天穹は青く

梅林 冬実

文字の大きさ
上 下
7 / 25

見えるもの

しおりを挟む
その子は言った。途端に後悔がユカを襲う。
「だって」
太陽が昇る。誰しもに朝が訪れて、ユカは混乱する。もう何度、こうしてこの子とふたり、「朝」を迎えたことか。
「『だって』何?」
どう見ても5歳くらいの男の子は、ユカのこれまでを仔細に心得ていた。
母親との喧嘩。それがきっかけで起きた出来事なのに、ユカは母親とした喧嘩の理由を忘れていた。
しおりを挟む

処理中です...