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プロローグ

終わりは始まりの合図

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 吸血城と呼ばれている城で、俺たち勇者軍は魔王軍幹部である吸血王ヴァイスと戦っていた。そして、苦戦をしながらも勝利を掴み取る。

「俺たちの勝ちだ!」

「クソが、人間などという下等生物に負けるなど!!」

  倒したと思っていた吸血王ヴァイスは最後の力を使って、勇者に反撃をしようとする。俺は咄嗟に勇者を弾き飛ばし、吸血王ヴァイスの魔法の剣で心臓打ち抜かれる。

「ステ……イ? ステイ!? 」

  意識が朦朧している中、勇者の必死な声が聞こえてくる。ははっ、やっぱりお前は勇者よりも幼馴染のカイとしか見えないわ。カイに最後の言葉をかけることもできず、深い闇へと身を任せた。これで勇者軍戦士であるステイ・アーランドの物語は終わりを告げた。だが、物語は次の舞台に移ることなど俺はまだ知らない。



  この世界はステイグレイと呼ばれ、魔族と人間の対立が起きていた。魔族の戦力は人間の戦力上回り、人間は滅んでいくものだと思われていた。だが、人間の中に魔族の力を超える勇者という存在が現れた。勇者とその仲間たちのお陰で魔族を支配する王を退治し、人間側に平和が訪れた。その平和が保ったのは勇者が生き残っていた時までだった。勇者が持病で死に追いやられ、その機会を待っていた魔族の生き残りが新たな魔王を中心に、魔族と人間の対立が再び起きようとしていた。
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