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第二巻 第三章 平安京遷都と桓武天皇の国づくり
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〇天智系と天武系の系図
N「神護景雲四(七七〇)年に称徳天皇が崩御すると、天武天皇の血統が絶えてしまったので、天智系の光仁天皇が即位、その息子山部親王(桓武天皇)が立太子された」
〇平城京・清涼殿の一室
病床の光仁天皇(七十三歳)を山部親王(四十五歳)が見舞っている。
N「天応元(七八一)年、病床の光仁天皇は山部親皇に譲位する」
光仁「……道鏡の事件を忘れてはいまいな」
山部「はい」
光仁「仏教は国を護る尊い教えかもしれぬ。だが僧侶はただの人間だ。僧侶を政権に近づけてはならぬ」
山部「……はい!」
N「桓武天皇の弟が東大寺より呼び戻され、早良親王として立太子された」
〇捕らえられる氷上川継
N「翌延暦元(七八二)年、もと皇族の氷上川継によるクーデター計画が発覚。大友家持ら関係者も処罰された」
〇平城京・大極殿
桓武天皇(四十六歳)、和気清麻呂(五十歳)、藤原種継(四十六歳)、早良親王(三十三歳)らが朝議している。
種継「氷上や大伴の背後には、東大寺などの僧侶どもが控えています。この奈良にいる限り、同じようなことが何度でも起こるでしょう」
深くうなずく桓武。
早良「私は反対です! 国家を鎮護するのが東大寺。この地より京を移してしまえば、必ずや大きな災いがあるでしょう!」
桓武「……親王よ、東大寺で育ったそちがそう考えるのも無理はない。だが、今や僧侶こそが国の災いなのだ」
歯がみして、種継をにらみつける早良。
〇長岡京・建設現場(夜)
種継(四十九歳)の指揮で、徹夜の工事が行われている。
N「桓武天皇は仏教勢力の強い平城京を捨て、延暦三(七八四)年に山城国の長岡京に遷都する。遷都後も長岡京の工事は続いていた」
そこに二本の矢が飛んできて種継を射抜き、倒れる種継。
守衛「曲者だ! 出会え!」
騒然とする工事現場。
N「延暦四(七八五)年、長岡京の造営工事を指揮していた種継が暗殺される」
〇乙訓寺・座敷牢
痩せ衰えた早良(三十六歳)と面会している桓武(五十歳)。
早良「……私は無実です」
桓武「そちが長岡京への遷都に反対しておったことは、誰もが存じておる。朕がそちを信じておったとしても……」
早良「しかし、信じてはおられないのでしょう?」
絶句する桓武。早良の視線に耐えかね、足早に去る。
N「首謀者と目された早良親王は、無実を訴えるため絶食して亡くなる。桓武政権により餓死させられたとする説もある」
〇元服する藤原緒嗣(十五歳)
N「延暦七(七八八)年、藤原緒嗣が十五歳で元服する。彼の父・藤原百川は、桓武天皇の立太子と即位に尽力した人物であった」
桓武「今、朕がここにあるのは、全てそちの父・百川のおかげであると言ってもよい」
緒嗣「(感激して)私などに父の代わりが務まるかわかりませぬが、微力を尽くさせていただきまする」
〇洪水に襲われる長岡京
N「しかし長岡京はたびたびの天災に襲われ、人々は早良親王の怨霊だと噂し合った」
〇戦場
蝦夷に大敗する朝廷の軍隊。
N「さらに延暦八(七八九)年には、紀古佐美率いる蝦夷討伐軍が大敗する」
〇長岡京・内裏
桓武(五十六歳)・清麻呂(六十歳)・緒嗣(二十歳)らが朝議している。
桓武「(弱々しく)……親王の申す通りであった。奈良の地を離れたことで、種継を失い、弟を失い、天災も相次ぎ、蝦夷にも敗れた……」
