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第三部 〜新たな力〜
第六十五話
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マイアさんの食事を食べて食器をマイアさんに渡してから満足してルーネにもたれかかっているとミスティさんから声がかかる。
「さて、アルージェ先ほどの色の書についてだが、もう少し話をさせてほしいんだがいいだろうか?」
「あっ、お願いします」
「ありがとう、色の書だが私と話していて声によるとこの世界には赤の書、橙の書、黄の書、緑の書、青の書、藍の書、紫の書の七つ存在すると言っていた、そしてこの世界に顕現する時、書と同じ色の光柱が発生してその中にあるらしい」
「ふむ、あれ?でもミスティさんに会った時の光柱の色は違うかったような」
「そうだ、七色だった、ここから考えられることは二つ、声が知らなかっただけで実際は八つ目が存在した、あるいは色の書とは全く別物の何かのどちらかだ」
「ミスティさんの見解はどちらですか?」
「そうだな、私としては声が知らない八つ目が存在したのほうがロマンがあって好きだが確証がないから何とも言えないな」
「確かに幻の零番目みたいなカッコよさありますね!」
「おぉ!アルージェにもこのロマンが伝わるか!さすが男の子だな!」
「逆にこの感覚分かるほうミスティさんに驚きですよ」
「トレジャーハンターになるのが夢だったからなロマンある方が好きなんだ、それと私は理解ある女だからな」
そういってきりっと決め顔をするミスティ。
「そういえば僕も気になってたこと一ついいですか?」
「私の渾身の決め顔を華麗に受け流すんだな、まぁいい」
「あのミスティさんが触手を操っていた短剣ってなんなんですか?村に戻るとき少しだけ見せてもらったんですが、素材すらもわからなくて」
「あれの正体は実は私にも分からんのだ、声のいう通りに遺跡を探索していたら手に入ったものでな」
「なら、もしかして別世界で作られてものなんでしょうか」
「可能性は非常に高いだろうな、ただ、今となっては確認の方法もないが」
「そうですか、きっと僕が知らない未知の素材で出来ているんでしょうね」
腰に帯刀している短剣をチラチラと目で追うアルージェ。
その様子に気づいたミスティが「見たいのか?」と確認すると、「いいんですか!?」と鼻息を荒くして近寄る。
「仕方のない子だな」そういって短剣をアルージェに渡すと、アルージェはぶつぶつとつぶやきながら短剣を眺め始める。
「本当に君は変わった少年だな」
ミスティは少し呆れて、ルーネのほうを見るとルーネもその目線に気づき、「バウ」と声を出す。
「そういえば、あまり話す機会がなかったな、私はミスティだ、長い付き合いになるだろうよろしくな」
そういって、ミスティが手を前に出すと寝ころんでいたルーネは立ち上がり、前足を出して握手をする。
「ふむ、やはり君は賢すぎるな、ただの狼ではないだろう」
ルーネは首を傾げる。
「それにマイアを殺さないように手加減して倒すほどの実力があるのだろう?」
ミスティがマイアのほうを見る。
「ミスティ様、お言葉ですが確かにあの時、私は負けてしまいました、ですが手加減されていたとは思いません」
マイアがミスティの言葉を訂正するがルーネが「フンッ」と鼻を鳴らす。
マイアがルーネの顔を見て青筋を立てる。
「あぁ?なんだくそ犬、なんなら今から決着つけてやってもいいだぞ?」
その言葉を聞きアルージェはマイアを見て固まる。
「マイアさん・・・?」
アルージェはミスティを見るが何事もなかったかのように紅茶を啜り、ルーネはやれやれと首を振っている。
「えっ僕だけマイアさんがあんな人だって知らなかったってことですか!?」
ミスティとルーネを交互に見るアルージェ。
「まぁそうだな、マイアはもともと盗賊だったからな、使用人になってもらってからもよくあの口調で喧嘩したもんだ」
ミスティは過去をしみじみと思い出している。
ルーネからは以前戦った時から礼儀がなっていないやつだと知っていたと脳内に伝わってくる。
膝から崩れ落ちるアルージェ。
「お、おい別にそんなにおちこまなくたっていいじゃねぇかよ!!」
マイアはアルージェの落ち込みように少し恥ずかしさを覚えて、顔を赤くする。
「マイアさんは理想のメイドさんだと思っていたのに・・・くそぅ、でもこれはこれでありな気がしてる自分が悔しい」
「何の話してんだよ!やめろ!」
マイアは恥ずかしくなり頭をスコンッと殴るが、恥ずかしさで力の制御ができず、
強めの力で頭を殴ったせいでアルージェは地面にたたきつけられて、そのまま気絶する。
「あぁ、アルージェが変なこというからやっちまった!!!ミスティ様、どうしよう」
マイアは慌ててミスティに助けを求める。
「やれやれ」
ミスティは回復薬をポーチから取りだし、アルージェをうつ伏せから仰向けに変えて口へ注ぎ込む。
「はっ!?なんかマイアさんが変な夢を見てました」
