すると、東の女王さまが怒りを滲ませた声で、
「それは妾への侮辱と受け取れるぞ」
王さまたちの間に緊張が高まっていった。
大魔道士さまは我関せずといった風に、あきれて、
「ま、こうなるとは思っておったわい。じゃから 隠居しておったんじゃがな」
王さまたちの会議は紛糾した。
作戦会議に決着が付かないまま、夜になり、その日は一旦解散。
また明日、会議の続きをすることになった。
わたしたちは晩ご飯を食べて、食後のお茶をしていた。
「なんていうか、足並みが揃ってませんね。みんな自分の国を優先させたがってます。
それに、意外なことに わたしたちの王さまも、変なところで野心的と言うか、わたしを利用して国の格や立場を上げようって考えてるみたいですし」
中隊長さんも同意のようで、
「まさか、王がそんなことを考えていたとは。もっと事態の深刻性を考えてほしいものだ」
兄貴も困っているように、
「これでは、いざ 決戦の時に思わぬ足の引っ張り合いとなり、敗北の要因になってしまうでござる。
それに、拙者たちの武器も見つかっておらぬでござる」
姫騎士さんも首肯して、
「武器がなければ戦いようがない。大魔宮殿へ攻めることなど出来ないぞ」
オッサンは沈黙してなにか考え事をしているようだった。
「……」
わたしは荷物からハサミを取り出すと、
「オッサン、どうしました? まさか こんな時に童貞卒業のこと考えてるんじゃないでしょうね? もし そうなら アソコをちょん切りますよ」
「違いますです。切らないでくださいです。武器を手に入れることを考えてましたですよ」
「なにか手に入れる方法でも思いつきましたか?」
わたしはまったく当てにせずに聞いたのだが、
「思いついたことは 思いついたです」
「「「「え!?!?」」」」
わたしたちは一斉に疑問の声。
「なぜに疑問に思うですか?」
「オッサンが役に立つなんてありえないからです」
「シクシク、ひどいです」
泣いているオッサンを無視してわたしは聞く。
「で、その方法とは?」
「この北の国の辺境の村には、かつて世界一の鍛冶師と言われた人物が住んでいるんです。その人に頼めば、勇者さまたちの力に耐えられる、強い武器を造ってもらえるんじゃないかと」
わたしは驚愕する。
「オッサンがホントに役に立つアイデアを出した!」
「僕、ホントに役立たず認定だったんですね。シクシク」
泣いているオッサンを無視してわたしはみんなに、
「では、明日の朝、その村へ出発しましょう」
わたしたちは賢姫さまに要件を伝えると、その村へ出発した。
オッサンの転移魔法で一瞬で到着。
その村は、炭鉱村と言った感じ。
ここに、世界一の鍛冶師がいるのか。
そしてオッサンの案内でその鍛冶師の店に。
「ここです」
だけど店は閉店の看板が出ている。
「やっていませんね」
オッサンは、
「いつもの気まぐれです」
いつもの?
なんだか鍛冶師のことをよく知ってるみたい。
コンコン。
オッサンが扉をノックすると、体の大きな厳ついマッチョジジイが現れた。
わたしは思いっきりビビったが、ここで悪い印象を持たれたら、武器を造ってもらえなくなってしまうかも知れない。
丁寧に挨拶しなくては。
わたしは脂汗を流しながら、
「あ、あの。初めまして。わたしたちは……」
マッチョジジイはわたしを無視して、
「フンッ!」
「ゲフゥ!」
いきなりオッサンの腹を殴りつけた。
さらにそのまま卍固め。
「この道楽息子が! 二十年も音沙汰無しでよく帰ってこられたな!」
「父さん 許してーですー」
わたしたちはキョトンとしてしまった。
この二人、親子なの?
