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天使は執事見習いに試練を与える
天使は執事見習いに試練を与える・1
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また新しい世界線でございます。
ショタ×ロリ注意の幼い頃からイチャイチャしている二人です。
-------------------------------------------------------------
「マクシミリアン、大好きよ」
ふわふわと微笑みながら、お嬢様が抱きついてくる。
そんな五歳年下のわずか七歳の少女に私は胸の疼きを覚えてしまう。
月を溶かしたような銀糸の髪、雪のように白い肌、妖精のような美しいかんばせ。
こちらを見つめる湖面の色の瞳は大きく、猫のように少しだけつり上がっていて愛らしい。
お嬢様は見た目だけでなくその内面も清廉潔白で。とても優しい心根をしておられる。
私が屋敷に来る少し前までお嬢様はわがままだったとメイドのジョアンナが教えてくれたが、そんなことは俄かに信じられない。
……あのメイドは性悪だから、嘘をついているのかもしれないな。
私が仕えるお嬢様、ビアンカ・シュラット侯爵家令嬢は言葉で言い尽くせないくらいに素敵な存在だ。
彼女の将来の執事としてシュラット侯爵家に雇われたことは、本当に僥倖だと私は神に感謝している。
……私は、お嬢様が好きだ。
「……私も大好きです。お嬢様を女性として愛しています」
そんな我ながら早熟な私の告白にお嬢様は目を丸くし、次に顔を赤らめ微笑んだ。
「本当に? じゃあ将来、お嫁さんにしてくれる?」
彼女の言葉に、今度は私が顔を赤らめる番だった。
「……いいのですか。将来、妻になってくれますか?」
「なる、なるわ! だってマクシミリアンはわたくしの推し……じゃなくて、前世から大好きな人なのだもの!」
前世から好き、だなんて熱烈な告白に思わず涙が出そうになる。
まだ七歳なのにお嬢様の語彙力はすごい。
「お嬢様、キスをしても?」
「えっ……。え、ええええええ!?」
さすがに急き過ぎただろうか。お嬢様が叫び後ずさるのを見ながら少し後悔する。
彼女は顔を真っ赤にして考え込むような仕草をした後に、こちらへちょこちょこと歩み寄ってきた。
「マ……マクシミリアンなら、いいわ」
そう言って彼女は目を瞑る。長い睫毛が伏せられ、白い肌に形のよい影を落とした。
その妖精のような面差しに見入り続けそうになったけれど、私は頭を振りお嬢様の頬に手を添えた。
顔を近づけ、ゆっくりと唇を重ねる。お嬢様の唇は驚くほどに柔らかい。
唇にふっとお嬢様の息が触れて、ああ、お嬢様と唇を重ねているのだと私は感激してしまった。
「はふ……」
触れ合わせるだけの長い口づけの後に唇を離すとお嬢様が安心したような吐息を漏らす。
そしてへにゃり、と顔をゆるませ両手で頬を押さえながら微笑んだ。
「……マクシミリアンと、キスしちゃった……!」
――お嬢様っ……!!!
その可愛らしさに私は思わず心臓を押さえて蹲る。
可愛い、お嬢様は本当に可愛い。もっとキスをしたくなるが私はぐっと衝動を堪える。
お嬢様はまだ幼いのだ。両想いだからといって欲望のまま好き勝手にしていたら、きっと嫌われてしまう。
そう……私は紳士であらねば。
――そう、思ったのに。
「マクシミリアン、一緒に寝ましょう? 父様にもちゃんと許可を取ったのよ!」
その夜。お嬢様がふんす! と枕を抱えて得意げに私に言った。
えっと……お嬢様は私の理性を試したいのだろうか。
こんなことは言いたくないが、私はもう精通もきており四年後には成人を迎える一人の雄である。
それを寝台に招くなど……!
旦那様も許可をするなよ! お嬢様に本当に盲目的に甘いな!
「お願い! 広い寝台で一人で寝るのは、寂しいと思っていたの」
キラキラとした無邪気な顔でそう言われてしまうと……私が断れるはずがないのだ。
自分の部屋に一旦戻り寝間着に着替え部屋の外に出ると、メイドのジョアンナと鉢合わせた。
水色の髪をした美しい顔のこのメイドと私は、どうにもそりが合わない。……周囲からはなぜか仲がいいと思われているが。
「あれ。マックスどうしたの? まだ寝るには少し早いでしょ?」
寝間着姿の私を見てジョアンナが首を傾げた。
そう、普段なら私が寝る時間はもう少し後なのだ。
「……お嬢様に、一緒に寝ようと言われた」
「やっだ、ちょっと、そうなの!? 大丈夫? 理性」
「……それは俺が知りたい」
『俺』なんて実家の男爵家にいた頃の一人称が出てしまい、私は内心反省する。
お嬢様に相応しい執事になるために、そんな言葉遣いをしていてはならないのだ。
だけどそれくらい動揺してるんだよな……。
深いため息をつくとジョアンナに憐憫がこもった目で見られた。
……なんだかすげー腹が立つな。
「まー頑張んな! 青少年!」
そう言いながらバシバシと私の背中を叩くジョアンナに頭突きをすると、彼女は痛そうに蹲った。
それを尻目に私はお嬢様の部屋へと向かった。
「失礼します」
ドアをノックして入室する。しかし、お嬢様からの返事はない。
寝台にこっそり近づくとお嬢様はもうすでに安らかな寝息を立てていた。
お嬢様の寝顔は、とても可愛い。
……これじゃ、夜這いみたいだな。
そんなことを思いながら寝台に私も滑り込む。
(目を瞑って、横には誰もいないと思おう……)
早鐘を打つ心臓を落ち着かせようと深呼吸する。私は一人、一人で寝ているんだ。
その時、隣のお嬢様が動く気配がして。
私は彼女に、背中からぎゅっと抱きつかれてしまったのだった。
「ぷすーぷすー」
お嬢様からは少しお鼻が詰まったような寝息が聞こえる。
……一体これは、なんの試練なのだろうか。
ショタ×ロリ注意の幼い頃からイチャイチャしている二人です。
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「マクシミリアン、大好きよ」
ふわふわと微笑みながら、お嬢様が抱きついてくる。
そんな五歳年下のわずか七歳の少女に私は胸の疼きを覚えてしまう。
月を溶かしたような銀糸の髪、雪のように白い肌、妖精のような美しいかんばせ。
こちらを見つめる湖面の色の瞳は大きく、猫のように少しだけつり上がっていて愛らしい。
お嬢様は見た目だけでなくその内面も清廉潔白で。とても優しい心根をしておられる。
私が屋敷に来る少し前までお嬢様はわがままだったとメイドのジョアンナが教えてくれたが、そんなことは俄かに信じられない。
……あのメイドは性悪だから、嘘をついているのかもしれないな。
私が仕えるお嬢様、ビアンカ・シュラット侯爵家令嬢は言葉で言い尽くせないくらいに素敵な存在だ。
彼女の将来の執事としてシュラット侯爵家に雇われたことは、本当に僥倖だと私は神に感謝している。
……私は、お嬢様が好きだ。
「……私も大好きです。お嬢様を女性として愛しています」
そんな我ながら早熟な私の告白にお嬢様は目を丸くし、次に顔を赤らめ微笑んだ。
「本当に? じゃあ将来、お嫁さんにしてくれる?」
彼女の言葉に、今度は私が顔を赤らめる番だった。
「……いいのですか。将来、妻になってくれますか?」
「なる、なるわ! だってマクシミリアンはわたくしの推し……じゃなくて、前世から大好きな人なのだもの!」
前世から好き、だなんて熱烈な告白に思わず涙が出そうになる。
まだ七歳なのにお嬢様の語彙力はすごい。
「お嬢様、キスをしても?」
「えっ……。え、ええええええ!?」
さすがに急き過ぎただろうか。お嬢様が叫び後ずさるのを見ながら少し後悔する。
彼女は顔を真っ赤にして考え込むような仕草をした後に、こちらへちょこちょこと歩み寄ってきた。
「マ……マクシミリアンなら、いいわ」
そう言って彼女は目を瞑る。長い睫毛が伏せられ、白い肌に形のよい影を落とした。
その妖精のような面差しに見入り続けそうになったけれど、私は頭を振りお嬢様の頬に手を添えた。
顔を近づけ、ゆっくりと唇を重ねる。お嬢様の唇は驚くほどに柔らかい。
唇にふっとお嬢様の息が触れて、ああ、お嬢様と唇を重ねているのだと私は感激してしまった。
「はふ……」
触れ合わせるだけの長い口づけの後に唇を離すとお嬢様が安心したような吐息を漏らす。
そしてへにゃり、と顔をゆるませ両手で頬を押さえながら微笑んだ。
「……マクシミリアンと、キスしちゃった……!」
――お嬢様っ……!!!
その可愛らしさに私は思わず心臓を押さえて蹲る。
可愛い、お嬢様は本当に可愛い。もっとキスをしたくなるが私はぐっと衝動を堪える。
お嬢様はまだ幼いのだ。両想いだからといって欲望のまま好き勝手にしていたら、きっと嫌われてしまう。
そう……私は紳士であらねば。
――そう、思ったのに。
「マクシミリアン、一緒に寝ましょう? 父様にもちゃんと許可を取ったのよ!」
その夜。お嬢様がふんす! と枕を抱えて得意げに私に言った。
えっと……お嬢様は私の理性を試したいのだろうか。
こんなことは言いたくないが、私はもう精通もきており四年後には成人を迎える一人の雄である。
それを寝台に招くなど……!
旦那様も許可をするなよ! お嬢様に本当に盲目的に甘いな!
「お願い! 広い寝台で一人で寝るのは、寂しいと思っていたの」
キラキラとした無邪気な顔でそう言われてしまうと……私が断れるはずがないのだ。
自分の部屋に一旦戻り寝間着に着替え部屋の外に出ると、メイドのジョアンナと鉢合わせた。
水色の髪をした美しい顔のこのメイドと私は、どうにもそりが合わない。……周囲からはなぜか仲がいいと思われているが。
「あれ。マックスどうしたの? まだ寝るには少し早いでしょ?」
寝間着姿の私を見てジョアンナが首を傾げた。
そう、普段なら私が寝る時間はもう少し後なのだ。
「……お嬢様に、一緒に寝ようと言われた」
「やっだ、ちょっと、そうなの!? 大丈夫? 理性」
「……それは俺が知りたい」
『俺』なんて実家の男爵家にいた頃の一人称が出てしまい、私は内心反省する。
お嬢様に相応しい執事になるために、そんな言葉遣いをしていてはならないのだ。
だけどそれくらい動揺してるんだよな……。
深いため息をつくとジョアンナに憐憫がこもった目で見られた。
……なんだかすげー腹が立つな。
「まー頑張んな! 青少年!」
そう言いながらバシバシと私の背中を叩くジョアンナに頭突きをすると、彼女は痛そうに蹲った。
それを尻目に私はお嬢様の部屋へと向かった。
「失礼します」
ドアをノックして入室する。しかし、お嬢様からの返事はない。
寝台にこっそり近づくとお嬢様はもうすでに安らかな寝息を立てていた。
お嬢様の寝顔は、とても可愛い。
……これじゃ、夜這いみたいだな。
そんなことを思いながら寝台に私も滑り込む。
(目を瞑って、横には誰もいないと思おう……)
早鐘を打つ心臓を落ち着かせようと深呼吸する。私は一人、一人で寝ているんだ。
その時、隣のお嬢様が動く気配がして。
私は彼女に、背中からぎゅっと抱きつかれてしまったのだった。
「ぷすーぷすー」
お嬢様からは少しお鼻が詰まったような寝息が聞こえる。
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