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花屋のうさぎの困惑8
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リオネル様の女性的な顔に似合わない筋肉質で美しい裸体に、僕は一瞬見惚れてしまう。この方はどうして、こんなに美しいのだろう。
「レイラ、湯船に入っていないのか?」
かけ湯をしただけの僕の体には、まだまだ汚れがこびりついている。お湯に入りたい気持ちは、やまやまなのだけれど……
「汚れた体では、入れないと思ったので」
「そうか……そうだな」
リオネル様はこちらに近づき、浴槽の側に置いてある瓶を手に取り中身を手に出した。それはどうやら、液体状の石鹸のようだった。
「レイラが気になるのなら、洗ってから入ろう」
彼は手のひらで石鹸を泡立てながら言う。そして僕の背中に触れた。
――待ってください、リオネル様が洗うんですか?
「あの、自分で洗います!」
「大人しくしてくれないか」
きっぱりと言われて、思わず椅子の上で縮こまる。肌に長い指が触れる感触に、僕はびくりと身を震わせた。
「……怖いか?」
訊ねられ、ちらりとリオネル様に視線を向ける。すると彼は悲しそうに眉尻を下げていた。
この質問は――自分が『アルファ』だからということだろうか。
アルファは怖い、それは断言できる。
――だけど。
「アルファは怖いですけど……リオネル様は怖くないです」
僕はリオネル様の黄緑色の瞳を、しっかりと見つめてそう言った。
リオネル様はいつも優しい。そして発情した僕に、無体なことをしなかった。
正直な気持ちをリオネル様に告げる。すると後ろから、優しい力で抱きしめられた。
「リオネル様!?」
どうして抱きしめるんですか! いつものうさぎフェチが、こんな時に発動ですか!?
「……レイラに怖がられないのは、嬉しいな」
低くてよく通る声が耳の近くをくすぐる。リオネル様の肌と僕の首輪が擦れて、カチャリと小さく音を立てた。触れ合う素肌同士の感触は、なんだかとても生々しい。
与えられる感覚のすべてに胸の奥の『なにか』がかき立てられ、僕は正体のわからない焦燥に駆られた。
「安心しろ、レイラ。なにもしないから」
リオネル様は優しく囁く。だけど、だけど……
――安心なんかできません!
だってリオネル様のご立派なリオネル様が、僕の背中に当たっているんです!
もうフェロモンは出てないはずなのに、どうして……
リオネス様のうさぎフェチには、性的な意味合いまで入っているのだろうか。
「リオネル様、その」
「なんだ。レイラ」
「……リオネル様のあれが、当たって」
そう指摘するとリオネル様はハッとして自分のそこを見る。そして無言で水風呂の方へ行くと、熱杭にバシャバシャと水をかけた。もしかして気づいてなかったのかな……
……垣間見えたリオネル様のリオネル様は、ちょっと怖いくらいにご立派だった。
発情していたとはいえ、あれを挿れて欲しいとねだっただなんて……
挿れられていたら、壊れてしまったんじゃないだろうか。だけどそれを想像すると――甘美な疼きが体に走り、僕は困惑した。
「――ッ!」
その時僕は、気づいてしまった。自分のものが……ゆるく勃ち上がっていることに。
あれだけ散々出したのに。僕は一体、どうしてしまったんだろう。
「レイラ、すまない。さ、体を洗おうか」
「ぁあああ、あの、自分で! 自分で洗います! 自分で!!」
屈み込んで前を隠す僕に、リオネル様は怪訝そうな顔をし首を傾げた。
「レイラ、もしかして……」
「わーっ!」
長い耳を畳むように塞いで聞こえないフリをする……と、手で押さえつけていた僕のアレがぴょこんと上を向いた。リオネル様はそれを凝視している。
……恥ずかしい、もう嫌だ。死んでしまいたい。
「ごめんなさい、リオネル様……」
滲む涙を手で拭う僕に、リオネル様がどんどん近づいて来る。
「レイラ。私に処理をさせてくれ」
そして彼は、真剣な顔でとんでもないことを言った。
「嫌です、恥ずかしいです」
ふるふると僕は何度も頭を振る。だけどリオネル様の大きな手が、優しく性器を包んだとたんに……理性は蕩けて消えてしまった。
「レイラ、湯船に入っていないのか?」
かけ湯をしただけの僕の体には、まだまだ汚れがこびりついている。お湯に入りたい気持ちは、やまやまなのだけれど……
「汚れた体では、入れないと思ったので」
「そうか……そうだな」
リオネル様はこちらに近づき、浴槽の側に置いてある瓶を手に取り中身を手に出した。それはどうやら、液体状の石鹸のようだった。
「レイラが気になるのなら、洗ってから入ろう」
彼は手のひらで石鹸を泡立てながら言う。そして僕の背中に触れた。
――待ってください、リオネル様が洗うんですか?
「あの、自分で洗います!」
「大人しくしてくれないか」
きっぱりと言われて、思わず椅子の上で縮こまる。肌に長い指が触れる感触に、僕はびくりと身を震わせた。
「……怖いか?」
訊ねられ、ちらりとリオネル様に視線を向ける。すると彼は悲しそうに眉尻を下げていた。
この質問は――自分が『アルファ』だからということだろうか。
アルファは怖い、それは断言できる。
――だけど。
「アルファは怖いですけど……リオネル様は怖くないです」
僕はリオネル様の黄緑色の瞳を、しっかりと見つめてそう言った。
リオネル様はいつも優しい。そして発情した僕に、無体なことをしなかった。
正直な気持ちをリオネル様に告げる。すると後ろから、優しい力で抱きしめられた。
「リオネル様!?」
どうして抱きしめるんですか! いつものうさぎフェチが、こんな時に発動ですか!?
「……レイラに怖がられないのは、嬉しいな」
低くてよく通る声が耳の近くをくすぐる。リオネル様の肌と僕の首輪が擦れて、カチャリと小さく音を立てた。触れ合う素肌同士の感触は、なんだかとても生々しい。
与えられる感覚のすべてに胸の奥の『なにか』がかき立てられ、僕は正体のわからない焦燥に駆られた。
「安心しろ、レイラ。なにもしないから」
リオネル様は優しく囁く。だけど、だけど……
――安心なんかできません!
だってリオネル様のご立派なリオネル様が、僕の背中に当たっているんです!
もうフェロモンは出てないはずなのに、どうして……
リオネス様のうさぎフェチには、性的な意味合いまで入っているのだろうか。
「リオネル様、その」
「なんだ。レイラ」
「……リオネル様のあれが、当たって」
そう指摘するとリオネル様はハッとして自分のそこを見る。そして無言で水風呂の方へ行くと、熱杭にバシャバシャと水をかけた。もしかして気づいてなかったのかな……
……垣間見えたリオネル様のリオネル様は、ちょっと怖いくらいにご立派だった。
発情していたとはいえ、あれを挿れて欲しいとねだっただなんて……
挿れられていたら、壊れてしまったんじゃないだろうか。だけどそれを想像すると――甘美な疼きが体に走り、僕は困惑した。
「――ッ!」
その時僕は、気づいてしまった。自分のものが……ゆるく勃ち上がっていることに。
あれだけ散々出したのに。僕は一体、どうしてしまったんだろう。
「レイラ、すまない。さ、体を洗おうか」
「ぁあああ、あの、自分で! 自分で洗います! 自分で!!」
屈み込んで前を隠す僕に、リオネル様は怪訝そうな顔をし首を傾げた。
「レイラ、もしかして……」
「わーっ!」
長い耳を畳むように塞いで聞こえないフリをする……と、手で押さえつけていた僕のアレがぴょこんと上を向いた。リオネル様はそれを凝視している。
……恥ずかしい、もう嫌だ。死んでしまいたい。
「ごめんなさい、リオネル様……」
滲む涙を手で拭う僕に、リオネル様がどんどん近づいて来る。
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「嫌です、恥ずかしいです」
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