43 / 174
楽しい事故物件生活
しおりを挟む
太郎氏は転勤することになった。現在の居住地から遠く離れているので、引っ越さなければならない。太郎氏は新居探しに、不動産屋を尋ねた。
「すみません。〇〇社付近で、一人暮らしをしたいのですが、どこかおすすめはありますか。出来るだけ安いとありがたいのですが。」
「はい、そういうことでしたら、こちらのお部屋はどうでしょう。1LDK、家賃5000円になります。」
「それは素晴らしい。しかし、あまりにも安すぎはしませんか。」
「ええ、実は訳ありでして。お風呂場で、奇妙な現象が頻繁に起こるのですよ。それで、このお値段に。」
「いわゆる事故物件というやつなのですね。確かに怖いですが、命に関わることはないでしょう。恐ろしくなったら出ればいい。そこで契約させてください。」
一週間後、引っ越しが完了。太郎氏の事故物件生活がスタートした。夜になる。そろそろお湯を入れよう。
蛇口を捻る。
グイッ
しかし、うまく回らない。。何かが絡まっているような感触。
もっと強く捻ってみる。
グイッ
今度はうまく回った。しかし、何も出て来ない。故障かな、と思っていると
ジュボボボボボボボボボボ
突然、大量の髪の毛が蛇口から出てきた。
お、髪の毛が出てきたぞ。そういえば、明日はハゲ太郎くんの誕生日だったな。
太郎氏はその髪の毛を集め、カツラを作った。
翌日、ハゲ太郎くんの誕生日会、例のカツラをプレゼント。
「どうぞ、カツラだよ。」
「ありがとう。すばらしい髪質だ。こんなのどこで買ったんだい。」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「よくわからないけど、ありがとう。大事にするね。」
次の日、お風呂に入ろう。再び蛇口を回した。
グイッ
今度はうまく回りった。
ジャーーーーーーーー
今度は、蛇口から大量の血液が流れてきた。
お、血液が出てきたぞ。そういえば明日は、ドラキュラのドラキュラ太郎君の誕生日だったな。
太郎氏はその血液をペットボトルいっぱいに集めた。
翌日、ドラキュラ太郎君の誕生日、例の血液をプレゼント。
「はい、血液だよ。」
「ありがとう、飲んでもいい?」
「どうぞ、どうぞ。」
ゴクゴクゴク
「美味しい、美味しいよ。これでしばらく人間を傷つけずに血を飲むことができる。ありがとう、ありがとう。ところで、どこでこんなのを集めたんだい?」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「へえ。素敵ね。」
事故物件在住の幽霊は面白くなかった。こいつ、全く怖がらないぞ。絶対に怖がらせてやる。今度は、血まみれの赤ん坊を浴槽に置いておくことにした。
ポン
太郎氏はその時テレビを見ていた。
オギャアオギャア
お風呂から赤ちゃんの泣き声がする。太郎氏は気付いた。なんだろう、なんだろう。太郎氏は不気味に思ったが、確かめないわけにはいかない。この鳴き声を聞いた隣人が、児童虐待かなにかで太郎氏を訴えかねないからだ。
恐る恐るお風呂に近づく。
オギャア、オギャア
音はどんどん大きくなる。
ドアを開ける。
ドアー(ドアの開く音
オギャアオギャア
やっぱりここから聞こえるぞ。
どうやら浴槽から聞こえるようだ。太郎氏は恐る恐る浴槽を覗いた。血まみれの赤ん坊がいる。
太郎氏はその赤ん坊を綺麗に洗ってあげた。
ジャージャージャー
なんて可愛いんだ。太郎氏はケチでしたが、実は石油王だったので、金銭的に余裕があった。
この子は私の手で育てるぞ。
太郎氏は決意した。それから太郎氏はその赤ん坊を大切に育てた。赤ん坊は逞しく成長、鬼ヶ島に鬼退治に出かけた。
完
「すみません。〇〇社付近で、一人暮らしをしたいのですが、どこかおすすめはありますか。出来るだけ安いとありがたいのですが。」
「はい、そういうことでしたら、こちらのお部屋はどうでしょう。1LDK、家賃5000円になります。」
「それは素晴らしい。しかし、あまりにも安すぎはしませんか。」
「ええ、実は訳ありでして。お風呂場で、奇妙な現象が頻繁に起こるのですよ。それで、このお値段に。」
「いわゆる事故物件というやつなのですね。確かに怖いですが、命に関わることはないでしょう。恐ろしくなったら出ればいい。そこで契約させてください。」
一週間後、引っ越しが完了。太郎氏の事故物件生活がスタートした。夜になる。そろそろお湯を入れよう。
蛇口を捻る。
グイッ
しかし、うまく回らない。。何かが絡まっているような感触。
もっと強く捻ってみる。
グイッ
今度はうまく回った。しかし、何も出て来ない。故障かな、と思っていると
ジュボボボボボボボボボボ
突然、大量の髪の毛が蛇口から出てきた。
お、髪の毛が出てきたぞ。そういえば、明日はハゲ太郎くんの誕生日だったな。
太郎氏はその髪の毛を集め、カツラを作った。
翌日、ハゲ太郎くんの誕生日会、例のカツラをプレゼント。
「どうぞ、カツラだよ。」
「ありがとう。すばらしい髪質だ。こんなのどこで買ったんだい。」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「よくわからないけど、ありがとう。大事にするね。」
次の日、お風呂に入ろう。再び蛇口を回した。
グイッ
今度はうまく回りった。
ジャーーーーーーーー
今度は、蛇口から大量の血液が流れてきた。
お、血液が出てきたぞ。そういえば明日は、ドラキュラのドラキュラ太郎君の誕生日だったな。
太郎氏はその血液をペットボトルいっぱいに集めた。
翌日、ドラキュラ太郎君の誕生日、例の血液をプレゼント。
「はい、血液だよ。」
「ありがとう、飲んでもいい?」
「どうぞ、どうぞ。」
ゴクゴクゴク
「美味しい、美味しいよ。これでしばらく人間を傷つけずに血を飲むことができる。ありがとう、ありがとう。ところで、どこでこんなのを集めたんだい?」
「風呂の蛇口から出てきた。」
「へえ。素敵ね。」
事故物件在住の幽霊は面白くなかった。こいつ、全く怖がらないぞ。絶対に怖がらせてやる。今度は、血まみれの赤ん坊を浴槽に置いておくことにした。
ポン
太郎氏はその時テレビを見ていた。
オギャアオギャア
お風呂から赤ちゃんの泣き声がする。太郎氏は気付いた。なんだろう、なんだろう。太郎氏は不気味に思ったが、確かめないわけにはいかない。この鳴き声を聞いた隣人が、児童虐待かなにかで太郎氏を訴えかねないからだ。
恐る恐るお風呂に近づく。
オギャア、オギャア
音はどんどん大きくなる。
ドアを開ける。
ドアー(ドアの開く音
オギャアオギャア
やっぱりここから聞こえるぞ。
どうやら浴槽から聞こえるようだ。太郎氏は恐る恐る浴槽を覗いた。血まみれの赤ん坊がいる。
太郎氏はその赤ん坊を綺麗に洗ってあげた。
ジャージャージャー
なんて可愛いんだ。太郎氏はケチでしたが、実は石油王だったので、金銭的に余裕があった。
この子は私の手で育てるぞ。
太郎氏は決意した。それから太郎氏はその赤ん坊を大切に育てた。赤ん坊は逞しく成長、鬼ヶ島に鬼退治に出かけた。
完
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる