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第一章 悪役令嬢は動き出す
21.悪役令嬢は悪役令嬢に同情される
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「いやぁ、よく考えたら王太子くん、マジで駄メンズだねぇ」
「やめて……なんだか、凄い……凄い敗北感がある」
アイツとは絶対に関わらないでおこう。たぶん、惚れやすいタイプなんだと思うんだ。そういえば、友人情報だけど、ノベライズ版が出た時にクリフト殿下マジ糞って一部クラスタでもエステリアに同情する声があったらしい。
と、いうかアンネマリー嬢に思いっきり同情されてるよ。ってか、マジで涙出て来た。
「よしよし、一緒に頑張ろう。そして、断罪回避だよ!」
なんか、彼女に同情されるのも、それはそれでイラっとするのは気のせいだろうか……いや、でも協力者が増えるのは悪い事じゃないし、彼女も人間性とすれば悪くは無いと思う。勘だけど。
「はぁ、とりあえずだけど、協力してくれるのはありがたいわ」
「まぁ、同じ転生者のよしみじゃん」
「そういえば、イストリア商会ってかなり儲かっているようだけど、今後の展開は考えているのかしら?」
私の言葉に彼女は少し考えてから、商売人特融の空気を纏わせてニヤリと笑う。
「美容の方はまだまだ伸びしろがあるけど、基本的なところは凄い詳しい知識があるわけじゃないから、品質の向上とかはこれからはゆっくりになっていくし、気が付けば簡単に真似される。だから、次は服飾関連に手を付けたいなぁ――って、思ってる」
「アンネマリーはそっち側か……」
「はじめはマヨネーズとか、そういうのも作ろうと思ったけど、卵の衛生管理ってかなり徹底しないと生卵って使えないでしょ?」
まぁ、だからこそ、私はまず養鶏からはいったわけなんだけど。
「畜産って大変だよね? て、いうかハーブスト領って畜産が強いんだよね? 最近、ハーブスト産のすごく美味しい肉が出回っているって聞いたけど」
「ええ、その通りよ。マヨネーズが食べたくて養鶏から育てたから、今ではボアやホーンの生産もいい感じに進んでるわよ」
「マ、マヨ……本当に? マヨあるの?」
この子の反応ってば、結構なマヨラーのようね。商品化は終わっているのだけど、他領に輸送するのはまだそこまで信頼性があるわけじゃないから、王都でも楽しめるようになるのは後数年掛かるかなぁ。ま、我が家では自領から輸送されてくる生物は全て冷凍か冷蔵で運ばれてくるので問題無いんだけど、専用馬車を作るのにも結構な手間が掛かるし、量産体制に持っていけるまでまだ時間が必要だ。
「そろそろ魔道具を切って話しましょうか」
私はそう言うとアンネマリー嬢は渋い顔をする。
「前世の話しが出来ないじゃん」
「それは確かにだけど、長時間に渡って秘密の会話をするのも問題でしょ?」
「うーん、それも確かに」
できるだけ前世云々は周囲に知られるのは良くないでしょう。例え身内だったとしても、出来るだけ王家を刺激しない方向で行かなきゃ。
「まぁ、前世の話しに関しては学園が始まってからなら幾らでもチャンスがあるでしょ」
「それじゃぁ遅くない?」
「そう? 言っても14歳になってからが本番だし、4年間に学園ででしか出来ない事があるかなって。それに一番の問題はヒロインちゃんが現れてからでしょ。どのルートに行くかわかんないし」
「あー、それは確かに……ファルリオルート目指されても困るわ」
「でしょ?」
まぁ、一番ヤバいのは逆ハールートを目指す場合だ。これは一作目のリメイク版で追加された隠しルートでこのルート時だけ、全ての悪役令嬢が断罪される。色んな意味でヤバいルートなのだ。
「アンネマリーは逆ハールートに関しての知識は?」
「え? そんなのあるの?」
「リメイク版で追加された隠しルートのひとつよ」
「マジかぁー、リメイク版はやってないんだよね。それを考えると、アプリ版の可能性も考慮しないといけない? 私、アプリ版もやってないんだよね」
アプリ版? それは知らない。うーん、ヤバい、ヤバいぞソレは非常に問題だ。誰か情報持って――ないよねぇ。
「私、アプリ版なんて知らないんだけども」
「マジで? 三作目発売付近でサービス開始されたヤツ」
三作目だと!? クッ、転生してなければプレイ出来たということよね。なんて悔しい情報を知ってしまった。
「因みにエステリアの気持ちはよーく分かる。私も三作目は未プレイだ」
私と彼女は無言で握手をした。
「にしても、他にも転生者がいればいいん
だけどねぇ……」
私がそう言うとアンネマリーも静かに頷いた。
「ひとまず、他の悪役令嬢に賭けて見る?」
「お茶会でも開いて聞いてみるってこと? それより先ずは各悪役令嬢の現状調査ね。でも変に勘ぐられても困るし」
「ダヨネー。転生者なら色々とテンプレな行動に出てたりしないかな?」
確かに彼女の言うとおりかもしれない。でも、分かりやすいテンプレであれば私は意外と自然な形で納得させれるかもしれない。
「なるほどね。なら、私の方で調べれるかもしれないわ。ひとまず、秘密の話は今日はここまでにしましょう。そして、オープンで商売っ気のある話をしない?」
「オッケー、私の方でも動ける範囲で動いてみるわ」
「絶対にバレないようにしなよ」
「任せてよ」
アンネマリー嬢の妙な自信満々な姿を見ると不安になるわ。下手を打たないでほしいけど……何か考えておかないとマズそうね。
「やめて……なんだか、凄い……凄い敗北感がある」
アイツとは絶対に関わらないでおこう。たぶん、惚れやすいタイプなんだと思うんだ。そういえば、友人情報だけど、ノベライズ版が出た時にクリフト殿下マジ糞って一部クラスタでもエステリアに同情する声があったらしい。
と、いうかアンネマリー嬢に思いっきり同情されてるよ。ってか、マジで涙出て来た。
「よしよし、一緒に頑張ろう。そして、断罪回避だよ!」
なんか、彼女に同情されるのも、それはそれでイラっとするのは気のせいだろうか……いや、でも協力者が増えるのは悪い事じゃないし、彼女も人間性とすれば悪くは無いと思う。勘だけど。
「はぁ、とりあえずだけど、協力してくれるのはありがたいわ」
「まぁ、同じ転生者のよしみじゃん」
「そういえば、イストリア商会ってかなり儲かっているようだけど、今後の展開は考えているのかしら?」
私の言葉に彼女は少し考えてから、商売人特融の空気を纏わせてニヤリと笑う。
「美容の方はまだまだ伸びしろがあるけど、基本的なところは凄い詳しい知識があるわけじゃないから、品質の向上とかはこれからはゆっくりになっていくし、気が付けば簡単に真似される。だから、次は服飾関連に手を付けたいなぁ――って、思ってる」
「アンネマリーはそっち側か……」
「はじめはマヨネーズとか、そういうのも作ろうと思ったけど、卵の衛生管理ってかなり徹底しないと生卵って使えないでしょ?」
まぁ、だからこそ、私はまず養鶏からはいったわけなんだけど。
「畜産って大変だよね? て、いうかハーブスト領って畜産が強いんだよね? 最近、ハーブスト産のすごく美味しい肉が出回っているって聞いたけど」
「ええ、その通りよ。マヨネーズが食べたくて養鶏から育てたから、今ではボアやホーンの生産もいい感じに進んでるわよ」
「マ、マヨ……本当に? マヨあるの?」
この子の反応ってば、結構なマヨラーのようね。商品化は終わっているのだけど、他領に輸送するのはまだそこまで信頼性があるわけじゃないから、王都でも楽しめるようになるのは後数年掛かるかなぁ。ま、我が家では自領から輸送されてくる生物は全て冷凍か冷蔵で運ばれてくるので問題無いんだけど、専用馬車を作るのにも結構な手間が掛かるし、量産体制に持っていけるまでまだ時間が必要だ。
「そろそろ魔道具を切って話しましょうか」
私はそう言うとアンネマリー嬢は渋い顔をする。
「前世の話しが出来ないじゃん」
「それは確かにだけど、長時間に渡って秘密の会話をするのも問題でしょ?」
「うーん、それも確かに」
できるだけ前世云々は周囲に知られるのは良くないでしょう。例え身内だったとしても、出来るだけ王家を刺激しない方向で行かなきゃ。
「まぁ、前世の話しに関しては学園が始まってからなら幾らでもチャンスがあるでしょ」
「それじゃぁ遅くない?」
「そう? 言っても14歳になってからが本番だし、4年間に学園ででしか出来ない事があるかなって。それに一番の問題はヒロインちゃんが現れてからでしょ。どのルートに行くかわかんないし」
「あー、それは確かに……ファルリオルート目指されても困るわ」
「でしょ?」
まぁ、一番ヤバいのは逆ハールートを目指す場合だ。これは一作目のリメイク版で追加された隠しルートでこのルート時だけ、全ての悪役令嬢が断罪される。色んな意味でヤバいルートなのだ。
「アンネマリーは逆ハールートに関しての知識は?」
「え? そんなのあるの?」
「リメイク版で追加された隠しルートのひとつよ」
「マジかぁー、リメイク版はやってないんだよね。それを考えると、アプリ版の可能性も考慮しないといけない? 私、アプリ版もやってないんだよね」
アプリ版? それは知らない。うーん、ヤバい、ヤバいぞソレは非常に問題だ。誰か情報持って――ないよねぇ。
「私、アプリ版なんて知らないんだけども」
「マジで? 三作目発売付近でサービス開始されたヤツ」
三作目だと!? クッ、転生してなければプレイ出来たということよね。なんて悔しい情報を知ってしまった。
「因みにエステリアの気持ちはよーく分かる。私も三作目は未プレイだ」
私と彼女は無言で握手をした。
「にしても、他にも転生者がいればいいん
だけどねぇ……」
私がそう言うとアンネマリーも静かに頷いた。
「ひとまず、他の悪役令嬢に賭けて見る?」
「お茶会でも開いて聞いてみるってこと? それより先ずは各悪役令嬢の現状調査ね。でも変に勘ぐられても困るし」
「ダヨネー。転生者なら色々とテンプレな行動に出てたりしないかな?」
確かに彼女の言うとおりかもしれない。でも、分かりやすいテンプレであれば私は意外と自然な形で納得させれるかもしれない。
「なるほどね。なら、私の方で調べれるかもしれないわ。ひとまず、秘密の話は今日はここまでにしましょう。そして、オープンで商売っ気のある話をしない?」
「オッケー、私の方でも動ける範囲で動いてみるわ」
「絶対にバレないようにしなよ」
「任せてよ」
アンネマリー嬢の妙な自信満々な姿を見ると不安になるわ。下手を打たないでほしいけど……何か考えておかないとマズそうね。
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