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令嬢13歳・マクシミリアンと放課後デート・前
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メイカ王子との食堂での会話の時…様子がおかしかったマクシミリアンの事がわたくしは気になっていた。
マクシミリアンは……いつもわたくしを助けてくれる。
話を聞いて、助言をくれて、優しい言葉をくれて、慰めてくれて…彼にして貰った事は数えきれないくらい沢山だ。
そんな彼が…何か悩んでいるのなら、わたくしが話を聞かないと。
今まで貰ったものをちゃんと返そう。
そう決めたわたくしは、放課後マクシミリアンと学園の近くにあるカフェに出かける約束を取り付けた。
学園の周辺は学園の生徒目当ての、学生向けのお店で溢れている…いわゆる学生街があるのだ。
学園で話すとなると…シュミナ嬢の邪魔が入るかもしれないし、衆目があるから主人と侍従いう関係性が強く出てしまう。
なるべく対等に近い関係で話がしたかったから、執事服は脱いで私服で行くようにも伝えた。
彼と、一緒のテーブルに着いて顔を見ながら話をしたいから。
するとマクシミリアンに『…放課後デート、みたいですね』って悪戯っぽく言われた。
放課後、デート。
あの伝説の存在、放課後デート!?
前世では関りが無さ過ぎて伝説の幻獣か何かかと思ってたわよ。
意識してなかったけれど…確かに放課後デートみたいね。
……そんな事言われたら、緊張するじゃない!!
だって推しとデートなのよ!?ああ…マクシミリアン余計な一言を!!
その日の残りの授業は、上の空で過ぎて行った。
放課後。
わたくしは私服に着替えて、学園の門の前に立っていた。
『お嬢様マックスとデートですかぁ~。じゃあ張り切って支度しますね!!』とジョアンナがすごく頑張ってくれたお陰で…。
…す…少しは可愛くなってるんじゃないかしら…!
ジョアンナが用意してくれた体にぴったりと沿う青のワンピース型のドレスは、少し大胆に肩口から胸に向けてカットが入っている前開きの大人っぽいデザインだ。
…肌は結構見えてるんだけど、胸が無いからやらしく見えないわね。
結構寄せて上げたんだけどな…。な…泣いてなんかない!
腰の部分で布地はぎゅっと引き絞られ、スカート部分にはボリュームが抑え気味のパニエが入っている。
髪はゆるめの三つ編みしてサイドに流し、仕上げに縁にレースがあしらわれた帽子を被せられた。
『お嬢様っぽい!!!』とわたくしが鏡の前でくるくるしていたら、ジョアンナに『お嬢様ですよ。正真正銘の』と笑われた。
(マクシミリアン…褒めてくれるかしら)
なんだか浮ついた気分で、門の前でそわそわと髪を整えてしまう。
ああ、なんだか落ち着かない。
「お嬢様」
マクシミリアンの声に振り替えると、そこには久しぶりに見る私服の彼が居た。
(か……かっこいい……!!)
濃い灰色のトラウザーズに、清潔感のある白のシャツ。その上から白のベストを着込み、上から軽く黒のジャケットを羽織っている。
いつもはかなりきっちりとした着こなしをしてるのだけど、今日は少し隙があると言うか…そこがいい…。
「マクシミリアン!素敵ね!」
思わず駆け寄って話しかけると、マクシミリアンが少し照れたように笑う。
ああ…もう何その顔!スクショを撮って待ち受けにしたい!
推しの照れ顔の破壊力は、本当にすごい。
「お嬢様も……とても綺麗です。抱きしめたいくらいに。……ここが学園の目の前で、出来ないのがとても口惜しいですね」
はにかみながら甘い声音でマクシミリアンが言うから心臓がぎゅっ!と鷲掴みにされる。
ああ…ずるい…そんな可愛い顔と声で…。
思わず尊さに膝から崩れそうになったのだけれど、気力で踏ん張った。
こんなところで倒れて放課後デートが無くなるなんて嫌だ。
ちなみに長年の習慣であるマクシミリアンとのおはようとおやすみのハグは続いている。
……時々、それ以外のハグも。勿論人目が無いところで。
お年頃だし止めないとというのは分かってるんだけど…ニコニコしながら腕を出されると反射的に収まってしまうのだ。
ああ…甘えるのは止めなきゃって思ってるのに!
校門で2人でもじもじしていると、通りすがりの生徒から生温かい視線を投げられたような気がした。
ば…場所を移動しよう…!
「では、お嬢様」
マクシミリアンが腕をすっと差し出してくる。
その腕に軽く腕を絡ませ、彼と視線を合わて柔らかく笑う。
すると彼も優しく微笑み返してくれた。
……近頃目まぐるしかったから……この穏やかな時間の優しさがなんだか心に沁みる。
「今日のカフェは、甘い物が大好きなノエル様のお勧めだからとても素敵な所だと思うの。楽しみね!マクシミリアン!」
「そうですね、お嬢様」
そうして、和やかに微笑み合い会話を交わしながら。わたくし達は学生街へと歩き出した。
マクシミリアンは……いつもわたくしを助けてくれる。
話を聞いて、助言をくれて、優しい言葉をくれて、慰めてくれて…彼にして貰った事は数えきれないくらい沢山だ。
そんな彼が…何か悩んでいるのなら、わたくしが話を聞かないと。
今まで貰ったものをちゃんと返そう。
そう決めたわたくしは、放課後マクシミリアンと学園の近くにあるカフェに出かける約束を取り付けた。
学園の周辺は学園の生徒目当ての、学生向けのお店で溢れている…いわゆる学生街があるのだ。
学園で話すとなると…シュミナ嬢の邪魔が入るかもしれないし、衆目があるから主人と侍従いう関係性が強く出てしまう。
なるべく対等に近い関係で話がしたかったから、執事服は脱いで私服で行くようにも伝えた。
彼と、一緒のテーブルに着いて顔を見ながら話をしたいから。
するとマクシミリアンに『…放課後デート、みたいですね』って悪戯っぽく言われた。
放課後、デート。
あの伝説の存在、放課後デート!?
前世では関りが無さ過ぎて伝説の幻獣か何かかと思ってたわよ。
意識してなかったけれど…確かに放課後デートみたいね。
……そんな事言われたら、緊張するじゃない!!
だって推しとデートなのよ!?ああ…マクシミリアン余計な一言を!!
その日の残りの授業は、上の空で過ぎて行った。
放課後。
わたくしは私服に着替えて、学園の門の前に立っていた。
『お嬢様マックスとデートですかぁ~。じゃあ張り切って支度しますね!!』とジョアンナがすごく頑張ってくれたお陰で…。
…す…少しは可愛くなってるんじゃないかしら…!
ジョアンナが用意してくれた体にぴったりと沿う青のワンピース型のドレスは、少し大胆に肩口から胸に向けてカットが入っている前開きの大人っぽいデザインだ。
…肌は結構見えてるんだけど、胸が無いからやらしく見えないわね。
結構寄せて上げたんだけどな…。な…泣いてなんかない!
腰の部分で布地はぎゅっと引き絞られ、スカート部分にはボリュームが抑え気味のパニエが入っている。
髪はゆるめの三つ編みしてサイドに流し、仕上げに縁にレースがあしらわれた帽子を被せられた。
『お嬢様っぽい!!!』とわたくしが鏡の前でくるくるしていたら、ジョアンナに『お嬢様ですよ。正真正銘の』と笑われた。
(マクシミリアン…褒めてくれるかしら)
なんだか浮ついた気分で、門の前でそわそわと髪を整えてしまう。
ああ、なんだか落ち着かない。
「お嬢様」
マクシミリアンの声に振り替えると、そこには久しぶりに見る私服の彼が居た。
(か……かっこいい……!!)
濃い灰色のトラウザーズに、清潔感のある白のシャツ。その上から白のベストを着込み、上から軽く黒のジャケットを羽織っている。
いつもはかなりきっちりとした着こなしをしてるのだけど、今日は少し隙があると言うか…そこがいい…。
「マクシミリアン!素敵ね!」
思わず駆け寄って話しかけると、マクシミリアンが少し照れたように笑う。
ああ…もう何その顔!スクショを撮って待ち受けにしたい!
推しの照れ顔の破壊力は、本当にすごい。
「お嬢様も……とても綺麗です。抱きしめたいくらいに。……ここが学園の目の前で、出来ないのがとても口惜しいですね」
はにかみながら甘い声音でマクシミリアンが言うから心臓がぎゅっ!と鷲掴みにされる。
ああ…ずるい…そんな可愛い顔と声で…。
思わず尊さに膝から崩れそうになったのだけれど、気力で踏ん張った。
こんなところで倒れて放課後デートが無くなるなんて嫌だ。
ちなみに長年の習慣であるマクシミリアンとのおはようとおやすみのハグは続いている。
……時々、それ以外のハグも。勿論人目が無いところで。
お年頃だし止めないとというのは分かってるんだけど…ニコニコしながら腕を出されると反射的に収まってしまうのだ。
ああ…甘えるのは止めなきゃって思ってるのに!
校門で2人でもじもじしていると、通りすがりの生徒から生温かい視線を投げられたような気がした。
ば…場所を移動しよう…!
「では、お嬢様」
マクシミリアンが腕をすっと差し出してくる。
その腕に軽く腕を絡ませ、彼と視線を合わて柔らかく笑う。
すると彼も優しく微笑み返してくれた。
……近頃目まぐるしかったから……この穏やかな時間の優しさがなんだか心に沁みる。
「今日のカフェは、甘い物が大好きなノエル様のお勧めだからとても素敵な所だと思うの。楽しみね!マクシミリアン!」
「そうですね、お嬢様」
そうして、和やかに微笑み合い会話を交わしながら。わたくし達は学生街へと歩き出した。
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