29 / 92
問3 条件による分岐を辿れ
問3-7
しおりを挟む
2周目は、入り口で各々の分担を再確認し、不意打ちや何らかの理由で戦闘でのバランスが崩れた場合に誰がどうフォローに入るかの相談をした。
1周目で崩れたチョッキは、相手の動きと仲間の位置をしっかり把握してこそ強みが出せる盾役なだけに、パーティーの側面からの不意打ちに対応しきれず無理が出てしまった。
今思えばエネミーの不意打ちに慣れていなかったミューミューのところが穴だったせいなのだが、まだこの時は気づかなかった。
そして挑んだ2周目。先程よりは皆慎重だったため、全5階層の3階層までは比較的順調に進んだ。
3階層から4階層に上がる扉の前には、エリアボスと呼ばれるかなりの強敵が立ち塞がる。
このダンジョンでのいわゆる中ボスといった立場で、エネミーの名は「クラオカミ」。昨日活躍してくれた【隠し矢】をドロップするので、俺も数回はソロで討伐したことがある。
クラオカミは黒子の衣装を纏っているため顔が見えない、4本の腕を持つ2mほどの巨人だ。
ソロとパーティーではこういったボス戦もエネミーの強さが段違いに上がる。
例えば、ソロではエネミーが放つ単発攻撃はほとんどが【隠し矢】の為の布石というパターンが多いため、連続で同じ攻撃なら【隠し矢】を警戒して攻撃の着弾地点をしっかり把握していれば相手の攻撃を避けるのは容易い。
しかしパーティではどうやらそう上手くはいかないらしい。
クラオカミのライフを半分くらいまで削った後、戦闘フィールド全体に放つ血の散弾のような攻撃の後に横や背後から攻撃が飛んでくることがあった。
【隠し矢】の属性を持った攻撃が、全体攻撃の中に紛れているのだ。
エネミーはカードと同じ効果を持つ攻撃をしてくることが多いが、それは必ずしもカードで再現出来る攻撃しかして来ないという事ではない。
ミューミューは、そういう敵の行動パターンの変化にもすぐには対応出来ず、想像以上に被弾してしまっていた。
俺は2周目に挑む前に決めた「ライフ優先」の行動意識に従ってすぐにミューミューに回復のカードを切った。
通常、ライフの回復中は移動や攻撃のアクションが出来ない。
これが出来てしまうと、複数プレイヤーが回復と強化だけに回り、無敵の戦闘プレイヤー1人が闘うような別ゲーになってしまうからだ。
なので、回復するためには一旦引いて回復カードを使ってもらい、確認次第また前線に戻るといった超初歩的な戦略が必要とされる。
こんなこと、1度でもパーティを組んだことがあるなら知っていて当然だ。
だが、彼女は俺の回復カードの効果中に、今がチャンスとばかりにクラオカミにショットカードを使ってしまった。
ありえない行動だった。
当然、回復はキャンセル。ほとんど回復出来ず貧弱なライフのままになってしまったミューミューは攻撃が当たったクラオカミのターゲットになってしまい、大ぶりな範囲攻撃を回避しきれず落ちた。
3人になった俺達は善戦したものの、全員がパーティでは初参戦だったクラオカミの攻撃パターンが読みきれず、フィールド全体への攻撃で俺とみずちが同時落ちしたため結局全滅してしまった。
こうなるともう違和感では済まされない。
他の二人もうすうす気づいただろう。
対人戦ではほとんど負け無しの強豪プレイヤー玻璃猫こと「μMeow」は、もしかしてパーティダンジョンに慣れていないのでは? という疑惑に。
ただ、これを彼女に問いただすのは「友達、いないんですか?」と聞いているのに等しい。
ちょっとそれは聞けないだろう。
いや、俺も人のことをとやかく言えるほど友達が居るわけではないのだが。
俺達はミューミューのミスには極力触れず、クラオカミの攻撃パターンの変遷と気をつけなければいけないモーションを確認しあい、リベンジの3周目に挑んだ。
3周目はミューミューが急激に成長を遂げていた。持ち前のアクションテクニックや適応力はさすがの一言で、先程全滅したとは思えないほどクラオカミをあっさり撃破した。
だが、問題はダンジョン最奥のボスの手前にあった。
眼の前にあったのは、大人が一人くらいなら入れそうな大きさの宝箱。
日本の天守閣をイメージしているダンジョンなだけあって、宝箱もよくある上部が曲面になった西洋風の箱ではなく、豪奢な木彫りの装飾が施された千両箱のような見た目だった。
まあ、わかりやすく罠だった。
ネクロの基本はエネミーの討伐や周囲のオブジェクトから採取という形で素材の収集やカードの入手を行うため、オフラインゲームのように宝箱がいたるところにあるような常識は通じない。
もちろんたまにはある。
それはこういった罠か、もしくは宝箱型のエネミーか。一応ごくごくわずかに、レアカードが人数分入っていることがある。
ある意味分の悪いガチャだ。
多くの敵と戦闘をしたいときには開けることもある。なぜなら、大抵のハズレが単なるダメージか「ラッシュ」と呼ばれる大量の敵との戦闘が始まるからだ。
だが、ダンジョン最上階でダメージは欲しくないし、ラッシュなら尚更まずい。
ライフは削られるし、ボスを討伐した方が美味しいのに下手すればそれを逃すことになる。
出てくるエネミーも最上階はやっかいな攻撃をしてくる奴が多いので分も悪い。
「宝箱は中ボス前なら開けることを検討しろ」と言われるくらいダンジョンの浅い層でしか旨味がないイベントだった。
この宝箱の中身を探るカードも存在するが、宝箱イベントは起こる事がそうあるわけでも無いため今回は誰もデッキに入れていなかった。
つまり今回の選択は「無視」一択だったはずだ。
宝箱の発見からほぼノータイムで無警戒にミューミューが手を伸ばして開いてしまったので、まあこの見解を述べる時間は無かったのだが。
引き当てたのは「ラッシュ」。
俺達は「魍魎」という異常状態付与攻撃を行ってくるエネミーと、部屋を埋め尽くすほどに大量の「餓鬼」の群れに襲われた。
ミューミューはやっぱり知らなかったのだ。
ソロでの宝箱は出現率が低い割に大抵が低レアリティのカードという事実が、彼女が無警戒に手を伸ばしてしまった理由だった。
そしてその間違いは、結果的に3度目の全滅に繋がったのだ。
1周目で崩れたチョッキは、相手の動きと仲間の位置をしっかり把握してこそ強みが出せる盾役なだけに、パーティーの側面からの不意打ちに対応しきれず無理が出てしまった。
今思えばエネミーの不意打ちに慣れていなかったミューミューのところが穴だったせいなのだが、まだこの時は気づかなかった。
そして挑んだ2周目。先程よりは皆慎重だったため、全5階層の3階層までは比較的順調に進んだ。
3階層から4階層に上がる扉の前には、エリアボスと呼ばれるかなりの強敵が立ち塞がる。
このダンジョンでのいわゆる中ボスといった立場で、エネミーの名は「クラオカミ」。昨日活躍してくれた【隠し矢】をドロップするので、俺も数回はソロで討伐したことがある。
クラオカミは黒子の衣装を纏っているため顔が見えない、4本の腕を持つ2mほどの巨人だ。
ソロとパーティーではこういったボス戦もエネミーの強さが段違いに上がる。
例えば、ソロではエネミーが放つ単発攻撃はほとんどが【隠し矢】の為の布石というパターンが多いため、連続で同じ攻撃なら【隠し矢】を警戒して攻撃の着弾地点をしっかり把握していれば相手の攻撃を避けるのは容易い。
しかしパーティではどうやらそう上手くはいかないらしい。
クラオカミのライフを半分くらいまで削った後、戦闘フィールド全体に放つ血の散弾のような攻撃の後に横や背後から攻撃が飛んでくることがあった。
【隠し矢】の属性を持った攻撃が、全体攻撃の中に紛れているのだ。
エネミーはカードと同じ効果を持つ攻撃をしてくることが多いが、それは必ずしもカードで再現出来る攻撃しかして来ないという事ではない。
ミューミューは、そういう敵の行動パターンの変化にもすぐには対応出来ず、想像以上に被弾してしまっていた。
俺は2周目に挑む前に決めた「ライフ優先」の行動意識に従ってすぐにミューミューに回復のカードを切った。
通常、ライフの回復中は移動や攻撃のアクションが出来ない。
これが出来てしまうと、複数プレイヤーが回復と強化だけに回り、無敵の戦闘プレイヤー1人が闘うような別ゲーになってしまうからだ。
なので、回復するためには一旦引いて回復カードを使ってもらい、確認次第また前線に戻るといった超初歩的な戦略が必要とされる。
こんなこと、1度でもパーティを組んだことがあるなら知っていて当然だ。
だが、彼女は俺の回復カードの効果中に、今がチャンスとばかりにクラオカミにショットカードを使ってしまった。
ありえない行動だった。
当然、回復はキャンセル。ほとんど回復出来ず貧弱なライフのままになってしまったミューミューは攻撃が当たったクラオカミのターゲットになってしまい、大ぶりな範囲攻撃を回避しきれず落ちた。
3人になった俺達は善戦したものの、全員がパーティでは初参戦だったクラオカミの攻撃パターンが読みきれず、フィールド全体への攻撃で俺とみずちが同時落ちしたため結局全滅してしまった。
こうなるともう違和感では済まされない。
他の二人もうすうす気づいただろう。
対人戦ではほとんど負け無しの強豪プレイヤー玻璃猫こと「μMeow」は、もしかしてパーティダンジョンに慣れていないのでは? という疑惑に。
ただ、これを彼女に問いただすのは「友達、いないんですか?」と聞いているのに等しい。
ちょっとそれは聞けないだろう。
いや、俺も人のことをとやかく言えるほど友達が居るわけではないのだが。
俺達はミューミューのミスには極力触れず、クラオカミの攻撃パターンの変遷と気をつけなければいけないモーションを確認しあい、リベンジの3周目に挑んだ。
3周目はミューミューが急激に成長を遂げていた。持ち前のアクションテクニックや適応力はさすがの一言で、先程全滅したとは思えないほどクラオカミをあっさり撃破した。
だが、問題はダンジョン最奥のボスの手前にあった。
眼の前にあったのは、大人が一人くらいなら入れそうな大きさの宝箱。
日本の天守閣をイメージしているダンジョンなだけあって、宝箱もよくある上部が曲面になった西洋風の箱ではなく、豪奢な木彫りの装飾が施された千両箱のような見た目だった。
まあ、わかりやすく罠だった。
ネクロの基本はエネミーの討伐や周囲のオブジェクトから採取という形で素材の収集やカードの入手を行うため、オフラインゲームのように宝箱がいたるところにあるような常識は通じない。
もちろんたまにはある。
それはこういった罠か、もしくは宝箱型のエネミーか。一応ごくごくわずかに、レアカードが人数分入っていることがある。
ある意味分の悪いガチャだ。
多くの敵と戦闘をしたいときには開けることもある。なぜなら、大抵のハズレが単なるダメージか「ラッシュ」と呼ばれる大量の敵との戦闘が始まるからだ。
だが、ダンジョン最上階でダメージは欲しくないし、ラッシュなら尚更まずい。
ライフは削られるし、ボスを討伐した方が美味しいのに下手すればそれを逃すことになる。
出てくるエネミーも最上階はやっかいな攻撃をしてくる奴が多いので分も悪い。
「宝箱は中ボス前なら開けることを検討しろ」と言われるくらいダンジョンの浅い層でしか旨味がないイベントだった。
この宝箱の中身を探るカードも存在するが、宝箱イベントは起こる事がそうあるわけでも無いため今回は誰もデッキに入れていなかった。
つまり今回の選択は「無視」一択だったはずだ。
宝箱の発見からほぼノータイムで無警戒にミューミューが手を伸ばして開いてしまったので、まあこの見解を述べる時間は無かったのだが。
引き当てたのは「ラッシュ」。
俺達は「魍魎」という異常状態付与攻撃を行ってくるエネミーと、部屋を埋め尽くすほどに大量の「餓鬼」の群れに襲われた。
ミューミューはやっぱり知らなかったのだ。
ソロでの宝箱は出現率が低い割に大抵が低レアリティのカードという事実が、彼女が無警戒に手を伸ばしてしまった理由だった。
そしてその間違いは、結果的に3度目の全滅に繋がったのだ。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
無職で何が悪い!
アタラクシア
ファンタジー
今いるこの世界の隣に『ネリオミア』という世界がある。魔法が一般的に使え、魔物と呼ばれる人間に仇をなす生物がそこら辺を歩いているような世界。これはそんな世界でのお話――。
消えた父親を追って世界を旅している少女「ヘキオン」は、いつものように魔物の素材を売ってお金を貯めていた。
ある日普通ならいないはずのウルフロードにヘキオンは襲われてしまう。そこに現れたのは木の棒を持った謎の男。熟練の冒険者でも倒すのに一苦労するほど強いウルフロードを一撃で倒したその男の名は「カエデ」という。
ひょんなことから一緒に冒険することになったヘキオンとカエデは、様々な所を冒険することになる。そしてヘキオンの父親への真相も徐々に明らかになってゆく――。
毎日8時半更新中!

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
疲れ切った現実から逃れるため、VRMMORPG「アナザーワールド・オンライン」に没頭する俺。自由度の高いこのゲームで憧れの料理人を選んだものの、気づけばゲーム内でも完全に負け組。戦闘職ではないこの料理人は、ゲームの中で目立つこともなく、ただ地味に日々を過ごしていた。
そんなある日、フレンドの誘いで参加したレベル上げ中に、運悪く出現したネームドモンスター「猛き猪」に遭遇。通常、戦うには3パーティ18人が必要な強敵で、俺たちのパーティはわずか6人。絶望的な状況で、肝心のアタッカーたちは早々に強制ログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク役クマサンとヒーラーのミコトさん、そして料理人の俺だけ。
逃げるよう促されるも、フレンドを見捨てられず、死を覚悟で猛き猪に包丁を振るうことに。すると、驚くべきことに料理スキルが猛き猪に通用し、しかも与えるダメージは並のアタッカーを遥かに超えていた。これを機に、負け組だった俺の新たな冒険が始まる。
猛き猪との戦いを経て、俺はクマサンとミコトさんと共にギルドを結成。さらに、ある出来事をきっかけにクマサンの正体を知り、その秘密に触れる。そして、クマサンとミコトさんと共にVチューバー活動を始めることになり、ゲーム内外で奇跡の連続が繰り広げられる。
リアルでは無職、ゲームでは負け組職業だった俺が、リアルでもゲームでも自らの力で奇跡を起こす――そんな物語がここに始まる。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる