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第149話 ダンジョンの探索依頼
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通された応接室で、俺たちはガリアとミリアの正面にあったソファーに腰をかけていた。
出されたお茶に手を付けるよりも前に、ガリアが少し申し訳なさそうな笑みを浮かべており、何か良くない出来事が起きているのだということはすぐに分かった。
「こんな短期間に何度もすまんな。だが、今日するお願いは個人的な依頼ではなく、ギルド長として、『道化師の集い』に依頼したいことなんだ」
「あれ? そうだったんですか?」
またイリス関係の依頼かと思ったが、どうやら違ったらしい。
まぁ、イリスの問題はこの前解決したばかりだし、道化師の噂が消えないうちは追加で依頼されることもないか。
ギルド長としての依頼ということは、何かこのギルドに関することなのだろうか。
そう思うと、少しだけ聞く姿勢も前のめりになっていた。
「エルシルという街付近に、新たにダンジョンができてな。そこに調査に向かったA級パーティが帰ってこないんだ。だから、そのA級パーティの行方の調査と、ダンジョンについて調べてきて欲しい」
「……ダンジョンですか」
「ん? ダンジョンは苦手なのか?」
ガリアの言葉を受けて、少しだけ眉を潜めた俺を見て、ガリアが意外そうにそんな言葉を口にした。
別に苦手だという認識はないが、A級パーティの行方が分からなくなるほどのダンジョンとなると、【罠感知】のスキルは必要不可欠になる。
そのスキルは俺も持っていないし、多分リリも持っていないだろう。
そうなると、さすがにそんな危険なダンジョンに潜るのは危ない気がした。
俺たちが潜入に特化したパーティだというのなら、ダンジョンはその専門の人たちに任せた方がいいかもしれない。
「苦手というよりは、誰も【罠感知】のスキルを持ってないんですよ。そんな状態で、この依頼を受けるわけにはいかないのでーー」
「あっ、私達持ってますよ」
「きゃんっ」
俺が申し訳なさそうにその依頼を断ろうとすると、隣にいたリリと俺の太ももの上にいたポチがそんな言葉を口にした。
「え、うそっ、初めて聞いたんだけど」
体よく断ろうとしていたわけではなかったので、その二人の返答に素で驚くような反応をしてしまった。
俺の言葉を受けて、二人は少しだけ苦い過去を思い出すように視線を逸らして、言葉を続けた。
「オラルの島で修行していた時に、罠を張ってくる魔物もいたので……色々と頑張って取得しました」
「くぅん」
一体どんな過酷な状況で修行をしていたのか。その一端を聞いたような気がして、俺は少しだけ引きつった笑みを二人に返していた。
なんだが、三食付きと布団付きで修行をしていたことに、少しだけ罪悪感すら覚えるな。
「でも、私が取得できたので、アイクさんも取得できると思いますけど」
「【罠感知】か。……」
結界魔法のように俺にはできなくて、リリにしかできないものもあるが、基本的にリリにできることは俺もできる傾向にある。
というよりは、俺にできることをリリに教えれば、できるようになる関係って感じだな。
確かに、道化師なら手品とかのタネとかも分かりそうだ。そう考えれば、罠の感知もできてもおかしくはない気がする。
試しに【道化師】のスキルに似たような物がないか探してみようとすると、探すよりも早く、脳の中でそのスキルを突きつけられたような感覚があった。
そのスキルを確かめてみると、それは紛れもない【道化師】のスキルだった。
「ああ、なんか取得できたみたいだ」
「ですよね。そうだと思いました」
俺がいつものように新たなスキルを手にして、当たり前のようにリリとそんな会話をしていると、ガリアは少しの間言葉を失ったように驚いていた。
しばらく固まっていたのが気になって視線を向けると、ガリアは小さく言葉を漏らした。
「……アイクは、スキルをそんな簡単に取得できるのか」
「まぁ、物によるんですけどね」
「何でもありだな」
「それ、リリにもよく言われます」
こういうとき、【道化師】のスキルの便利さには非常に助かるものだ。いや、それ以外に【道化師】の強さにも助かってはいるんだけどな。
なんか最近、より一層チート染みてきたしな。
「【罠感知】があるってことは、この依頼を受けてくれるか?」
