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第三部 〜新たな力〜
第百二十話
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「付与の解除?そりゃまたどうして?」
「そ、それは、気にしないで大丈夫です!」
エマはアルージェから顔を逸らして話す。
「んー?まぁいいや。ちなみにだけど、もちろんそのペンダントを傷つけず、壊さずに付与解除したいんだよね?」
「そ、そうです」
エマが頷く。
「解除かー、今まで付与することばかりで考えたことなかったなー。よし!ちょっと面白そうだから僕も混ぜてもらっていい??」
「も、も、もちろんです!というか一緒に考えて欲しくて、ここで待ってました!」
「あっ、そうなんだ、ごめんね待ってもらって」
アルージェは両手を合わせて謝る。
「い、いえ、ミスティさんに相談したらアルージェ君と考えてみたらって言われて、それでどうしても今日会いたくて、勝手に待ってたのは私なので」
「あっ!でも、これから攻撃魔法研究会ってところにも顔出すから付きっきりはちょっと難しいかも」
アルージェは拳で掌を叩いて、思い出したように話す。
「むっ?それは初耳だ。そんな話全く聞いていないぞ」
二人の時間だからと遠慮して会話に参加していなかったミスティが紅茶を置いて、会話に混ざる。
「あぁ、すいません今日決めたことで、まだ報告できてなかったですね。どこから話したらいいか」
アルージェは今朝素振りをしていたことから話し始める。
「ふむ、食堂でちょっかいを掛けてきた貴族か・・・、そこまでされたらもう何もしてくることはないと思うが、念のためそちらは私の方で手を打っておこう」
「ミスティさん!ありがとうございます!最高にかっこいいです!」
「か、かっこいいか・・・。まぁ素直に受け取っておこう。後は攻撃魔法研究会か、あまり覚えていないがアルージェと一緒にこの学校に来た時、話しかけてきた男が居たな。名はディビック・・?といったか?確かその男が攻撃魔法研究会がどうとか言っていたな」
ミスティは初めて学園に来た時のことを思い出しながら話す
「おぉ!覚えてるんですね!そうです、貴族を倒した後逃げないとって思ってたら、ちょうど近くに居たみたいで、その人に助けてもらって成り行きで攻撃魔法研究会に行きました」
「なるほどな。確かに毎朝誰かをイメージして素振りをしているのは見ていたが、相手が出来ると言うのはいいことかもしれないな」
「うぅ・・・、先に気付いていれば二人の時間をもっと作れたのに・・・」
エマはぶつぶつと言って何か悲しんでいる。
「ということで、しばらくは勉学と戦闘訓練もしときますので、少し忙しくなります」
アルージェが二人に話している時、ルーネがミスティの方に移動していく。
そして、ルーネはミスティに「ワウワウ」と何かを訴える。
「ん?それなんか前に聞いたような気がするぞ・・・?」
アルージェがルーネの吠え方を聞いて「なんだったかな」と思い出す。
「な、なんだと!?」
ミスティが声を上げる。
「アルージェ、また婚約者候補をみつけてきたのか!?」
ミスティがアルージェに詰め寄る。
「ど、どういうことですか!」
それを聞いてエマもアルージェに詰め寄る。
「いや、あの、またって、まだ一度も見つけてきたことはないですが・・・」
アルージェは二人の言葉を否定するとルーネがディビックのことだと教えてくれる。
「ん?ディビックさん?いやあの人、男なんだけど?」
アルージェがルーネの言葉に驚く。
「お、男だと!?アルージェお前は、そ、そっちもイケるくちなのか!」
ミスティがさらに声を上げ驚く。
「ちょっと待ってください!勘違いですよ!確かにディビックさん妙に距離感近いなと思ってましたが多分元々距離感が近い人とかそういうやつですよ!」
アルージェはアワアワとしながら必死に誤解を解く。
「人たらしのアルージェ様、恐ろしい子」
マイアさんはボソッと呟く。
アルージェの必死の説得で、なんとかミスティとエマに誤解だと分かってもらえた。
「わ、私はアルージェが望むならいつでもけ、結婚できるからな」
ミスティがさりげなくアルージェにアピールする。
それに続いてエマも「わ、私だって」と謎に張り合う。
「何言ってんですか!そんなこと言われたら本気にしちゃいますよ!ミスティさんは綺麗だし、エマは可愛いし、もっといい人見つかりますって!僕みたいな人選ぶなんて相当物好きしかいないと思うので、いつでも在庫処分みたいなもんですよ。ハハハハッ!」
アルージェが自分の部屋に戻りながら二人に言う。
「さーて、エマの首飾りに付与された魔法の付与解除方法探さないとなぁ!」
自分の部屋の椅子に座り、付与魔法についてまとめたノートを読み返し始める。
「むむむ、ここまで言ってダメか・・・、アルージェは本当に手強い」
「はい・・・、鈍感というか、空気を読めないというか」
「でも、お二人ともそんなアルージェ様がお好きなのでしょう?」
とマイアが尋ねると顔を赤くする。
ミスティもエマも恋愛どころか人とのコミュニケーションを最近までまともに取ったこと無かったのだから、ここまでよく進化したものだがアルージェはかなり手強かった。
「そ、それは、気にしないで大丈夫です!」
エマはアルージェから顔を逸らして話す。
「んー?まぁいいや。ちなみにだけど、もちろんそのペンダントを傷つけず、壊さずに付与解除したいんだよね?」
「そ、そうです」
エマが頷く。
「解除かー、今まで付与することばかりで考えたことなかったなー。よし!ちょっと面白そうだから僕も混ぜてもらっていい??」
「も、も、もちろんです!というか一緒に考えて欲しくて、ここで待ってました!」
「あっ、そうなんだ、ごめんね待ってもらって」
アルージェは両手を合わせて謝る。
「い、いえ、ミスティさんに相談したらアルージェ君と考えてみたらって言われて、それでどうしても今日会いたくて、勝手に待ってたのは私なので」
「あっ!でも、これから攻撃魔法研究会ってところにも顔出すから付きっきりはちょっと難しいかも」
アルージェは拳で掌を叩いて、思い出したように話す。
「むっ?それは初耳だ。そんな話全く聞いていないぞ」
二人の時間だからと遠慮して会話に参加していなかったミスティが紅茶を置いて、会話に混ざる。
「あぁ、すいません今日決めたことで、まだ報告できてなかったですね。どこから話したらいいか」
アルージェは今朝素振りをしていたことから話し始める。
「ふむ、食堂でちょっかいを掛けてきた貴族か・・・、そこまでされたらもう何もしてくることはないと思うが、念のためそちらは私の方で手を打っておこう」
「ミスティさん!ありがとうございます!最高にかっこいいです!」
「か、かっこいいか・・・。まぁ素直に受け取っておこう。後は攻撃魔法研究会か、あまり覚えていないがアルージェと一緒にこの学校に来た時、話しかけてきた男が居たな。名はディビック・・?といったか?確かその男が攻撃魔法研究会がどうとか言っていたな」
ミスティは初めて学園に来た時のことを思い出しながら話す
「おぉ!覚えてるんですね!そうです、貴族を倒した後逃げないとって思ってたら、ちょうど近くに居たみたいで、その人に助けてもらって成り行きで攻撃魔法研究会に行きました」
「なるほどな。確かに毎朝誰かをイメージして素振りをしているのは見ていたが、相手が出来ると言うのはいいことかもしれないな」
「うぅ・・・、先に気付いていれば二人の時間をもっと作れたのに・・・」
エマはぶつぶつと言って何か悲しんでいる。
「ということで、しばらくは勉学と戦闘訓練もしときますので、少し忙しくなります」
アルージェが二人に話している時、ルーネがミスティの方に移動していく。
そして、ルーネはミスティに「ワウワウ」と何かを訴える。
「ん?それなんか前に聞いたような気がするぞ・・・?」
アルージェがルーネの吠え方を聞いて「なんだったかな」と思い出す。
「な、なんだと!?」
ミスティが声を上げる。
「アルージェ、また婚約者候補をみつけてきたのか!?」
ミスティがアルージェに詰め寄る。
「ど、どういうことですか!」
それを聞いてエマもアルージェに詰め寄る。
「いや、あの、またって、まだ一度も見つけてきたことはないですが・・・」
アルージェは二人の言葉を否定するとルーネがディビックのことだと教えてくれる。
「ん?ディビックさん?いやあの人、男なんだけど?」
アルージェがルーネの言葉に驚く。
「お、男だと!?アルージェお前は、そ、そっちもイケるくちなのか!」
ミスティがさらに声を上げ驚く。
「ちょっと待ってください!勘違いですよ!確かにディビックさん妙に距離感近いなと思ってましたが多分元々距離感が近い人とかそういうやつですよ!」
アルージェはアワアワとしながら必死に誤解を解く。
「人たらしのアルージェ様、恐ろしい子」
マイアさんはボソッと呟く。
アルージェの必死の説得で、なんとかミスティとエマに誤解だと分かってもらえた。
「わ、私はアルージェが望むならいつでもけ、結婚できるからな」
ミスティがさりげなくアルージェにアピールする。
それに続いてエマも「わ、私だって」と謎に張り合う。
「何言ってんですか!そんなこと言われたら本気にしちゃいますよ!ミスティさんは綺麗だし、エマは可愛いし、もっといい人見つかりますって!僕みたいな人選ぶなんて相当物好きしかいないと思うので、いつでも在庫処分みたいなもんですよ。ハハハハッ!」
アルージェが自分の部屋に戻りながら二人に言う。
「さーて、エマの首飾りに付与された魔法の付与解除方法探さないとなぁ!」
自分の部屋の椅子に座り、付与魔法についてまとめたノートを読み返し始める。
「むむむ、ここまで言ってダメか・・・、アルージェは本当に手強い」
「はい・・・、鈍感というか、空気を読めないというか」
「でも、お二人ともそんなアルージェ様がお好きなのでしょう?」
とマイアが尋ねると顔を赤くする。
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