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「ここ、俺んち。送ってくれてありがとう」
ぺこり、と勢いをつけて頭を下げる真生を見て優翔と翔大はいえいえ、どういたしましてと同じ角度と勢いで頭を下げた。
3人の影が楽しそうに震えている。
「バイバイ、また明日」
手を振って真生がポケットから鍵を取り出して家の玄関の扉を開けて中に入るまで見届ける。
明かりがついた。
「今日は優翔に友達ができた記念日だな」
嬉しそうに声を弾ませて翔大は言った。
ひとりぼっちでいるのは時々寂しくなる。他愛もない話を家族以外と楽しめる人がいると安心だ。
下らない事で笑い合える瞬間が幸せ。
「自分の誕生日の次くらいに嬉しい記念日」
「よし、お祝いのプリンを買ってやろう。デザートなら純子も喜ぶ」
「甘党の翔も喜ぶね」
コンビニに寄る。ちょうど部活が終わった学校帰りの学生達が買い食いしようと店内をうろついている。
逞しい身体に日焼けした肌の坊主頭達が各々おにぎりやらパンやらを持ってレジに並んでいた。その隙間を縫うようにしてデザートコーナーに2人は向かった。気分は冒険家である。
「佐々木じゃん」
「え、うそ。工藤じゃん、今日の朝ぶり。」
翔大が笑うと工藤と呼んだ高校生と肩パンチを無邪気し合った。
「このおちびちゃんは佐々木の弟?」
「そう、このおちびちゃんは俺の弟で優翔っていう名前の男の子で趣味はカタツムリ観察」
「へえ、カタツムリ好きなんだ。俺も昔はカタツムリを観察したもんだ。俺の若いころにそっくりだな」
類は友を呼ぶ。工藤も不思議ワールドの住民らしい。
兄と波長が合う工藤に好感を持った。
「工藤さん、今度カタツムリを語りましょう」
「いいぜ。優ちゃんと語るの楽しみにしとくよ。じゃあな」
工藤はかがんで軽く優翔に肩パンチをすると、優翔は笑って肩パンチをした。
ぺこり、と勢いをつけて頭を下げる真生を見て優翔と翔大はいえいえ、どういたしましてと同じ角度と勢いで頭を下げた。
3人の影が楽しそうに震えている。
「バイバイ、また明日」
手を振って真生がポケットから鍵を取り出して家の玄関の扉を開けて中に入るまで見届ける。
明かりがついた。
「今日は優翔に友達ができた記念日だな」
嬉しそうに声を弾ませて翔大は言った。
ひとりぼっちでいるのは時々寂しくなる。他愛もない話を家族以外と楽しめる人がいると安心だ。
下らない事で笑い合える瞬間が幸せ。
「自分の誕生日の次くらいに嬉しい記念日」
「よし、お祝いのプリンを買ってやろう。デザートなら純子も喜ぶ」
「甘党の翔も喜ぶね」
コンビニに寄る。ちょうど部活が終わった学校帰りの学生達が買い食いしようと店内をうろついている。
逞しい身体に日焼けした肌の坊主頭達が各々おにぎりやらパンやらを持ってレジに並んでいた。その隙間を縫うようにしてデザートコーナーに2人は向かった。気分は冒険家である。
「佐々木じゃん」
「え、うそ。工藤じゃん、今日の朝ぶり。」
翔大が笑うと工藤と呼んだ高校生と肩パンチを無邪気し合った。
「このおちびちゃんは佐々木の弟?」
「そう、このおちびちゃんは俺の弟で優翔っていう名前の男の子で趣味はカタツムリ観察」
「へえ、カタツムリ好きなんだ。俺も昔はカタツムリを観察したもんだ。俺の若いころにそっくりだな」
類は友を呼ぶ。工藤も不思議ワールドの住民らしい。
兄と波長が合う工藤に好感を持った。
「工藤さん、今度カタツムリを語りましょう」
「いいぜ。優ちゃんと語るの楽しみにしとくよ。じゃあな」
工藤はかがんで軽く優翔に肩パンチをすると、優翔は笑って肩パンチをした。
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