125 / 221
第三部 〜新たな力〜
第百二十三話
しおりを挟む
授業が終わり、学生たちが友人と集まり教室から出ていく。
ドルン教授は黒板の前で今日教えていた内容をまとめている。
「僕はドルン教授と少し話していくから、エマは先に戻っててもいいよ」
魔道具の話を少ししたかったのでエマに提案する。
「う、うん。わかった。また明日ね」
エマが手を振り教室から出ていく。
「また明日!」
アルージェも手を振りエマを見送る。
「ドルン教授。今いいですか?」
アルージェが話しかけるとドルンが顔を上げる。
「アルージェ君か、先ほどの続きですね」
「はい!僕が作った魔道具を見てほしくて!」
アイテムボックスから以前作った冷房やウォシュレットを見せる。
「どれも見た目からは判断できないですね。一つずつ聞かせていただきましょうか」
アルージェが使い方を説明し終わる。
「なるほど。どれも非常に面白い着眼点ですね!アルージェ君も武器では無く、魔道具作成をすればいいのに、これだけ便利なものならお金になりますよぉ!」
ドルンに悪い顔で勧められる。
「あははは、なら道に迷ったら魔道具製作の道に進もうかな」
「そうですね、まだアルージェ君は若いので一つの道として考えてもらうといいかもしれませんね」
「そういえば教授は鉄に五つ付与できるって言ってましたけど、どうやってやるんですか?」
「アルージェ君はなかなか勉強熱心ですね。アルージェ君と話してると話が尽きなさそうなので、今日はここまでにしましょう。また授業に来てください。その時に話しましょう!」
「あぁ、そうですね。いつまでも話し込んでしまいそうです。また授業に来ます!」
眠っているルーネを起こして、アルージェは教室を後にする。
「アルージェ君、お待ちを!」
ドルン教授がアルージェを引き留める。
「ん?」
「忘れ物ですよ」
ドルンはアルージェの後ろを追従するがアルージェが作成した、泥人形を渡される。
「あはは、話に夢中になりすぎて忘れました」
アルージェは泥人形を受け取る。
「泥人形はうまく使えば、自分の生活の面倒くさいところ全てを自動化して、自分の時間をより有意義に使えるようになる。大事にしてあげてくださいね」
「ゴーレムで自動化・・・?」
アルージェは少し考えこむ。
「確かにその通りですね!なんだろう、ちょっと面白いこと思いついちゃいました!失礼します!」
アルージェはルーネに跨り教室からそそくさと出ていく。
「アルージェ君は若いからか思考が柔軟なのかもしれませんね」
ドルンは今日の授業の進行度について続きを書き始める。
一方アルージェはルーネに寮まで運んでもらっている。
「この弾性ピョンピョン泥人形をもう少し改造して、訓練用の泥人形を作ろう」
寮に戻り、すぐに作業をしようとしたがミスティに止められてしぶしぶご飯を食べる。
アルージェは食後の紅茶をゆっくりと飲むふりをしながらも、どこか落ち着かない様子。
「はぁ、アルージェは本当にわかりやすいな」
ミスティはため息をつきながらも、わかりやすい態度をとるアルージェに微笑む。
「えっ?な、なにがですか?」
アルージェはそわそわしながらもまだごまかせているつもりでいる。
「いや、何でもないさ。付き合ってくれて嬉しかったよ。もう部屋で作業を始めてもいいぞ」
「あっ・・・、あはは、食事中なるべく出さないようしてたんですけど、バレてましたか」
「ふふふ、早くいくといい」
「ありがとうございます!」
アルージェはミスティの許可が出たので、そそくさと部屋に戻り作業を始める。
「この泥人形の弾性はそのままに刻印の記述を少し変えよう。永続型じゃなくて起動型に変更。対象の指定を起動した人になるように魔力周波数の識別もしないとね」
アルージェは思い立った機能をすべて刻印していく。
「できたぁ!」
昼ごはんを食べた後、すぐに始めた作業だったが、いつの間にか辺りは暗くなっていた。
「あらら、もうミスティさん達は寝てる時間かな・・・?騒いだらまずいか・・・」
自分の部屋から出て、少し様子を伺う。
「マイアさんもここにいないってことは深夜かもしれないな・・・、動作確認は起きてからにしようかな」
ルーネと風呂場に向かい、魔法でお湯を張って風呂に入る。
「はぁ、なら寝るかー」
水気を魔法で無くしてベッドにダイブする。
けどルーネと一緒に寝たくなったので、丸まって寝る体勢になっているルーネのほうに移動し、尻尾を掛布団変わりに拝借して眠りに入る。
ルーネは片目だけ開けてアルージェの様子を見るが、すぐに寝息を立て始めたので目を閉じてルーネも眠り始める。
翌朝、少し遅めの起床だが今日は休息日なので問題はない。
伸びをして、体の解して立ち上がる。
「よし起きた!よく寝た!」
自分の部屋から出ると、ミスティとエマとマイアがで談笑していた。
「おぉ!皆さん!おはようございます!」
「おはようアルージェ。もう昼近いから早くはないがな」
「アルージェ君!おはよう!」
「おはようございます。昨夜も遅くまで作業をされてましたね」
マイアの言葉を聞いて、ミスティがギロリとアルージェを睨む。
「な、なに言ってるんですか!めちゃ早寝でした!今日は日頃の疲れが溜まってたのかなぁ?あはははは」
そそくさと歯磨きや顔洗いをするため洗面台に移動する。
「はぁ・・・、アルージェは本当に・・・」
ミスティはため息をつき、頭を抱える。
ドルン教授は黒板の前で今日教えていた内容をまとめている。
「僕はドルン教授と少し話していくから、エマは先に戻っててもいいよ」
魔道具の話を少ししたかったのでエマに提案する。
「う、うん。わかった。また明日ね」
エマが手を振り教室から出ていく。
「また明日!」
アルージェも手を振りエマを見送る。
「ドルン教授。今いいですか?」
アルージェが話しかけるとドルンが顔を上げる。
「アルージェ君か、先ほどの続きですね」
「はい!僕が作った魔道具を見てほしくて!」
アイテムボックスから以前作った冷房やウォシュレットを見せる。
「どれも見た目からは判断できないですね。一つずつ聞かせていただきましょうか」
アルージェが使い方を説明し終わる。
「なるほど。どれも非常に面白い着眼点ですね!アルージェ君も武器では無く、魔道具作成をすればいいのに、これだけ便利なものならお金になりますよぉ!」
ドルンに悪い顔で勧められる。
「あははは、なら道に迷ったら魔道具製作の道に進もうかな」
「そうですね、まだアルージェ君は若いので一つの道として考えてもらうといいかもしれませんね」
「そういえば教授は鉄に五つ付与できるって言ってましたけど、どうやってやるんですか?」
「アルージェ君はなかなか勉強熱心ですね。アルージェ君と話してると話が尽きなさそうなので、今日はここまでにしましょう。また授業に来てください。その時に話しましょう!」
「あぁ、そうですね。いつまでも話し込んでしまいそうです。また授業に来ます!」
眠っているルーネを起こして、アルージェは教室を後にする。
「アルージェ君、お待ちを!」
ドルン教授がアルージェを引き留める。
「ん?」
「忘れ物ですよ」
ドルンはアルージェの後ろを追従するがアルージェが作成した、泥人形を渡される。
「あはは、話に夢中になりすぎて忘れました」
アルージェは泥人形を受け取る。
「泥人形はうまく使えば、自分の生活の面倒くさいところ全てを自動化して、自分の時間をより有意義に使えるようになる。大事にしてあげてくださいね」
「ゴーレムで自動化・・・?」
アルージェは少し考えこむ。
「確かにその通りですね!なんだろう、ちょっと面白いこと思いついちゃいました!失礼します!」
アルージェはルーネに跨り教室からそそくさと出ていく。
「アルージェ君は若いからか思考が柔軟なのかもしれませんね」
ドルンは今日の授業の進行度について続きを書き始める。
一方アルージェはルーネに寮まで運んでもらっている。
「この弾性ピョンピョン泥人形をもう少し改造して、訓練用の泥人形を作ろう」
寮に戻り、すぐに作業をしようとしたがミスティに止められてしぶしぶご飯を食べる。
アルージェは食後の紅茶をゆっくりと飲むふりをしながらも、どこか落ち着かない様子。
「はぁ、アルージェは本当にわかりやすいな」
ミスティはため息をつきながらも、わかりやすい態度をとるアルージェに微笑む。
「えっ?な、なにがですか?」
アルージェはそわそわしながらもまだごまかせているつもりでいる。
「いや、何でもないさ。付き合ってくれて嬉しかったよ。もう部屋で作業を始めてもいいぞ」
「あっ・・・、あはは、食事中なるべく出さないようしてたんですけど、バレてましたか」
「ふふふ、早くいくといい」
「ありがとうございます!」
アルージェはミスティの許可が出たので、そそくさと部屋に戻り作業を始める。
「この泥人形の弾性はそのままに刻印の記述を少し変えよう。永続型じゃなくて起動型に変更。対象の指定を起動した人になるように魔力周波数の識別もしないとね」
アルージェは思い立った機能をすべて刻印していく。
「できたぁ!」
昼ごはんを食べた後、すぐに始めた作業だったが、いつの間にか辺りは暗くなっていた。
「あらら、もうミスティさん達は寝てる時間かな・・・?騒いだらまずいか・・・」
自分の部屋から出て、少し様子を伺う。
「マイアさんもここにいないってことは深夜かもしれないな・・・、動作確認は起きてからにしようかな」
ルーネと風呂場に向かい、魔法でお湯を張って風呂に入る。
「はぁ、なら寝るかー」
水気を魔法で無くしてベッドにダイブする。
けどルーネと一緒に寝たくなったので、丸まって寝る体勢になっているルーネのほうに移動し、尻尾を掛布団変わりに拝借して眠りに入る。
ルーネは片目だけ開けてアルージェの様子を見るが、すぐに寝息を立て始めたので目を閉じてルーネも眠り始める。
翌朝、少し遅めの起床だが今日は休息日なので問題はない。
伸びをして、体の解して立ち上がる。
「よし起きた!よく寝た!」
自分の部屋から出ると、ミスティとエマとマイアがで談笑していた。
「おぉ!皆さん!おはようございます!」
「おはようアルージェ。もう昼近いから早くはないがな」
「アルージェ君!おはよう!」
「おはようございます。昨夜も遅くまで作業をされてましたね」
マイアの言葉を聞いて、ミスティがギロリとアルージェを睨む。
「な、なに言ってるんですか!めちゃ早寝でした!今日は日頃の疲れが溜まってたのかなぁ?あはははは」
そそくさと歯磨きや顔洗いをするため洗面台に移動する。
「はぁ・・・、アルージェは本当に・・・」
ミスティはため息をつき、頭を抱える。
0
お気に入りに追加
419
あなたにおすすめの小説

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる