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公爵騎士様と一夜を過ごしてしまいました?2
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「ニカナ、どうした?」
私はしばしの間、スヴァンテ様に見惚れていたらしい。彼に声をかけられ、はっと我に返る。
「へへ。いつもと雰囲気が違うスヴァンテ様に、ちょっとだけ見惚れてしまいました」
照れ笑いをしながら本音を言えば、スヴァンテ様の目が驚いたように瞠られた。
「私に……見惚れて?」
「いや、その。変なことを言いましたね! 次は私が沐浴してきますね!」
スヴァンテ様は令嬢たちに黄色い声を上げられることに、よい印象を持っていないらしい。それを知っているのに変なことを口走っちゃったなぁと思いながら寝台から立ち上がり、寝間着を手にしてスヴァンテ様の横を通り抜けようとする。するとなぜか、腕を掴まれ引き止められてしまった。
「私に見惚れたというのは、本当か?」
そして、綺麗な黒い瞳でじっと見つめられた。その瞳の奥には、私が向けられたことのない種類の熱がこもっているように思える。
「は、はい。本当ですよ?」
その熱に戸惑いつつも、私はこくりと頷きながら言った。するとスヴァンテ様の頬が赤くなり、口元がわずかに緩む。
「君は私の顔には、興味がないものだと思っていた」
「あ……。こういうことを言われるの、嫌ですよね」
気まずいなぁ。なんで見惚れたなんて言ってしまったのだろう。
「いや、不快ではない。……君に興味を持ってもらえて、嬉しいんだ」
スヴァンテ様はそう言うと、嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。その笑みを見て、心臓が大きく飛び跳ねた。
「……!」
こ、これはどういうことなの。友達だから? 友達だから、興味を持ってもらえて嬉しいのかな?
「友達に興味を持ってもらえると、嬉しいですもんね!」
「……む」
慌てふためきながら私が言えば、スヴァンテ様の眉尻は下がる。どうやら、私の回答は不正解だったみたいだ。
「すまない。沐浴に行くんだったな」
スヴァンテ様はそう言うと、手を離してくれる。
「じゃ、じゃ。じゃあ、行ってきますね! スヴァンテ様は先に寝ていて大丈夫ですので!」
私はどもりながら言葉を発し、今度こそ沐浴をするために部屋を飛び出した。
「はぁ。びっくりした」
笑顔がまぶしかった。とても、素敵だった。
「……あんな笑顔を向けられたら、友達だと思えなくなっちゃいそう」
ぽつりとつぶやいて、自分の発言に私は驚く。友達と思えなくなったら、その先は……。
──恋しか、ないじゃない。
そう気づいた瞬間、顔が強い熱を持つ。
ダメだ。ダメだ。せっかくスヴァンテ様が私のことを友達だと思ってくださっているのに、それは絶対にダメだ。
だってそんなの友達に対する裏切りだもの。こんなことを考えてしまうなんて本当に『淫婦』じゃない。
服を脱いで床に落とし、桶に入ると濡らした布でごしごしと体を擦る。意識してしまった方が隣室にいる状態で、全裸になって身を清めている。その状況を意識すまいとひたすら無心で体を擦っていると、肌が少し赤くなってしまった。
私はしばしの間、スヴァンテ様に見惚れていたらしい。彼に声をかけられ、はっと我に返る。
「へへ。いつもと雰囲気が違うスヴァンテ様に、ちょっとだけ見惚れてしまいました」
照れ笑いをしながら本音を言えば、スヴァンテ様の目が驚いたように瞠られた。
「私に……見惚れて?」
「いや、その。変なことを言いましたね! 次は私が沐浴してきますね!」
スヴァンテ様は令嬢たちに黄色い声を上げられることに、よい印象を持っていないらしい。それを知っているのに変なことを口走っちゃったなぁと思いながら寝台から立ち上がり、寝間着を手にしてスヴァンテ様の横を通り抜けようとする。するとなぜか、腕を掴まれ引き止められてしまった。
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そして、綺麗な黒い瞳でじっと見つめられた。その瞳の奥には、私が向けられたことのない種類の熱がこもっているように思える。
「は、はい。本当ですよ?」
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気まずいなぁ。なんで見惚れたなんて言ってしまったのだろう。
「いや、不快ではない。……君に興味を持ってもらえて、嬉しいんだ」
スヴァンテ様はそう言うと、嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。その笑みを見て、心臓が大きく飛び跳ねた。
「……!」
こ、これはどういうことなの。友達だから? 友達だから、興味を持ってもらえて嬉しいのかな?
「友達に興味を持ってもらえると、嬉しいですもんね!」
「……む」
慌てふためきながら私が言えば、スヴァンテ様の眉尻は下がる。どうやら、私の回答は不正解だったみたいだ。
「すまない。沐浴に行くんだったな」
スヴァンテ様はそう言うと、手を離してくれる。
「じゃ、じゃ。じゃあ、行ってきますね! スヴァンテ様は先に寝ていて大丈夫ですので!」
私はどもりながら言葉を発し、今度こそ沐浴をするために部屋を飛び出した。
「はぁ。びっくりした」
笑顔がまぶしかった。とても、素敵だった。
「……あんな笑顔を向けられたら、友達だと思えなくなっちゃいそう」
ぽつりとつぶやいて、自分の発言に私は驚く。友達と思えなくなったら、その先は……。
──恋しか、ないじゃない。
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ダメだ。ダメだ。せっかくスヴァンテ様が私のことを友達だと思ってくださっているのに、それは絶対にダメだ。
だってそんなの友達に対する裏切りだもの。こんなことを考えてしまうなんて本当に『淫婦』じゃない。
服を脱いで床に落とし、桶に入ると濡らした布でごしごしと体を擦る。意識してしまった方が隣室にいる状態で、全裸になって身を清めている。その状況を意識すまいとひたすら無心で体を擦っていると、肌が少し赤くなってしまった。
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