パーティメンバー全員が【罠感知】のスキルを持っているのなら、問題はないか。
そう思った俺は、とりあえずその依頼の内容を聞くことにしたのだった。
出されたお茶に手を付けるよりも前に、ガリアが少し申し訳なさそうな笑みを浮かべており、何か良くない出来事が起きているのだということはすぐに分かった。
「こんな短期間に何度もすまんな。だが、今日するお願いは個人的な依頼ではなく、ギルド長として、『道化師の集い』に依頼したいことなんだ」
「あれ? そうだったんですか?」
またイリス関係の依頼かと思ったが、どうやら違ったらしい。
まぁ、イリスの問題はこの前解決したばかりだし、道化師の噂が消えないうちは追加で依頼されることもないか。
ギルド長としての依頼ということは、何かこのギルドに関することなのだろうか。
そう思うと、少しだけ聞く姿勢も前のめりになっていた。
「エルシルという街付近に、新たにダンジョンができてな。そこに調査に向かったA級パーティが帰ってこないんだ。だから、そのA級パーティの行方の調査と、ダンジョンについて調べてきて欲しい」
「……ダンジョンですか」
「ん? ダンジョンは苦手なのか?」
ガリアの言葉を受けて、少しだけ眉を潜めた俺を見て、ガリアが意外そうにそんな言葉を口にした。
別に苦手だという認識はないが、A級パーティの行方が分からなくなるほどのダンジョンとなると、【罠感知】のスキルは必要不可欠になる。
そのスキルは俺も持っていないし、多分リリも持っていないだろう。
そうなると、さすがにそんな危険なダンジョンに潜るのは危ない気がした。
俺たちが潜入に特化したパーティだというのなら、ダンジョンはその専門の人たちに任せた方がいいかもしれない。
「苦手というよりは、誰も【罠感知】のスキルを持ってないんですよ。そんな状態で、この依頼を受けるわけにはいかないのでーー」
「あっ、私達持ってますよ」
「きゃんっ」
俺が申し訳なさそうにその依頼を断ろうとすると、隣にいたリリと俺の太ももの上にいたポチがそんな言葉を口にした。
「え、うそっ、初めて聞いたんだけど」
体よく断ろうとしていたわけではなかったので、その二人の返答に素で驚くような反応をしてしまった。
俺の言葉を受けて、二人は少しだけ苦い過去を思い出すように視線を逸らして、言葉を続けた。
「オラルの島で修行していた時に、罠を張ってくる魔物もいたので……色々と頑張って取得しました」
「くぅん」
一体どんな過酷な状況で修行をしていたのか。その一端を聞いたような気がして、俺は少しだけ引きつった笑みを二人に返していた。
なんだが、三食付きと布団付きで修行をしていたことに、少しだけ罪悪感すら覚えるな。
「でも、私が取得できたので、アイクさんも取得できると思いますけど」
「【罠感知】か。……」
結界魔法のように俺にはできなくて、リリにしかできないものもあるが、基本的にリリにできることは俺もできる傾向にある。
というよりは、俺にできることをリリに教えれば、できるようになる関係って感じだな。
確かに、道化師なら手品とかのタネとかも分かりそうだ。そう考えれば、罠の感知もできてもおかしくはない気がする。
試しに【道化師】のスキルに似たような物がないか探してみようとすると、探すよりも早く、脳の中でそのスキルを突きつけられたような感覚があった。
そのスキルを確かめてみると、それは紛れもない【道化師】のスキルだった。
「ああ、なんか取得できたみたいだ」
「ですよね。そうだと思いました」
俺がいつものように新たなスキルを手にして、当たり前のようにリリとそんな会話をしていると、ガリアは少しの間言葉を失ったように驚いていた。
しばらく固まっていたのが気になって視線を向けると、ガリアは小さく言葉を漏らした。
「……アイクは、スキルをそんな簡単に取得できるのか」
「まぁ、物によるんですけどね」
「何でもありだな」
「それ、リリにもよく言われます」
こういうとき、【道化師】のスキルの便利さには非常に助かるものだ。いや、それ以外に【道化師】の強さにも助かってはいるんだけどな。
なんか最近、より一層チート染みてきたしな。
「【罠感知】があるってことは、この依頼を受けてくれるか?」
パーティメンバー全員が【罠感知】のスキルを持っているのなら、問題はないか。
そう思った俺は、とりあえずその依頼の内容を聞くことにしたのだった。
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