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母という人
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アルミ製の庇は、ユカがアパートに隣接した一軒家の屋根に飛び移ろうとした瞬間抜け落ち、その拍子に割れたアルミの鋭角で左太腿を酷く裂いて落下した。運悪く飛び移ろうとした家の、低いブロック塀を跨ぐように落下し体を強打、そのはずみで股関節を砕き、ショック状態に陥って意識を失った。
「苦しむことはなかったのは、よかったよね」
その子は言った。
ユカが見たユカは、ブロック塀に跨った状態で前のめりに倒れ、ピクリとも動かない。部屋にいた母は庇が崩れた喧囂を耳にしているはずなのに、窓からこちらを除く気配もない。10分ほども経って漸く
「どこ行ったー!」
と声を張り上げる。ユカは絶命していた。あの高さから落ちたって死ぬとは思わなかったと、事情を聞く警察官に半狂乱になって喚き散らす姿も見せてもらったが、白けただけだった。
「苦しむことはなかったのは、よかったよね」
その子は言った。
ユカが見たユカは、ブロック塀に跨った状態で前のめりに倒れ、ピクリとも動かない。部屋にいた母は庇が崩れた喧囂を耳にしているはずなのに、窓からこちらを除く気配もない。10分ほども経って漸く
「どこ行ったー!」
と声を張り上げる。ユカは絶命していた。あの高さから落ちたって死ぬとは思わなかったと、事情を聞く警察官に半狂乱になって喚き散らす姿も見せてもらったが、白けただけだった。
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