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3話 学園へ

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3話
 ……そして豪華な馬車に揺られながらボクは、エルネストから学園の説明を聞いている。

「シャルル様もご存知だとは思いますが、学園は寮生活でございます。平民は大部屋に10数人で寝泊まりをするのですが……シャルル様は2人部屋ですね。公爵様が1人部屋にしろと仰ったそうですが、部屋が足りないからと却下されたと伺っております」

 何やってるのお父様??てか貴族と平民で扱い違うんだ……普通雑魚寝の所を2人部屋って結構優遇されてるじゃん。

「入学前に実力診断試験は受けましたね。入学式は明日ですので、今日は寮に向かって……上級生に学園の中を案内して貰うのみになります」
「りょーかい」

 そしてしばらく馬車に揺られ……と言ってもそんなに揺れないんだけど。なんたって公爵家の馬車だからね。

 あ、今日のボクの装いはね……って、てっきり制服が統一されてるものだと思ったんだけど、私服らしいんだよね。つまり、自由。まあボクはどっちにしろお高い服を着せられる。エルネストの着せ替え人形みたいにされてさあ。まぁ、エルネストのセンスが良いから任せられるんだけど……
この編み上げブーツ好きだなぁ、あとサイドテール。かわいいよね。

 そして学園が見えてくる……想像はしてたけど、凄い大きさだな……。ボクの家より大きい建物、初めて見た。凄く凄く大きい門の前にはちゃんと門番が居るし、何回建てだろうこれ?

「シャルル様、寮まで私が案内いたします」
「あれ、エルネストはこの学園の構造が分かるの?」
「私もこの学園の生徒ですので」

 エルネストが学生なの、初めて知った。学生なのにボクのお守りさせられるのな……。まあまあ、エルネストがちゃんと地図が頭に入ってるなら心強い。所で、エルネストはいくつなんだろう?この学園の生徒ってことは、12歳から18歳のはずだけど……

 周りには、入学予定らしき生徒がたくさん。もちろんその辺をうろついてる在校生もちらほら……と言うか、制服じゃないから身なりである程度身分がわかるんだなあ……。にしても凄い数。

 と思ったら、何故か一斉にボクに道を譲り出す。……あ、ボク公爵家の息子だったね。三男とはいえ、今年の入学生でもだいぶ……と言うか名前を覚えられるくらいには身分が高い。だって、公爵家より上って王族しか居ないもんね。でも、王族の方も同学年で居た気が……?

「……シャルル様、だいぶ道が空いて通りやすくなりましたので今のうちに」
「あ、うん」
「みなさん、道を譲って下さるなんて心優しい方々ばかりで安心いたしました」

 それはエルネストが睨むからでは……?
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