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第三部 〜新たな力〜
第九十七話
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書き写すための紙とペンがなかったので、軽く書物を読むだけにして、すぐに図書館から寮に戻った。
寮に戻るとミスティが既にもどってきていたので「ノートとペンが欲しいんですけど、どこに売ってるか知ってますか」と尋ねる。
「アルージェ、この学園に来てもう結構な日が経ってるが、本当に同じ場所だけを行き来していたんだな」と呆れられる。
「マイア、確か紙は多めに買っていたよな?」
ミスティがマイアに確認する。
「はい、少し多めに用意があります」
マイアは即答する。
「なら、少しアルージェに分けてやってくれないか、ペンは私のお古があったはずだ」
「承知しました。すぐご用意いたします」
マイアが部屋に行き、紙をまとめたノートのようなものとペンを持ってきてくれる。
「どうぞ、こちらを」
「ありがとうございます!」
ミスティにお礼を言うと、ミスティは「フフフ、君の笑顔に勝るものは無いさ」と紅茶を飲み始める。
「そうだ、今日のご飯どうしますか!僕お腹ペコペコで!」
「ワウッ!」
アルージェの言葉にルーネも同調する。
「そうだな、なら少し早いが食堂に行くとするか」
ミスティが提案して、皆それに賛成する。
食堂は御飯時よりも少し早い時間だったので、空いていた。
「今日は先に席取らなくても行けそうですね。今日は何にしようかなー」
「そうだな、早めに来て正解だったな。私は今日肉の気分だからステーキでも食べよう」
「なんかミスティさんがステーキっていうから僕も食べたくなりました」
そういってアルージェもステーキを頼む。
「ルーネは?」
「バウ!」
どうやらルーネは今日も甘いものを食べるようだ。
「なら、パンケーキ頼んどくね」
「ワウッ!」
嬉しそうに吠える。
ご飯が出来上がるのを待っている間、公共の場なので大人しく待っていたら、少し離れたところから「ここは獣臭いな、それに土の臭いまでしてくるぞ」とわざわざこちらに聞こえる声で叫んでる貴族が居た。
めんどくさそうなので無視しようとしたら、こちらに近づいて来る。
「人の話を無視するなんて、平民が生意気しやがる」
偉そうな貴族はアルージェに指を指して話す。
アルージェが反論しようとした時「おや、これはガルム様ではありませんか。ウチのアルージェが何かしましたか?」
ミスティが声を掛ける。
ガルムと呼ばれたクルクル金髪の生徒はミスティを舐め回すように見て。
「これはミスティ殿、今日も美しいですな。この農奴が私のことを無視したので、ミスティ殿の代わりに躾けてやろうかと思っていたのですよ」
「はぁ、彼は私の大切な友人ですので、その様な呼び方は見過ごせませんね」
「ははは、笑えない冗談ですな、ミスティ殿優しいのは良いですが、このような農奴を友人とは貴族としての格が下がってしまいます。友人はしっかりと選んだ方がいいのでは?私が友人を紹介しましょうか?」
「いえ、結構です。どうやら私と貴方では友人に対する考え方が違うようなので、貴方が紹介する方は友人にはなれそうに無いですし」
ミスティがアルージェの方へ視線を送る。
「ほら、アルージェ出来た料理を持って早く行くぞ。マイアが席で待ってるんだ」
「は、はい、今行きます」
アルージェが出来た料理を持ってガルムの横を通ろうとした時、ガルムがワザと足を出し、アルージェに引っ掛ける。
ルーネが気付き「ワウッ」と吠えて、アルージェに伝えるが、アルージェは料理を持ったまま転んでしまう。
ガルム達はその様子を見て嘲笑う。
「貴様!」
その様子を見てミスティがガルムに対して怒りを露わにする。
「ミスティさん、僕が不注意で転んでしまっただけなので、気にしないでください。また注文したらいいだけですから」
「だが!」
「いいんです、ミスティさん」
アルージェの力強い言葉にミスティは「アルージェがそれでいいと言うなら」と引く。
「あそこまでされて逃げるとはただの臆病者だな。攻撃魔法ではなく付与魔法に逃げるわけだ。ミスティ殿もそんな男さっさと見捨ててしまった方がいいですぞ」
取り巻きと笑いながらガルム達はその場を去る。
ガルム達が離れたのを確認して。
ミスティがアルージェに駆け寄る。
「どうしてやり返さない!君ほどの力があればあいつらくらいどうってことないだろ!」
「すいません、ミスティさん、今はあいつらに構ってる時間も惜しいんです。この学校でやりたいことがいっぱいあるから」
「アルージェがそういうなら別にいいが、何かあったらいつでも頼ってくるんだぞ」
「はい、勿論ですよ。僕にはミスティさんしか頼る人いないですから」
笑顔でミスティに答える。
「やられたくせに笑顔になるなバカモノ!早くご飯注文するぞ!マイアを待たせてるんだ」
「あー、そうですね、先食べててもいいですよ。多分出来るの少しかかるだろうし」
