80 / 221
第三部 〜新たな力〜
第七十八話
しおりを挟む
「さて、アルージェとか言ったか、何を学びにこの学校に来たんだ?」
学園長がいなくなった後、コルクスから声を掛けてきた。
「えと、付与魔法を学びに来ました!」
「付与魔法、人の生活を豊かにしたいとかそんなところか」
「違います!僕は鍛冶が好きで自作した武器を使って冒険者もしてるんですけど、一度すごく強い人と戦ったことがあるんです、その時は何とか相手の弱みが分かって何とか勝てましたが、
弱みが見つけられなかった場合、今の僕では到底太刀打ちできないんです。
だから、作った武器に付与魔法を施して、すこしでも戦力を高めれたらと思いました」
「自分の力不足を魔法で補いたいということか、まぁきっかけは何だっていい」
コルクスは少し考えてから、
「まず俺は、今ない魔法を作り出す研究をしている、つまり新魔法の開発だ。
論文を出したりして国にも認められているが、付与魔法に特化しているわけではない。
だが付与魔法師として食っていくくらいには教えることはできる、だからそこまでは教えてやるが、
それ以降は自分で学べ」
「わかりました!」
アルージェは元気よく答える。
「だが何するにしても、魔力の操作ができないことには始まらない、はじめは魔力操作ができるようになってもらう。
時間は有限だ無駄にするわけにはいかないから俺が考案した方法でやらせてもらう。
魔力操作ができるようになれば魔法というものが何なのか知識をつけてもらう。
だが俺がお前に教えることは俺の研究内容に沿って教える。
つまり、既存の魔法とは少し違う考え方だということを理解しろ」
「わかりました!」
「返事がいくら良くても、魔法がうまくなるわけではない、俺の信用を勝ち取りたければ行動で示せ」
突き放した発言をしているが、コルクスはにやりと笑いこれからのアルージェがどう成長か楽しみにしているようだった。
「魔力操作だが、俺が考案したやり方で身に着けてもらう、何痛いのははじめだけだ、行くぞ」
そういうとコルクスの周りに何かが集まっていくのが本能的にわかる。
「これだけあればいいか、おい狼、お前の主をしっかり押さえろ」
コルクスがルーネに指示を出し、とりあえずルーネは素直に従う。
アルージェが全く動けなくなるように狼にしては大きな体で地面に押さえつける。
「先生これは一体・・・?」
「お前が垂れ流しにしてくれているおかげこの部屋は魔力が充満している、放出口を俺の魔力で止めて全部お前の体に返す」
「えっと、つまり・・・?」
コルクスはルーネが押さえつけているアルージェの前に移動して、手をアルージェの頭に置く。
グルグルと体の内側をかき回される感覚が始まる。
「体を魔力で覆う、放出口を遮断、魔力を注ぐ」
コスクスから何かがアルージェの体に無理やり入ってくる。
「アルージェ、何かが体の中に入ってきている感覚がわかるか?」
「はい、内側で勝手に動いてなんだか気持ち悪い感覚です」
「よし、ならそれをコントロールして、俺がお前の体を覆っている魔力を突き破って体外に放出しろ」
「突き破る、突き破る」
意識するがどうすればいいのかわからないのでなかなか止めることができない。
「できなければ、魔力過多になって肉体が破裂するぞ」
「は、破裂!?やばい!やばい!、突き破る!突き破る!」
コルクスの言葉を聞き、さらに慌てるが、どうすればいいのか、全く分からない
「一点突破で突き破る、膜を切り裂く、ハチの巣にする、焼き尽くす、イメージはなんでもいい、魔力をイメージ通りに動かして、さっさと突き破れ」
「イメージ、イメージ」
アルージェは必死にイメージをして動いているものを操作しようとする。
「おい、早くしろ、そろそろ出るところない魔力が体内から無理やり出ようとして痛みが」
「いてぇぇぇぇぇぇ!」
コルクスがすべて言い切る前にアルージェの体に痛みが生じる。
「ほら、言わんこっちゃない痛みがある状態でもいいから早くイメージを固めろ」
「痛い、イメージ、痛い、痛い、イメージ、痛い、痛い、痛い」
イメージを固めようとするが、痛みのせいで集中力が途切れる。
痛みで暴れようとするが、ルーネに押さえつけられているため動くこともできない。
「くそっ、動けない」
「突き破ることでしか助からない、もう肉体にはここにあった魔力すべてと、俺の魔力を注いている、おそらくそろそろ許容範囲を超えるだろう、何でもいいから魔力を体外に出さなければ死ぬぞ」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
ミチミチと体からも悲鳴が上がり始める。
痛みで気が狂いそうになり、叫ぶとルーネが心配そうにアルージュ見つめて、コルクスとアルージェ交互に視線を移す。
「今日はここまでか」
そういってコルクスが魔力を注ぐのをやめようとした時、バチンとアルージェの体の周りを纏っていた魔力が弾ける音がして、
アルージェから魔力が放出されて、魔力の奔流が起こる。
体を押さえていたルーネ、魔力を注いでいたコルクスが吹き飛ばされるが、
ルーネは吹き飛ばされた後すぐに体勢を立て直して、壁に着地して勢いを殺して、そのまま床に着地する。
コルクスは詠唱せずに「浮遊空気障壁」と呟くと持っていた杖が光りを放ち、浮遊の魔法が発動し、空気の壁でアルージェから放たれる魔力の衝撃を和らげる。
学園長がいなくなった後、コルクスから声を掛けてきた。
「えと、付与魔法を学びに来ました!」
「付与魔法、人の生活を豊かにしたいとかそんなところか」
「違います!僕は鍛冶が好きで自作した武器を使って冒険者もしてるんですけど、一度すごく強い人と戦ったことがあるんです、その時は何とか相手の弱みが分かって何とか勝てましたが、
弱みが見つけられなかった場合、今の僕では到底太刀打ちできないんです。
だから、作った武器に付与魔法を施して、すこしでも戦力を高めれたらと思いました」
「自分の力不足を魔法で補いたいということか、まぁきっかけは何だっていい」
コルクスは少し考えてから、
「まず俺は、今ない魔法を作り出す研究をしている、つまり新魔法の開発だ。
論文を出したりして国にも認められているが、付与魔法に特化しているわけではない。
だが付与魔法師として食っていくくらいには教えることはできる、だからそこまでは教えてやるが、
それ以降は自分で学べ」
「わかりました!」
アルージェは元気よく答える。
「だが何するにしても、魔力の操作ができないことには始まらない、はじめは魔力操作ができるようになってもらう。
時間は有限だ無駄にするわけにはいかないから俺が考案した方法でやらせてもらう。
魔力操作ができるようになれば魔法というものが何なのか知識をつけてもらう。
だが俺がお前に教えることは俺の研究内容に沿って教える。
つまり、既存の魔法とは少し違う考え方だということを理解しろ」
「わかりました!」
「返事がいくら良くても、魔法がうまくなるわけではない、俺の信用を勝ち取りたければ行動で示せ」
突き放した発言をしているが、コルクスはにやりと笑いこれからのアルージェがどう成長か楽しみにしているようだった。
「魔力操作だが、俺が考案したやり方で身に着けてもらう、何痛いのははじめだけだ、行くぞ」
そういうとコルクスの周りに何かが集まっていくのが本能的にわかる。
「これだけあればいいか、おい狼、お前の主をしっかり押さえろ」
コルクスがルーネに指示を出し、とりあえずルーネは素直に従う。
アルージェが全く動けなくなるように狼にしては大きな体で地面に押さえつける。
「先生これは一体・・・?」
「お前が垂れ流しにしてくれているおかげこの部屋は魔力が充満している、放出口を俺の魔力で止めて全部お前の体に返す」
「えっと、つまり・・・?」
コルクスはルーネが押さえつけているアルージェの前に移動して、手をアルージェの頭に置く。
グルグルと体の内側をかき回される感覚が始まる。
「体を魔力で覆う、放出口を遮断、魔力を注ぐ」
コスクスから何かがアルージェの体に無理やり入ってくる。
「アルージェ、何かが体の中に入ってきている感覚がわかるか?」
「はい、内側で勝手に動いてなんだか気持ち悪い感覚です」
「よし、ならそれをコントロールして、俺がお前の体を覆っている魔力を突き破って体外に放出しろ」
「突き破る、突き破る」
意識するがどうすればいいのかわからないのでなかなか止めることができない。
「できなければ、魔力過多になって肉体が破裂するぞ」
「は、破裂!?やばい!やばい!、突き破る!突き破る!」
コルクスの言葉を聞き、さらに慌てるが、どうすればいいのか、全く分からない
「一点突破で突き破る、膜を切り裂く、ハチの巣にする、焼き尽くす、イメージはなんでもいい、魔力をイメージ通りに動かして、さっさと突き破れ」
「イメージ、イメージ」
アルージェは必死にイメージをして動いているものを操作しようとする。
「おい、早くしろ、そろそろ出るところない魔力が体内から無理やり出ようとして痛みが」
「いてぇぇぇぇぇぇ!」
コルクスがすべて言い切る前にアルージェの体に痛みが生じる。
「ほら、言わんこっちゃない痛みがある状態でもいいから早くイメージを固めろ」
「痛い、イメージ、痛い、痛い、イメージ、痛い、痛い、痛い」
イメージを固めようとするが、痛みのせいで集中力が途切れる。
痛みで暴れようとするが、ルーネに押さえつけられているため動くこともできない。
「くそっ、動けない」
「突き破ることでしか助からない、もう肉体にはここにあった魔力すべてと、俺の魔力を注いている、おそらくそろそろ許容範囲を超えるだろう、何でもいいから魔力を体外に出さなければ死ぬぞ」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」
ミチミチと体からも悲鳴が上がり始める。
痛みで気が狂いそうになり、叫ぶとルーネが心配そうにアルージュ見つめて、コルクスとアルージェ交互に視線を移す。
「今日はここまでか」
そういってコルクスが魔力を注ぐのをやめようとした時、バチンとアルージェの体の周りを纏っていた魔力が弾ける音がして、
アルージェから魔力が放出されて、魔力の奔流が起こる。
体を押さえていたルーネ、魔力を注いでいたコルクスが吹き飛ばされるが、
ルーネは吹き飛ばされた後すぐに体勢を立て直して、壁に着地して勢いを殺して、そのまま床に着地する。
コルクスは詠唱せずに「浮遊空気障壁」と呟くと持っていた杖が光りを放ち、浮遊の魔法が発動し、空気の壁でアルージェから放たれる魔力の衝撃を和らげる。
1
お気に入りに追加
419
あなたにおすすめの小説

無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる