悪役令嬢同盟 ―転生したら悪役令嬢だった少女達の姦しい日々―

もいもいさん

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序章

6.悪役令嬢は家族団欒を楽しむ?

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 やっと、やっとお医者様から許しを得てベッドから離れられない生活からおさらばしました。

 自室だけでの生活をニ週間近くしていたので家族と取る食事で思わず嬉しくて泣いてしまった。

 お父様、お母様も共に涙を浮かべて喜んでくれた。家族から快気祝いということで、大きな兎のヌイグルミを頂きました。5才児が抱きかかえて運ぶにはどう考えても不可能なサイズだったので使用人達が私の部屋まで運ぶようだ。

 ともかくだけど、いや、マジでかわいい。アンティークのテディベアを前世の時に祖母から見せて貰ったことがあったけれど、それ以上の出来で感動した。

 なので、喜びを家族に伝える為に家族全員に何度もハグして回った。

 ちなみに我が家の家族構成は両親とお兄様が二人の三人兄妹で長男で次期公爵である一番上のお兄様とは10歳、次男のお兄様とは8歳離れていて、私は家族全員から超甘やかされている。

 お父様の名はウィングレー、多分40代。エステリアの暗い銀色の髪はお父様譲りで青系統の瞳が美しいオジサマである。

 お母様はステファニー。元王族で銀髪に近いプラチナブロンドで深紅の瞳を持つ超絶美人でお父様も見た目が若いけれどお母様は下手をすると20代と言われても信じてしまうくらい見た目が若い。ナイスバデェで妹である女王様とは違いおっとりとした雰囲気の人だ。

 一番上のお兄様はアイザック。お母様譲りのプラチナブロンドで紫に近い瞳が特徴の美青年? 冷たい雰囲気があるけれど、とても優しいお兄様だ。

 二番目のお兄様はディラン。少し愛嬌のある雰囲気の人でアイザックお兄様同様、とても優しい。プラチナブロンドの髪に青い瞳で特にお父様とお母様の色が合わさった雰囲気を持っている。

 なお、ゲーム内に登場するのはお母様だけで共通ルートであるクリフト殿下のイベントで女王陛下の回想のスチルで描かれている1枚だけ。

 しかもセリフとかも無いんだよね。殿下が淡々と語るみたいなシーンだし。

 そんなことを考えている間に食事の時間も終わり、テーブルにはお茶菓子とお茶が置かれ、皆は和やかな雰囲気でお茶を楽しんでいた。

「そういえば、ひとつ皆に伝えなければいけないことがある」

 と、お父様がキリリとした表情でいいました。お母様はお父様が伝えようとしている内容については理解っているようだ。

「リフィール侯爵家の令嬢アイナ嬢とアイザックの婚約が決まった。婚約式に関してはお互いが成人式を迎えた後に行うが日取りなどはこれから……だな」
「はい、父上」

 これはアイザックお兄様も知っていた雰囲気だ。ディランお兄様は意外そうな顔をしているので、知らなかった情報のようだ。ゲームには登場してなかった人物なので、どんな人なのか私にはさっぱりだけれど、両親が納得している人物ということは十分に伝わってくる。

「おめでとうございます、アイザックお兄様」
「ああ、ありがとうエステリア。アイナ嬢も君に会いたがっているので、今度連れてこようと思う」
「楽しみです!」

 ゲームでの設定ではこの世界での成人は16歳だったハズ。アイザックお兄様は現在15歳で成人として認められるのはゲームの舞台となる学園を卒業したタイミングだ。

 私が断罪されるのも、学園の卒業式だったハズ。

 後、10年の間に色々と準備して断罪を回避しないとね。
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