清麻呂「弱気になってはなりませぬ! 種継どのと親王殿下を亡くされたのは、そもそも東大寺の陰謀。洪水が相次ぐのは長岡の地勢ゆえ。蝦夷に敗れたのは、良き将を得なかったからに過ぎませぬ」
桓武「(救いを求めるように)緒嗣、どう思う」
緒嗣「(深く考えて)……清麻呂さまの申す通りです。怨霊の祟りなど、陛下のご威光の前に、何ほどのことがございましょう」
桓武の救いを求める視線を、がっちり受け止める緒嗣。
清麻呂「すでに水害のない、新たな遷都先について調べさせております。また、蝦夷征伐の将についても、心当たりがございます」
わずかに生気を取り戻す桓武。
〇平安京・建設現場
働く人夫たち。
N「延暦十二(七九三)年から平安京の造作ははじまり、延暦十三(七九四)年に完成を待たず、遷都がおこなわれた」
〇平安京・大極殿
追尊の儀式を執り行う桓武たち。
N「なおも早良親王の祟りを恐れる桓武は、たびたび鎮魂の儀式を執り行い、延暦十九(八〇〇)年には『崇道天皇』の号を追称している」
〇平安京・都大路
阿弖流為(中年)を連行する坂上田村麻呂(四十五歳)と、その後に続く凱旋軍。
N「延暦十六(七九七)年に征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂は、見事蝦夷を撃ち破り、延暦二十一(八〇二)年に蝦夷の首領・阿弖流為を京へ連行した」
〇平安京・大極殿
縛られた阿弖流為が引き据えられている。脇に田村麻呂。
それを見下ろす桓武(六十六歳)。
田村麻呂「陛下、お願いがございます」
桓武「申してみよ」
田村麻呂「この阿弖流為は、罪を許していただければ、蝦夷に対し、朝廷に臣従するよう、説いて回ると申しております。こたびの遠征が成功したのも、力攻めにせず、忍耐強く説いて回ったればこそでございます。何とぞ阿弖流為をお許しくださりますよう」
桓武「(少し考えて)朕の一存では決めかねる。朝議にかけて決定する」
N「しかし貴族たちの多くは阿弖流為の助命に反対、阿弖流為は処刑された」
〇平安京・内裏
桓武(六十九歳)・緒嗣(三十七歳)・菅野真道(六十五歳)らが朝議している。
緒嗣「天下万民は、軍事(蝦夷征伐)と造作(平安京造営)に苦しんでおります。この二つを取りやめることこそが、徳政と申せましょう」
深くうなずく桓武。
N「この『徳政争論』の翌年、桓武天皇は崩御する」
〇平城京
大通りを進む平城上皇(三十七歳)の輿の一行を、大歓迎する南都六宗の僧徒たち。
N「桓武天皇の跡を継いだ平城天皇は、わずか三年で弟の嵯峨天皇に譲位したが、嵯峨天皇と対立、大同四(八一〇)年十二月に藤原仲成・薬子ら側近を連れ、平城京に移ってしまう」
僧徒「奈良が京に返り咲く日が来たのだ!」
輿の中で平城に甘えかかる薬子(熟女)。隣の牛車には不安そうな仲成(四十七歳)。
仲成(M)「陛下は東大寺の坊主どもの甘言に、うまうまと乗せられてしまわれた……」
N「大同五(八一〇)年九月六日、平城上皇は平安京を廃し、平城京へ遷都する詔勅を出した」
〇平安京・内裏
嵯峨天皇(二十五歳)・藤原緒嗣(三十八歳)・坂上田村麻呂(五十三歳)らが朝議をしている。
嵯峨「(暗鬱な面持ちで)……兄上はいったい何を考えておいでか」
緒嗣「上皇陛下は、薬子めに騙されておいでなのではないでしょうか?」
嵯峨「仮にそうだとしても、遷都の詔勅となれば、もはや見過ごしてはおれぬ」
嵯峨「(田村麻呂に)兄上はそちを信頼しておる。どうか兄上を説得してはもらえないだろうか」
田村麻呂「……蝦夷討伐以上の難題でございますが、朝命とあらば、命がけで従いましょう」
N「しかし説得は失敗。上皇は挙兵するが、勝機がないことを悟って平安京に戻り、降伏した」
〇矢で射殺された仲成/薬をあおいで自殺した薬子
