魚と人間と巨人

 たくみくんは、お母さんと二人で暮らしていました。
 たくみくんは小学校一年生になったばかりで、元気いっぱいの子供でした。今は晩御飯の時間です。白米、味噌汁、焼き魚が今日のメニューでした。たくみくんは全部きれいに食べました。
「あらたくみ、よく食べたわね。きっとお魚も幸せよ。」
 たくみくんはお母さんに褒められて喜びました。

 そこに巨人の子供がお母さんに頼まれて人採りにやってきました。
 お、人間が二人いるぞ。お母さんは若い人間を生きたまま連れて来いと言っていたな。よし、あの男の子にしよう。
 巨人の子供は人間の家を壊してたくみくんを捕まえました。
「うわーん、うわーん、お母さん、助けて。」
 たくみくんは泣き叫びました。お母さんは必死にたくみくんを助けようとしました。巨人の子供を包丁で刺したり必死でした。巨人の子供は、手を包丁で刺されてイラっとしたので、お母さんを潰しました。
 グチャッ
 これでよし。巨人の子供はたくみくんをうちに連れ去りました。

 巨人の家に着きました。たくみくんは巨人のお母さんの手に渡りました。
「いいのを見つけてきたわね。」
 巨人のお母さんは巨人の子供を褒めました。

 巨人のお母さんはたくみくんをまな板に置きました。たくみくんは泣き叫びながら暴れていました。暴れられて邪魔だったので、巨人のお母さんは手足を切り落としました。
 トントントントン。
 尚もたくみくんは「お母さん、お母さん。」と泣き叫んでいました。その声もうるさかったので、巨人のお母さんは首を切り落としました。
 ストン。
 たくみくんは静かになりました。その後お腹を割いて腹わたを取り出し、塩をまぶして焼きました。
 おいしそうなご飯ができたぞ。

 晩御飯の時間。今日のメニューは白米、味噌汁、焼き人間でした。巨人の子供は全部きれいに食べました。
「あら、よく食べたわね。きっと人間も幸せよ。」
 巨人のお母さんはいいました。

 完
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