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大怪我

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どちらが出て行くか論争で、結局、ブレイブさんが叫びながら再び出て行ってしまった。
僕の図々しさに嫌気が差したのかもしれない。いや、それだけじゃないこと位は分かっている。そう、それは最初から。

「はぁ·····僕が、もう少しだけでも格好良ければなぁ······」

こんな役立たずでも、もう少しだけ見た目がマシなら、ブレイブさんは出て行かなかったかもしれない。そんな悲しい考えが浮かんでは消えていく。こんな枯れ枝が何を言っているのか、と自分の細い腕を見下ろして目を閉じる。

「······そんなこと今言っても仕方ない!!僕は僕なりに出来ることをしなきゃ!!」

願っても叶わないことは生きていれば山程ある。諦める癖は、すっかり身に付いているんだから、大丈夫。

「よしっ、とにかく夜ご飯位は作ろう!」

既に辺りは暗くなっているから、短剣片手に広場から取れる範囲の山菜を探して、かき集めた。豚は近くには見えなかった。逃げたのかもしれない。
リマ村では、危ないからと夜の森には一度も入ったことは無かった。
今まで、本当に家族に守られていたんだな、とつくづく実感して涙が浮かびそうになって頭を振る。
そんなことより、目の前の食事作りだ。

父さんが持たせてくれた非常食の干し肉とマハ芋と山菜を煮て、スープを作ろう。

「····こんなものしか作れないとか、笑われるかな」

ブレイブさんの端正な顔と飲み込まれそうな瞳の色が思い浮かぶ。優しくて情熱があって、深くて色っぽくて·····また頭をブンブンと振って雑念を振り払う。
ブレイブさんと会ってから、変なことばかり考えてしまう。

「大丈夫、まだ会って二日目だけど、ブレイブさんは笑ったりしない」

少し赤くなった頬を冷ましながら、なんとか焚き火を起こし、持って来た小鍋を乗せる。父さんが持たせてくれた革袋の水が残っていて良かった。全部の材料を切って鍋に放り込んでいく。味付けは干し肉の塩気だけだ。
クツクツと煮込んでいると、段々と瞼が重くなってきた。今日は、沢山の事があって、疲れがドッと押し寄せて来る。

「でも、ブレイブさんの方が疲れてるだろうし、このスープだけでもちゃんと作らないと」

眠い目を擦りながら、焚き火を見詰めて鍋の中をかき混ぜて、ようやくスープが完成した。

「ふうっ、やっと出来た。ブレイブさん、帰って来てくれるかなぁ」

鍋から顔を挙げてキョロキョロと辺りを見渡していると、ブレイブさんらしき大きな人影が、暗闇からぬぅッと現れた。
最初は目が慣れ無くて身体の影位しか分からなかったが、近付いて来た彼の異常事態に度肝を抜かれた。

「あ、ブレイブさん!良かった、帰って来てくれて。おかえりなさい····って、えぇ?物凄い怪我!え、流血!?そしてずぶ濡れ!えぇ?!」

彼は重傷を負っていた。
顔は血塗れで元の肌の色が分からない程だ。全身も見える範囲は痣だらけで出血もあちこちから流れていて、どこが一番の怪我なのか判別も付かない。とにかく血みどろなのだ。その大量の血がずぶ濡れの服を更にテラテラと濡らしている。
村同士の戦争でもあった?!

「神がいた」

しかも、彼は頭を強く打ち過ぎたらしく、会話が成り立たなかった。まずい。これは正式なシャーマンとかに診てもらわないといけないかもしれないが、ここにはシャーマンはいない。

禊を行って来たとブレイブさんは言っていたけれど、明らかに言動がおかしいし、美しい瞳は、どこか違う世界を見ているようで視線が合っているようで合ってない。

これは、僕がしっかりしなければ!!密かに拳を握り締めた。

僕は努めて冷静にブレイブさんにスープを食べさせ、傷の手当てに移行した。
ブレイブさんの衣服はずぶ濡れで、血が染み込んで酷い有様だ。
それを理由に、僕はブレイブさんが寝息を立て始めた隙を見て、衣服をそっと脱がせていった。

「わあっ」

身体の大きなブレイブさんの服を脱がせるのは大変だったけれど、父さんが酔って吐いた時には僕も着替えさせたりしていたから、時間はかかったけれど何とかなった。
いざという時に役に立つのは経験だ。

「綺麗だなぁ······」

現れたブレイブさんの肉体は、昼間に見た時も素晴らしかったが、夜は妖艶さを増して艷やかで喉を鳴らす程だった。

「少しだけなら、触っていいかな······」

そっと筋肉の凹凸を撫でる。
ブレイブさんの肩がピクリと揺れた。
思わず、起きたかと不安になって様子を伺う。どうやら、まだ寝入っているようだ。
手当てをした傷口からは、今も少し血が滲んでいる。だが、あれ程の傷で、これしか血が出ないのは驚異的だ。父さんや兄さんよりも回復が早いのかもしれない。

「すごいな、ブレイブさんって。僕なんかとは全然違う」

何もかもが素敵で優しくて、僕を決して貶めないブレイブさん。でも、今は少しだけ変だ。
そんな今なら、少し位、変なことをしても許されるんじゃないか。
そんな身勝手な思いで、僕の指は段々と傲慢になる。全身をスルスルと、特別な意志を持って撫でてしまう。

「筋肉すごいなぁ······肌に弾力があって、ツヤツヤで·····あっ!」

そう、全身。
全身には、ソコも含まれている。
気付かなかったかって?
気付いていたに決まってる。脱がせた時点で分かってる。恥ずかしくて直視は出来なかっただけで。

「······やっぱりスゴいや」

寝ているのに、天を衝くモノが聳え立っていた。
こんな立派なモノを持つ者は、リマ村にもいないと思う。パッカ村では、きっとモテたのだろう。
僕なら、例え急に動きが止まってしまうとしても、ブレイブさんと結婚したい。

「ほんの少し、ほんの少しだけですから、僕を許して下さい」

僕は彼の聳え立つモノに手指を滑らせた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

何が起きてるのか、俺の頭では理解出来なかった。

「んっちゅ、ちゅるっ、んっ」

俺の愚息にアルトさんがキスしてるのだ。
実はソコを触られたことに気付いて目が覚めていた。
そりゃ誰でも気付くだろ。
だが、浅ましい俺はアルトさんが触れてくれることが嬉しくて寝た振りをする姑息な人間だ。

「はあっ、大きいっ」

彼の吐息が掛かるだけで射精しそうになるのを何とか耐える。流石に二度も情けない格好は見せたくない。だが、流血の影響か、何となく身体に力が入り難い。
感覚は敏感で、これまでに自分の手では感じたことの無い空前絶後の快感。

「はむっちゅるっ」

「ーーーっ!!」

敏感な先端が温かくてぬるぬるした狭い場所へ吸い込まれた。薄目を開けて確認する。

·········口ぃっ!!!!

一気に射精感が高まる。我慢しなきゃ、我慢しなきゃ、もうアルトさんこれ以上はダメっ!離して、でも離れて欲しくない、でも······

ドクンっドクッドクッ

遂に、やってしまった。

「んむっ!んーっ」

俺はよりによって、彼の口の中へ吐き出してしまった。
どうしよう。起きていたと白状して謝罪をした方が良いだろうか。うん、そうしよう。アルトさんに謝罪を·····

「ごめんなさい、ブレイブさん」

小さな小さな謝罪が聞こえた。幻だろうか。俺は動けないまま、彼の話を聞き続けた。

「僕、貴方のことが好きになってしまって·····寝てる人にこんなことするなんて、僕は本当に卑怯で醜い最低の男です」

これは夢だ。
今、確定した。俺を好きになる人なんて存在しないのだから。

「ブレイブさんに好きになってもらえることなんて一生無いって分かってるから······ぐすっ」

「好きです」

俺は口走っていた。だって夢だ。
俺の夢なんだから、好きにして良いだろう。

「·····え?ブレイブさん?」

「俺も貴方が好きです。アルトさんを愛してます」

俺は目を開けてアルトさんと視線をしっかり合わせて告げた。夢だから。

「そっ、そんなはず、貴方みたいに素敵な人が、僕なんか」

「俺はアルトさんを一目見た時から、愛の弓矢に撃たれました」

「??愛の弓矢?え、まさか、それで怪我を?」

アルトさんが小首をかしげている。かわいい。好き。愛が溢れて堪らない。

「この怪我は自分でやりました。貴方への想いをぶつけてしまわないように。俺は神儀の仕方も道具も持ってしまっている。貴方を傷付けたくない」

「····あぁ、神儀ですね。あれは、一体、何なのですか?」

真剣な表情で俺の愚息を掴んだ手を離さないまま、アルトさんが問いかける。
これは、この状況なら話しても変態と罵られ無いだろう。

「·····その、挿入するのです」

「挿入?何をですか?」

「·······コレをです」

俺はムクリと上半身を起こして顎で示す。そこは、またムクムクと元気を取り戻している。節操無しとは、このことか。

「えっと·····どこにですか?」

「ふ·····不浄の穴です」

「ひえっ?!そんな、そんなこと無理ですよね?あんな所、何かを挿れたら大変なことに····!!」

「それが、その·····道具があるんです」

「道具?!えっと、挿入するための道具ですか?」

「はい····何というか、挿入出来る状態にするための道具です。実物を見ますか?」

「·······················はい」

しばらく考えてから、アルトさんが頷いた。何この流れ。最高だな。俺の夢。

俺はアルトさんの肩を少し借りながら、昨夜寝た洞窟へ向かった。ほんの少し歩けば到着するそこまで、アルトさんの身体を触れる喜びで夜風が祝福の神の吐息に感じた。

「これです」

小さな袋を荷物から取り出し、再び小屋へ戻る。アルトさんは物珍しそうに洞窟を眺めていた。

小屋へ着くと、二人で膝を突き合わせて袋に対峙する。

「これですか」

「はい、中身を出しますね」

一つずつ床へ置いて行くと、その全てをアルトさんが、じっと観察している。
その真剣な瞳に見入ってしまう。

「······これで全部です」

おかしな形の硬い木の実やら、棒、様々な植物が置かれた。

「ちょっと使い方が分からないですね」

「そうですよね。実は俺も簡単に聞いただけで、実際に使ったことは無いんです」

「じゃあ、使ってみましょう」

「そうですね······って、えぇ?!良いんですか?!」

思わずびっくりして声を上げる。夢の中のアルトさんは、にっこりと笑って居る。
流石は夢!

「じゃ、じゃあ、えっと、これは·····」

不浄の穴を拡げる為の木の実を手にしてハタと止まる。待て。いくら夢でも、アルトさんに、そんなことして良いのか?
夢から覚めて実物に会ったらどうなる?俺は憤死するぞ?

「お、俺で、やってみるので、見ていて下さい。汚いでしょうが」

「ブレイブさんに汚いところなんてありません。とても綺麗です」

夢の世界、最高。
俺は、教わった通り、うつ伏せで尻を高く挙げて不浄の穴に硬い木の実を押し当てて、ほんの少し中へ押し込む。変な感じだ。そして、木の棒に見える掌程の芋の先端を少し折り、爪で皮を削り、穴の周りに擦り付ける。これは芋の成分で筋肉を柔らかくするのだ。
そもそも、俺は出血で力が普段よりも入り難いから、丁度良かったかもしれない。

「······ふぅっ、はぁ」

なんだか穴の周りが変な感覚になって来た。ムズムズ痒いような、熱を持っているような変な感じだ。
ここで、木の実を取り出して、中へ芋を少しずつ挿入していく。

「はぁーっはぁーっ」

少し進んでは戻り、を繰り返して、ようやく芋の殆どが入った。これ以上は取れなくなるから不味い。ナカが、なんだかムズムズとして、穴もヒクヒクする。

「はぁっ、とりあえず、これで準備完了なはずです。上手く出来てるか分かりませんが」

村長と、こんな練習をする訳にもいかない。
初めてで、しかも男の不浄の穴を見せられたアルトさんは不快だったろうと恐る恐る振り返ると、アルトさんは瞳を爛々と輝かせていた。本物のアルトさんは、こんな顔はしないだろう。

「綺麗です、ブレイブさん。少しだけ、触れても良いですか?」

「えっあの、あ、はい、どうぞ」

俺に拒否なんて出来るはずがない。
再び前を向いて、尻を更に高く挙げる。

ツン

「はぅっ!」

穴の真ん中を、指先で突付かれ、思わず声が出てしまった。
クスクスとアルトさんの笑い声が聞こえる。恥ずかしい、俺、なんでこんな······

ツンツン

「はあんっ!」

「はぁ、最高にかわいいです、ブレイブさん。もっと声を出して下さい」

ツプン、と指がナカヘ挿入された。
違和感しか無いはずなのに、俺のソコは求めていたと言わんばかりにキュウキュウと締め付け吸い付く。

「わぁ、ブレイブさんのナカ、すごいです。こんなところに本当に挿入なんてしたら·······」

「えっ、挿入してくれるんですか?!」

俺は思わず振り返ってしまった。顔が真っ赤なのは諦める。だって夢だもん。
アルトさんと視線が合うと、彼は獲物を見つけたというように、ニヤリと笑った。色香が凄い。格好良い。惚れた。いや、既に惚れてた。

「良いんですか?ブレイブさん」

「はぅんっ♡お願いします♡」

俺は尻を小刻みに揺らして強請った。さぞ滑稽だったろう。でも良いのだ。夢だから。

衣擦れの音がして、ヒタリと熱いモノが穴へと触れた。俺は疼く身体を何とか抑えて、その時を待った。

「痛かったら教えて下さい」

「痛くても良いので、アルトさんを感じたいです」

ズプンッ!と勢い良くナカへ挿入された。

「ふがあっ!!」

予想外の圧迫感に野太い声が出た。
恐る恐る振り返る、とあの色香の化身がいた。

「あんまりかわいいから、抑えられ無かったです。ごめんなさい」

ズルっと抜かれて背中が反るが、その際にチラリと見えたアルトさんのモノは、その繊細でかわいい見た目と相反していた。
こんなモノが出入りしたら俺の尻は一体どうなるのだろう。
そんなことを考えていられたのは、この時まで。


ズルるるるるるっバチュンっ!!
ズルんっズプンッパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン


「ひゃあんっ!らめえっやあっ」

「ほら、腰が逃げてますよ?神儀なんですよね?ちゃんと務めを果たさないと···よっと!」

バチュン!と腰を掴んで思い切り最奥を突かれた。こんな力が、アルトさんのどこに?
俺の身体はヘロヘロでアルトさんの思うがままだった。

「不浄の穴が、こんなに拡がってますよ。大丈夫ですか?あぁ、聞こえて無いですね。かわいい、ブレイブさん」

チュ、と頬にキスをされて俺の脳みそは更に溶け出す。

「ひゃんっ、もっとぉっ、奥っ、ちゅいてぇっ」

越しを揺らし、脚でアルトさんの腰をガッチリ掴んで強請る。

「いやらしいなぁ、ブレイブさん。そんなことろも好きです。ほら、気持ち良いですね?」

パチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュンパチュン

「○□△☆~~っ!!!」

言葉にならない声を出して、俺は何度も達した。こんなに不浄の穴が気持ち良いなんておかしい。頭がおかしくなったのか。
違う、これ夢だからだ。

俺は、そのまま何度も何度も揺さぶられて、アルトさんと口付けをする夢をみた。
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