砂の星より

BAKU

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プロローグ

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 「先生」に会ったのは、13歳の時。
私が「先生」という職業を知った、ちょうど半年前の事だった。
「先生」との課外授業が終わるまでの期間、つまり「先生」という仕事の何たるかを知らなかった私にとって、あの人は「頼まれても無いのに世話をやく、話好きな変な奴」という印象だった。
ちなみに、私が自分の名前と年齢を知ったのも、ちょうどその頃。
それまでの暮らしで、そんな情報は、気にする必要すら無かったからだ。
必要だったのは、日払いの給料と、砂と熱から身を護る装備。
そして、「恐竜図鑑」と書かれた、古ぼけた、子供向けの小さな図鑑。
育ての親、というより組織から与えられたそれが、私にとっての「世界」の全てだった。


 つまり、何が言いたいのかというとね。
「先生」との、あの半年の課外授業を通じて、私は「世界」を知ったということ。
信じられないかもしれないが、この砂だらけの星にかつてあった、本当の話。
この星に存在した、本当に面白くて、美しくて、素敵な物たちについての話。
あの日、「先生」からその話を聞いてから、私の「世界」が始まったのだということ。

あぁ、すまない。話が長くなってしまった。
・・・ふふっ、いや。何。
この言い方じゃあ、まるで—————。
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