4 / 5
余計なことをするアリス
しおりを挟む
アリスの両親が亡くなり、ルシヨン伯爵邸に叔父一家がやって来て一ヶ月が経過した。
アリスは叔父一家がやって来てから使用人のように扱われていたが、今まで斜め上の行動やドジを何度もやらかしていた。最初のうちは皆怒っていたが、段々怒る気力も失い疲れが溜まっていた。
そして今日アリスがしたことというと……。
「アリス……一体誰を連れて来たんだ……?」
怒る気力をすっかりなくしているデュドネ。ジスレーヌとユゲットも目が死んでいた。
「お医者様でございます。皆様、最近お怒りだったりお疲れのようなので、精神に何か問題があるのではないかと心配になりましてお連れしましたの」
心配そうに微笑むアリス。全く悪気が感じられないように見える。
「ご家族思いのとても良いお嬢様でございますね」
アリスに連れて来られた精神科医はにこやかに微笑んでいる。
デュドネ達はもう何か言うことすら出来なくなっていた。ただもうアリスを何とかしてくれという思いのみが一致していた。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
そんなある日、デュドネ達にとって朗報が入る。アリスが彼女の実母の生家であるキュスティーヌ侯爵家に引き取られることになったのだ。
「ようやく……ようやくアリスがこの屋敷から出て行くのか」
「やっと平穏な日を過ごすことが出来ますのね」
「お義姉様のせいで色々と大変だったわ」
デュドネ達は心底ホッとしていた。
「それにしても、兄上達はアリスにどんな教育をしていたのか……」
呆れ気味にため息をつくデュドネ。
「でも、キュスティーヌ侯爵家は教育が大変厳しいと噂よ」
「そんな。お義姉様がキュスティーヌ侯爵家から逃げ戻って来たら嫌だわ」
ジスレーヌとユゲットは顔を真っ青にしている。
「そうなったら……意地でもこのルシヨン伯爵家から追い返す。あいつがこの家にいたせいで我々がどれだけ被害に遭ったか……」
デュドネは鋼のように固い意志であった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
それから四年の時が過ぎた。
この日は公宮で成人の儀が開催される。この年の成人の儀は通常と違い少し特別であった。カノーム公国の公女であるイレーヌ・コンスタンス・ド・カノームが今年十五歳を迎えるので、成人の儀に出席するのである。ちなみに彼女は二年後にガーメニー王国に嫁ぐことが決まっている。更に、公世子、つまり次期君主であるミシェル・ノーラン・ド・カノームの婚約者の発表も行われるのだ。
「あ! 公女殿下よ! 綺麗ね」
ボニファスにエスコートされながら、ユゲットがイレーヌを見つけてはしゃぐ。
ストロベリーブロンドの艶やかな髪に、アメジストのような紫の目の、精巧な人形のように美しい少女である。
「まあでも私の方が可愛いかしら」
ふふっと笑うユゲット。
「ああ、俺の中ではユゲットが1番だ」
ボニファスはニッと笑い、ユゲットを抱きしめる。
「まあ、ボニファス様、嬉しいわ」
キャッとはしゃいでいるユゲット。二人揃って不敬罪に問われかねない言動なのだが全く気にした様子はない。
「それにしても、公世子殿下の婚約者は誰なのかしら?」
ユゲットは興味ありげに首を傾げる。
「確かに、気にはなるな」
ボニファスはそう呟いた。
そうしているうちに、成人の儀が始まり、カノーム公ノーランや公妃コンスタンスから祝いの言葉が贈られる。
そして成人を迎える令嬢達がエスコートをしてくれた男性とファーストダンスを終え、盛り上がってきた頃にノーランから発表があった。
「さて、ここで我が息子である公世子ミシェルの婚約者を発表する! 二人共、こちらへ」
すると、ミシェルと彼の婚約者が中央へやって来る。堂々と胸を張り、公世子妃として風格ある。ストロベリーブロンドの髪にアクアマリンのような青い目の少年だ。そして婚約者である令嬢も歩き方や所作に品があった。艶やかな黒褐色の髪にアメジストのような紫の目の令嬢である。
「え……あれって……」
「まさか……」
ユゲットとボニファスが驚愕して目を見開く。
「ミシェルの婚約者、キュスティーヌ侯爵令嬢であるアリス・ロジーヌ・ド・キュスティーヌである!」
