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2、負かしたい!
しおりを挟む「ありがとう」
ぷい
驚かされた挙句、仕返しも失敗し悔しくて私はそっぽを向いて頬をふくらませた。
しかし相手は私の悪意に気を悪くする様子もなく、
「どういたしまして」と微笑んでみせた。
(同じくらいの歳のくせに大人びているわね、私のぷい攻撃もきかないとは、、、手強いわ)
とりあえず何とか彼を負けさせたい!!
「貴方ー」
「あ、ちょっと待って」
彼は私の話を遮ると自分のポケットを探って私に、はい、と何かを手に乗せてきた。
「なにこれ?」
「飴だよ、君、大声を出したからか声が擦れてて」
近所の子にあげようと思ってたけど、君にあげる。
そういうとまた微笑んだ。
(眩しいわね、、、。っじゃなくて、負かすのよ彼をどうしようかしら)
そうだ!
「ねぇ、あそこの木までかけっこしましょ!勝った人には、そうねぇ、、、何でも言う事を聞く券をあげるわ!」
「急にどうしたの?、いや、いいけど。
、、、それより君その格好で走る気?」
「何よそんな格好って!変だとでも言いたいの?」
「いやそうじゃなくて、、、ドレスが」
「それじゃあ、いくわよ!よーいドン」
「ちょ、」
(ふふ!これは勝ったわ!私の方が先に走ったもの)
「よし、あともうちょっと!」
ツルッ
「ぎゃぁぁ」
「ほら、言わんこっちゃない」
ドレスの裾に足を取られて私は転んでしまった。
彼はやれやれといった素振りを見せたけど、私を起こしてくれた。
「それで?君の勝ちだけど、僕は何をしたらいいの?」
彼は、木の近くで転んだからと私の勝ちにしてくれた。
しかし、勝ちを譲って貰ったなどとは到底思わなかった私はフフン!と鼻を擦り自慢げに笑って見せた。
「私が勝つことはわかっていたわ!
そして私が望むことは1つ!、、、さいよ」
「ん?なんて?」
「私の友達になりなさいって言っているの!!」
「え、そんなのでいいの?」
「そんなのって何よ!私は友達が欲しかったの!
不本意だけど今日は楽しかったわ」
「それは良かった」
そう言って貴方はまた眩しい笑顔を私に向けた。
「じゃあそろそろ帰るわね」
そう言って帰ろうとすると
「僕は、あそこの木の下でいつも本を読んできるから、気が向いた時にでもおいでよ、待ってるからさ」
と言ってくれた。
「分かったわ!しょうがないからまた来てあげる!」
待ってると言ってくれて嬉しかったけど。嬉しいというのはなんだか照れくさかったので、そう言ってその日は貴方とバイバイした。
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