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交わる、交わらない、交わる
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やはり、邪神だった。
だが、その言葉は俺の心を甘く蝕んだ。
天使を汚すような言葉は、それだけで罪深いというのに、俺は想像してしまった。
サンクチュアリ様を汚す妄想を……
一度想像してしまえば、それは歯止めが効かない呪いだった。
気付けば、長い奴隷生活で完全に機能を失ったと思っていたソレが、完全に首をもたげていた。
俺は、なんと罪深く愚かな奴隷なのだ。
あろうことか、あの天使たる主人に対して、そんな汚れた想いを抱くなど、抱く、いだく、だく、だく……?つまり……
あぁぁぁぁぉぁ!!!!!
バカ!俺のバカ!今なら死にたい!
どうか、かの小太り貴族よ、俺を完全に殺してくれ!今なら、いかなる拷問も喜んで受けよう!
そんな邪な想いを何とか打ち消そうと湯浴みをしていると、ふとサンクチュアリ様の声がした気がした。
思わずそちらを見れば、布巾をサンクチュアリ様が取り落としたところだった。目隠しの布を避けて、地面に落ちた布巾を何気なく拾ってサンクチュアリ様に手渡す。
と、サンクチュアリ様の視線を一点に感じた。
「???」
ふ、と自分も視線を辿って見れば………
サンクチュアリ様が一目散に走り去った。
それはそうだろう。
俺だって逃げたい。
こんな、万全の態勢で頭をもたげたモノを見せることになるなんて………
俺は、走った。
湯浴みしていた所から、一番近くて一番太い大木の元へ。
なぜって?
落ち着く為だ。
サンクチュアリ様に、こんな酷いモノを見せてしまったにも関わらず、ソレは増々増長するばかりで、一向に治まろうとしなかった。
むしろ、先端から透明な液体まで溢れさせ始めている。さっきから、サンクチュアリ様の唇がソレの近くにあった様子が何度も何度も頭の中を駆け巡り、一向に治まらない。早く何とかしなければ……!!!
そこで、その大木に俺はしがみついた。
何をしてるかって?
ナニをしているんだ。
奴隷は、自慰が禁じられている。一切の行動は主人の指示に従うのだ。
けれど、ここではサンクチュアリ様は指示などされない。
「家の中や周りでは自由に過ごして下さいね。それが、僕にとっても嬉しいから」
本当に、神………
そんな天使であり、真の神であるサンクチュアリ様を想いながら、俺は………
大木に向けて擦り付けた。ナニを。
はぁ、はぁ、と荒く息をすれば首輪は多少苦しいが、これまでの拷問では、もっと苦しい思いを沢山してきたから、全く苦にならない。むしろ、楽なくらいだ。
それなのに、今ではサンクチュアリ様との絆の証となった首輪を外すことを邪神に頼むなんて……しかも、サンクチュアリ様の身体と引き換えに!!
あの邪神め、俺と交われなどと、不埒な……交わ……まじ……交わるって、つまりは………あああああぁぁぁぁあ!!
心の中で、何度も絶叫しながら腰を大木に擦り付けていた。
肩を叩かれるまで。
「……グ、ログ?何してるの?」
「!!!!!!!」
俺は大木を抱えたまま、背後のサンクチュアリ様を振り返って固まった。
終わった……みられた……捨てられる……
最悪の終わりが見えた。
もはや、向こうで地獄の門番が手を振っている。あれ、門番って、もしかしてシザエラ?
「ログ?ねえ、大丈夫?その……赤くなってるから、そろそろ……痛くないの?」
ハッとこちらの世界に意識が戻って来た。背後には、麗しきサンクチュアリ様。と、全裸の奴隷。しかも、俺は大木で自慰真っ最中。サンクチュアリ様の視線を辿って見れば、確かに先端が大木の厚い皮に擦られ過ぎて少しだけ赤くなっている。
こんなの、何の痛みも感じない。
が、俺は正気を失っていた。もう、これで俺の天国は終わりで、天使に捨てられたら、また元の生活が待っていると思ったら、涙が溢れて来た。奴隷は泣いてはいけないのに。
「……!!やっぱり、痛むんだね?もう…困ったな……ほら、こっち向いて?その……治療だから、ね?」
俺は言われるがまま、サンクチュアリ様の方に向き直って大木に背中を付けた。
目の前には、サンクチュアリ様。心無しか目が潤んで頬も上気しているような……
呆然としている俺の前に、事もあろうかサンクチュアリ様が跪いた。
「?!?!??!!!」
俺がアタフタとしていると、ソコを両手でそっと掴まれた。
「その……初めてだから、上手くは出来ないけど……我慢してね?」
我慢?初めて?上手??
えっ、あのっ、そのっ、それはっ、一体……!!?
パクっと紅色の果実のような唇が、俺の醜い先端を食んだ。あの、先端から溢れさせていたアレを、だ。
「~~~~~っっ!!!」
瞬間に、俺は吐き出してしまった。
何をって?
