62 / 92
問5 面の表裏を同時に照らせ
答5-4
しおりを挟む
「やーーっ!!」
「でぇっ!?」
ツインテ少女は、駆け寄ってくるなりいきなり光る拳のエフェクトをまとわせながら殴りかかってきた。
俺はとっさに半身を引いて、胴体に向かって来た彼女の右ストレートをいなす。
そして左腰にピリッとした痛み。衝撃で横にぶっ飛ばされる。
右ストレートは囮。本命の左足による回し蹴りが叩き込まれたのだと理解するころには、俺は太い木に当たって弾かれ、地に伏せていた。
「これは――」
いてて、と起き上がった俺に、ツインテ少女は少し離れた場所からふわふわのスカートをはためかせながら仁王立ちで指を突きつけて来た。
「――私の分!」
何の話だ。
「おー。りょーちんから開幕一撃目をクリーンに当てるなんて、やるねぇ」
みずちが能天気にパチパチと拍手している。
うーん、カチンと来たぞ?
俺は無言で立ち上がると、スッとツインテ少女に向かって人差し指を向ける。
お互いに指を向け合う謎の状況は一瞬。不審げな顔をするツインテ少女へ向けた手を少し引き、ひゅっと刺すように動かした。
アクションに呼応して【刀身の苦無】が射出される。
ぎょっとして目を見開く彼女に向かって【脚火】で加速。苦無をかろうじて避けた小さな体にお返しとばかりに蹴りを叩きこもうとするが、ギラついた目をしたみずちが横から俺に攻撃を仕掛ける予備動作が見えた。
とっさに攻撃をキャンセルしてジャンプ。すぐ足元を火弾が通過した。
「邪魔すんなよみずっち!」
【空画整理】で出した足場に手をかけ、ぐいと体を上げながら俺は抗議した。
「いきなり女子に手を上げるような子に育てた覚えはありませんことよ!」
ザマスなボイスでみずちが言い放つ。ついでに容赦なく火を飛ばしてくるのはお約束だ。
「攻撃を仕掛けて来たのはそっちだろ!?」
「ぴょん吉はいいの!」
何がだよ、と反論する前に、件のぴょん吉がおそらく【空中跳躍】を使って跳ねてきた。
「シトラスさん、覚悟ー!」
両腕を真横に大きく広げた。まずい、そのアクションは――
パン、とぴょん吉が左右の腕を勢いよく体の正面で重ねる。
ショットカード【厳正なる審判】だ。左右からまばゆく輝く純白の壁が俺を押しつぶさんと肉薄し、ごいん、と音を立ててぎりぎりで止まった。
壁と壁の隙間には、つっかえ棒のように挟まった俺のガジェット【スタンバトン】だ。
ふぅ。持っててよかったSTB。
みしり、とバトンが折れる予兆。
慌てて隙間から飛び出した俺の視線の先に、下からぽーんと上がって来た2つの球体が目に入る。
「OH……」
【ジャグリングボム】が赤く発光し、自らの体を炸裂させた。
爆風と共に打ち上がる俺の体。仮想の空を見上げ、俺は今日という日を思い返していた。
思えば、朝からスパムメールの山にわちゃわちゃ攻略。午後もなんやかんや誰かと争い続け、ようやく落ち着いたと思ったら変なおっさんに絡まれる。更には男アバターの女の子に粘着され、ミューミューには睨まれ、そして今は害が無さそうなツインテ少女にまで攻撃目標にされてしまった。
なるほどねぇ、なるほどなるほど。
俺もね、一応こう見えても頭脳派を自負してますから、我慢は出来ると思ってたんですよ。
強い男に求められる3つの要素。余裕、迫力、機転。
機転は利かせてきたし、余裕も出てきた。後は迫力をつけなきゃなぁってところだったけど。
だめだ。今は余裕が無い。
流石にこうドタバタが続くと、限界ってものがある。
俺は空中で姿勢を整えると、2人を見下ろす。彼女たちは未だ臨戦体勢だ。
よーし、いい度胸だ。やってやろうじゃん。
俺はプッツンモードに頭を切り替える。
たまにはいいよね。たまには。
まだフィールドは対戦モードに設定されていない。
ライフゲージも無ければ、ドロータイムも無い。
ただお互い殴り合いを楽しむだけの不毛な時間だ。
だがそれがいい。
誰も得しない無意味な争いは、その後1時間にも及んだ。
「で、誰なのこの娘」
俺は木の幹にひっかかったした足を抜こうともがく。
「この娘はねー、昨日友達になったぴょん吉。玻璃猫組だとは知らなかったけど」
体のあちこちを焦がしたみずちが、地面に大の字で寝転んだまま答えた。
「よろしくです、シトラスさんー」
気をつけの姿勢でうつぶせに倒れたぴょん吉がもごもごと挨拶をしている。
何その状態。
「よろしくするタイミングおかしくない?」
「えへへへへ。若気の至りってことで」
至り過ぎではなかろうか。まあ挨拶もせずに反撃した手前、他人の事は言えないが。
くるん、と体を上に向けたぴょん吉は、手を使ってヒョイと起き上がった。
俺もぽこんと足が引っこ抜けた勢いでそのまま地上に降り立つ。
二人でよいしょとみずちを引き上げて、ようやく一息ついた。
そこに遠巻きに俺たちの争いを眺めていたリーダーが近づいて来た。
「いやー、やっと終わりましたか。うちの『桃色の悪魔』が失礼しました」
「いえいえ……なんて?」
ピンキー……? もしかして、この娘の事か?
「ぴょん吉、気持ちは分かるが、彼らはお客様だ。そしてこれからは主と近しい存在として扱う方針になるだろう。謝りなさい」
「急に殴ってごめんなさい! シトラスさん、これからはよろしくです」
二房のピンクのしっぽが頭を下げた拍子に揺れる。
「いや、なんだかんだ楽しかったよ。強いね、ぴょん吉さんも」
「そうですか? お二人の暴走にはとてもとても……」
そうは言うが、なかなか彼女も面白い立ち回りをしていた。
ぴょんぴょんと跳ね回る機動は、カードのバックアップがあるとは言え不規則で捉えづらく、俺の「フライングエクスプレス」の動きに近い。
「私もびっくりしちゃった。ぴょん吉も二つ名あるんだねぇ」
「そっちかよ」
みずちが妙なところに興味を示した。俺も気になるけどさ。
なんだよ「ピンキーデーモン」って。見た目に似合わず物騒な名前だ。
「私のは二つ名じゃなくて、どっちかというと役職名ですよ? 玻璃猫組四天王の一角『桃色の悪魔』です」
「……は? 役職名? それが?」
かっこいー、とみずちはアホな返事をしている。お前さんも燃える鬼神ですから変わりませんよ。
「ですです。さっき説教部屋に連れて行かれてた『特攻隊長』も四天王ですよ。最弱と言われてますけど」
すげぇな玻璃猫組。四天王と来ましたか。
「孤狼丸を倒すとはなかなかシトラスもやりおる」「だが奴は四天王の中でも最弱」って言われんの? 最高かよ。
「じゃあ、彼女並には強いんだ。案外層が厚いね、玻璃猫組って」
「玻璃猫様にあこがれて、ストイックに研鑽するプレイヤーが沢山所属しているんです。割とガチグループですよ?」
ふんす、とぴょん吉は胸を張った。
「まあかくいう私も四天王の中での強さは16番目くらいですけど」
「えっ?」「はっ?」
意味が分からない。
「あぁ、すいません。うちのグループ、四天王は今37人くらいいるので」
リーダーがニコニコしながら答えてくれた。
「……四天王の意味、知ってる?」
元気よく「もちろん!」と答えたぴょん吉の続く言葉に俺は絶句した。
「天王の4倍強い!」
「そのとおり!」
リーダーが拍手している。顔には「まだ信じてら」というあくどい表情が浮かんでいた。
心のメモ帳:玻璃猫組は強くてアホな集団である。リーダーは腹黒。
「でぇっ!?」
ツインテ少女は、駆け寄ってくるなりいきなり光る拳のエフェクトをまとわせながら殴りかかってきた。
俺はとっさに半身を引いて、胴体に向かって来た彼女の右ストレートをいなす。
そして左腰にピリッとした痛み。衝撃で横にぶっ飛ばされる。
右ストレートは囮。本命の左足による回し蹴りが叩き込まれたのだと理解するころには、俺は太い木に当たって弾かれ、地に伏せていた。
「これは――」
いてて、と起き上がった俺に、ツインテ少女は少し離れた場所からふわふわのスカートをはためかせながら仁王立ちで指を突きつけて来た。
「――私の分!」
何の話だ。
「おー。りょーちんから開幕一撃目をクリーンに当てるなんて、やるねぇ」
みずちが能天気にパチパチと拍手している。
うーん、カチンと来たぞ?
俺は無言で立ち上がると、スッとツインテ少女に向かって人差し指を向ける。
お互いに指を向け合う謎の状況は一瞬。不審げな顔をするツインテ少女へ向けた手を少し引き、ひゅっと刺すように動かした。
アクションに呼応して【刀身の苦無】が射出される。
ぎょっとして目を見開く彼女に向かって【脚火】で加速。苦無をかろうじて避けた小さな体にお返しとばかりに蹴りを叩きこもうとするが、ギラついた目をしたみずちが横から俺に攻撃を仕掛ける予備動作が見えた。
とっさに攻撃をキャンセルしてジャンプ。すぐ足元を火弾が通過した。
「邪魔すんなよみずっち!」
【空画整理】で出した足場に手をかけ、ぐいと体を上げながら俺は抗議した。
「いきなり女子に手を上げるような子に育てた覚えはありませんことよ!」
ザマスなボイスでみずちが言い放つ。ついでに容赦なく火を飛ばしてくるのはお約束だ。
「攻撃を仕掛けて来たのはそっちだろ!?」
「ぴょん吉はいいの!」
何がだよ、と反論する前に、件のぴょん吉がおそらく【空中跳躍】を使って跳ねてきた。
「シトラスさん、覚悟ー!」
両腕を真横に大きく広げた。まずい、そのアクションは――
パン、とぴょん吉が左右の腕を勢いよく体の正面で重ねる。
ショットカード【厳正なる審判】だ。左右からまばゆく輝く純白の壁が俺を押しつぶさんと肉薄し、ごいん、と音を立ててぎりぎりで止まった。
壁と壁の隙間には、つっかえ棒のように挟まった俺のガジェット【スタンバトン】だ。
ふぅ。持っててよかったSTB。
みしり、とバトンが折れる予兆。
慌てて隙間から飛び出した俺の視線の先に、下からぽーんと上がって来た2つの球体が目に入る。
「OH……」
【ジャグリングボム】が赤く発光し、自らの体を炸裂させた。
爆風と共に打ち上がる俺の体。仮想の空を見上げ、俺は今日という日を思い返していた。
思えば、朝からスパムメールの山にわちゃわちゃ攻略。午後もなんやかんや誰かと争い続け、ようやく落ち着いたと思ったら変なおっさんに絡まれる。更には男アバターの女の子に粘着され、ミューミューには睨まれ、そして今は害が無さそうなツインテ少女にまで攻撃目標にされてしまった。
なるほどねぇ、なるほどなるほど。
俺もね、一応こう見えても頭脳派を自負してますから、我慢は出来ると思ってたんですよ。
強い男に求められる3つの要素。余裕、迫力、機転。
機転は利かせてきたし、余裕も出てきた。後は迫力をつけなきゃなぁってところだったけど。
だめだ。今は余裕が無い。
流石にこうドタバタが続くと、限界ってものがある。
俺は空中で姿勢を整えると、2人を見下ろす。彼女たちは未だ臨戦体勢だ。
よーし、いい度胸だ。やってやろうじゃん。
俺はプッツンモードに頭を切り替える。
たまにはいいよね。たまには。
まだフィールドは対戦モードに設定されていない。
ライフゲージも無ければ、ドロータイムも無い。
ただお互い殴り合いを楽しむだけの不毛な時間だ。
だがそれがいい。
誰も得しない無意味な争いは、その後1時間にも及んだ。
「で、誰なのこの娘」
俺は木の幹にひっかかったした足を抜こうともがく。
「この娘はねー、昨日友達になったぴょん吉。玻璃猫組だとは知らなかったけど」
体のあちこちを焦がしたみずちが、地面に大の字で寝転んだまま答えた。
「よろしくです、シトラスさんー」
気をつけの姿勢でうつぶせに倒れたぴょん吉がもごもごと挨拶をしている。
何その状態。
「よろしくするタイミングおかしくない?」
「えへへへへ。若気の至りってことで」
至り過ぎではなかろうか。まあ挨拶もせずに反撃した手前、他人の事は言えないが。
くるん、と体を上に向けたぴょん吉は、手を使ってヒョイと起き上がった。
俺もぽこんと足が引っこ抜けた勢いでそのまま地上に降り立つ。
二人でよいしょとみずちを引き上げて、ようやく一息ついた。
そこに遠巻きに俺たちの争いを眺めていたリーダーが近づいて来た。
「いやー、やっと終わりましたか。うちの『桃色の悪魔』が失礼しました」
「いえいえ……なんて?」
ピンキー……? もしかして、この娘の事か?
「ぴょん吉、気持ちは分かるが、彼らはお客様だ。そしてこれからは主と近しい存在として扱う方針になるだろう。謝りなさい」
「急に殴ってごめんなさい! シトラスさん、これからはよろしくです」
二房のピンクのしっぽが頭を下げた拍子に揺れる。
「いや、なんだかんだ楽しかったよ。強いね、ぴょん吉さんも」
「そうですか? お二人の暴走にはとてもとても……」
そうは言うが、なかなか彼女も面白い立ち回りをしていた。
ぴょんぴょんと跳ね回る機動は、カードのバックアップがあるとは言え不規則で捉えづらく、俺の「フライングエクスプレス」の動きに近い。
「私もびっくりしちゃった。ぴょん吉も二つ名あるんだねぇ」
「そっちかよ」
みずちが妙なところに興味を示した。俺も気になるけどさ。
なんだよ「ピンキーデーモン」って。見た目に似合わず物騒な名前だ。
「私のは二つ名じゃなくて、どっちかというと役職名ですよ? 玻璃猫組四天王の一角『桃色の悪魔』です」
「……は? 役職名? それが?」
かっこいー、とみずちはアホな返事をしている。お前さんも燃える鬼神ですから変わりませんよ。
「ですです。さっき説教部屋に連れて行かれてた『特攻隊長』も四天王ですよ。最弱と言われてますけど」
すげぇな玻璃猫組。四天王と来ましたか。
「孤狼丸を倒すとはなかなかシトラスもやりおる」「だが奴は四天王の中でも最弱」って言われんの? 最高かよ。
「じゃあ、彼女並には強いんだ。案外層が厚いね、玻璃猫組って」
「玻璃猫様にあこがれて、ストイックに研鑽するプレイヤーが沢山所属しているんです。割とガチグループですよ?」
ふんす、とぴょん吉は胸を張った。
「まあかくいう私も四天王の中での強さは16番目くらいですけど」
「えっ?」「はっ?」
意味が分からない。
「あぁ、すいません。うちのグループ、四天王は今37人くらいいるので」
リーダーがニコニコしながら答えてくれた。
「……四天王の意味、知ってる?」
元気よく「もちろん!」と答えたぴょん吉の続く言葉に俺は絶句した。
「天王の4倍強い!」
「そのとおり!」
リーダーが拍手している。顔には「まだ信じてら」というあくどい表情が浮かんでいた。
心のメモ帳:玻璃猫組は強くてアホな集団である。リーダーは腹黒。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
無職で何が悪い!
アタラクシア
ファンタジー
今いるこの世界の隣に『ネリオミア』という世界がある。魔法が一般的に使え、魔物と呼ばれる人間に仇をなす生物がそこら辺を歩いているような世界。これはそんな世界でのお話――。
消えた父親を追って世界を旅している少女「ヘキオン」は、いつものように魔物の素材を売ってお金を貯めていた。
ある日普通ならいないはずのウルフロードにヘキオンは襲われてしまう。そこに現れたのは木の棒を持った謎の男。熟練の冒険者でも倒すのに一苦労するほど強いウルフロードを一撃で倒したその男の名は「カエデ」という。
ひょんなことから一緒に冒険することになったヘキオンとカエデは、様々な所を冒険することになる。そしてヘキオンの父親への真相も徐々に明らかになってゆく――。
毎日8時半更新中!

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。
そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。
逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。
猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。
リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる