俺の突っ込みが間に合わねぇ！

その６！

「そんな悲しい事を言うな。俺は昨日の夜から、98%どーでもいい時間を過ごしてることになるだろ」

真理雄は自分の頭を抱えた。無駄無駄、と実写化が決まっている某有名漫画のとあるキャラ並に無駄を連呼したくなる。人生が一匹の陽気な幽霊のせいで、大きく崩れている、気がする。他人から見ればわらい話に聞こえるだろうが、真理雄にとってはホラーである。笑えるホラー。

「陽気な幽霊が、一人の高校男子の穏やかな時間を奪っている。こうやって、無駄な時間を過ごさせて、くそ！」

本来なら学友逹と今、このキラキラした高校生の時しか話せない、色々な話題があるのに。カラオケが好きで、90点が取れない無念を抱いて死んだアホなど、どーでもいい。
真理雄の心は荒み疲弊していた。

「…落ち着いて、真理雄さん。あなたはそんなことをいうひとじゃないわ。悪い真理雄さんにとりつかれては駄目よ」

ダイアナが美しい声で美しい事を言った。
その言葉にはっ！とする。

「そうだな。君の言う通りだ」

真理雄の心の中で怪奇現象が起きていた。普段は冷静でどーでもいいことに怒らないのに、あの幽霊か遊びに来てから無駄な時間を過ごしている事に激しい嫌悪と怒りを抱いた。
だが、今、ダイアナの言葉で救われた。自分を見失ってはいけない。