アレを、だ。
「んん~~っ!!ゴホッ、ハアっ、んっ、飲んじゃった……けホッ」
オーマイガー………
シザエラ……今すぐ、俺を殺してくれ……
だが、その言葉は俺の心を甘く蝕んだ。
天使を汚すような言葉は、それだけで罪深いというのに、俺は想像してしまった。
サンクチュアリ様を汚す妄想を……
一度想像してしまえば、それは歯止めが効かない呪いだった。
気付けば、長い奴隷生活で完全に機能を失ったと思っていたソレが、完全に首をもたげていた。
俺は、なんと罪深く愚かな奴隷なのだ。
あろうことか、あの天使たる主人に対して、そんな汚れた想いを抱くなど、抱く、いだく、だく、だく……?つまり……
あぁぁぁぁぉぁ!!!!!
バカ!俺のバカ!今なら死にたい!
どうか、かの小太り貴族よ、俺を完全に殺してくれ!今なら、いかなる拷問も喜んで受けよう!
そんな邪な想いを何とか打ち消そうと湯浴みをしていると、ふとサンクチュアリ様の声がした気がした。
思わずそちらを見れば、布巾をサンクチュアリ様が取り落としたところだった。目隠しの布を避けて、地面に落ちた布巾を何気なく拾ってサンクチュアリ様に手渡す。
と、サンクチュアリ様の視線を一点に感じた。
「???」
ふ、と自分も視線を辿って見れば………
サンクチュアリ様が一目散に走り去った。
それはそうだろう。
俺だって逃げたい。
こんな、万全の態勢で頭をもたげたモノを見せることになるなんて………
俺は、走った。
湯浴みしていた所から、一番近くて一番太い大木の元へ。
なぜって?
落ち着く為だ。
サンクチュアリ様に、こんな酷いモノを見せてしまったにも関わらず、ソレは増々増長するばかりで、一向に治まろうとしなかった。
むしろ、先端から透明な液体まで溢れさせ始めている。さっきから、サンクチュアリ様の唇がソレの近くにあった様子が何度も何度も頭の中を駆け巡り、一向に治まらない。早く何とかしなければ……!!!
そこで、その大木に俺はしがみついた。
何をしてるかって?
ナニをしているんだ。
奴隷は、自慰が禁じられている。一切の行動は主人の指示に従うのだ。
けれど、ここではサンクチュアリ様は指示などされない。
「家の中や周りでは自由に過ごして下さいね。それが、僕にとっても嬉しいから」
本当に、神………
そんな天使であり、真の神であるサンクチュアリ様を想いながら、俺は………
大木に向けて擦り付けた。ナニを。
はぁ、はぁ、と荒く息をすれば首輪は多少苦しいが、これまでの拷問では、もっと苦しい思いを沢山してきたから、全く苦にならない。むしろ、楽なくらいだ。
それなのに、今ではサンクチュアリ様との絆の証となった首輪を外すことを邪神に頼むなんて……しかも、サンクチュアリ様の身体と引き換えに!!
あの邪神め、俺と交われなどと、不埒な……交わ……まじ……交わるって、つまりは………あああああぁぁぁぁあ!!
心の中で、何度も絶叫しながら腰を大木に擦り付けていた。
肩を叩かれるまで。
「……グ、ログ?何してるの?」
「!!!!!!!」
俺は大木を抱えたまま、背後のサンクチュアリ様を振り返って固まった。
終わった……みられた……捨てられる……
最悪の終わりが見えた。
もはや、向こうで地獄の門番が手を振っている。あれ、門番って、もしかしてシザエラ?
「ログ?ねえ、大丈夫?その……赤くなってるから、そろそろ……痛くないの?」
ハッとこちらの世界に意識が戻って来た。背後には、麗しきサンクチュアリ様。と、全裸の奴隷。しかも、俺は大木で自慰真っ最中。サンクチュアリ様の視線を辿って見れば、確かに先端が大木の厚い皮に擦られ過ぎて少しだけ赤くなっている。
こんなの、何の痛みも感じない。
が、俺は正気を失っていた。もう、これで俺の天国は終わりで、天使に捨てられたら、また元の生活が待っていると思ったら、涙が溢れて来た。奴隷は泣いてはいけないのに。
「……!!やっぱり、痛むんだね?もう…困ったな……ほら、こっち向いて?その……治療だから、ね?」
俺は言われるがまま、サンクチュアリ様の方に向き直って大木に背中を付けた。
目の前には、サンクチュアリ様。心無しか目が潤んで頬も上気しているような……
呆然としている俺の前に、事もあろうかサンクチュアリ様が跪いた。
「?!?!??!!!」
俺がアタフタとしていると、ソコを両手でそっと掴まれた。
「その……初めてだから、上手くは出来ないけど……我慢してね?」
我慢?初めて?上手??
えっ、あのっ、そのっ、それはっ、一体……!!?
パクっと紅色の果実のような唇が、俺の醜い先端を食んだ。あの、先端から溢れさせていたアレを、だ。
「~~~~~っっ!!!」
瞬間に、俺は吐き出してしまった。
何をって?
アレを、だ。
「んん~~っ!!ゴホッ、ハアっ、んっ、飲んじゃった……けホッ」
オーマイガー………
シザエラ……今すぐ、俺を殺してくれ……
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