その言葉を聞いてミスティが噴き出し、マイアが顔を赤らめて、ルーネはアルージェが問題ことを確認したら、
いつも通り丸まり睡眠を始めた。
「さて、アルージェ先ほどの色の書についてだが、もう少し話をさせてほしいんだがいいだろうか?」
「あっ、お願いします」
「ありがとう、色の書だが私と話していて声によるとこの世界には赤の書、橙の書、黄の書、緑の書、青の書、藍の書、紫の書の七つ存在すると言っていた、そしてこの世界に顕現する時、書と同じ色の光柱が発生してその中にあるらしい」
「ふむ、あれ?でもミスティさんに会った時の光柱の色は違うかったような」
「そうだ、七色だった、ここから考えられることは二つ、声が知らなかっただけで実際は八つ目が存在した、あるいは色の書とは全く別物の何かのどちらかだ」
「ミスティさんの見解はどちらですか?」
「そうだな、私としては声が知らない八つ目が存在したのほうがロマンがあって好きだが確証がないから何とも言えないな」
「確かに幻の零番目みたいなカッコよさありますね!」
「おぉ!アルージェにもこのロマンが伝わるか!さすが男の子だな!」
「逆にこの感覚分かるほうミスティさんに驚きですよ」
「トレジャーハンターになるのが夢だったからなロマンある方が好きなんだ、それと私は理解ある女だからな」
そういってきりっと決め顔をするミスティ。
「そういえば僕も気になってたこと一ついいですか?」
「私の渾身の決め顔を華麗に受け流すんだな、まぁいい」
「あのミスティさんが触手を操っていた短剣ってなんなんですか?村に戻るとき少しだけ見せてもらったんですが、素材すらもわからなくて」
「あれの正体は実は私にも分からんのだ、声のいう通りに遺跡を探索していたら手に入ったものでな」
「なら、もしかして別世界で作られてものなんでしょうか」
「可能性は非常に高いだろうな、ただ、今となっては確認の方法もないが」
「そうですか、きっと僕が知らない未知の素材で出来ているんでしょうね」
腰に帯刀している短剣をチラチラと目で追うアルージェ。
その様子に気づいたミスティが「見たいのか?」と確認すると、「いいんですか!?」と鼻息を荒くして近寄る。
「仕方のない子だな」そういって短剣をアルージェに渡すと、アルージェはぶつぶつとつぶやきながら短剣を眺め始める。
「本当に君は変わった少年だな」
ミスティは少し呆れて、ルーネのほうを見るとルーネもその目線に気づき、「バウ」と声を出す。
「そういえば、あまり話す機会がなかったな、私はミスティだ、長い付き合いになるだろうよろしくな」
そういって、ミスティが手を前に出すと寝ころんでいたルーネは立ち上がり、前足を出して握手をする。
「ふむ、やはり君は賢すぎるな、ただの狼ではないだろう」
ルーネは首を傾げる。
「それにマイアを殺さないように手加減して倒すほどの実力があるのだろう?」
ミスティがマイアのほうを見る。
「ミスティ様、お言葉ですが確かにあの時、私は負けてしまいました、ですが手加減されていたとは思いません」
マイアがミスティの言葉を訂正するがルーネが「フンッ」と鼻を鳴らす。
マイアがルーネの顔を見て青筋を立てる。
「あぁ?なんだくそ犬、なんなら今から決着つけてやってもいいだぞ?」
その言葉を聞きアルージェはマイアを見て固まる。
「マイアさん・・・?」
アルージェはミスティを見るが何事もなかったかのように紅茶を啜り、ルーネはやれやれと首を振っている。
「えっ僕だけマイアさんがあんな人だって知らなかったってことですか!?」
ミスティとルーネを交互に見るアルージェ。
「まぁそうだな、マイアはもともと盗賊だったからな、使用人になってもらってからもよくあの口調で喧嘩したもんだ」
ミスティは過去をしみじみと思い出している。
ルーネからは以前戦った時から礼儀がなっていないやつだと知っていたと脳内に伝わってくる。
膝から崩れ落ちるアルージェ。
「お、おい別にそんなにおちこまなくたっていいじゃねぇかよ!!」
マイアはアルージェの落ち込みように少し恥ずかしさを覚えて、顔を赤くする。
「マイアさんは理想のメイドさんだと思っていたのに・・・くそぅ、でもこれはこれでありな気がしてる自分が悔しい」
「何の話してんだよ!やめろ!」
マイアは恥ずかしくなり頭をスコンッと殴るが、恥ずかしさで力の制御ができず、
強めの力で頭を殴ったせいでアルージェは地面にたたきつけられて、そのまま気絶する。
「あぁ、アルージェが変なこというからやっちまった!!!ミスティ様、どうしよう」
マイアは慌ててミスティに助けを求める。
「やれやれ」
ミスティは回復薬をポーチから取りだし、アルージェをうつ伏せから仰向けに変えて口へ注ぎ込む。
「はっ!?なんかマイアさんが変な夢を見てました」
その言葉を聞いてミスティが噴き出し、マイアが顔を赤らめて、ルーネはアルージェが問題ことを確認したら、
いつも通り丸まり睡眠を始めた。
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