N「この『平城太上天皇の変(薬子の変)』で藤原式家の仲成・薬子が死亡したことで、藤原氏は緒嗣が当主を務める北家が本流となるのである」
N「神護景雲四(七七〇)年に称徳天皇が崩御すると、天武天皇の血統が絶えてしまったので、天智系の光仁天皇が即位、その息子山部親王(桓武天皇)が立太子された」
〇平城京・清涼殿の一室
病床の光仁天皇(七十三歳)を山部親王(四十五歳)が見舞っている。
N「天応元(七八一)年、病床の光仁天皇は山部親皇に譲位する」
光仁「……道鏡の事件を忘れてはいまいな」
山部「はい」
光仁「仏教は国を護る尊い教えかもしれぬ。だが僧侶はただの人間だ。僧侶を政権に近づけてはならぬ」
山部「……はい!」
N「桓武天皇の弟が東大寺より呼び戻され、早良親王として立太子された」
〇捕らえられる氷上川継
N「翌延暦元(七八二)年、もと皇族の氷上川継によるクーデター計画が発覚。大友家持ら関係者も処罰された」
〇平城京・大極殿
桓武天皇(四十六歳)、和気清麻呂(五十歳)、藤原種継(四十六歳)、早良親王(三十三歳)らが朝議している。
種継「氷上や大伴の背後には、東大寺などの僧侶どもが控えています。この奈良にいる限り、同じようなことが何度でも起こるでしょう」
深くうなずく桓武。
早良「私は反対です! 国家を鎮護するのが東大寺。この地より京を移してしまえば、必ずや大きな災いがあるでしょう!」
桓武「……親王よ、東大寺で育ったそちがそう考えるのも無理はない。だが、今や僧侶こそが国の災いなのだ」
歯がみして、種継をにらみつける早良。
〇長岡京・建設現場(夜)
種継(四十九歳)の指揮で、徹夜の工事が行われている。
N「桓武天皇は仏教勢力の強い平城京を捨て、延暦三(七八四)年に山城国の長岡京に遷都する。遷都後も長岡京の工事は続いていた」
そこに二本の矢が飛んできて種継を射抜き、倒れる種継。
守衛「曲者だ! 出会え!」
騒然とする工事現場。
N「延暦四(七八五)年、長岡京の造営工事を指揮していた種継が暗殺される」
〇乙訓寺・座敷牢
痩せ衰えた早良(三十六歳)と面会している桓武(五十歳)。
早良「……私は無実です」
桓武「そちが長岡京への遷都に反対しておったことは、誰もが存じておる。朕がそちを信じておったとしても……」
早良「しかし、信じてはおられないのでしょう?」
絶句する桓武。早良の視線に耐えかね、足早に去る。
N「首謀者と目された早良親王は、無実を訴えるため絶食して亡くなる。桓武政権により餓死させられたとする説もある」
〇元服する藤原緒嗣(十五歳)
N「延暦七(七八八)年、藤原緒嗣が十五歳で元服する。彼の父・藤原百川は、桓武天皇の立太子と即位に尽力した人物であった」
桓武「今、朕がここにあるのは、全てそちの父・百川のおかげであると言ってもよい」
緒嗣「(感激して)私などに父の代わりが務まるかわかりませぬが、微力を尽くさせていただきまする」
〇洪水に襲われる長岡京
N「しかし長岡京はたびたびの天災に襲われ、人々は早良親王の怨霊だと噂し合った」
〇戦場
蝦夷に大敗する朝廷の軍隊。
N「さらに延暦八(七八九)年には、紀古佐美率いる蝦夷討伐軍が大敗する」
〇長岡京・内裏
桓武(五十六歳)・清麻呂(六十歳)・緒嗣(二十歳)らが朝議している。
桓武「(弱々しく)……親王の申す通りであった。奈良の地を離れたことで、種継を失い、弟を失い、天災も相次ぎ、蝦夷にも敗れた……」
清麻呂「弱気になってはなりませぬ! 種継どのと親王殿下を亡くされたのは、そもそも東大寺の陰謀。洪水が相次ぐのは長岡の地勢ゆえ。蝦夷に敗れたのは、良き将を得なかったからに過ぎませぬ」
桓武「(救いを求めるように)緒嗣、どう思う」
緒嗣「(深く考えて)……清麻呂さまの申す通りです。怨霊の祟りなど、陛下のご威光の前に、何ほどのことがございましょう」
桓武の救いを求める視線を、がっちり受け止める緒嗣。
清麻呂「すでに水害のない、新たな遷都先について調べさせております。また、蝦夷征伐の将についても、心当たりがございます」
わずかに生気を取り戻す桓武。
〇平安京・建設現場
働く人夫たち。
N「延暦十二(七九三)年から平安京の造作ははじまり、延暦十三(七九四)年に完成を待たず、遷都がおこなわれた」
〇平安京・大極殿
追尊の儀式を執り行う桓武たち。
N「なおも早良親王の祟りを恐れる桓武は、たびたび鎮魂の儀式を執り行い、延暦十九(八〇〇)年には『崇道天皇』の号を追称している」
〇平安京・都大路
阿弖流為(中年)を連行する坂上田村麻呂(四十五歳)と、その後に続く凱旋軍。
N「延暦十六(七九七)年に征夷大将軍に任命された坂上田村麻呂は、見事蝦夷を撃ち破り、延暦二十一(八〇二)年に蝦夷の首領・阿弖流為を京へ連行した」
〇平安京・大極殿
縛られた阿弖流為が引き据えられている。脇に田村麻呂。
それを見下ろす桓武(六十六歳)。
田村麻呂「陛下、お願いがございます」
桓武「申してみよ」
田村麻呂「この阿弖流為は、罪を許していただければ、蝦夷に対し、朝廷に臣従するよう、説いて回ると申しております。こたびの遠征が成功したのも、力攻めにせず、忍耐強く説いて回ったればこそでございます。何とぞ阿弖流為をお許しくださりますよう」
桓武「(少し考えて)朕の一存では決めかねる。朝議にかけて決定する」
N「しかし貴族たちの多くは阿弖流為の助命に反対、阿弖流為は処刑された」
〇平安京・内裏
桓武(六十九歳)・緒嗣(三十七歳)・菅野真道(六十五歳)らが朝議している。
緒嗣「天下万民は、軍事(蝦夷征伐)と造作(平安京造営)に苦しんでおります。この二つを取りやめることこそが、徳政と申せましょう」
深くうなずく桓武。
N「この『徳政争論』の翌年、桓武天皇は崩御する」
〇平城京
大通りを進む平城上皇(三十七歳)の輿の一行を、大歓迎する南都六宗の僧徒たち。
N「桓武天皇の跡を継いだ平城天皇は、わずか三年で弟の嵯峨天皇に譲位したが、嵯峨天皇と対立、大同四(八一〇)年十二月に藤原仲成・薬子ら側近を連れ、平城京に移ってしまう」
僧徒「奈良が京に返り咲く日が来たのだ!」
輿の中で平城に甘えかかる薬子(熟女)。隣の牛車には不安そうな仲成(四十七歳)。
仲成(M)「陛下は東大寺の坊主どもの甘言に、うまうまと乗せられてしまわれた……」
N「大同五(八一〇)年九月六日、平城上皇は平安京を廃し、平城京へ遷都する詔勅を出した」
〇平安京・内裏
嵯峨天皇(二十五歳)・藤原緒嗣(三十八歳)・坂上田村麻呂(五十三歳)らが朝議をしている。
嵯峨「(暗鬱な面持ちで)……兄上はいったい何を考えておいでか」
緒嗣「上皇陛下は、薬子めに騙されておいでなのではないでしょうか?」
嵯峨「仮にそうだとしても、遷都の詔勅となれば、もはや見過ごしてはおれぬ」
嵯峨「(田村麻呂に)兄上はそちを信頼しておる。どうか兄上を説得してはもらえないだろうか」
田村麻呂「……蝦夷討伐以上の難題でございますが、朝命とあらば、命がけで従いましょう」
N「しかし説得は失敗。上皇は挙兵するが、勝機がないことを悟って平安京に戻り、降伏した」
〇矢で射殺された仲成/薬をあおいで自殺した薬子
N「この『平城太上天皇の変(薬子の変)』で藤原式家の仲成・薬子が死亡したことで、藤原氏は緒嗣が当主を務める北家が本流となるのである」
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