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第一章

起きちゃった

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寝ていたら、なんだか腰が抜けるような快感が走って意識が浮上する。
まさか、僕ってば寝ながら出しちゃった?と不安になる。

かけてある布団を無意識に持ち上げて、ぼんやりした頭でチラっと自分の下を見ると…えっ僕の息子さんが、すっぽりあの男の人の口の中に収まってる。
しかも、舌で舐められしゃぶられ吸い尽くされ、とんでもない超絶技巧に翻弄されてる。

僕、初めてなのにっ!!!

腰がガクガクしてしまうが、必死にイクのと声を我慢する。

ひゃああああああああぁぁぁーーー!!!
ムリムリムリムリー!!!
出ちゃう出ちゃう!!

ようやく、地獄?天国?の責めが終わると、今度はお尻を舐められた。

ちょっと!そこは気持ちよくなんて無いから!  
やめてよ!汚い!と思っていたのに。

え、なにこれ…チョー気持ちいいんですけど!!!

お尻の中が、こんなに気持ちいいなんて知らなかった。
女の子とした事も無いのに男にお尻イジられて感じるなんて、ちょっと悲しいけど今は気持ちいいから、そんな事どうでもいいや。

特に気持ちよくなっちゃうところがあって、そこを繰り返し押されて、刺激されて…とうとう僕はイってしまった。

出たものも、すっかり舐められて吸われて、先っぽもチュウチュウ吸われ続けて腰が溶ける。
僕は、強い眠気に襲われて、そのまままた眠った…はずだった。

次は、お尻に何かが当たる感触で目が覚めた。
まさか?!と思って身体に緊張が走ったが、さすがに入っては無かった。

うつ伏せにされた僕の両足をピッタリくっつけて股に彼の大きなモノを挟んで、ジュッジュッと前後に擦られていた。

これ、えーと…素股?ってやつ?
AVで見たことあるような…
でも、これも、気持ちいいかも…

彼の先から出てる大量の液体で、ものすごいヌルヌルになってる僕の股。
耳元では、ハアハア言う彼の熱い息。

「最高だ…私の、私だけの美しい人…」

ブツブツ言いながら、僕の腰を掴んで段々と腰を大きくグラインドさせている。

僕も、気持ちいいところをグリグリ刺激され続けて、もうイきそうになっていた。
だって、童貞だし。

うそ…こんなの…やだっ!気持ちいいよーーー!!!

「あっあっあっはっあーーーーっ!!!」

再び盛大にイッた僕は、マットに沈んだ。
考えるだけ無駄だ。
寝よう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


洞窟の外が明るくなってきたのが、瞼越しにも感じられた。
遂に朝が来た。
なんということだ。
私は生きていたのか。
まあ、いい。
この夢を糧に、これからは生きて行ける。

本当に、最高の夢を見た。
つい先程まで、グチョグチョと楽しんでいた感触は、まさに最高だった。
私の精液溜まりは夢とはいえ、とてもリアルでさすがに汚く醜いので魔法で消しておいた。

私の妄想を、そのまま表した夢。
ああ…あまりにリアルで、今もこの腕にあの方を抱いているような…

…うん?

…おや?…ん?

はあ?

この柔らかな感触は、なんだろう。
暖かくて、良い香りもする。
こわごわと、本当にこわごわと、うっすらと目を開ける。

まさか、実際には存在するはずがないのだ。
私をきれいだと言ってくれる人など。
受け入れてくれる人など。
あれは、あくまで神が見せてくれた一夜の夢。

そう言い聞かせながら、腕の中に居るお方をはっきりと認識すると同時に頭の中が真っ白になった。


ーーーーーっ?!

どういう事だ?!まだ、寝てるのか?これは、まだ夢?

自分の頬を思い切り、握りこぶしで殴る。
痛い。
口が切れて血も出た。
だが、まだ、いる。

げ、げ?げ…現実?まさか、この方は、現実に生きてる人?

私は、夢じゃなくて、本当に存在するこの神のように美しい方に、あんなことをしてしまったのか?!

初対面で、名前も知らない私の様な醜い男が…寝ている所を無理矢理あんなことをしてしまって、私は…私は、この美しい方を深く傷付けてしまった。
なんて罪深い。

死のう…死んで詫びよう。
そう思って、マットから降りようとする。

「…ゴホッ…あれ、起きたんですか?」

目を擦りながら、清らかな姿で寝ていた神が少し枯れた声で話しかけてきてくれた。
こんなに淫らで美しい声を聞いたことが無い。
だが、私は許されないことをした。
どのような罰も受けよう。

「…はい…昨夜はその…誠に申し訳ありませんでした…いかような罰も受けます故、なんなりとおっしゃって下さい」

私は、すごすごとマットから降り、硬い地面に頭を擦り付けて謝罪する。
どうせ死ぬなら、この方の瞳に写ったまま死ぬというのは、ある意味最高かもしれない。

「昨夜?んーと…?ここは異世界で、僕はこの人を見つけて、寝て…あっっっ!!!???」

ぼんやりした表情が、一変して真っ赤に染まる。
耳たぶが、高級な果実のようだ。

「あっあっれっはっ!ほら、体を温め合うのには必要だったし。命を守るためだったってことにしましょうよ!ね?!」

顔を両手で覆って、そのように仰った。
まさか、こんな私を許そうと?
美しいだけでなく、なんて心が清らかで優しいんだ。
死ねと言われたら、今すぐここで絶命しようと考えて用意をしていたのに。
とりあえず魔法陣はしまう。

「お許し頂き、神子様の寛大さに心よりお礼申し上げます。ああっ、申し遅れました。私はリアム、庶民の出ですが王宮の魔術師をしております」

私が自己紹介をすると、神子様も、ハツとしたように顔を上げる。

「ぼっ僕は!神谷尊(たける)です!よろしくお願いします!」

マットの上にちょこんと座り、礼儀正しく挨拶を返される。
この物腰…貴族に違いない。
名前は、一切聞いたことが無いが間違いない。
こんなに礼儀作法を身に着けた庶民などありえない。
優美で、無駄な動きなど無い完璧な身のこなしだった。

しかし、こんな場所に貴族が一人で居るなど考えられない。
まさか、貴族のご子息が、こんな森で迷子?
いや、そんなことはありえない…
やはり、伝説の神子様だろうか…

「こんなことをお聞きして良いのかわかりませんが…この森では、何をされていたのですか?」

「そうだ!僕は、日本って国にいたんですけど、わかりますか?気がついたらここにいたんです。ここ、明らかに日本じゃないし…あっ!日本て、知ってますか?」

それから聞いた尊様の話は、まさに神の子の来訪伝説のようだった。
300年に1度、この世界に別の世界から訪れる者、神子様は、丁重に歓迎することになっている。

その者が永住した国は、以降300年は大きく栄えると言われている。
この方が、やはり神子様…その美貌から何となく、そんな夢の設定かなっては思っていたけれど。
まさか、現実に神の子だったとは。

だとしたら、余計に私なんかが触れていい相手じゃない。
なんてことをしてしまったんだ。

私ごときの処刑じゃ済まされない。
王都近郊に住む優しい両親の顔が頭に浮かんだ。
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