全然 似てない。
続く……
賢姫さまの説明では、わたしたち聖女一行の活躍によって、大魔王軍はかなりの打撃を受けている。
精霊将軍と魔兵将軍親子を味方につけ、獣士将軍は子豚にして獣戦士軍団は壊滅。
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その精霊将軍の報告が入り次第、大魔宮殿へ攻撃を開始する。
「もちろん、大魔宮殿へ攻めるときは 勇者さまたちも一緒ですわ」
と 言うことで、わたしたちも呼ばれたのだ。
しかし、軍事大国の王さまが、
「ふん。こんな若造どもと女どもなどに頼らずとも、我が国の軍隊があれば十分だ」
賢姫さまは軍事大国の王さまに、
「大魔王軍を侮ってはなりません。奴らはまだどんな軍勢を持っているのか分からないのですから」
「時代遅れの軍隊など物の数ではない。外を見よ、我が軍の誇る近代兵器の数々を」
軍事大国の王さまの護衛兵が城の窓から見えるが、銃や大砲とかが通常兵器として揃えられていた。
それに比べれば、他国の剣や槍を主な武器とする軍は、確かに時代遅れだろう。
それに異を唱えたのは東の女王さま。
「貴君は火薬に頼りすぎている。戦いは必ずしも遠距離で行うものではない。接近戦もある。その点、妾の国は 接近戦においては随一と自負しておる」
なんか二人が睨み合っていた。
そこに北の王さまが意見を出す。
「北極大陸への侵攻は、我が国の港を使用しなくては不可能。つまり、我が国内に他国の軍を入れると言うことだ。よって指揮は、我が軍の指揮官が執るのが筋というものだろう」
軍事大国の王さまが反論する。
「軍事において最も長けた国は我が国であるのは承知のはず。それに最も戦力を多く出すのも我が国だ。他国の指揮に従ういわれはない」
わたしたちの国の王さま まで、
「旗頭となる聖女の出身は我が国。ゆえに、我が軍の指揮官の意見をないがしろにすることは止めていただきたい」
そこに西の王さまが、
「それを言うのであれば、聖女一行に我が娘が加わっていることを言わせていただく。娘も命をかけているのだ。軽く扱って貰っては困る」
聖王国代表、聖姫さまは。
「申し訳ありませんが。私が国は戦争を経験したことがありません。たいした戦力は出せないのですが」
軍事大国の王さまが、
「そんなことで よくこの会議に参加できたものだな」
南の王さまが みんなをたしなめる。
「みんな やめんか。我々が言い争っていては大魔王の思うつぼだぞ」
賢姫さまも、
「その通りです。各国のわだかまりを捨てて一致団結しなくては、大魔王に勝つことは出来ません」
軍事大国の王さまが、
「お主らの国は長らく戦争を経験していなかったはず。古い兵法しかない者の意見など価値はない」
南の王さまは怒りを見せ、
「賢姫殿は世界で最も賢い女性と言っても過言ではありませんぞ! その者の言葉をないがしろにするとは何事か!?」
「女になにが出来る」
軍事大国の王さまが一蹴すると、東の女王さまが怒りを滲ませた声で、
「それは妾への侮辱と受け取れるぞ」
王さまたちの間に緊張が高まっていった。
大魔道士さまは我関せずといった風に、あきれて、
「ま、こうなるとは思っておったわい。じゃから 隠居しておったんじゃがな」
王さまたちの会議は紛糾した。
作戦会議に決着が付かないまま、夜になり、その日は一旦解散。
また明日、会議の続きをすることになった。
わたしたちは晩ご飯を食べて、食後のお茶をしていた。
「なんていうか、足並みが揃ってませんね。みんな自分の国を優先させたがってます。
それに、意外なことに わたしたちの王さまも、変なところで野心的と言うか、わたしを利用して国の格や立場を上げようって考えてるみたいですし」
中隊長さんも同意のようで、
「まさか、王がそんなことを考えていたとは。もっと事態の深刻性を考えてほしいものだ」
兄貴も困っているように、
「これでは、いざ 決戦の時に思わぬ足の引っ張り合いとなり、敗北の要因になってしまうでござる。
それに、拙者たちの武器も見つかっておらぬでござる」
姫騎士さんも首肯して、
「武器がなければ戦いようがない。大魔宮殿へ攻めることなど出来ないぞ」
オッサンは沈黙してなにか考え事をしているようだった。
「……」
わたしは荷物からハサミを取り出すと、
「オッサン、どうしました? まさか こんな時に童貞卒業のこと考えてるんじゃないでしょうね? もし そうなら アソコをちょん切りますよ」
「違いますです。切らないでくださいです。武器を手に入れることを考えてましたですよ」
「なにか手に入れる方法でも思いつきましたか?」
わたしはまったく当てにせずに聞いたのだが、
「思いついたことは 思いついたです」
「「「「え!?!?」」」」
わたしたちは一斉に疑問の声。
「なぜに疑問に思うですか?」
「オッサンが役に立つなんてありえないからです」
「シクシク、ひどいです」
泣いているオッサンを無視してわたしは聞く。
「で、その方法とは?」
「この北の国の辺境の村には、かつて世界一の鍛冶師と言われた人物が住んでいるんです。その人に頼めば、勇者さまたちの力に耐えられる、強い武器を造ってもらえるんじゃないかと」
わたしは驚愕する。
「オッサンがホントに役に立つアイデアを出した!」
「僕、ホントに役立たず認定だったんですね。シクシク」
泣いているオッサンを無視してわたしはみんなに、
「では、明日の朝、その村へ出発しましょう」
わたしたちは賢姫さまに要件を伝えると、その村へ出発した。
オッサンの転移魔法で一瞬で到着。
その村は、炭鉱村と言った感じ。
ここに、世界一の鍛冶師がいるのか。
そしてオッサンの案内でその鍛冶師の店に。
「ここです」
だけど店は閉店の看板が出ている。
「やっていませんね」
オッサンは、
「いつもの気まぐれです」
いつもの?
なんだか鍛冶師のことをよく知ってるみたい。
コンコン。
オッサンが扉をノックすると、体の大きな厳ついマッチョジジイが現れた。
わたしは思いっきりビビったが、ここで悪い印象を持たれたら、武器を造ってもらえなくなってしまうかも知れない。
丁寧に挨拶しなくては。
わたしは脂汗を流しながら、
「あ、あの。初めまして。わたしたちは……」
マッチョジジイはわたしを無視して、
「フンッ!」
「ゲフゥ!」
いきなりオッサンの腹を殴りつけた。
さらにそのまま卍固め。
「この道楽息子が! 二十年も音沙汰無しでよく帰ってこられたな!」
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