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地獄か天国か
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俺の乳首は、性器じゃない。
何度も言おう。
俺の乳首は、性器じゃない。
男の乳首なんて、ただの飾りだ。
「美味しいよ、ディー」
ちゅるちゅると、俺の乳首への愛撫を止めないザアル。
ガクガクと全身を痙攣させる俺。
なんだこれ、どうなってんだ?!
「イってもいいよ、ディー」
ザアルが俺の耳元で囁くと、許しを得たと言わんばかりに俺はびゅくびゅくと射精した……らしい。
俺の陰茎の先端には細長い管が挿し込まれていて、射精すると水瓶に精液が溜まる仕組みになっている。
ダークエルフの技術すげぇ!じゃない。
そんな場合では無い程に、俺は追い詰められていた。
「この布には、精力増強剤がたっぷり含まれてるから、そんなに噛んでたら精液が次から次から作られちゃうね。でも安心して?いくらでも出させてあげるから」
ザアルは笑っているようで、苦渋に満ちた顔で、俺を責め続ける。
「乳首だけでこんなにイって、これからどうなるのか楽しみでしょ?それとも、また終わったら恥ずかしい、離縁して、なんて言うのかな?ディーは……」
泣きそうな顔で唇を噛むザアルの、唇の端が切れて血が滲んでいる。
俺の目からも涙が溢れる。
「そんな顔しても、止めないから」
俺の乳首や脇腹、ザリザリとした陰毛まで、全て舐めつくされる。
そんなところ、何も感じないと思っていたところから、抑えきれない快感が込み上げてくる。
「どこもここも、敏感だね、ディーは。こんないやらしい身体で冒険者やってたなんて信じられないよ。まあ、二度とそんなことはさせないけど」
ヒクヒクと主張して触って欲しがっている陰茎には一切触れずに、その周りを延々と舐められ弄られる。
ずっしり重い陰囊は、口に含まれ転がされる。
腰へと溜まっていく快感に、俺は頭をかろうじで振ることしか出来ない。
「僕以外、誰にも合わせなくすれば、僕だけを求めてくれるよね。だって、ディーには僕しか存在しないんだもの」
恐ろしいことを熱に浮かされたように呟きながら、俺の後孔に何かヌルヌルとした物が充てがわれる。
「これ、懐かしいでしょ。あの時の触手だよ」
ザアルが手に持っているのは、小さいが、確かにあの森でザアルを襲った触手だった。
思わず俺の全身に力が入る。
魔物が、こんなところに?!
「ふふ、大丈夫。ココを解してくれるだけだから。あと、すごーく気持ち良くなれるんだ。初心者が慣らすのに使うんだよ。僕も、初めてだったけど、これのお陰でディーを受け入れられたんだ。これからは、コイツとも仲良くしようね」
ずぷ!と触手が俺の後孔に入り込んで来る。
滑りがあるから、どんどんと奥を目指して侵入する。
俺のナカの膨らみも、ずりゅずりゅと擦られ、嫌なのに勝手にビクビクと身体が反応してしまう。
俺は為す術も無く、ただ与えられる快感に涙と涎を零していた。
びゅくんっと、身体が跳ねて、射精したのがわかった。
もう息も絶え絶えだ。
「うーん、一匹じゃあ足りないね。僕のは大きいから、もっと拡げなきゃ」
一匹でさえ限界な俺の後孔へ、もう一匹の触手が近付く。
俺は、なんとか首を振るが、ザアルはにっこりと笑って拒絶した。
「だめだよ、ディー。僕の全てを受け入れて?ディーが拒否したって、僕らは伴侶なんだから」
ぐぐぐ、ともう一匹の触手が入り込んで来る苦しさに、顔が歪む。
既に満杯なソコが、無理矢理拡げられていく。
「ほんとは、もっと楽に出来る方法もあるけど、それじゃつまらないもんね。ディーの記憶を僕だけで埋め尽くすように、全て忘れるくらいの思い出作ろう」
ザアルの顔も苦しそうに歪む。
こんな顔をさせたかった訳じゃない。
良い奴だから、幸せになって欲しかったんだ。
ただ、それだけなんだ。
「大丈夫だよ、すぐに悦くなるから」
陰茎の中に挿し込まれた細長い棒をちゅこちゅこと出し入れされ、奥をとんとんと軽く叩かれる。
それだけなのに、尻から挿っている触手に押し潰された良いトコロを挟み込むように刺激され、ビュルビュルと射精が止まらない。
「ほーら、悦くなってきたね。触手も、もう二匹とも挿ったよ」
射精しているうちに、俺の腹はぽっこりと膨らみ、グネグネとうねっていた。
触手の粘液のせいか、腹の中が疼いて堪らない。
もっと擦って、もっと強く突いて、と身体が勝手に求めて発狂しそうだ。
「あはは、ディー、僕が欲しい?ねぇ、これが欲しい?」
口から布が外されて、気付けば腕や足の拘束も外されていた。
俺は夢中だった。
身体も僅かに動くようになっている。
「ほっほひいっ、はやくっ、ナカ、奥っ、擦ってっ♡」
「僕の何が欲しいの?教えて?」
俺は馬鹿になった頭で考えて、尻を振って強請る。
「ザアルのっ、おちんちんっ♡ここに挿れてっ♡おっきいの、ほしいっ♡」
ずるるるっうっ!!!と勢い良く触手が二匹とも後孔から引き抜かれた。
あまりの快感に、透明な液体が大量に水瓶へと注がれた。
俺の全身は雷に撃たれたように、びくんっびくんっと痙攣を繰り返している。
「ディーは、こういう時だけ素直なんだね。それなら、二度と正気になんて戻らなくて良いよ」
もう視界が霞んでザアルの顔は見えなかった。
でも、酷く苦しそうな声に胸が痛んだ。
「ザア……」
名を呼ぼうとして、呼べなかった。
ずぷんっ!!と大き過ぎる亀頭が俺のナカに挿って来たから。
「あががぁぁああああぁぁぁ!!!!」
もう射精してるかどうかなんて、何も分からない。
出してる感覚さえ無い。
ただ、ひたすらに全身が震えて止まらない。
「ふふふ、こんなに感じてもらえて嬉しいよ、ディー。でも、まだ先っぽだけだから。ちゃんと全部飲み込んでね?」
大き過ぎる亀頭が俺のナカの全てを蹂躙して押し込まれていく。
もう声すら出ない。
涙も鼻水も涎も垂れ流して、ひたすらに痙攣し続ける俺。
視界が白くぼんやりとして、ザアルの声も遠くなる。
「失神なんて、させないよ。僕とのことは、全部覚えていて貰いたいから」
俺の全身が淡く光り、意識が急にはっきりとした。
途端に、ぼんやりとし始めていた感覚さえも、とんでもなく鋭敏になる。
暴力的なまでの強過ぎる快感に、頭が焼き切れそうだ。
「ぎゃぁああああああーーー!!!!」
「ほら、ここから先に挿れるよ?ここ、もう一番奥だと思うじゃない?でも、もっと奥まで、僕の一番太いトコロを挿れるから。気持ち良いはずだからさ、ちゃんと覚えて?」
イヤイヤ、と懸命に首を振り、空中に手を伸ばし何かに助けを求める。
俺の伸ばした手はザアルに取られ、掌に口付けられる。
「大丈夫、絶対離さないから」
次の瞬間、俺の奥のひだは突き破られ、奥の奥まで蹂躙された。
瞬間、意識は無くなったはずなのに、すぐに現実に引き戻された。
「ほーら、こんなに射精して、潮も沢山出して、気持ち良いね?ディー」
俺の身体は二つ折りにされ、真上からザアルが叩きつけるように腰を打ち付ける。
奥の奥を出し入れされ、亀頭で弄ばれ続けている。
その太い幹には、多くの凹凸もあり、それで俺の良いトコロは、ゴリゴリと抉られ続けている。
もう、何も考えられず布を噛んで唸る。
「僕のことだけ見て、僕だけを感じて?ディー。君の世界は僕だけなんだから。僕と同じになってよ、ディー」
ぱちゅん、ぱちゅん、と濡れた音が鳴り響く中、ザアルは、やっぱり泣いていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三日三晩、ディーを味わい続けた。
ずるるん、と僕を抜くと、ソコはぱっくりと口を空けたまま、ヒクヒクといやらしく粘液と僕の大量の白濁を垂らしていた。
「ディー、飲んで」
口移しで水を飲むことに慣れたディーは、コクコクと懸命に僕の口に吸い付き喉を鳴らす。
あまりにかわいくて、何度も水を飲ませる。
次は、食べやすい果実を細かく咀嚼してから口移しで与える。
こうして、この三日三晩も、幾度となく水や食料をディーに与えてきた。
腹の中は浄化魔法で綺麗にして、ディーが不快にならないように注意した。
「一生、こうして暮らそう。ディーと話せなくたって良い。僕から離れるなんて言われるくらいなら、ディーと二度と話せなくたって……」
ディーを抱き締める腕に力が籠もる。
あまり強くするとディーが痛がるから、気をつけなきゃいけないのに、自分が抑えられない。
「ディー、ディー……僕を、愛してよ、ディー」
「ザア……ル」
ディーが、掠れた声で僕を呼んだ。
だめだ、聞いちゃだめだ。
もし、また離縁なんて言われたら、僕はディーを殺してしまうかもしれない。
「ごめ……ん」
「ディー、僕はもう、君の話は」
「ゴホッ…傷付け、て、ごめん……」
ディーの瞳に涙が溢れた。
堪らなくなって、ディーの涙を拭う。
「泣かないで、ディー」
「……好きだ……から、泣く、な……」
僕の眼尻をディーの震える指がなぞる。
ディーの指が濡れていた。
「僕、泣いてたの?」
信じられない。
この僕が、泣くなんて。
この、世界一のダークエルフの、この……
ディーを手に入れられないなら、ディーを殺して自分も死のうと考えていた僕が。
「も……俺は、お前と、生きる……」
パタリ、とディーが目を閉じて腕も床に落ちた。
「ディー?!ディー!!」
まさか死んだのかと目の前が真っ暗になって、治癒魔法を連発する。
それでも目を覚まさないディーの胸がゆっくり上下していることに気付いて、僕は床に崩れ落ちる。
「生きて……たぁ……良かった、良かった……」
信じられないことに、確かに僕は泣いていた。
床にパタパタと涙が染みを作っていく。
「良かったよぉ……ディー、ディー……」
僕は、疲れて寝入ったディーに抱き着いて、いつまでも泣いていた。
何度も言おう。
俺の乳首は、性器じゃない。
男の乳首なんて、ただの飾りだ。
「美味しいよ、ディー」
ちゅるちゅると、俺の乳首への愛撫を止めないザアル。
ガクガクと全身を痙攣させる俺。
なんだこれ、どうなってんだ?!
「イってもいいよ、ディー」
ザアルが俺の耳元で囁くと、許しを得たと言わんばかりに俺はびゅくびゅくと射精した……らしい。
俺の陰茎の先端には細長い管が挿し込まれていて、射精すると水瓶に精液が溜まる仕組みになっている。
ダークエルフの技術すげぇ!じゃない。
そんな場合では無い程に、俺は追い詰められていた。
「この布には、精力増強剤がたっぷり含まれてるから、そんなに噛んでたら精液が次から次から作られちゃうね。でも安心して?いくらでも出させてあげるから」
ザアルは笑っているようで、苦渋に満ちた顔で、俺を責め続ける。
「乳首だけでこんなにイって、これからどうなるのか楽しみでしょ?それとも、また終わったら恥ずかしい、離縁して、なんて言うのかな?ディーは……」
泣きそうな顔で唇を噛むザアルの、唇の端が切れて血が滲んでいる。
俺の目からも涙が溢れる。
「そんな顔しても、止めないから」
俺の乳首や脇腹、ザリザリとした陰毛まで、全て舐めつくされる。
そんなところ、何も感じないと思っていたところから、抑えきれない快感が込み上げてくる。
「どこもここも、敏感だね、ディーは。こんないやらしい身体で冒険者やってたなんて信じられないよ。まあ、二度とそんなことはさせないけど」
ヒクヒクと主張して触って欲しがっている陰茎には一切触れずに、その周りを延々と舐められ弄られる。
ずっしり重い陰囊は、口に含まれ転がされる。
腰へと溜まっていく快感に、俺は頭をかろうじで振ることしか出来ない。
「僕以外、誰にも合わせなくすれば、僕だけを求めてくれるよね。だって、ディーには僕しか存在しないんだもの」
恐ろしいことを熱に浮かされたように呟きながら、俺の後孔に何かヌルヌルとした物が充てがわれる。
「これ、懐かしいでしょ。あの時の触手だよ」
ザアルが手に持っているのは、小さいが、確かにあの森でザアルを襲った触手だった。
思わず俺の全身に力が入る。
魔物が、こんなところに?!
