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高熱
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サンク様が、高熱を出した。俺は当然、寝ずに看病している。
「ゴホッ、そんなに心配しなくて大丈夫だよ、すぐ治るから」
「でも……」
「だから、ログには薪売りと薬を買って来て欲しいんだ。マアムおばさんのところへ行けば分かるから大丈夫。村に入ってすぐの赤い屋根の丸いお家だよ」
俺は村への一人きりのお使いを頼まれた。
「……かしこまりました」
昔の嫌な記憶が蘇る。人は俺を見ると嫌悪する。石や土を投げられた。
果たして、きちんとお使いを果たすことなんて、この俺に出来るだろうか。
不安になりながら、けれども高熱で苦しむサンク様の為に出来ることは全てやりたい。
教えられた道を頭に叩き込んで薪を背負い村へと一人で向かう。
「気をつけて、いってらっしゃい」
高熱で潤んだサンク様の瞳があまりに色気を含んでいて、思わず下半身が反応してしまい、若干前屈みで家を出た。
本当に、サンク様は色っぽい。
元々美しいが、俺とのアレコレが増えると、日に日に美しさに磨きがかかり、例えようのない色香を、身にまとうようになった。見るだけで下半身が打ち震えるから、床に跪くしか無い。香りも、どんどん淫靡になっていく。俺の欲のせいか?
とにかく自分を何とか制御するので精一杯だ。そうでなければ、恐らくめちゃくちゃに抱いてしまう。全てを奪いたくて仕方ないのだから。
そんな妄想を首を振って振り払い、村へと向かう。サクサクと進み、そこはのどかな小さな村だった。初めて足を踏み入れた。
不安で胸が押し潰されそうだ。
どんな目で見られるのか……
「あら、まあ!!神様が来たわ!」
赤い屋根の丸いお家。マアムおばさんの家だと思うが、そのおばさんはキラキラとした瞳で俺を見た。
「あ!分かった!あなたがログね?!サンクから聞いてたまんま!ほんとに神様みたいに綺麗ねぇ!サンクが惚れるのも当然よ。あら、薪?良いわよ、あなたが持ってきてくれたんだもの、高値で買うわ」
何も投げ付けられることも無く、矢継ぎ早に話すと、薪を全て買い上げてくれた。
「その…薬を…」
「薬??あぁ、もしかしてサンクが風邪でもひいた?症状は?」
「熱が、ひどくて……」
「はいはい、じゃあ、アマリン草を今、煎じてあげるから待ってて?すごく良く効くんだから!あ、これサンクの好きなクッキーも持って行ってあげてね。あ、あなたも好きなのよね?このクッキー」
圧倒される勢いで話すマアムおばさん。ひたすらに首を縦に振るしかない。テキパキとあちこち動きながらも話し続ける。
「はい、好き、です」
「サンクがいつも言ってるもの!あなたのことなら、大抵知ってるわ!ほら、これがアマリン草よ。お茶にして飲ませてあげて?あと、この蜂蜜も一緒に飲ませると甘くて美味しいし、栄養になるわ!それと……これも!丸鶏を煮込んで柔らかくしたものよ。風邪には栄養が必要だもの。沢山食べさせて寝かせなさいよ?しっかり寝かせないと治らないんだから」
パチンとウインクされて、はぁ、と頷いた。
「あ、ありがとう、ございます…」
「いいのよ!サンクはとっても良い子だけど、ほら、素直過ぎるでしょ?あなたと恋人になれないことを悩んでるみたいだから心配してたの。あなたもとっても綺麗だけど、サンクも天使みたいな子だから、お似合いなんじゃないかしら?あの子の気持ちも少し考えてあげてくれる?余計なお世話だろうけど」
「は、いぃ………」
俺は真っ赤になってるだろう顔と大量の荷物を背負って村から山へと戻った。
山道を歩きながら、先程のマアムおばさんの言葉を反芻する。
『サンクがいつも言ってるの』
『あなたのことなら、大抵知ってるわ』
『恋人になれなくて悩んでる』
『お似合いなんじゃないかしら?』
それって、それって………
考え過ぎて足元がふらつく。
大量の荷物のせいじゃない。
もしかして、本当に、サンク様は、俺のことを……
「おかえり、ログ」
熱で潤んだ瞳のサンク様が声を掛けてくれた。
気付けば俺は寝台で寝るサンク様の隣に立っていた。
ハッとして俯こうとすると、荷物が邪魔で上手く出来なかった。
「…嬉しい」
「え?なんですか?サンク様」
「ログが俯かないで隣にいてくれるのが嬉しい」
そう言って指を絡められた。
少し湿った熱っぽい指に全神経を絡め取られた。
「ゴホッ、そんなに心配しなくて大丈夫だよ、すぐ治るから」
「でも……」
「だから、ログには薪売りと薬を買って来て欲しいんだ。マアムおばさんのところへ行けば分かるから大丈夫。村に入ってすぐの赤い屋根の丸いお家だよ」
俺は村への一人きりのお使いを頼まれた。
「……かしこまりました」
昔の嫌な記憶が蘇る。人は俺を見ると嫌悪する。石や土を投げられた。
果たして、きちんとお使いを果たすことなんて、この俺に出来るだろうか。
不安になりながら、けれども高熱で苦しむサンク様の為に出来ることは全てやりたい。
教えられた道を頭に叩き込んで薪を背負い村へと一人で向かう。
「気をつけて、いってらっしゃい」
高熱で潤んだサンク様の瞳があまりに色気を含んでいて、思わず下半身が反応してしまい、若干前屈みで家を出た。
本当に、サンク様は色っぽい。
元々美しいが、俺とのアレコレが増えると、日に日に美しさに磨きがかかり、例えようのない色香を、身にまとうようになった。見るだけで下半身が打ち震えるから、床に跪くしか無い。香りも、どんどん淫靡になっていく。俺の欲のせいか?
とにかく自分を何とか制御するので精一杯だ。そうでなければ、恐らくめちゃくちゃに抱いてしまう。全てを奪いたくて仕方ないのだから。
そんな妄想を首を振って振り払い、村へと向かう。サクサクと進み、そこはのどかな小さな村だった。初めて足を踏み入れた。
不安で胸が押し潰されそうだ。
どんな目で見られるのか……
「あら、まあ!!神様が来たわ!」
赤い屋根の丸いお家。マアムおばさんの家だと思うが、そのおばさんはキラキラとした瞳で俺を見た。
「あ!分かった!あなたがログね?!サンクから聞いてたまんま!ほんとに神様みたいに綺麗ねぇ!サンクが惚れるのも当然よ。あら、薪?良いわよ、あなたが持ってきてくれたんだもの、高値で買うわ」
何も投げ付けられることも無く、矢継ぎ早に話すと、薪を全て買い上げてくれた。
「その…薬を…」
「薬??あぁ、もしかしてサンクが風邪でもひいた?症状は?」
「熱が、ひどくて……」
「はいはい、じゃあ、アマリン草を今、煎じてあげるから待ってて?すごく良く効くんだから!あ、これサンクの好きなクッキーも持って行ってあげてね。あ、あなたも好きなのよね?このクッキー」
圧倒される勢いで話すマアムおばさん。ひたすらに首を縦に振るしかない。テキパキとあちこち動きながらも話し続ける。
「はい、好き、です」
「サンクがいつも言ってるもの!あなたのことなら、大抵知ってるわ!ほら、これがアマリン草よ。お茶にして飲ませてあげて?あと、この蜂蜜も一緒に飲ませると甘くて美味しいし、栄養になるわ!それと……これも!丸鶏を煮込んで柔らかくしたものよ。風邪には栄養が必要だもの。沢山食べさせて寝かせなさいよ?しっかり寝かせないと治らないんだから」
パチンとウインクされて、はぁ、と頷いた。
「あ、ありがとう、ございます…」
「いいのよ!サンクはとっても良い子だけど、ほら、素直過ぎるでしょ?あなたと恋人になれないことを悩んでるみたいだから心配してたの。あなたもとっても綺麗だけど、サンクも天使みたいな子だから、お似合いなんじゃないかしら?あの子の気持ちも少し考えてあげてくれる?余計なお世話だろうけど」
「は、いぃ………」
俺は真っ赤になってるだろう顔と大量の荷物を背負って村から山へと戻った。
山道を歩きながら、先程のマアムおばさんの言葉を反芻する。
『サンクがいつも言ってるの』
『あなたのことなら、大抵知ってるわ』
『恋人になれなくて悩んでる』
『お似合いなんじゃないかしら?』
それって、それって………
考え過ぎて足元がふらつく。
大量の荷物のせいじゃない。
もしかして、本当に、サンク様は、俺のことを……
「おかえり、ログ」
熱で潤んだ瞳のサンク様が声を掛けてくれた。
気付けば俺は寝台で寝るサンク様の隣に立っていた。
ハッとして俯こうとすると、荷物が邪魔で上手く出来なかった。
「…嬉しい」
「え?なんですか?サンク様」
「ログが俯かないで隣にいてくれるのが嬉しい」
そう言って指を絡められた。
少し湿った熱っぽい指に全神経を絡め取られた。
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