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第二章 悪役令嬢は暗躍する
79.悪役令嬢は勉強会を提案する
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小学では基本的に魔術や魔法に関しては基礎理論と基本の実践しか行わない。理由は色々とあるけど、現在の一般魔術理論にしても基礎魔法理論にしても必要な魔力量や繰り返しての実践には子供としては負担が大きい。しかし、魔力というのは生まれ持った許容量もあるけれど、ある程度は扱う事で伸びしろがあるハズで、これはお母様も論文として随分前に発表してあるのだけど、古い時代からの伝わっている話では、魔力は生まれ持った物で伸びることは無い。
しかし、お母様は幼い頃は女王キャロラインの方が魔力量が多かったらしいけど、お母様は少し努力する事で魔力量が増えたらしい。ただし、誰も信じてくれなかったので若い頃に論文で書いたのだが、それも王女の戯言として放置されたらしい。
実は私の魔力量も増えているのだ。これはお母様も確認してくださったので間違いないと思う。まぁ、元々から魔力量は多かったのだけど。
「私、これから週一くらいでサロンにおいて勉強会を行いたいと思います。まず集まるメンバーは今このサロンにいる皆様全員です」
と、言った瞬間に「は?」という声が聴こえる。
「当然、強制参加ではありませんので、自由に来てもらって構わないわ。そうね、名簿作りはリンィリにお願いしてもいいかしら?」
「はい、私でよければ」
「お願いするわ。行うのは基礎魔術理論ではなく、発展魔術理論と応用魔術理論です」
皆が首を傾げる。発展魔術理論までは実際に高学で習う科目なので知っているハズですが、その上にあたる応用魔術理論はお母様が現在も秘匿するように指示をだしている。我が家の秘密の一つで、私が気が付いた魔術分解の可能性を指し示す部分にあたる基礎理論になる。
「ま、待ってください発展魔術理論と応用魔術理論……とは、小学では絶対にやらないところですよね?」
「フィレーヌは理解が良いようですね。大元の基礎になる基礎魔法理論、発展魔法理論。それに基礎魔術理論は小学でのカリキュラムに入っているでしょ? このサロンで私が皆様にその上にある発展魔術理論、応用魔術理論をお教え致しますわ」
「アレの謎を教えてくれるってこと!?」
と、ややはしたなく喰いついたのはマリーです。ちゃんとお嬢様モードで対応しなさいよ。まぁ、そこは後で言っておくとして。
「残念ながら詳しくは教えられない部分もあります。それは私が知らないから――では無く、まだ世に出ていない理論も含むからです。優秀な皆様ならお判りになるでしょう?」
聞き耳を立てていた子達も私の言葉にビクリと反応する。実はここ三年の間にお父様とお母様が噂を流していたのよ。
ハーブスト公爵家が秘匿する技術の数々について――
「当然、参加する皆様には秘密を守って貰う為に契約をして頂きます。もし、守れなかった場合は相当の覚悟はしておいて下さい。それでも、私達と共に未来を駆けたいと思う方々はこれから、リンリィ・アーマリア侯爵令嬢が名簿作成の為に聞き取りを行ってくれますわ」
そう私が言うと事前に私とリンリィで作った名簿用紙と魔力で書けるペンを持ってリンリィとウィンディがサロン内にいる子達に名前を聞きに向かう。ミーリアとジェニーが不安そうに私を見つめていたので私は「どうしたの?」と訊く。
「あ、あの……私達も教えて頂けるのでしょうか?」
「そ、そうです!」
「ええ、当然です。私の側近なのでしょ? 当たり前ではありませんか」
この子達のスキルアップも兼ねているのです。他のメンバーにしても、秘密を共有して結束力を強くして近い将来やってくるであろう困難に打ち勝てるように準備するのよ。悪役みたいだとマリーやウィンディが言っていたけれど、そもそもゲームでも私達は悪役ですからね?
しかし、お母様は幼い頃は女王キャロラインの方が魔力量が多かったらしいけど、お母様は少し努力する事で魔力量が増えたらしい。ただし、誰も信じてくれなかったので若い頃に論文で書いたのだが、それも王女の戯言として放置されたらしい。
実は私の魔力量も増えているのだ。これはお母様も確認してくださったので間違いないと思う。まぁ、元々から魔力量は多かったのだけど。
「私、これから週一くらいでサロンにおいて勉強会を行いたいと思います。まず集まるメンバーは今このサロンにいる皆様全員です」
と、言った瞬間に「は?」という声が聴こえる。
「当然、強制参加ではありませんので、自由に来てもらって構わないわ。そうね、名簿作りはリンィリにお願いしてもいいかしら?」
「はい、私でよければ」
「お願いするわ。行うのは基礎魔術理論ではなく、発展魔術理論と応用魔術理論です」
皆が首を傾げる。発展魔術理論までは実際に高学で習う科目なので知っているハズですが、その上にあたる応用魔術理論はお母様が現在も秘匿するように指示をだしている。我が家の秘密の一つで、私が気が付いた魔術分解の可能性を指し示す部分にあたる基礎理論になる。
「ま、待ってください発展魔術理論と応用魔術理論……とは、小学では絶対にやらないところですよね?」
「フィレーヌは理解が良いようですね。大元の基礎になる基礎魔法理論、発展魔法理論。それに基礎魔術理論は小学でのカリキュラムに入っているでしょ? このサロンで私が皆様にその上にある発展魔術理論、応用魔術理論をお教え致しますわ」
「アレの謎を教えてくれるってこと!?」
と、ややはしたなく喰いついたのはマリーです。ちゃんとお嬢様モードで対応しなさいよ。まぁ、そこは後で言っておくとして。
「残念ながら詳しくは教えられない部分もあります。それは私が知らないから――では無く、まだ世に出ていない理論も含むからです。優秀な皆様ならお判りになるでしょう?」
聞き耳を立てていた子達も私の言葉にビクリと反応する。実はここ三年の間にお父様とお母様が噂を流していたのよ。
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「当然、参加する皆様には秘密を守って貰う為に契約をして頂きます。もし、守れなかった場合は相当の覚悟はしておいて下さい。それでも、私達と共に未来を駆けたいと思う方々はこれから、リンリィ・アーマリア侯爵令嬢が名簿作成の為に聞き取りを行ってくれますわ」
そう私が言うと事前に私とリンリィで作った名簿用紙と魔力で書けるペンを持ってリンリィとウィンディがサロン内にいる子達に名前を聞きに向かう。ミーリアとジェニーが不安そうに私を見つめていたので私は「どうしたの?」と訊く。
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