20 / 20
掴み取った幸せ
しおりを挟む
アシルス帝国、帝都ウォスコムの宮殿にて。
アルセニーとタチアナはユスポフ公爵家とキセリョフ伯爵家の今後のことについて、皇帝エフゲニーに話しに来ていた。
「なるほど……。ユスポフ公爵家先代当主……アルセニーの父であったクジマも其方ら兄弟のことを心配しておったが、こんな結末になるとは思わなかったであろう」
エフゲニーは軽くため息をつく。
「不甲斐なくて大変申し訳なく存じております」
アルセニーは少し肩を落とす。
「アルセニー、其方はこれからだ。あまり気に病む必要はない。私は其方に期待しておる」
エフゲニーはラピスラズリの目を細め、威厳ある笑みである。
「もったいないお言葉、光栄でございます。皇帝陛下のご期待に添えられるよう精進いたします」
アルセニーはマラカイトの目を輝かせた。
これからユスポフ公爵領を立て直すつもりである。
「キセリョフ伯爵家についても、期待しておるぞ」
エフゲニーはタチアナに目を向けた。
「承知いたしました。最大限のことを尽くすつもりでございます」
タチアナは緊張しつつも真っ直ぐ前を向いていた。
こうしてユスポフ公爵家とキセリョフ伯爵家についてはアルセニーとタチアナに任されたのである。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
アルセニーとタチアナはまずユスポフ公爵家の帝都の屋敷へやって来た。
「ユスポフ子爵閣下、ユスポフ子爵夫人。いえ、もうユスポフ公爵閣下とユスポフ公爵夫人ですわね」
マトフェイの妻であるクレメンチーナは神妙な表情である。
マトフェイは裁判で爵位と貴族籍を失い終身刑となった。それによりクレメンチーナもユスポフ公爵夫人ではなくなったのだ。しかし彼女には何も罪がないので一応貴族籍はある。
ちなみに、キセリョフ伯爵家の三人は、タチアナ虐待と誘拐に携わった件で五十年の徒刑が課せられることになった。
「アルセニー・クジーミチ様、タチアナ・ミローノヴナ様、この度は大変申し訳ございません」
心底申し訳なさそうなクレメンチーナ。
「ユスポフ元公爵夫人……いや、敢えてクレメンチーナと呼ぼうか。君が気にすることはないよ」
「アルーシャ様の仰る通りでございます。貴女は何も悪くありませんわ」
アルセニーとタチアナはクレメンチーナを宥める。
「それで、君は今後どうするつもりだ? 一応君への支援はするつもりだが」
少し心配そうなアルセニー。
「クレメンチーナ様、キセリョフ伯爵家の帝都の屋敷を使用していただいても構いませんよ」
タチアナも心配そうである。
するとクレメンチーナはすっきりとした笑みを浮かべる。
「お二人共、お気遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫でございます。私は修道院に入り、天に召された後のマトフェイ様の罪が軽くなるよう祈ろうと思いますの。私達はいずれ生涯を終え、天に召されます。裁判結果は覆りませんが、せめて天に召された後、マトフェイ様の生前の罪を軽く出来ればと思いますわ」
それは夫を思いやる妻の表情であった。
「アルセニー・クジーミチ様、貴方にとってマトフェイ様は酷い弟だったでしょう。確かに彼は至らない部分が多くございます。その結果、今回の事件に繋がってしまいました。タチアナ・ミローノヴナ様にも大変なご迷惑をお掛けしてしまいましたし……」
クレメンチーナは俯く。
アルセニーとタチアナは、黙ってクレメンチーナの話を聞くことにした。
「ただ、私にとってはそれだけではございませんでした。私は子供が出来にくい体質で、社交界でも少し肩身の狭い思いをしておりました。しかし……マトフェイ様はそんな私を守ってくださいました。『気にしなくても良い』と仰ってくださいました。そういう優しい部分もあるのです」
ゆっくりと語るクレメンチーナ。
「ですので、私は修道院に入り、マトフェイ様の罪が軽くなるように祈るのです」
穏やかな表情のクレメンチーナである。
「そうか……」
アルセニーはそれを聞いて少し考える。
(マトフェイ、お前のクレメンチーナへの想いはきちんと伝わっているぞ……)
アルセニーはほんのりと口角を上げるのであった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
数日後、アルセニーはマトフェイが収容されている牢獄へ向かった。
「マトフェイ」
アルセニーは檻越しに呼び掛ける。
「兄上……」
マトフェイは牢獄の中でやつれていた。
「何の用です? 僕を嘲笑いにでも来たのですか? だとしたら悪趣味ですね」
