47 / 221
第二部 〜未知との遭遇〜
第四十五話
しおりを挟む
村に戻った時には既に辺りは暗くなり始めていた。
ルーネに乗って、門の前にくると先ほどと同じ青年が欠伸と伸びをして立っていた。
気持ちよさそうに「んんー」と声を出して伸びていたが、少し目を開けるとルーネが立っていたので、
伸びていた状態から縮み「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」と叫び声を上げる。
「あっ、ヤーロさんお疲れ様です!」
アルージェがひょっこりと顔出すと、青年も落ち着きを取り戻し始める。
「びっくりさせないでくれよ!はぁ・・・また村の奴らに笑われる」
「村長さんに会いたいんだけど入っていい?」
「あぁ、好きにしてくれ、村長の家は一番奥の他のやつより大きいやつだからすぐにわかると思う」
青年にお礼をいい、そのまま村長の家を目指す。
「確かに、他の家に比べると大きいね、それに豪華な馬車も置いてあるあそこだろうね」
村長の家の玄関に立ち
「村長さーん」と叫ぶと優しそうなおばあちゃんが出てきた。
「あらあら、いらっしゃい、村の子じゃないわよね?」
「あっ、こんにちはアルージェです、村長さんに話があるんですけどいますか?」
「はいはい、ちょっと待っててね」
奥の方で話し声が聞こえてまたおばあちゃんが戻ってくる。
「中に入ってきてだそうよ、大きな狼ちゃんもどうぞー」
「あ、ありがとうございます!」
アルージェが頭を下げて入り、ルーネも頭を下げて入る。
「あらあら、お行儀のいい狼ちゃんねー」
奥に進むと村長が暖かそうな飲み物を啜っていた。
「おう、戻ってきたか、ヴァプンコヌングル遺跡はどうじゃった?」
「すごかったです!あんな綺麗に石を整えて、綺麗に積み上げられていて、どうやって作ったのか不思議で仕方なかったです!」
「そうかそうか、色々と説はあるんじゃが原初の魔道士様が作ったという説が濃厚らしいな」
「魔術師ではなくて魔道士ですか?」
「あぁ、そうじゃワシも詳しくは知らんが、魔術師は体内にある魔力とやら使って魔法を発動するらしいが、魔道士はそこらへんにある魔力を使って魔法を使うらしいぞ」
「へぇ、ならマナの満ちている場所だと魔法が際限なく使えるんですね」
「そうじゃな、あの遺跡のある場所はどうやらそのマナとやらが満ちている場所らしいからな、辺境伯様の娘が言っておったわ」
「へぇ、そうなんですねー!勉強になりました!」
「いやいやワシかて本当かどうかなんてわからんしな、それで今日寝るところはどうするんじゃ?」
「あぁ、どうするか考えてなかったです」
「そうか、ならどうせ辺境伯様の娘は今日も帰ってこんじゃろう今日はこの家に泊まりなさい、狼も村人が見ると驚くじゃろうし」
「わかりました、遺跡のことも少し気になるので今日は泊まらせてもらいます」
そういい銀貨を取り出すと、「村ではどうせ使えんから不要じゃよ」と言ってくれた。
「そうだ!もう一つ伝えたいことがあったんです!」
ヴァプンコヌングル遺跡で見た、状況を村長に説明した。
「ふむ、なるほど少し距離があるから問題ないとは思うが警戒しとくに越したことはないな、門番達に伝えておくわい」
「さて、難しい話が終わったならご飯にしましょうか」
優しそうなおばあちゃんが手際よくテーブルの上を片付けて、美味しそうなご飯が置かれた。
「おぉ、これはまた張り切ったなぁ」
「ふふふ、今日はお客さんがいるから張り切ってたくさん作ってしまったわ」
「うまそー!」「バウー!」
「それはよかったわ、たくさんあるからゆっくり食べてね」
村長と村長夫人はたくさん食べる二人の様子を微笑みながら見ていた。
ルーネも僕も満腹になるまでご飯をご馳走になり、村長さん宅の一室を借りたので
そこで、今後の方針について考えていた。
「やっぱり、稼ぎが安定してる、ラベックさんの依頼を受けて生活した方がいいのかなぁ、あそこの社員になったらかなり稼げると思うんだけどルーネはどう思う?」
ルーネはダメだと首を横に振りその意見を否定する。
「なら、ブロンズランクの依頼をコツコツとやっていくしかないよねぇ討伐依頼と採取依頼をまとめて効率よくできればいいんだけど、場所が噛み合ってないと厳しいんだよね」
「グルゥ」アルージェのいうことに確かに同意するように相槌を入れる。
「なら、僕が討伐してる間にルーネと別々で」
アルージェが新しい形を提案している時に地面が大きく揺れた。
棚などが倒れ、村の中で悲鳴上がる。
揺れは少しすると収まったが、村長さん達の様子を見に行く。
「村長さん!大丈夫ですか!?」
アルージェが叫ぶと「ワシらは大丈夫じゃよ」二人とも無事なようだ。
外で村人達が叫んでいるのが聞こえたので、アルージェとルーネは外に出る。
「なんだ・・・あれ・・・・」
そこには七色の大きな光の柱が天を穿つ、そんな大袈裟な表現が正しかった。
「あの方向はヴァプンコヌングル遺跡か?」村人の一人が呟く。
「あぁ確かに遺跡はあの辺りだったな」
アルージェも確認する、山の方向、確かに遺跡がある方向だった。
「ミスティさん!」
まだ、村に戻ってきていないミスティのことを思い出す。
「ルーネ!いこう!」
アルージェがルーネに跨ると、ルーネは最高速度で遺跡に走り始める。
ルーネに乗って、門の前にくると先ほどと同じ青年が欠伸と伸びをして立っていた。
気持ちよさそうに「んんー」と声を出して伸びていたが、少し目を開けるとルーネが立っていたので、
伸びていた状態から縮み「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」と叫び声を上げる。
「あっ、ヤーロさんお疲れ様です!」
アルージェがひょっこりと顔出すと、青年も落ち着きを取り戻し始める。
「びっくりさせないでくれよ!はぁ・・・また村の奴らに笑われる」
「村長さんに会いたいんだけど入っていい?」
「あぁ、好きにしてくれ、村長の家は一番奥の他のやつより大きいやつだからすぐにわかると思う」
青年にお礼をいい、そのまま村長の家を目指す。
「確かに、他の家に比べると大きいね、それに豪華な馬車も置いてあるあそこだろうね」
村長の家の玄関に立ち
「村長さーん」と叫ぶと優しそうなおばあちゃんが出てきた。
「あらあら、いらっしゃい、村の子じゃないわよね?」
「あっ、こんにちはアルージェです、村長さんに話があるんですけどいますか?」
「はいはい、ちょっと待っててね」
奥の方で話し声が聞こえてまたおばあちゃんが戻ってくる。
「中に入ってきてだそうよ、大きな狼ちゃんもどうぞー」
「あ、ありがとうございます!」
アルージェが頭を下げて入り、ルーネも頭を下げて入る。
「あらあら、お行儀のいい狼ちゃんねー」
奥に進むと村長が暖かそうな飲み物を啜っていた。
「おう、戻ってきたか、ヴァプンコヌングル遺跡はどうじゃった?」
「すごかったです!あんな綺麗に石を整えて、綺麗に積み上げられていて、どうやって作ったのか不思議で仕方なかったです!」
「そうかそうか、色々と説はあるんじゃが原初の魔道士様が作ったという説が濃厚らしいな」
「魔術師ではなくて魔道士ですか?」
「あぁ、そうじゃワシも詳しくは知らんが、魔術師は体内にある魔力とやら使って魔法を発動するらしいが、魔道士はそこらへんにある魔力を使って魔法を使うらしいぞ」
「へぇ、ならマナの満ちている場所だと魔法が際限なく使えるんですね」
「そうじゃな、あの遺跡のある場所はどうやらそのマナとやらが満ちている場所らしいからな、辺境伯様の娘が言っておったわ」
「へぇ、そうなんですねー!勉強になりました!」
「いやいやワシかて本当かどうかなんてわからんしな、それで今日寝るところはどうするんじゃ?」
「あぁ、どうするか考えてなかったです」
「そうか、ならどうせ辺境伯様の娘は今日も帰ってこんじゃろう今日はこの家に泊まりなさい、狼も村人が見ると驚くじゃろうし」
「わかりました、遺跡のことも少し気になるので今日は泊まらせてもらいます」
そういい銀貨を取り出すと、「村ではどうせ使えんから不要じゃよ」と言ってくれた。
「そうだ!もう一つ伝えたいことがあったんです!」
ヴァプンコヌングル遺跡で見た、状況を村長に説明した。
「ふむ、なるほど少し距離があるから問題ないとは思うが警戒しとくに越したことはないな、門番達に伝えておくわい」
「さて、難しい話が終わったならご飯にしましょうか」
優しそうなおばあちゃんが手際よくテーブルの上を片付けて、美味しそうなご飯が置かれた。
「おぉ、これはまた張り切ったなぁ」
「ふふふ、今日はお客さんがいるから張り切ってたくさん作ってしまったわ」
「うまそー!」「バウー!」
「それはよかったわ、たくさんあるからゆっくり食べてね」
村長と村長夫人はたくさん食べる二人の様子を微笑みながら見ていた。
ルーネも僕も満腹になるまでご飯をご馳走になり、村長さん宅の一室を借りたので
そこで、今後の方針について考えていた。
「やっぱり、稼ぎが安定してる、ラベックさんの依頼を受けて生活した方がいいのかなぁ、あそこの社員になったらかなり稼げると思うんだけどルーネはどう思う?」
ルーネはダメだと首を横に振りその意見を否定する。
「なら、ブロンズランクの依頼をコツコツとやっていくしかないよねぇ討伐依頼と採取依頼をまとめて効率よくできればいいんだけど、場所が噛み合ってないと厳しいんだよね」
「グルゥ」アルージェのいうことに確かに同意するように相槌を入れる。
「なら、僕が討伐してる間にルーネと別々で」
アルージェが新しい形を提案している時に地面が大きく揺れた。
棚などが倒れ、村の中で悲鳴上がる。
揺れは少しすると収まったが、村長さん達の様子を見に行く。
「村長さん!大丈夫ですか!?」
アルージェが叫ぶと「ワシらは大丈夫じゃよ」二人とも無事なようだ。
外で村人達が叫んでいるのが聞こえたので、アルージェとルーネは外に出る。
「なんだ・・・あれ・・・・」
そこには七色の大きな光の柱が天を穿つ、そんな大袈裟な表現が正しかった。
「あの方向はヴァプンコヌングル遺跡か?」村人の一人が呟く。
「あぁ確かに遺跡はあの辺りだったな」
アルージェも確認する、山の方向、確かに遺跡がある方向だった。
「ミスティさん!」
まだ、村に戻ってきていないミスティのことを思い出す。
「ルーネ!いこう!」
アルージェがルーネに跨ると、ルーネは最高速度で遺跡に走り始める。
1
お気に入りに追加
419
あなたにおすすめの小説


無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
【完結】間違えたなら謝ってよね! ~悔しいので羨ましがられるほど幸せになります~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「こんな役立たずは要らん! 捨ててこい!!」
何が起きたのか分からず、茫然とする。要らない? 捨てる? きょとんとしたまま捨てられた私は、なぜか幼くなっていた。ハイキングに行って少し道に迷っただけなのに?
後に聖女召喚で間違われたと知るが、だったら責任取って育てるなり、元に戻すなりしてよ! 謝罪のひとつもないのは、納得できない!!
負けん気の強いサラは、見返すために幸せになることを誓う。途端に幸せが舞い込み続けて? いつも笑顔のサラの周りには、聖獣達が集った。
やっぱり聖女だから戻ってくれ? 絶対にお断りします(*´艸`*)
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2022/06/22……完結
2022/03/26……アルファポリス、HOT女性向け 11位
2022/03/19……小説家になろう、異世界転生/転移(ファンタジー)日間 26位
2022/03/18……エブリスタ、トレンド(ファンタジー)1位

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。
魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜
西園寺わかば🌱
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。
4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。
そんな彼はある日、追放される。
「よっし。やっと追放だ。」
自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。
- この話はフィクションです。
- カクヨム様でも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる