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「お耳が遠い?あのお山より遠いですか?」
言葉の意味をそのままとらえてしまったリアは目を丸くして驚いた。そして、窓から見えるメル山を指差して首を傾げて子供の好奇心が刺激されて質問した。
「うーん。そうだね。残念ながら神様がどの程度聞こえる距離があるのか、ないのか正確にはかったことがないからね。もし神様に会えたら検証してみるよ。」
のんびりとした穏やかな低い声でカナヤが答える。
カナヤは逞しくしなかやな強靭な肉体をもった男性であった。だが、片時も離れずリアの命を守るという運命を受け入れたとき、男でも女でもない存在になった。
お風呂もトイレも側にいる。
「リア様、お祈りの時間です」
リアが神様は耳が遠いから筆談だ、言語の勉強に力を入れようと心のなかで考えていた。名前を呼ばれて我に返る。
「はい、わかりました。準備をしてきます」
リアは静かな声で返事をした。カナヤはリアを抱き上げたままお祈りの準備をするために聖女の部屋へと向かった。
リアは二十歳までしか生きられない聖女の宿命をもつ女の子である。
胸元に聖の印を抱いてうまれた。
聖女のいのりがないと、この星の命達はかがやくことができない。
「どうか、こころおだやかに、みなさまがすごせますように、うたうことがよろこびにかんじますように」
真っ白な衣装に身を包み純粋に祈るリアの歌声が響く。
言葉の意味をそのままとらえてしまったリアは目を丸くして驚いた。そして、窓から見えるメル山を指差して首を傾げて子供の好奇心が刺激されて質問した。
「うーん。そうだね。残念ながら神様がどの程度聞こえる距離があるのか、ないのか正確にはかったことがないからね。もし神様に会えたら検証してみるよ。」
のんびりとした穏やかな低い声でカナヤが答える。
カナヤは逞しくしなかやな強靭な肉体をもった男性であった。だが、片時も離れずリアの命を守るという運命を受け入れたとき、男でも女でもない存在になった。
お風呂もトイレも側にいる。
「リア様、お祈りの時間です」
リアが神様は耳が遠いから筆談だ、言語の勉強に力を入れようと心のなかで考えていた。名前を呼ばれて我に返る。
「はい、わかりました。準備をしてきます」
リアは静かな声で返事をした。カナヤはリアを抱き上げたままお祈りの準備をするために聖女の部屋へと向かった。
リアは二十歳までしか生きられない聖女の宿命をもつ女の子である。
胸元に聖の印を抱いてうまれた。
聖女のいのりがないと、この星の命達はかがやくことができない。
「どうか、こころおだやかに、みなさまがすごせますように、うたうことがよろこびにかんじますように」
真っ白な衣装に身を包み純粋に祈るリアの歌声が響く。
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