力なく自嘲するマトフェイ。アクアマリンの目は弱々しく、光が灯っていない。
「生憎私はそこまで暇ではない」
アルセニーはバッサリとそう言った。
「ただ……お前にはきちんと罪を償って欲しい。お前の妻は、本当にお前のことを案じていたぞ」
アルセニーのマラカイトの目は、真っ直ぐマトフェイを見ている。
「クレーマが……」
ほんの少しマトフェイのアクアマリンの目が光を取り戻す。
「ああ。マトフェイ、お前の気持ちはきちんと彼女に伝わっていた」
アルセニーの声は少しだけ優しくなる。
「クレーマ……」
マトフェイのアクアマリンの目からはポロリと涙が零れる。
「僕は……兄上が羨ましかった……。長男に生まれて、何でも持っていて、クレーマの婚約者になれて……」
「ああ」
アルセニーはゆっくりと頷く。
「ただ……欲しかっただけだったんです……クレーマも、ユスポフ公爵家も……」
ポツリと本音を漏らすマトフェイ。
「そうか……。製糸場の事故を引き起こすようなことはせず、もっと早く言って欲しかったな」
アルセニーは苦笑する。
「兄上……本当に……申し訳……ございません」
涙ながらにようやく謝罪が出来たマトフェイ。
「マトフェイ、お前は終身刑だが、素行が良ければ仮釈放されたり、祝い事の際に恩赦が与えられる可能性がある。お前はマトフェイ・クジーミチだ。私はお前のことを信じることにする。だから、しっかり償え」
アルセニーは真っ直ぐマトフェイを見据える。マラカイトの目は力強かった。
「兄上……」
マトフェイのアクアマリンの目に輝きが戻る。それは今までで一番美しい目であった。
「僕は……自分の罪と向き合い、償います。タチアナ・ミローノヴナ様……兄上の奥様にも、きちんと謝罪をしたい」
「ああ。ターニャにも伝えておく」
「ありがとうございます……。兄上……兄上とは、また幼い頃のように、普通の、仲の良い兄弟に戻りたいです」
涙を零しながら、素直な気持ちが溢れ出すマトフェイ。
「ああ、いつまでも待っている」
アルセニーは優しく頷いた。それは兄としての表情であった。
遠回りをしたが、アルセニーとマトフェイは和解出来たのである。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
更に数日後、ユスポフ公爵家の帝都の屋敷にて。
「大分落ち着いて来ましたね」
タチアナはラウラが淹れた紅茶を飲みながらホッと一息ついていた。
「ああ、ここ最近色々あったからな」
アルセニーもフッと笑い、ジャムを舐めてから紅茶を飲む。
二人の間に穏やかな時間が流れる。
「ターニャ、愛しているよ」
アルセニーは不意にそう伝えたくなった。
マラカイトの目は真っ直ぐタチアナを見つめている。
タチアナはその言葉を聞き一瞬驚くが、すぐにヘーゼルの目を嬉しそうに細める。
「私も、愛しておりますわ、アルーシャ様」
どん底だった二人は、見事に幸せを掴んだ。
その道のりは決して平坦ではなかった。しかし、二人は勇気を出してその道を進んだのである。
こうして、今の穏やかな時間に繋がっているのであった。
アルセニーとタチアナはユスポフ公爵家とキセリョフ伯爵家の今後のことについて、皇帝エフゲニーに話しに来ていた。
「なるほど……。ユスポフ公爵家先代当主……アルセニーの父であったクジマも其方ら兄弟のことを心配しておったが、こんな結末になるとは思わなかったであろう」
エフゲニーは軽くため息をつく。
「不甲斐なくて大変申し訳なく存じております」
アルセニーは少し肩を落とす。
「アルセニー、其方はこれからだ。あまり気に病む必要はない。私は其方に期待しておる」
エフゲニーはラピスラズリの目を細め、威厳ある笑みである。
「もったいないお言葉、光栄でございます。皇帝陛下のご期待に添えられるよう精進いたします」
アルセニーはマラカイトの目を輝かせた。
これからユスポフ公爵領を立て直すつもりである。
「キセリョフ伯爵家についても、期待しておるぞ」
エフゲニーはタチアナに目を向けた。
「承知いたしました。最大限のことを尽くすつもりでございます」
タチアナは緊張しつつも真っ直ぐ前を向いていた。
こうしてユスポフ公爵家とキセリョフ伯爵家についてはアルセニーとタチアナに任されたのである。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
アルセニーとタチアナはまずユスポフ公爵家の帝都の屋敷へやって来た。
「ユスポフ子爵閣下、ユスポフ子爵夫人。いえ、もうユスポフ公爵閣下とユスポフ公爵夫人ですわね」
マトフェイの妻であるクレメンチーナは神妙な表情である。
マトフェイは裁判で爵位と貴族籍を失い終身刑となった。それによりクレメンチーナもユスポフ公爵夫人ではなくなったのだ。しかし彼女には何も罪がないので一応貴族籍はある。
ちなみに、キセリョフ伯爵家の三人は、タチアナ虐待と誘拐に携わった件で五十年の徒刑が課せられることになった。
「アルセニー・クジーミチ様、タチアナ・ミローノヴナ様、この度は大変申し訳ございません」
心底申し訳なさそうなクレメンチーナ。
「ユスポフ元公爵夫人……いや、敢えてクレメンチーナと呼ぼうか。君が気にすることはないよ」
「アルーシャ様の仰る通りでございます。貴女は何も悪くありませんわ」
アルセニーとタチアナはクレメンチーナを宥める。
「それで、君は今後どうするつもりだ? 一応君への支援はするつもりだが」
少し心配そうなアルセニー。
「クレメンチーナ様、キセリョフ伯爵家の帝都の屋敷を使用していただいても構いませんよ」
タチアナも心配そうである。
するとクレメンチーナはすっきりとした笑みを浮かべる。
「お二人共、お気遣いありがとうございます。ですが、私は大丈夫でございます。私は修道院に入り、天に召された後のマトフェイ様の罪が軽くなるよう祈ろうと思いますの。私達はいずれ生涯を終え、天に召されます。裁判結果は覆りませんが、せめて天に召された後、マトフェイ様の生前の罪を軽く出来ればと思いますわ」
それは夫を思いやる妻の表情であった。
「アルセニー・クジーミチ様、貴方にとってマトフェイ様は酷い弟だったでしょう。確かに彼は至らない部分が多くございます。その結果、今回の事件に繋がってしまいました。タチアナ・ミローノヴナ様にも大変なご迷惑をお掛けしてしまいましたし……」
クレメンチーナは俯く。
アルセニーとタチアナは、黙ってクレメンチーナの話を聞くことにした。
「ただ、私にとってはそれだけではございませんでした。私は子供が出来にくい体質で、社交界でも少し肩身の狭い思いをしておりました。しかし……マトフェイ様はそんな私を守ってくださいました。『気にしなくても良い』と仰ってくださいました。そういう優しい部分もあるのです」
ゆっくりと語るクレメンチーナ。
「ですので、私は修道院に入り、マトフェイ様の罪が軽くなるように祈るのです」
穏やかな表情のクレメンチーナである。
「そうか……」
アルセニーはそれを聞いて少し考える。
(マトフェイ、お前のクレメンチーナへの想いはきちんと伝わっているぞ……)
アルセニーはほんのりと口角を上げるのであった。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
数日後、アルセニーはマトフェイが収容されている牢獄へ向かった。
「マトフェイ」
アルセニーは檻越しに呼び掛ける。
「兄上……」
マトフェイは牢獄の中でやつれていた。
「何の用です? 僕を嘲笑いにでも来たのですか? だとしたら悪趣味ですね」
力なく自嘲するマトフェイ。アクアマリンの目は弱々しく、光が灯っていない。
「生憎私はそこまで暇ではない」
アルセニーはバッサリとそう言った。
「ただ……お前にはきちんと罪を償って欲しい。お前の妻は、本当にお前のことを案じていたぞ」
アルセニーのマラカイトの目は、真っ直ぐマトフェイを見ている。
「クレーマが……」
ほんの少しマトフェイのアクアマリンの目が光を取り戻す。
「ああ。マトフェイ、お前の気持ちはきちんと彼女に伝わっていた」
アルセニーの声は少しだけ優しくなる。
「クレーマ……」
マトフェイのアクアマリンの目からはポロリと涙が零れる。
「僕は……兄上が羨ましかった……。長男に生まれて、何でも持っていて、クレーマの婚約者になれて……」
「ああ」
アルセニーはゆっくりと頷く。
「ただ……欲しかっただけだったんです……クレーマも、ユスポフ公爵家も……」
ポツリと本音を漏らすマトフェイ。
「そうか……。製糸場の事故を引き起こすようなことはせず、もっと早く言って欲しかったな」
アルセニーは苦笑する。
「兄上……本当に……申し訳……ございません」
涙ながらにようやく謝罪が出来たマトフェイ。
「マトフェイ、お前は終身刑だが、素行が良ければ仮釈放されたり、祝い事の際に恩赦が与えられる可能性がある。お前はマトフェイ・クジーミチだ。私はお前のことを信じることにする。だから、しっかり償え」
アルセニーは真っ直ぐマトフェイを見据える。マラカイトの目は力強かった。
「兄上……」
マトフェイのアクアマリンの目に輝きが戻る。それは今までで一番美しい目であった。
