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はじまり
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26歳。
それは、結婚•出産を終えた友達もチラホラ現れた頃であり、30もみえてきた年ごろ。そのころ私は、彼氏からのプロポーズを待っている呑気なOLをやっていた。
花嫁姿の友達を見るたびに、勝手にその顔を私に変換し、顔もボンヤリの新郎の顔を彼氏に変換して、頭の中で結婚式のイメージトレーニングをしていた。
トレーニングは完璧だった。トレーニングだけ。
そんな私が、なんで婚活という戦場に繰り出すことになったのかお話ししたいと思う。
私の名前は道場葵
地方都市に住んでる会社員。
大好きな彼氏にも恵まれて、この先は幸せしかない!とあの頃の私は浮かれていた。
そんな26歳の誕生日の1週間後、私はこっ酷くフラれることになった。
好意を重たく感じたとかなんとかで、あまり思い出せない。
本気で結婚するつもりだった私にとって、この出来事はあまりに残酷だった。
それから1週間ほどご飯もロクに口を通らず、仕事も廃人のような顔で向かうことが多かった。
街ですれ違うカップルや、子連れの夫婦を見るたびに、胸が痛んだ。
仕事以外では1日中ワンワン泣き続けた。
でもある程度落ち込んだ時に、体重計に乗った。
3キロ痩せていた。食わないので当たり前である。
痩せてる?すご!失恋すご!なんて思っていたら急に身体に元気が戻ってきた。
私の部屋に残していた彼氏の私物を送り返しだ時には憑き物が落ちてスッキリした気分になった。
仕事を休んで旅行にも行った。
好きなものを食べてたら3キロ痩せた身体はあっという間に元に戻った。
むしろ、少し太ったかもしれない。
泣くのを辞めたら食欲も戻る。
あの時の気持ちを思い出して、感傷に浸ることはあったが、もう泣かなくなっていた。
心が少し元気になったけれど恋愛をする気分にはとてもなれなかった。
未練があったかもしれない。でも戻れない。いつまでも思い出に浸っていたら、出会えるものも出会えない。
職場でも友人の紹介でもこれといった人もいないし、向こうも選ぶ権利はあるから、選ばれることもない。
このままいつまでも【おひとりさま】なのだろうかと寂しくなりはじめたころ、自然と【恋愛したい訳じゃなくて、隣にいてくれるパートナーが欲しい】と訳の分からないことを思うようになった。
1人で生きていく覚悟がなかったのだ。
そんな好都合な相手いないことは承知していたが、隣にいて安心して気を許せるパートナーが欲しかった。
こんなフワッとした気持ちから、私は男女の出会いの場から考えを改めることにした。
ネットで検索して目に止まったのは
【マッチングアプリ】
【婚活BAR】
【婚活パーティー】
【結婚相談所】だった。
【マッチングアプリ】は、当時はまだ今みたいに浸透していなかった。
メッセージのやりとりはいい感じだったのに、待ち合わせ場所に来た途端ドタキャン等あると思うと、ビビリな私にはとてもアプリをやる気にはならなかった。
【婚活BAR】は、住む場所が遠すぎて良い人が居ても次に繋げることのほうが難しそうなイメージがあり、保留。
残ったのは【婚活パーティー】だった。
大手の会社だと全国あちこちの会場で、1日数回開催される婚活パーティー。
私の住んでる地方都市でも開催していた。
パーティーといっても、堅苦しいものではなく男女1対1で2分~3分会話し、全員と話した後、この人ともっと会話したいと思ったら、その異性へパーティースタッフを通じて意志表示ができるシステムだ。その意志表示が相手からもあったらマッチング。あとは会場の外で交流をするというものだった。
本当は【結婚相談所】という手もあった。ある程度の条件を提示したら、最初から異性を絞れるスタイルには魅力を感じたが、これは本気の人が集まる場所だと感じた。こんな生半可な気持ちで挑んではダメだと感じ、手を出さずにいた。
もっと探せば男女の出会いの場など色々あったかもしれないが、最初から会える、お互いカジュアルな出会いを求めてるなら婚活パーティーがお手軽と感じた。
気がついたら私は、大手の婚活パーティー会社に会員登録をしていた。
自分の王子様は自分で探しにいく。