ノーランから紹介されたのは、何とアリスだった。キュスティーヌ侯爵家に養子入りしたことで、名前をアリス・ロジーヌ・ド・ルシヨンからアリス・ロジーヌ・ド・キュスティーヌと変えていた。
アリスは品良く微笑み、一歩前に出る。
「先程ご紹介に与りました、キュスティーヌ侯爵家次女、アリス・ロジーヌ・ド・キュスティーヌでございます。この先ミシェル公世子殿下を支え、共にこのカノーム公国を更なる発展に導けたらと考えておりますわ」
完璧な淑女の笑みと所作のアリス。会場にいる者が一斉に拍手をし、アリスをミシェルの婚約者、つまり次期カノーム公妃として認めていた。一部の者を除いては。
「お義姉様が……公世子妃……!?」
「この国は大丈夫なのか……?」
ユゲットとボニファスはルシヨン伯爵家でのアリスのやらかし具合を知っているので若干引き気味であった。
その後、アリスが公世子妃になったことを聞いたデュドネとジスレーヌは遠い目をしていた。
「アリス……もう関わりたくもない」
「ええ、そうね……」
完全にトラウマになっているようだ。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
その翌年、アリスとミシェルの結婚式が盛大に行われた。アリスは正式に公世子妃になったのだ。
そしてルシヨン伯爵家はというと……。
「デュドネ・オーブリー・ド・ルシヨン。貴様に脱税の容疑がかかっている」
法務卿と警吏がルシヨン伯爵邸に押しかけて来ていた。
「お、俺はそんなことはしていないぞ!」
慌てふためき暴れるデュドネ。しかし、一旦警吏に取り押さえられてしまう。
「デュドネ様!」
「お父様!」
「義父上!」
ジスレーヌとユゲットとボニファスはデュドネの元へ駆け寄ろうとするが、警吏達に止められてしまう。
「証拠は残っているはずだ。屋敷中探し出せ」
法務卿が指示し、警吏や関係者が一斉捜索に当たる。
「特に倉庫が怪しいかと思いますわ」
優雅な声が響き渡る。
デュドネ、ジスレーヌ、ユゲット、ボニファスはその声を聞きサーッと顔が青ざめる。四人にとって聞き覚えのある声だった。
「アリス……」
デュドネは忌々しげにそう呟く。
声の主は公世子妃になったアリスであった。アリスは品良く微笑んでいる。
「貴様、不敬だぞ! このお方はもう公室のお方だ! 公世子妃殿下とお呼びしろ!」
警吏にギロリと睨まれるデュドネ。
そうしているうちに捜索は進み、アリスが言った通り倉庫の中から脱税の証拠である金額の違う二つの帳簿が出て来た。二重帳簿である。
「これで言い逃れ出来ないぞ。デュドネ・オーブリー・ド・ルシヨンを連れて行け」
法務卿が冷たくそう言い放つ。
「そんな……何かの間違いですわ! デュドネ様がそのようなこと……!」
「お父様!」
「ユゲット、しっかりするんだ。絶対に何かの間違いだ」
ショックで膝から崩れ落ちるジスレーヌとユゲット。ボニファスはユゲットを支える。
デュドネは忌々しげにアリスを睨みつける。
「アリス……貴様はいつも余計なことをしやがって!!」
デュドネは警吏を振り切りアリスに襲い掛かろうとしたが、警吏がさらに力を加えて押さえつけたのでそれは叶わなかった。
「ぐっ! 何をする!」
「脱税に加え、公世子妃殿下への暴行未遂罪も加わった」
法務卿が無慈悲にそう言い放つ。
「叔父様、私は公世子妃ですの。ですから、このカノーム公国の為に動かなければなりません。私がかつて倉庫に閉じ込められた時、脱税の証拠を見つけましたわ。あの頃は何の力も持たなかったので、どうすることも出来ませんでした。しかし今、ようやく動くことが出来て嬉しく思いますわ」
美しく上品な笑みを浮かべるアリスである。
「公世子妃殿下、この度はご協力誠にありがとうございました」
法務卿がビシッと礼を執る。
こうして、デュドネは裁判で二重帳簿、脱税、公世子妃への暴行未遂の罪で貴族籍の剥奪及び五十年の労働徒刑が科せられることになった。
これにより、ジスレーヌとユゲットも連座で貴族籍を失い平民にならざるを得なかった。
ボニファスはまだユゲットと結婚はしていなかったのでお咎めはなかった。しかし生家のモンレリ伯爵家からは縁を切られてしまった。よってジスレーヌやユゲットと同様、平民にならざるを得なかった。
アリスは叔父一家がやって来てから使用人のように扱われていたが、今まで斜め上の行動やドジを何度もやらかしていた。最初のうちは皆怒っていたが、段々怒る気力も失い疲れが溜まっていた。
そして今日アリスがしたことというと……。
「アリス……一体誰を連れて来たんだ……?」
怒る気力をすっかりなくしているデュドネ。ジスレーヌとユゲットも目が死んでいた。
「お医者様でございます。皆様、最近お怒りだったりお疲れのようなので、精神に何か問題があるのではないかと心配になりましてお連れしましたの」
心配そうに微笑むアリス。全く悪気が感じられないように見える。
「ご家族思いのとても良いお嬢様でございますね」
アリスに連れて来られた精神科医はにこやかに微笑んでいる。
デュドネ達はもう何か言うことすら出来なくなっていた。ただもうアリスを何とかしてくれという思いのみが一致していた。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
そんなある日、デュドネ達にとって朗報が入る。アリスが彼女の実母の生家であるキュスティーヌ侯爵家に引き取られることになったのだ。
「ようやく……ようやくアリスがこの屋敷から出て行くのか」
「やっと平穏な日を過ごすことが出来ますのね」
「お義姉様のせいで色々と大変だったわ」
デュドネ達は心底ホッとしていた。
「それにしても、兄上達はアリスにどんな教育をしていたのか……」
呆れ気味にため息をつくデュドネ。
「でも、キュスティーヌ侯爵家は教育が大変厳しいと噂よ」
「そんな。お義姉様がキュスティーヌ侯爵家から逃げ戻って来たら嫌だわ」
ジスレーヌとユゲットは顔を真っ青にしている。
「そうなったら……意地でもこのルシヨン伯爵家から追い返す。あいつがこの家にいたせいで我々がどれだけ被害に遭ったか……」
デュドネは鋼のように固い意志であった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
それから四年の時が過ぎた。
この日は公宮で成人の儀が開催される。この年の成人の儀は通常と違い少し特別であった。カノーム公国の公女であるイレーヌ・コンスタンス・ド・カノームが今年十五歳を迎えるので、成人の儀に出席するのである。ちなみに彼女は二年後にガーメニー王国に嫁ぐことが決まっている。更に、公世子、つまり次期君主であるミシェル・ノーラン・ド・カノームの婚約者の発表も行われるのだ。
「あ! 公女殿下よ! 綺麗ね」
ボニファスにエスコートされながら、ユゲットがイレーヌを見つけてはしゃぐ。
ストロベリーブロンドの艶やかな髪に、アメジストのような紫の目の、精巧な人形のように美しい少女である。
「まあでも私の方が可愛いかしら」
ふふっと笑うユゲット。
「ああ、俺の中ではユゲットが1番だ」
ボニファスはニッと笑い、ユゲットを抱きしめる。
「まあ、ボニファス様、嬉しいわ」
キャッとはしゃいでいるユゲット。二人揃って不敬罪に問われかねない言動なのだが全く気にした様子はない。
「それにしても、公世子殿下の婚約者は誰なのかしら?」
ユゲットは興味ありげに首を傾げる。
「確かに、気にはなるな」
ボニファスはそう呟いた。
そうしているうちに、成人の儀が始まり、カノーム公ノーランや公妃コンスタンスから祝いの言葉が贈られる。
そして成人を迎える令嬢達がエスコートをしてくれた男性とファーストダンスを終え、盛り上がってきた頃にノーランから発表があった。
「さて、ここで我が息子である公世子ミシェルの婚約者を発表する! 二人共、こちらへ」
すると、ミシェルと彼の婚約者が中央へやって来る。堂々と胸を張り、公世子妃として風格ある。ストロベリーブロンドの髪にアクアマリンのような青い目の少年だ。そして婚約者である令嬢も歩き方や所作に品があった。艶やかな黒褐色の髪にアメジストのような紫の目の令嬢である。
「え……あれって……」
「まさか……」
ユゲットとボニファスが驚愕して目を見開く。
「ミシェルの婚約者、キュスティーヌ侯爵令嬢であるアリス・ロジーヌ・ド・キュスティーヌである!」
