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令嬢13歳・わたくしは深く悩む
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当たり障りがない方がパーティーにお誘いしてくれる訳でもなく、ガーデンパーティーの当日が近づいている。
……うん、色々考えて結局パートナーはフィリップ王子なのです。仕方ないよね、こればかりは。
実はユウ君に『パートナーになって!』と泣きついてみたけれど、『いくら学校関係者といっても食堂の職員はアウトだよ思うよ? ビーちゃん。クラスに、お友達はいないの?』と少し困った顔で言われてショックだった。
たまーに話すくらいの子なら、勿論いるのよ。だけどパーティーにお誘いしてみたら『恐れ多いです、ビアンカ様の横に立つなんて』って涙目で言われた。
……シュミナ嬢の親しみやすい見た目が、ちょっと羨ましいわ。
そういえばシュミナ嬢はどうするのだろう? と思っていたら、噂ではどうやらエイデン様と参加されるようだ。
順当といえば順当である。
彼女の事……少し気がかりなのよね。先日のユウ君との会話で、彼女の印象も少し変わってしまったし。
シュミナ嬢の性格に問題がないとは言わないけれど。
でも彼女は『ヒロイン』という役割を与えられ舞い上がってしまい、戻れない間違いを犯してしまった……ある意味では被害者なのかもしれない。そんな事を考えてしまう。
わたくし、彼女に邪険にしすぎたのかしら。もっと話を聞いてあげればよかったの? でもあの子、第一印象とその後の行いが悪すぎたのよ……言い訳になっちゃうかしら。
だけど特に彼女がゾフィー様にしたような事は許せないし……なんて難しい顔をしていると。
マクシミリアンに頭をぽふぽふと撫でられた。
「お嬢様。ガーデンパーティーは腹痛で病欠という事にしては……」
「マクシミリアン。それは侯爵家の令嬢としてどうかと思うのよ?」
まぁ、その件で難しい顔をしていた訳ではないのだけれど。
ちなみにわたくしは今、寮のお部屋でマクシミリアンのお膝に抱えられてソファーに座っている。
フィリップ王子とパーティーに参加する事が決まってから、マクシミリアンはなんだか甘えたである。
学内の行事に関してはマクシミリアンにはどうしようもないのでフラストレーションが溜まっているのだろう。
マクシミリアンはわたくしの覚悟が決まるまで駆け落ちを待ってくれると言ってくれたので、わたくしはそれに甘えてしまっているけれど。
甘えっぱなしは彼のストレスになってしまうのではないかと心配になってしまう。早く覚悟を決めた方がいいのかしら……。そ……その、わたくしマクシミリアンの事が大好きなのだし……。
だけどいざ駆け落ち! と考えると周囲にかける多大な迷惑の事を考え二の足を踏む気持ちもあってなかなか『いいわ!逃げましょう!』とも言えなくて。
父様やお兄様に納得して頂ける形の駆け落ちがあればいいんだけど。それはあまりに非現実的かしら……。
彼らに迷惑をかけ悲しませる事は、この考えを思いついた時から分かっていたはずなのに。
ふと頭の中に……前世の父母の姿が過った。
わたくしは……また肉親を悲しませてしまうのかしら。
それを考えると、心がズキリと酷く痛んだ。
それにある日突然駆け落ちをして今まで知り合った人々との関係性が無くなってしまう事にも、寂しさを覚えてしまう。
せっかく仲良くなったのに。わたくしの行動一つでそれが全て無くなってしまうのだ。
突然失うには……学園生活にも、友人達にも愛着が芽生えすぎている。
周囲との関係の事のみを考えると王子の婚約者に収まった方が全ての纏まりはいい。
だけどそれは……南国での生活と、大好きなマクシミリアンを失う事を意味している。わたくしにそれは耐えがたい事だ。
「どうしたら……いいのかしら。全部欲しいなんて贅沢にも程があるわよね」
わたくしが溜め息を吐くと、マクシミリアンは怪訝そうな顔をする。
「お嬢様。悩みがあるのでしたら、話して頂けませんか?」
彼は切実な表情でそう言った。
先日、マクシミリアンにはこれからの悩みは全て話すと約束した。
だから……わたくしは悩んでいる事を全て彼に話した。
「……全部丸く、とは言えませんが進めている事がございまして。ただ、今は内緒です」
と意外な回答が返ってきたので目を丸くしてしまう。
……どういう事なのだろう?
人に迷惑をかけずにマクシミリアンと駆け落ちをする方法が、あるとでも言うの?
「どういう事なの? マクシミリアン」
わたくしがそう訊ねると彼は悪戯っぽく『内緒と言っているでしょう?』と言った。
……気になる、すごく気になるわ!
……うん、色々考えて結局パートナーはフィリップ王子なのです。仕方ないよね、こればかりは。
実はユウ君に『パートナーになって!』と泣きついてみたけれど、『いくら学校関係者といっても食堂の職員はアウトだよ思うよ? ビーちゃん。クラスに、お友達はいないの?』と少し困った顔で言われてショックだった。
たまーに話すくらいの子なら、勿論いるのよ。だけどパーティーにお誘いしてみたら『恐れ多いです、ビアンカ様の横に立つなんて』って涙目で言われた。
……シュミナ嬢の親しみやすい見た目が、ちょっと羨ましいわ。
そういえばシュミナ嬢はどうするのだろう? と思っていたら、噂ではどうやらエイデン様と参加されるようだ。
順当といえば順当である。
彼女の事……少し気がかりなのよね。先日のユウ君との会話で、彼女の印象も少し変わってしまったし。
シュミナ嬢の性格に問題がないとは言わないけれど。
でも彼女は『ヒロイン』という役割を与えられ舞い上がってしまい、戻れない間違いを犯してしまった……ある意味では被害者なのかもしれない。そんな事を考えてしまう。
わたくし、彼女に邪険にしすぎたのかしら。もっと話を聞いてあげればよかったの? でもあの子、第一印象とその後の行いが悪すぎたのよ……言い訳になっちゃうかしら。
だけど特に彼女がゾフィー様にしたような事は許せないし……なんて難しい顔をしていると。
マクシミリアンに頭をぽふぽふと撫でられた。
「お嬢様。ガーデンパーティーは腹痛で病欠という事にしては……」
「マクシミリアン。それは侯爵家の令嬢としてどうかと思うのよ?」
まぁ、その件で難しい顔をしていた訳ではないのだけれど。
ちなみにわたくしは今、寮のお部屋でマクシミリアンのお膝に抱えられてソファーに座っている。
フィリップ王子とパーティーに参加する事が決まってから、マクシミリアンはなんだか甘えたである。
学内の行事に関してはマクシミリアンにはどうしようもないのでフラストレーションが溜まっているのだろう。
マクシミリアンはわたくしの覚悟が決まるまで駆け落ちを待ってくれると言ってくれたので、わたくしはそれに甘えてしまっているけれど。
甘えっぱなしは彼のストレスになってしまうのではないかと心配になってしまう。早く覚悟を決めた方がいいのかしら……。そ……その、わたくしマクシミリアンの事が大好きなのだし……。
だけどいざ駆け落ち! と考えると周囲にかける多大な迷惑の事を考え二の足を踏む気持ちもあってなかなか『いいわ!逃げましょう!』とも言えなくて。
父様やお兄様に納得して頂ける形の駆け落ちがあればいいんだけど。それはあまりに非現実的かしら……。
彼らに迷惑をかけ悲しませる事は、この考えを思いついた時から分かっていたはずなのに。
ふと頭の中に……前世の父母の姿が過った。
わたくしは……また肉親を悲しませてしまうのかしら。
それを考えると、心がズキリと酷く痛んだ。
それにある日突然駆け落ちをして今まで知り合った人々との関係性が無くなってしまう事にも、寂しさを覚えてしまう。
せっかく仲良くなったのに。わたくしの行動一つでそれが全て無くなってしまうのだ。
突然失うには……学園生活にも、友人達にも愛着が芽生えすぎている。
周囲との関係の事のみを考えると王子の婚約者に収まった方が全ての纏まりはいい。
だけどそれは……南国での生活と、大好きなマクシミリアンを失う事を意味している。わたくしにそれは耐えがたい事だ。
「どうしたら……いいのかしら。全部欲しいなんて贅沢にも程があるわよね」
わたくしが溜め息を吐くと、マクシミリアンは怪訝そうな顔をする。
「お嬢様。悩みがあるのでしたら、話して頂けませんか?」
彼は切実な表情でそう言った。
先日、マクシミリアンにはこれからの悩みは全て話すと約束した。
だから……わたくしは悩んでいる事を全て彼に話した。
「……全部丸く、とは言えませんが進めている事がございまして。ただ、今は内緒です」
と意外な回答が返ってきたので目を丸くしてしまう。
……どういう事なのだろう?
人に迷惑をかけずにマクシミリアンと駆け落ちをする方法が、あるとでも言うの?
「どういう事なの? マクシミリアン」
わたくしがそう訊ねると彼は悪戯っぽく『内緒と言っているでしょう?』と言った。
……気になる、すごく気になるわ!
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