「僕は……自分の罪と向き合い、償います。タチアナ・ミローノヴナ様……兄上の奥様にも、きちんと謝罪をしたい」
「ああ。ターニャにも伝えておく」
「ありがとうございます……。兄上……兄上とは、また幼い頃のように、普通の、仲の良い兄弟に戻りたいです」
涙を零しながら、素直な気持ちが溢れ出すマトフェイ。
「ああ、いつまでも待っている」
アルセニーは優しく頷いた。それは兄としての表情であった。
遠回りをしたが、アルセニーとマトフェイは和解出来たのである。
♚ ♕ ♛ ♔ ♚ ♕ ♛ ♔
更に数日後、ユスポフ公爵家の帝都の屋敷にて。
「大分落ち着いて来ましたね」
タチアナはラウラが淹れた紅茶を飲みながらホッと一息ついていた。
「ああ、ここ最近色々あったからな」
アルセニーもフッと笑い、ジャムを舐めてから紅茶を飲む。
二人の間に穏やかな時間が流れる。
「ターニャ、愛しているよ」
アルセニーは不意にそう伝えたくなった。
マラカイトの目は真っ直ぐタチアナを見つめている。
タチアナはその言葉を聞き一瞬驚くが、すぐにヘーゼルの目を嬉しそうに細める。
「私も、愛しておりますわ、アルーシャ様」
どん底だった二人は、見事に幸せを掴んだ。
その道のりは決して平坦ではなかった。しかし、二人は勇気を出してその道を進んだのである。
こうして、今の穏やかな時間に繋がっているのであった。
134
お気に入りに追加
238
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
偽装没落貴族の令嬢は、密偵王太子に溺愛される
保志見祐花
恋愛
没落貴族の娘として男爵候補マークに仕えたサリア。
彼が彼女を婚約者候補に選んだのは、財産目当ての利用目的だけ。
「可愛げがない」「容姿しか取り柄がない」と侮辱される日々。
しかし彼は知らなかった。
彼女が王太子の婚約者であり、マーク男爵候補を調査するため忍び込んでいる間者だということを──。
婚約破棄を言い渡された夜会の場、私は微笑みながら真実を暴く。
そして、傍らに控える使用人──王太子レオポルド様が立ち上がる!
「これにより、マーク・ランデルスの爵位授与は取り消される」
婚約破棄の裏に隠された王家の真の狙いと、悪行を暴かれる男爵候補の末路。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉。節約令嬢、書籍化進行中
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜
本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」
王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。
偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。
……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。
それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。
いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。
チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。
……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。
3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!
シテくれない私の彼氏
KUMANOMORI(くまのもり)
恋愛
高校生の村瀬りかは、大学生の彼氏・岸井信(きしい まこと)と何もないことが気になっている。
触れたいし、恋人っぽいことをしてほしいけれど、シテくれないからだ。
りかは年下の高校生・若槻一馬(わかつき かずま)からのアプローチを受けていることを岸井に告げるけれど、反応が薄い。
若槻のアプローチで奪われてしまう前に、岸井と経験したいりかは、作戦を考える。
岸井にはいくつかの秘密があり、彼と経験とするにはいろいろ面倒な手順があるようで……。
岸井を手放すつもりのないりかは、やや強引な手を取るのだけれど……。
岸井がシテくれる日はくるのか?
一皮剝いだらモンスターの二人の、恋愛凸凹バトル。
【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる