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神経のすり減らし方

安らかな日々を勝ち取るために 1

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F、Y、J「えぇーっ!」
私「ちょっとちょっと!声が大きいよ!」
F「でもさぁ!」

いやいや、気持ちはわかる、わかるけど。

Y「次長さんっていったら相当上の役職だよね?」
J「だよね!だよね!」

試験に合格して胸を撫で下ろす間もない。

ほんとに私の周りは話題に事欠かない。
ま、大半が私絡みなんだけど。

......でもこれさえ終われば。

Y「金曜日だよね?大丈夫?飲み会?」
私「あ、あぁ、女房にはメールしておいたよ。ちょっとしたら返事来ると思う」
Y「そうじゃなくて!」

私「みんなちょっと聞いて」
三人が一斉に私に注目する。

私「金曜日については不利な事はないはず、だから堂々と出席してくる。そして文字通り戦ってくる。そして、絶対に勝ち取ってくる!この楽しい毎日が明日も明後日も続くように!俺は.....」

F「俺は?」

私「絶対に負けない!」
力を込めすぎたせいで、右手に持っていた箸がバキッ!という音と共に真っ二つに折れた。

Y「キャッ!大丈夫?」

折れた箸に気づかず更に力を込めたせいで血がポタッと垂れた。でも決意の気持ちが勝っていたせいか痛みなんて感じなかった。

たまたま隣の席で食事をしていた女性が
「よかったらこれ使って」
と絆創膏を差し出してくれた。
私「すいません、ありがとうございます」
私の現在の心情がどうであれ、他人の好意は素直に受けるべきだ。

J「ありがとうございますHさん」
F「知ってる人?」
J「うん、この人に仕事教わってるから」
F「あ、そうなんだ」
軽く会釈をするF

Y「そのまま貼っちゃダメでしょ!ちゃんと消毒しなきゃ!隣が医務室だから行っておいでよ!」
私「そうだよね、ごめんごめん」

飯は半分も喉を通らなかった。

それからというもの、三人とも平静を装ってはいるが、気を使って話題をチョイスしている。
凄く気を使わせてる感じがして申し訳なくなった。

今の私が出来る事といえば。

審議会を勝ち取り、心配してくれてる妻と三人を安心させてやること、それに尽きる。

妻とも審議会についていろいろ話した。
「なるようにしかならない」
これが二人が出した結論。
妻「結果がどうなっても私はあなたの隣にいるから。安心して」

結局、この言葉が聞きたかったのかもしれない。



......そして、審議会当日を迎える。
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