天穹は青く

梅林 冬実

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果て

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その子が徐に言う。
「唯一頼れる存在だった、お祖母ちゃんにも嫌われた」
そう。祖母があんなに狼狽えている姿など、これまで1度も見たことがなかった。
「ユカちゃん!あなたは!あなたは!!」
この祖母からよくあんなのが2匹も生まれたと首をひねりたくなるほど、祖母は貞淑で上品だった。良妻賢母を地でいく人生を全うしているその人は、ユカのことを殊更可愛がってくれていた。叔父に嫌がらせされるようになって、顔を見ることがなくなったから、意識から祖母の存在が完全に抜け落ちていたのだ。
激怒され、嫌われた。あんなにユカを可愛がってくれた祖母も、息子の敵には容赦がないと、ユカは痛感した。
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