「ふふ、大丈夫。ココを解してくれるだけだから。あと、すごーく気持ち良くなれるんだ。初心者が慣らすのに使うんだよ。僕も、初めてだったけど、これのお陰でディーを受け入れられたんだ。これからは、コイツとも仲良くしようね」
ずぷ!と触手が俺の後孔に入り込んで来る。
滑りがあるから、どんどんと奥を目指して侵入する。
俺のナカの膨らみも、ずりゅずりゅと擦られ、嫌なのに勝手にビクビクと身体が反応してしまう。
俺は為す術も無く、ただ与えられる快感に涙と涎を零していた。
びゅくんっと、身体が跳ねて、射精したのがわかった。
もう息も絶え絶えだ。
「うーん、一匹じゃあ足りないね。僕のは大きいから、もっと拡げなきゃ」
一匹でさえ限界な俺の後孔へ、もう一匹の触手が近付く。
俺は、なんとか首を振るが、ザアルはにっこりと笑って拒絶した。
「だめだよ、ディー。僕の全てを受け入れて?ディーが拒否したって、僕らは伴侶なんだから」
ぐぐぐ、ともう一匹の触手が入り込んで来る苦しさに、顔が歪む。
既に満杯なソコが、無理矢理拡げられていく。
「ほんとは、もっと楽に出来る方法もあるけど、それじゃつまらないもんね。ディーの記憶を僕だけで埋め尽くすように、全て忘れるくらいの思い出作ろう」
ザアルの顔も苦しそうに歪む。
こんな顔をさせたかった訳じゃない。
良い奴だから、幸せになって欲しかったんだ。
ただ、それだけなんだ。
「大丈夫だよ、すぐに悦くなるから」
陰茎の中に挿し込まれた細長い棒をちゅこちゅこと出し入れされ、奥をとんとんと軽く叩かれる。
それだけなのに、尻から挿っている触手に押し潰された良いトコロを挟み込むように刺激され、ビュルビュルと射精が止まらない。
「ほーら、悦くなってきたね。触手も、もう二匹とも挿ったよ」
射精しているうちに、俺の腹はぽっこりと膨らみ、グネグネとうねっていた。
触手の粘液のせいか、腹の中が疼いて堪らない。
もっと擦って、もっと強く突いて、と身体が勝手に求めて発狂しそうだ。
「あはは、ディー、僕が欲しい?ねぇ、これが欲しい?」
口から布が外されて、気付けば腕や足の拘束も外されていた。
俺は夢中だった。
身体も僅かに動くようになっている。
「ほっほひいっ、はやくっ、ナカ、奥っ、擦ってっ♡」
「僕の何が欲しいの?教えて?」
俺は馬鹿になった頭で考えて、尻を振って強請る。
「ザアルのっ、おちんちんっ♡ここに挿れてっ♡おっきいの、ほしいっ♡」
ずるるるっうっ!!!と勢い良く触手が二匹とも後孔から引き抜かれた。
あまりの快感に、透明な液体が大量に水瓶へと注がれた。
俺の全身は雷に撃たれたように、びくんっびくんっと痙攣を繰り返している。
「ディーは、こういう時だけ素直なんだね。それなら、二度と正気になんて戻らなくて良いよ」
もう視界が霞んでザアルの顔は見えなかった。
でも、酷く苦しそうな声に胸が痛んだ。
「ザア……」
名を呼ぼうとして、呼べなかった。
ずぷんっ!!と大き過ぎる亀頭が俺のナカに挿って来たから。
「あががぁぁああああぁぁぁ!!!!」
もう射精してるかどうかなんて、何も分からない。
出してる感覚さえ無い。
ただ、ひたすらに全身が震えて止まらない。
「ふふふ、こんなに感じてもらえて嬉しいよ、ディー。でも、まだ先っぽだけだから。ちゃんと全部飲み込んでね?」
大き過ぎる亀頭が俺のナカの全てを蹂躙して押し込まれていく。
もう声すら出ない。
涙も鼻水も涎も垂れ流して、ひたすらに痙攣し続ける俺。
視界が白くぼんやりとして、ザアルの声も遠くなる。
「失神なんて、させないよ。僕とのことは、全部覚えていて貰いたいから」
俺の全身が淡く光り、意識が急にはっきりとした。
途端に、ぼんやりとし始めていた感覚さえも、とんでもなく鋭敏になる。
暴力的なまでの強過ぎる快感に、頭が焼き切れそうだ。
「ぎゃぁああああああーーー!!!!」
「ほら、ここから先に挿れるよ?ここ、もう一番奥だと思うじゃない?でも、もっと奥まで、僕の一番太いトコロを挿れるから。気持ち良いはずだからさ、ちゃんと覚えて?」
イヤイヤ、と懸命に首を振り、空中に手を伸ばし何かに助けを求める。
俺の伸ばした手はザアルに取られ、掌に口付けられる。
「大丈夫、絶対離さないから」
次の瞬間、俺の奥のひだは突き破られ、奥の奥まで蹂躙された。
瞬間、意識は無くなったはずなのに、すぐに現実に引き戻された。
「ほーら、こんなに射精して、潮も沢山出して、気持ち良いね?ディー」
俺の身体は二つ折りにされ、真上からザアルが叩きつけるように腰を打ち付ける。
奥の奥を出し入れされ、亀頭で弄ばれ続けている。
その太い幹には、多くの凹凸もあり、それで俺の良いトコロは、ゴリゴリと抉られ続けている。
もう、何も考えられず布を噛んで唸る。
「僕のことだけ見て、僕だけを感じて?ディー。君の世界は僕だけなんだから。僕と同じになってよ、ディー」
ぱちゅん、ぱちゅん、と濡れた音が鳴り響く中、ザアルは、やっぱり泣いていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三日三晩、ディーを味わい続けた。
ずるるん、と僕を抜くと、ソコはぱっくりと口を空けたまま、ヒクヒクといやらしく粘液と僕の大量の白濁を垂らしていた。
「ディー、飲んで」
口移しで水を飲むことに慣れたディーは、コクコクと懸命に僕の口に吸い付き喉を鳴らす。
あまりにかわいくて、何度も水を飲ませる。
次は、食べやすい果実を細かく咀嚼してから口移しで与える。
こうして、この三日三晩も、幾度となく水や食料をディーに与えてきた。
腹の中は浄化魔法で綺麗にして、ディーが不快にならないように注意した。
「一生、こうして暮らそう。ディーと話せなくたって良い。僕から離れるなんて言われるくらいなら、ディーと二度と話せなくたって……」
ディーを抱き締める腕に力が籠もる。
あまり強くするとディーが痛がるから、気をつけなきゃいけないのに、自分が抑えられない。
「ディー、ディー……僕を、愛してよ、ディー」
「ザア……ル」
ディーが、掠れた声で僕を呼んだ。
だめだ、聞いちゃだめだ。
もし、また離縁なんて言われたら、僕はディーを殺してしまうかもしれない。
「ごめ……ん」
「ディー、僕はもう、君の話は」
「ゴホッ…傷付け、て、ごめん……」
ディーの瞳に涙が溢れた。
堪らなくなって、ディーの涙を拭う。
「泣かないで、ディー」
「……好きだ……から、泣く、な……」
僕の眼尻をディーの震える指がなぞる。
ディーの指が濡れていた。
「僕、泣いてたの?」
信じられない。
この僕が、泣くなんて。
この、世界一のダークエルフの、この……
ディーを手に入れられないなら、ディーを殺して自分も死のうと考えていた僕が。
「も……俺は、お前と、生きる……」
パタリ、とディーが目を閉じて腕も床に落ちた。
「ディー?!ディー!!」
まさか死んだのかと目の前が真っ暗になって、治癒魔法を連発する。
それでも目を覚まさないディーの胸がゆっくり上下していることに気付いて、僕は床に崩れ落ちる。
「生きて……たぁ……良かった、良かった……」
信じられないことに、確かに僕は泣いていた。
床にパタパタと涙が染みを作っていく。
「良かったよぉ……ディー、ディー……」
僕は、疲れて寝入ったディーに抱き着いて、いつまでも泣いていた。
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