アルージェは待たせるのは悪いと思ったので先に食べることを勧める。
「きっと既に料理は冷めてしまってるだろう。ここまで来たら待つさ」
それからアルージェがご飯を注文して、みんなで冷えたご飯を食べた。
寮に戻るとミスティが既にもどってきていたので「ノートとペンが欲しいんですけど、どこに売ってるか知ってますか」と尋ねる。
「アルージェ、この学園に来てもう結構な日が経ってるが、本当に同じ場所だけを行き来していたんだな」と呆れられる。
「マイア、確か紙は多めに買っていたよな?」
ミスティがマイアに確認する。
「はい、少し多めに用意があります」
マイアは即答する。
「なら、少しアルージェに分けてやってくれないか、ペンは私のお古があったはずだ」
「承知しました。すぐご用意いたします」
マイアが部屋に行き、紙をまとめたノートのようなものとペンを持ってきてくれる。
「どうぞ、こちらを」
「ありがとうございます!」
ミスティにお礼を言うと、ミスティは「フフフ、君の笑顔に勝るものは無いさ」と紅茶を飲み始める。
「そうだ、今日のご飯どうしますか!僕お腹ペコペコで!」
「ワウッ!」
アルージェの言葉にルーネも同調する。
「そうだな、なら少し早いが食堂に行くとするか」
ミスティが提案して、皆それに賛成する。
食堂は御飯時よりも少し早い時間だったので、空いていた。
「今日は先に席取らなくても行けそうですね。今日は何にしようかなー」
「そうだな、早めに来て正解だったな。私は今日肉の気分だからステーキでも食べよう」
「なんかミスティさんがステーキっていうから僕も食べたくなりました」
そういってアルージェもステーキを頼む。
「ルーネは?」
「バウ!」
どうやらルーネは今日も甘いものを食べるようだ。
「なら、パンケーキ頼んどくね」
「ワウッ!」
嬉しそうに吠える。
ご飯が出来上がるのを待っている間、公共の場なので大人しく待っていたら、少し離れたところから「ここは獣臭いな、それに土の臭いまでしてくるぞ」とわざわざこちらに聞こえる声で叫んでる貴族が居た。
めんどくさそうなので無視しようとしたら、こちらに近づいて来る。
「人の話を無視するなんて、平民が生意気しやがる」
偉そうな貴族はアルージェに指を指して話す。
アルージェが反論しようとした時「おや、これはガルム様ではありませんか。ウチのアルージェが何かしましたか?」
ミスティが声を掛ける。
ガルムと呼ばれたクルクル金髪の生徒はミスティを舐め回すように見て。
「これはミスティ殿、今日も美しいですな。この農奴が私のことを無視したので、ミスティ殿の代わりに躾けてやろうかと思っていたのですよ」
「はぁ、彼は私の大切な友人ですので、その様な呼び方は見過ごせませんね」
「ははは、笑えない冗談ですな、ミスティ殿優しいのは良いですが、このような農奴を友人とは貴族としての格が下がってしまいます。友人はしっかりと選んだ方がいいのでは?私が友人を紹介しましょうか?」
「いえ、結構です。どうやら私と貴方では友人に対する考え方が違うようなので、貴方が紹介する方は友人にはなれそうに無いですし」
ミスティがアルージェの方へ視線を送る。
「ほら、アルージェ出来た料理を持って早く行くぞ。マイアが席で待ってるんだ」
「は、はい、今行きます」
アルージェが出来た料理を持ってガルムの横を通ろうとした時、ガルムがワザと足を出し、アルージェに引っ掛ける。
ルーネが気付き「ワウッ」と吠えて、アルージェに伝えるが、アルージェは料理を持ったまま転んでしまう。
ガルム達はその様子を見て嘲笑う。
「貴様!」
その様子を見てミスティがガルムに対して怒りを露わにする。
「ミスティさん、僕が不注意で転んでしまっただけなので、気にしないでください。また注文したらいいだけですから」
「だが!」
「いいんです、ミスティさん」
アルージェの力強い言葉にミスティは「アルージェがそれでいいと言うなら」と引く。
「あそこまでされて逃げるとはただの臆病者だな。攻撃魔法ではなく付与魔法に逃げるわけだ。ミスティ殿もそんな男さっさと見捨ててしまった方がいいですぞ」
取り巻きと笑いながらガルム達はその場を去る。
ガルム達が離れたのを確認して。
ミスティがアルージェに駆け寄る。
「どうしてやり返さない!君ほどの力があればあいつらくらいどうってことないだろ!」
「すいません、ミスティさん、今はあいつらに構ってる時間も惜しいんです。この学校でやりたいことがいっぱいあるから」
「アルージェがそういうなら別にいいが、何かあったらいつでも頼ってくるんだぞ」
「はい、勿論ですよ。僕にはミスティさんしか頼る人いないですから」
笑顔でミスティに答える。
「やられたくせに笑顔になるなバカモノ!早くご飯注文するぞ!マイアを待たせてるんだ」
「あー、そうですね、先食べててもいいですよ。多分出来るの少しかかるだろうし」
アルージェは待たせるのは悪いと思ったので先に食べることを勧める。
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