保護者つきで異世界転生!

遊虎りん

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母さんを置いてきぼりにして薬草なんか取りに行かなければよかった。

母さんを一人にしないで、と心細そうな声が息子の身を案じて濡れている瞳がキリトを責め立てる。
大粒の涙が溢れて止まらない。泣いても母親はどうしたの?愛しい私の坊や、と涙を舐めて慰めにもう来てはくれない。

俺が母さんを、一人にしてしまった。心が少しざわざわしたけど、大丈夫だと無理矢理思ってしまった。何の根拠もないのに……。

母さんをひとりぼっちに死なせて
俺はひとりぼっちになった

母さんを死なせたのは俺だ

ぽっきり、とキリトの心が折れようとしていた。

違う!と声が上がる。

あの猟師が罠を仕掛けなければ、父さんは死ななかったし、母さんは群れから離れなくてすんだ。
ひとりぼっちで死ななかった。

ぎり、と奥歯を噛み締める。

父さんも母さんもあの猟師に殺された。
あの猟師がのうのうと生きているのは可笑しい。殺してやる。俺が今度こそ噛み殺してやる。
ふと、足を止めた。あの子供の匂いがした。残忍な思い浮きがキリトを震えさせた。

あの子供の皮を剥いで、猟師に投げ出したらどんな風に泣くだろう。俺と同じように泣くのだろうか、それとも泣かずに憎しみをただぶつけてくるだろうか。
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