魔族になりたい勇者〜どん底勇者と魔王様〜

にじいろ♪

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第一章

煩悩

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ごくん、と飲み込む魔王様の喉元を凝視してしまう。
あまりに色っぽくて、俺のモノが全く萎えない。

「ごっごめんよ、フィガル!こんなこと仕事中に、俺、最近頭がおかしくて…フィガルのこと考えると、ココが、その」

言い訳しようにも、俺のモノがフィガルの色気に当てられて全く萎えないから、恥ずかしくてとりあえず隠そうとする。
が、服に入れるのが難しい。
完全に天井を向いているそれは引っかかってしまう。

「くぅっ、待ってくれ!今、しまうから!」

恥ずかしい!見ないで!
そんなに近くで見ないで!
匂いを嗅がないで!

「もっと舐めたい」

トロンとした瞳で舌舐めずりしながら、そう言う魔王様の顔が壮絶な色気を放っていた。
どくん、と心臓が大きく脈うつ。
そんなことを魔王様にさせられるわけない。
けど、でも、あの厚い唇の気持ちよさを俺は知っている。
ゴクリと唾を飲み込む。

「舐めて…くれるのか?」

こくんと頷くと、魔王様は俺を抱き上げて寝台へと優しく横たわらせた。
俺が無理やり隠そうとしていた前を少し寛げると、無理やり押し込んでいたモノが、勢い良くぷるんと顔を出す。
期待しているように、フィガルに反応してヒクヒク動くのが浅ましくて顔に血が集まる。

「あ、あんまり見ないでくれ…恥ずかしい…フィガルに見られると、それだけでイきそうだ」

本当に至近距離から見られているだけで、先から透明な液がぷくりと溢れてくる。
ふるふると震える先っぽに、ゆっくり近づいてきたフィガルの舌がヌルりと触れる。
それだけで背筋を快感が走る。
こんなこと、魔王様にさせるなんて俺は、なんてことを。
罪悪感までもが興奮を後押ししていく。
ヌメヌメとした感触と少しだけザリザリとする舌。
最高に気持ちいい。
それだけで、頭の中身が、全て魔王様に塗りつぶされる。
魔王様で俺はいっぱいだ。

「んっフィガルっきもち、、いい」

上半身を起こして魔王様の髪に触れる。
少し冷たくてサラサラとした触り心地。
長いその髪を掬い口付けする。 
魔王様の香りに包まれるようで、更に興奮が高まる。さっきイったばかりなのに、もう高みに追い上げられていく。

「ーっんんっ、そこ、きもちいっ、あっ」

魔王様が上目遣いで俺を見ながら、俺に見せつけるように舌で敏感なクビレをグイグイ、レロレロとねぶる。
思わず腰が前後に揺れる。
俺の顔を見ながら再び全てを口に含み、目を合わせながら上下にゆっくりと頭を動かし始める。

じゅるっ、じゅるるっといやらしい水音が部屋に響く。
俺は魔王様から目を離せない。
あの強く美しくかっこいい、色気があって全てが完璧な魔王様が、俺のアレにしゃぶりついて、いやらしい音を立てながら美味しそうに舐め啜っている。
そう思うと、もう今直ぐに爆発しそうになる。
けれど、もっと、このいやらしい魔王様を見ていたくて、もっと舐めていて欲しくて、ぐっとイクのを我慢し、ひたすら堪える。
別のことを考えようとすると、更に強く吸い上げられ、すぐに魔王様に思考も全てを支配される。
もはや抗えない快感に、思考が停止し始め頭に霞がかかったようになってきた。
ダメだ、もう、我慢出来ない。ああ、フィガル、フィガル…

「もぉ、イクっ、フィガル、好きっ、すきいっ!あああっ!」

どくんっと魔王様の美しい口の中へ再び勢い良く吐き出し、俺はそのままパタリと仰向けに倒れる。
気持ちよかった。
魔王様の口は、あまりに気持ちよかった。


「…ドミル?あの、今、なんて?」

俺の出したモノを、ごくん、と飲み込んだ魔王様の声に、ふと気がつく。
ん?何がだろう?
んん?俺、さっき何て言った?…あ!

「ああああっ!!!フィガル!その、さっきのは!えと、その」

「はいはーい、仕事中に何してんですかー」

宰相が扉を開けて部屋に入ってくる。
その視線は、俺たちの様子を見ても特に変わらない。
俺は寝台から起き上がり、慌てて寛げていた服を戻す。

「はーっ、ほんとにナニしてたんですね、全く。どんだけ盛ってんだか。ほら、魔王様戻りますよ」

「待てっ今、ドミルと大切な話がっ!」

「これ以上、仕事しないなら、ドミル殿には従」

「わかった!仕事するから!ドミル、直ぐに終わらせて戻るから、ここで待っていてくれ。さっきの話の続きをしよう」

若干前かがみの魔王様と笑顔が恐い宰相を見送る。

そして、俺は盛大にへこむ。
俺は仕事が全然出来ていない。
仕事中にも関わらず、こんな私情を挟むなんて、ほんとに最低だ。
もう、ここには置かせて貰えないかもしれない。
クビになれば、俺に行く宛てなどない。
どこか、遠くの街へ?いや、この城から一歩出れば、俺は従魔とやらのエサだ。
あいつらと同じ。
俺は、誰もいないのをいいことに膝を抱えてくすんくすんと泣き始めた。
どうしたらいいか、もう分からない。
さっき口走ったのは、本当の俺の気持ちだ。
俺は、ここで毎日魔王様と暮らす内に、仕事に熱心で優しく思いやりのある魔王様のことが好きになっていた。
こんな俺に思われるなんて迷惑だろうが。
相手は、なんたって魔王様なのだから。
身分に差がありすぎる。
しかも、人間と魔族。
叶わぬ恋に深く溜息をつく。

コンコン

扉を叩く音に、思わず返事をしていた。

「はい、どうぞ」

「失礼するにゃ」

入って来たのは、久しぶりに見るフワだった。
俺を見ると、目を輝かせて走りよってくる。

「ドミルーーっ!久しぶりにゃ!どうしてるか気になってたにゃ、元気かにゃ?」

なんだか凄く懐かしい気持ちになる。
懐いてくれるフワに心が癒される。
ふわふわの髪を撫でながら

「ああ、元気だ。フワは仕事中か?」

フワは、嬉しそうに頭を擦り付けながら大きく頷き、両腕に抱えた寝具を見せる。

「魔王様の寝室のシーツを替えるにゃ!これも大切な仕事にゃん」

そう言うフワの言葉に、さっきまでの寝台でのアレコレを思い出してしまい、かあっと頬が熱くなる。
さっきまで、この寝台で俺たちは…

「どうしたにゃ?ドミル、シーツ替えるから早くどいてくれにゃ」

俺が急いで立ち上がると、フワがフンフンと匂いを嗅ぐような仕草をする。

「ドミルから、魔王様の強い魔力を感じるにゃ?しかも、ソコから」

じとっと俺の股間を見る。

「ここで魔王様と、いったいなにしてたにゃ?」

ぐいっと顔を近付けられると、ぐうの音も出ない。
だって本当にナニしてたから。

「いや、その、なんだ、別にこれは…」

逃げたい。

「別に?なんにゃ?」

唇が当たりそうな位に顔を近づけて見上げてくるフワが、久しぶりに見ると前より更にかわいくなっていた。
ほんとに魔族は美しいな。

「フワ、前よりかわいくなったな」

思わず頭をぽんぽんと撫でてしまう。
するとボンッと音がする程に真っ赤になり

「にゃにゃにゃにゃ!だまれにゃ!バカドミルめ、さっさと出てくにゃ!フワのお仕事の邪魔にゃーっ!」

と、尻尾を逆立てて真っ赤になって怒るフワに叩き出された。
俺は気まずくて執務室にも戻れない。
そのまま、自問自答しながら城内をふらふらと歩いていた。
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