こうして私は、結婚活動、略して婚活をすることになる。
それは、結婚•出産を終えた友達もチラホラ現れた頃であり、30もみえてきた年ごろ。そのころ私は、彼氏からのプロポーズを待っている呑気なOLをやっていた。
花嫁姿の友達を見るたびに、勝手にその顔を私に変換し、顔もボンヤリの新郎の顔を彼氏に変換して、頭の中で結婚式のイメージトレーニングをしていた。
トレーニングは完璧だった。トレーニングだけ。
そんな私が、なんで婚活という戦場に繰り出すことになったのかお話ししたいと思う。
私の名前は道場葵
地方都市に住んでる会社員。
大好きな彼氏にも恵まれて、この先は幸せしかない!とあの頃の私は浮かれていた。
そんな26歳の誕生日の1週間後、私はこっ酷くフラれることになった。
好意を重たく感じたとかなんとかで、あまり思い出せない。
本気で結婚するつもりだった私にとって、この出来事はあまりに残酷だった。
それから1週間ほどご飯もロクに口を通らず、仕事も廃人のような顔で向かうことが多かった。
街ですれ違うカップルや、子連れの夫婦を見るたびに、胸が痛んだ。
仕事以外では1日中ワンワン泣き続けた。
でもある程度落ち込んだ時に、体重計に乗った。
3キロ痩せていた。食わないので当たり前である。
痩せてる?すご!失恋すご!なんて思っていたら急に身体に元気が戻ってきた。
私の部屋に残していた彼氏の私物を送り返しだ時には憑き物が落ちてスッキリした気分になった。
仕事を休んで旅行にも行った。
好きなものを食べてたら3キロ痩せた身体はあっという間に元に戻った。
むしろ、少し太ったかもしれない。
泣くのを辞めたら食欲も戻る。
あの時の気持ちを思い出して、感傷に浸ることはあったが、もう泣かなくなっていた。
心が少し元気になったけれど恋愛をする気分にはとてもなれなかった。
未練があったかもしれない。でも戻れない。いつまでも思い出に浸っていたら、出会えるものも出会えない。
職場でも友人の紹介でもこれといった人もいないし、向こうも選ぶ権利はあるから、選ばれることもない。
このままいつまでも【おひとりさま】なのだろうかと寂しくなりはじめたころ、自然と【恋愛したい訳じゃなくて、隣にいてくれるパートナーが欲しい】と訳の分からないことを思うようになった。
1人で生きていく覚悟がなかったのだ。
そんな好都合な相手いないことは承知していたが、隣にいて安心して気を許せるパートナーが欲しかった。
こんなフワッとした気持ちから、私は男女の出会いの場から考えを改めることにした。
ネットで検索して目に止まったのは
【マッチングアプリ】
【婚活BAR】
【婚活パーティー】
【結婚相談所】だった。
【マッチングアプリ】は、当時はまだ今みたいに浸透していなかった。
メッセージのやりとりはいい感じだったのに、待ち合わせ場所に来た途端ドタキャン等あると思うと、ビビリな私にはとてもアプリをやる気にはならなかった。
【婚活BAR】は、住む場所が遠すぎて良い人が居ても次に繋げることのほうが難しそうなイメージがあり、保留。
残ったのは【婚活パーティー】だった。
大手の会社だと全国あちこちの会場で、1日数回開催される婚活パーティー。
私の住んでる地方都市でも開催していた。
パーティーといっても、堅苦しいものではなく男女1対1で2分~3分会話し、全員と話した後、この人ともっと会話したいと思ったら、その異性へパーティースタッフを通じて意志表示ができるシステムだ。その意志表示が相手からもあったらマッチング。あとは会場の外で交流をするというものだった。
本当は【結婚相談所】という手もあった。ある程度の条件を提示したら、最初から異性を絞れるスタイルには魅力を感じたが、これは本気の人が集まる場所だと感じた。こんな生半可な気持ちで挑んではダメだと感じ、手を出さずにいた。
もっと探せば男女の出会いの場など色々あったかもしれないが、最初から会える、お互いカジュアルな出会いを求めてるなら婚活パーティーがお手軽と感じた。
気がついたら私は、大手の婚活パーティー会社に会員登録をしていた。
自分の王子様は自分で探しにいく。
こうして私は、結婚活動、略して婚活をすることになる。
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