ノーランから紹介されたのは、何とアリスだった。キュスティーヌ侯爵家に養子入りしたことで、名前をアリス・ロジーヌ・ド・ルシヨンからアリス・ロジーヌ・ド・キュスティーヌと変えていた。
アリスは品良く微笑み、一歩前に出る。
「先程ご紹介に与りました、キュスティーヌ侯爵家次女、アリス・ロジーヌ・ド・キュスティーヌでございます。この先ミシェル公世子殿下を支え、共にこのカノーム公国を更なる発展に導けたらと考えておりますわ」
完璧な淑女の笑みと所作のアリス。会場にいる者が一斉に拍手をし、アリスをミシェルの婚約者、つまり次期カノーム公妃として認めていた。一部の者を除いては。
「お義姉様が……公世子妃……!?」
「この国は大丈夫なのか……?」
ユゲットとボニファスはルシヨン伯爵家でのアリスのやらかし具合を知っているので若干引き気味であった。
その後、アリスが公世子妃になったことを聞いたデュドネとジスレーヌは遠い目をしていた。
「アリス……もう関わりたくもない」
「ええ、そうね……」
完全にトラウマになっているようだ。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
その翌年、アリスとミシェルの結婚式が盛大に行われた。アリスは正式に公世子妃になったのだ。
そしてルシヨン伯爵家はというと……。
「デュドネ・オーブリー・ド・ルシヨン。貴様に脱税の容疑がかかっている」
法務卿と警吏がルシヨン伯爵邸に押しかけて来ていた。
「お、俺はそんなことはしていないぞ!」
慌てふためき暴れるデュドネ。しかし、一旦警吏に取り押さえられてしまう。
「デュドネ様!」
「お父様!」
「義父上!」
ジスレーヌとユゲットとボニファスはデュドネの元へ駆け寄ろうとするが、警吏達に止められてしまう。
「証拠は残っているはずだ。屋敷中探し出せ」
法務卿が指示し、警吏や関係者が一斉捜索に当たる。
「特に倉庫が怪しいかと思いますわ」
優雅な声が響き渡る。
デュドネ、ジスレーヌ、ユゲット、ボニファスはその声を聞きサーッと顔が青ざめる。四人にとって聞き覚えのある声だった。
「アリス……」
デュドネは忌々しげにそう呟く。
声の主は公世子妃になったアリスであった。アリスは品良く微笑んでいる。
「貴様、不敬だぞ! このお方はもう公室のお方だ! 公世子妃殿下とお呼びしろ!」
警吏にギロリと睨まれるデュドネ。
そうしているうちに捜索は進み、アリスが言った通り倉庫の中から脱税の証拠である金額の違う二つの帳簿が出て来た。二重帳簿である。
「これで言い逃れ出来ないぞ。デュドネ・オーブリー・ド・ルシヨンを連れて行け」
法務卿が冷たくそう言い放つ。
「そんな……何かの間違いですわ! デュドネ様がそのようなこと……!」
「お父様!」
「ユゲット、しっかりするんだ。絶対に何かの間違いだ」
ショックで膝から崩れ落ちるジスレーヌとユゲット。ボニファスはユゲットを支える。
デュドネは忌々しげにアリスを睨みつける。
「アリス……貴様はいつも余計なことをしやがって!!」
デュドネは警吏を振り切りアリスに襲い掛かろうとしたが、警吏がさらに力を加えて押さえつけたのでそれは叶わなかった。
「ぐっ! 何をする!」
「脱税に加え、公世子妃殿下への暴行未遂罪も加わった」
法務卿が無慈悲にそう言い放つ。
「叔父様、私は公世子妃ですの。ですから、このカノーム公国の為に動かなければなりません。私がかつて倉庫に閉じ込められた時、脱税の証拠を見つけましたわ。あの頃は何の力も持たなかったので、どうすることも出来ませんでした。しかし今、ようやく動くことが出来て嬉しく思いますわ」
美しく上品な笑みを浮かべるアリスである。
「公世子妃殿下、この度はご協力誠にありがとうございました」
法務卿がビシッと礼を執る。
こうして、デュドネは裁判で二重帳簿、脱税、公世子妃への暴行未遂の罪で貴族籍の剥奪及び五十年の労働徒刑が科せられることになった。
これにより、ジスレーヌとユゲットも連座で貴族籍を失い平民にならざるを得なかった。
ボニファスはまだユゲットと結婚はしていなかったのでお咎めはなかった。しかし生家のモンレリ伯爵家からは縁を切られてしまった。よってジスレーヌやユゲットと同様、平民にならざるを得なかった。
28
お気に入りに追加
103
あなたにおすすめの小説

転落王太子…しかし?
