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私の幸せ
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「もう、つばめには、ついていけない。別れよ」
「はぁ?!何で?ちょっと尻貸してって言っただけじゃん!!」
私、海原つばめは、尻ストである。
尻ストとは、なんぞや。
尻が大好きな民族である。
特に男の尻が好きなのだ。
掘りたい。掘りたい。掘って、掘って、掘りまくりたい。
だが、残念なことに、その願いを叶えてくれる男には出会ったことが無かった。
初めは普通に付き合い、熟れた頃にさり気なく尻に向かうおうとするが、必ず拒否された。冗談でも怒鳴られた。
「頭おかしいんじゃねぇの?お前」
挙げ句、そんな言葉を掛けられ、元彼からは『ケツ女』なんて渾名まで付けられた。
この屈辱が分かるだろうか。
別に私は変態ではない。
ただ、男を喘がせたいのだ。
それの何がおかしいのか。
そんなある日、合コンでケツを掘らせてくれそうな相手を探そうと参加していると、隣のテーブルの声が聞こえた。
「えーっ!!神城、童貞?え、彼女いたことないの?マジ?29まで?間もなく魔法使いになるじゃん!!ウケる」
ふと見ると、半年程前に合コンで会ったことのある男だった。名前は、確か持田だったか…軽薄で、尻も薄かったから興味が無かったけれど。
その向かいに座るボサボサ頭でメガネの男が、吃りながら話しだした。
「だっ、だって、僕、その、女の子と話したことも、無い、ですし…」
神城と呼ばれた猫背で中肉中背の男は、特に手入れもして無さそうだが、肌が綺麗だった。真っ白く艶のある肌が綺麗だと思った。
「嘘~っ!!今度、合コンに混ぜてやろうか?あー、でも女に慣れて無いから、すぐ騙されそうだよな、お前。何でも信じるし」
そして、尻の肉付きが、最ッ高に好みだった。私は顔よりも、断然、尻派なのだ。ムッチリとした尻が、揉みしだきたいくらいにどストライクだった。
「ぼっ、ぼっ、僕なんかと、その、付き合ってくれる人なんて、いないよ…でも、いつか、けっ結婚…したいなぁ、なんて夢はあるんだけどね…ハハ…」
ビールをチビチビ飲みながら、益々背中を丸める男の肩を、持田がバンバン叩いて励ましている。いや、励ましてるように見せかけて貶めて楽しんでるのか。
「そんなことないって!俺の友達で、彼氏募集してる子に声掛けるからさ!お前の良さを分かってくれる子も、世界中探せば一人くらい居るって!!もしかしたらな!!アハハ!!」
持田、嫌な奴。
でも、確か連絡先を交換したはず。
使えるものは、ザコでも使う。
そうして、私はすぐに持田に連絡をして、彼女募集中の人を紹介してくれと頼んだ。
『えーっ、俺は??』
『無理。メガネかけて、中肉中背でボサボサ頭の人が良い。あと童貞』
『なんそれ……』
そんなこんなで、薄っぺらい持田に引かれつつも、どうにか神城くんの連絡先を奪い、猛ダッシュでデートに漕ぎ着けたのだ。
そして、当日にまんまと美味しく頂いて、純粋な彼を私好みに調教しつつ、半年後には結婚式を挙げる。狩りにはスピードも大事なのだ。
彼には、二人の愛の行為のことは絶対に周りに話さないように言い含めてある。
「みんな、やってることだけど、公然の秘密だから。私も恥ずかしいし……もし誰かに話したら、お仕置きするからね?」
ツン、と鼻を押しただけなのに、彼は真っ青になってブンブンと頷いた。
「ひいっ!!絶対に話しません!!」
彼は、このお仕置きを非常に恐れている。
一度、彼がうっかりお尻のことを話そうとした時に、受けたお仕置きが余程効いたらしい。
ただ、夜の公園でプレイしただけなのに。恥ずかしがり屋さん☆
そんなこんなで、私達は、今日も幸せです♡
終わり
「はぁ?!何で?ちょっと尻貸してって言っただけじゃん!!」
私、海原つばめは、尻ストである。
尻ストとは、なんぞや。
尻が大好きな民族である。
特に男の尻が好きなのだ。
掘りたい。掘りたい。掘って、掘って、掘りまくりたい。
だが、残念なことに、その願いを叶えてくれる男には出会ったことが無かった。
初めは普通に付き合い、熟れた頃にさり気なく尻に向かうおうとするが、必ず拒否された。冗談でも怒鳴られた。
「頭おかしいんじゃねぇの?お前」
挙げ句、そんな言葉を掛けられ、元彼からは『ケツ女』なんて渾名まで付けられた。
この屈辱が分かるだろうか。
別に私は変態ではない。
ただ、男を喘がせたいのだ。
それの何がおかしいのか。
そんなある日、合コンでケツを掘らせてくれそうな相手を探そうと参加していると、隣のテーブルの声が聞こえた。
「えーっ!!神城、童貞?え、彼女いたことないの?マジ?29まで?間もなく魔法使いになるじゃん!!ウケる」
ふと見ると、半年程前に合コンで会ったことのある男だった。名前は、確か持田だったか…軽薄で、尻も薄かったから興味が無かったけれど。
その向かいに座るボサボサ頭でメガネの男が、吃りながら話しだした。
「だっ、だって、僕、その、女の子と話したことも、無い、ですし…」
神城と呼ばれた猫背で中肉中背の男は、特に手入れもして無さそうだが、肌が綺麗だった。真っ白く艶のある肌が綺麗だと思った。
「嘘~っ!!今度、合コンに混ぜてやろうか?あー、でも女に慣れて無いから、すぐ騙されそうだよな、お前。何でも信じるし」
そして、尻の肉付きが、最ッ高に好みだった。私は顔よりも、断然、尻派なのだ。ムッチリとした尻が、揉みしだきたいくらいにどストライクだった。
「ぼっ、ぼっ、僕なんかと、その、付き合ってくれる人なんて、いないよ…でも、いつか、けっ結婚…したいなぁ、なんて夢はあるんだけどね…ハハ…」
ビールをチビチビ飲みながら、益々背中を丸める男の肩を、持田がバンバン叩いて励ましている。いや、励ましてるように見せかけて貶めて楽しんでるのか。
「そんなことないって!俺の友達で、彼氏募集してる子に声掛けるからさ!お前の良さを分かってくれる子も、世界中探せば一人くらい居るって!!もしかしたらな!!アハハ!!」
持田、嫌な奴。
でも、確か連絡先を交換したはず。
使えるものは、ザコでも使う。
そうして、私はすぐに持田に連絡をして、彼女募集中の人を紹介してくれと頼んだ。
『えーっ、俺は??』
『無理。メガネかけて、中肉中背でボサボサ頭の人が良い。あと童貞』
『なんそれ……』
そんなこんなで、薄っぺらい持田に引かれつつも、どうにか神城くんの連絡先を奪い、猛ダッシュでデートに漕ぎ着けたのだ。
そして、当日にまんまと美味しく頂いて、純粋な彼を私好みに調教しつつ、半年後には結婚式を挙げる。狩りにはスピードも大事なのだ。
彼には、二人の愛の行為のことは絶対に周りに話さないように言い含めてある。
「みんな、やってることだけど、公然の秘密だから。私も恥ずかしいし……もし誰かに話したら、お仕置きするからね?」
ツン、と鼻を押しただけなのに、彼は真っ青になってブンブンと頷いた。
「ひいっ!!絶対に話しません!!」
彼は、このお仕置きを非常に恐れている。
一度、彼がうっかりお尻のことを話そうとした時に、受けたお仕置きが余程効いたらしい。
ただ、夜の公園でプレイしただけなのに。恥ずかしがり屋さん☆
そんなこんなで、私達は、今日も幸せです♡
終わり
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