母性愛、男子!

遊虎りん

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「……だってよ。後は、百花が琉聖をどう扱うかだな。俺はママとして慕うのも友達として付き合うのも好きにしろって感じだが、百花のお兄ちゃんは俺だけだ。」

琉聖の話を黙って聞いて大きく頷くと白蓮は強い口調で主張した。
言いたいことを言うと使った皿や調理器具を洗い始める。

「……琉聖君を、ママだって思って甘えれてすごく…安心したの。わたしがここにいるのは、お兄ちゃんとパパをくるしめたくないから」

生きている理由は、自分のためではない。
幸せになるためではない。
母親が欠けた未来なんか楽しいとは思えない。
悩み事を相談したり、楽しかったことを報告したり、料理を教えてもらったり……まだまだ、お母さんとやりたかったことがある。
けれど、それを全部諦めて、一人で膝を抱えて眠ることしかできない。

母親を追いかけてこの世から旅立たないのは、必ず兄と父親が毎日、苦しむ。
置いていかれたら、心と身体が病んでいく。
百花がそうだからだ。

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