越路遼介
ファンタジー
平和な王国セントエベールの王太子オルソンは男爵令嬢のミランダにたぶらかされて婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を告げてしまう。そこから始まる彼の転落人生。
悪役令嬢転生ものを読んで思いついた短編です。主人公である悪役令嬢の痛快な逆転劇でめでたしめでたしと終わるのが定番ですが、本編の主人公は婚約者である王太子の方です。1話だけの短編で、後半まではダイジェストっぽいです。



アホ王子が王宮の中心で婚約破棄を叫ぶ! ~もう取り消しできませんよ?断罪させて頂きます!!
アキヨシ
ファンタジー
貴族学院の卒業パーティが開かれた王宮の大広間に、今、第二王子の大声が響いた。
「マリアージェ・レネ=リズボーン! 性悪なおまえとの婚約をこの場で破棄する!」
王子の傍らには小動物系の可愛らしい男爵令嬢が纏わりついていた。……なんてテンプレ。
背後に控える愚か者どもと合わせて『四馬鹿次男ズwithビッチ』が、意気揚々と筆頭公爵家令嬢たるわたしを断罪するという。
受け立ってやろうじゃない。すべては予定調和の茶番劇。断罪返しだ!
そしてこの舞台裏では、王位簒奪を企てた派閥の粛清の嵐が吹き荒れていた!
すべての真相を知ったと思ったら……えっ、お兄様、なんでそんなに近いかな!?
※設定はゆるいです。暖かい目でお読みください。
※主人公の心の声は罵詈雑言、口が悪いです。気分を害した方は申し訳ありませんがブラウザバックで。
※小説家になろう・カクヨム様にも投稿しています。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。

乙女ゲームはエンディングを迎えました。
章槻雅希
ファンタジー
卒業パーティでのジョフロワ王子の婚約破棄宣言を以って、乙女ゲームはエンディングを迎えた。
これからは王子の妻となって幸せに贅沢をして暮らすだけだと笑ったゲームヒロインのエヴリーヌ。
だが、宣言後、ゲームが終了するとなにやら可笑しい。エヴリーヌの予想とは違う展開が起こっている。
一体何がどうなっているのか、呆然とするエヴリーヌにジョフロワから衝撃的な言葉が告げられる。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様・自サイトに重複投稿。

破滅を逃れようとした、悪役令嬢のお話
志位斗 茂家波
ファンタジー
‥‥‥その恋愛ゲームは、一見するとただの乙女ゲームの一つだろう。
けれども、何故かどの選択肢を選んだとしても、確実に悪役令嬢が破滅する。
そんなものに、何故かわたくしは転生してしまい‥‥‥いえ、絶望するのは早いでしょう。
そう、頑張れば多分、どうにかできますもの!!
これは、とある悪役令嬢に転生してしまった少女の話である‥‥‥‥
―――――――
(なお、この小説自体は作者の作品「帰らずの森のある騒動記」中の「とある悪魔の記録Ver.2その1~6」を大幅に簡略したうえで、この悪役令嬢視点でお送りしています。細かい流れなどを見たいのであれば、どちらもどうぞ)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる