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王子と令嬢の初めての日7(ビアンカ視点)※

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 機嫌がよさそうなフィリップ王子に体中の水滴を丁寧に拭かれ、お揃いのバスローブを丁寧に着せられて部屋へと手を繋いで連れて行かれる。
 ……お姫様みたいな扱いだな、と思いながら彼の方を盗み見ると、優しく微笑まれ額に口づけられた。うう、こんなの蕩けてしまう。
 乱れていた寝台はわたくしたちがお風呂に入っている間にすっかり整えられていて、それがなんだか気恥ずかしかった。

「フィリップ様」
「どうした? ビアンカ」

 名前を呼ぶと美しい笑顔を浮かべながら問い返され、ぎゅっと体を抱きしめられて頬ずりをされた。
 わたくしも浮かれているけれど……彼も相当浮かれている気がする。

「きょ……今日こそ! 貴方のものにしてくださいませね!」

 ぎゅっと両手で握り拳を固めてわたくしが言うと、彼は少し驚いた顔をした。

「それは、もちろんそのつもりだが……。本当に君は積極的だな」
「うう、だって」

 愛するフィリップ王子のものになりたい。わたくしの心は昨日からその気持ちでパンパンだ。
 それに加えて最後までしてしまえば、シュラット侯爵家の娘を捨てるなんてことはさすがにできないだろうし、という打算もある。
 ……彼の気持ちを信じていないわけではないのだ。けれど最後に残った一線は、心の中に僅かな不安を残してしまう。

「もしかして。まだ……俺が君を捨てるかも、なんて思っているのか?」

 わたくしの考えは彼にはお見通しらしい。
 フィリップ王子は金色の瞳を細め首を少し傾げた。しっとりと湿気を含んだ金髪が頬に張り付き、水滴が流れる。……彼からは女であることの自信を失ってしまうくらいの、すごい色気が漂っている。け……傾国の美形め!
 彼を見つめると優しく唇を塞がれた。そしておでこを合わせられ、頬を綺麗な白い両手で覆われて、じっと見つめられた。

「あの、フィリップ様……」
「俺はこんなに君を愛しているのに、そう思われているのは寂しいな。……けれど」

 言葉を切ると彼は膝裏に手を差し込み、わたくしを抱え上げる。

「ひゃっ!?」
「確かに退路は断った方がいいな。これ以上時間をかけると、君がまた不安に飲まれてしまいそうだ」

 フィリップ王子はわたくしを軽々と抱えたまま歩みを進め、寝台の上に優しく下ろした。

「……フィリップ……様」
「ビアンカ、君は俺のものだ」

 彼の体が……覆いかぶさってくる。唇を重ねられ、柔らかな舌を口内にねじ込まれ。それに応えようと伸ばした舌は、すぐに絡め取られて蕩かされる。

「ふっ……んっ。ん……」

 夢中で舌を絡め合っていると、彼の手がバスローブに伸びてそっと結び目を解かれた。
 大人になる途中の、少し骨ばった綺麗な手が胸に伸びてゆっくりと指を沈められる。

「んっ……」

 甘い吐息を漏らす口は彼の唇に塞がれた。
 乳房を手のひらで優しく刺激され、時折頂きを捏ねられて。頭の中はどんどん霞がかっていき彼の舌に応える余裕もなくなり、口内を蹂躙されながら彼の手を感じるばかりになってしまう。

「……ビアンカ……」

 彼は唇をゆっくり離すとわたくしの口の端を流れていた涎を舐めとり、そのまま首筋に、胸にと舌を這わせていく。そして胸の頂きを吸いながら、腹部に手をすべらせた。
 美しい手はゆっくりと、蜜壺へと近づいていく。優しい動きで花弁を撫でられ、体は快楽への期待に震えた。
 長い指がもうすでに湿っている蜜穴へと埋まる。くちゅりとやらしい音を立てながら指を飲み込んだそこはねだるように指を締めつけ、また蜜を垂らした。
 丁寧にそこを解きほぐそうと動く彼の指。わたくしの気持ちいいところを、それは的確に刺激してくる。だけど……指じゃないのが欲しい。

「ふぃりっぷ……さまっ。早く、フィリップ様が欲しいの……」

 自然に甘くなる声でおねだりをしながら、硬くなっている物に体を擦りつけると彼の頬に朱が散った。

「本当に悪い子だな……。最初は痛いと思うが、我慢はできるか?」
「フィリップ様と一つになれるのなら、痛みなんて平気です」
「ビアンカ……!」

 感極まったような声を上げながらフィリップ王子は、わたくしの両の膝裏に手を添えそっと足を広げた。早く彼を受け入れたいという期待に満ちた蜜壺は、とろりと蜜を垂らし後孔まで濡れている。
 フィリップ王子は自身のものを数度手で扱くと、濡れた蜜壺にその先端を密着させた。
 このまま彼のものを飲み込んでしまいたい。そんな思いを込めて蜜口を亀頭に擦りつける。愛おしい彼と、早く一つになりたい。

「ビアンカ、挿れるぞ……」
「は……はい……!」

 さすがに緊張してしまうわたくしの気持ちをほぐすように、彼が何度も額に口づけしてくれる。ふっと力が抜けたその瞬間に、フィリップ王子のものの先端が……ずるり、と蜜口に埋まった。

「……んっ……!」

 指なんて比べ物にならない。想像以上の圧迫感に眉を顰めるわたくしの頬を彼が気遣うように撫でる。

「すまない、ここまできたら止められないんだ」
「や……止めないでくださいませ、フィリップ様。わたくしを早く、貴方のものにして……」

 口づけを繰り返しながら、フィリップ王子が少しずつ中に入ってくる。その表情はとても苦しそうで、そんな彼を見ていると一気に奥まで穿ってしまっていいのに、なんて。そんなことを考えてしまう。
 どうしていいのかわからなくなるくらいに、彼に大事にされている。優しく奥へと進んでいくその動きに、それを実感してしまう。
 嬉しくて思わず零れる涙を美しい唇にそっと吸い取られ、優しく微笑まれて。せっかく彼が涙を拭ってくれたのに、幸せすぎてまた泣きそうになる。

「好き、です。フィリップ様。出会った頃から、ずっとお慕いしております……」

 心からのそんな言葉が唇から零れた。この人を、愛してる。出会った頃から、ずっと。そしてこれからも。

「……ビアンカ。俺も君を愛している。これからの人生はすべて……君のために捧げるから」

 彼の言葉に、我慢しようとしていた涙がまた零れてしまった。
 嬉しい、幸せ、愛してる。それだけしかもう考えられない。
 時間をかけながら、途中まで幹が埋まり。フィリップ王子が大きく息を吐いた。

「君の中は……本当に心地いいな。気をつけないとすぐに持っていかれそうだ」

 絶世の美貌の頬を赤く染め、その金色の瞳に隠せない欲望を宿しながら彼がそう囁く。
 お風呂でも散々ほぐされた後だし、フィリップ王子が最大限にわたくしのことを気遣ってくれたお陰で、下腹部はじわりとした痛みしか感じない。

「わたくしは平気なので。奥まで……挿れて。フィリップ……さま……」

 お手伝いをしようと腰を彼の方へ動かすと、彼は驚いた顔をする。早く穿って……子種を注いで欲しい。

「本当に、君は……!」

 噛みつくように口づけをして。彼はずるり、と奥へ腰を進めた。
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