3 / 27
第1話 瑠美視点①
☆3
しおりを挟む
私はその質問が恥ずかしくなった。顔に熱が集中して、苦しくて涙が出た。
何か職員が言う前に携帯電話の電源を切った。震える手で携帯電話を見えない場所に隠した。
消えてしまいたい、消えてしまいたい、消えてしまいたい、消えてしまいたい
その夜、高熱が出た。ベットの中でもがいた。水中でもないのに、私のベットはたまに深い海のようになる。
一晩熱が出るけど、朝には平熱になる。目を開けると一瞬だけ悪夢から目覚めた気持ちになる。
薄暗い部屋に差し込める太陽の光がきれいで、それが私を迎えに来てくれた天使のように見える。
だけど、本当にそれは一瞬のことで、いつもの『私』が始まるのだと察すると気持ちが沈んだ。
もし、違う誰かの物語ならどんな一日が始まるのだろうか。
サラリーマンで東京に出張とか、子供のお弁当を作ったらパートに働きに行く主婦、ディサービスのカラオケ大会に張り切るおじいちゃん
つらつらと空想しては涙を溢しているけど、那智君とのおしゃべりを約束した時から楽しかった。
私は人と話すのは苦手だけど、嫌いではない。
那智君が私とおしゃべりをしてくれる、どんな話をしようかと考えをめぐらせていた。その空想をするときは楽しいだけで涙は出なかった。
何か職員が言う前に携帯電話の電源を切った。震える手で携帯電話を見えない場所に隠した。
消えてしまいたい、消えてしまいたい、消えてしまいたい、消えてしまいたい
その夜、高熱が出た。ベットの中でもがいた。水中でもないのに、私のベットはたまに深い海のようになる。
一晩熱が出るけど、朝には平熱になる。目を開けると一瞬だけ悪夢から目覚めた気持ちになる。
薄暗い部屋に差し込める太陽の光がきれいで、それが私を迎えに来てくれた天使のように見える。
だけど、本当にそれは一瞬のことで、いつもの『私』が始まるのだと察すると気持ちが沈んだ。
もし、違う誰かの物語ならどんな一日が始まるのだろうか。
サラリーマンで東京に出張とか、子供のお弁当を作ったらパートに働きに行く主婦、ディサービスのカラオケ大会に張り切るおじいちゃん
つらつらと空想しては涙を溢しているけど、那智君とのおしゃべりを約束した時から楽しかった。
私は人と話すのは苦手だけど、嫌いではない。
那智君が私とおしゃべりをしてくれる、どんな話をしようかと考えをめぐらせていた。その空想をするときは楽しいだけで涙は出なかった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
家に帰ると夫が不倫していたので、両家の家族を呼んで大復讐をしたいと思います。
春木ハル
恋愛
私は夫と共働きで生活している人間なのですが、出張から帰ると夫が不倫の痕跡を残したまま寝ていました。
それに腹が立った私は法律で定められている罰なんかじゃ物足りず、自分自身でも復讐をすることにしました。その結果、思っていた通りの修羅場に…。その時のお話を聞いてください。
にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
結婚式で王子を溺愛する幼馴染が泣き叫んで婚約破棄「妊娠した。慰謝料を払え!」花嫁は王子の返答に衝撃を受けた。
window
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の結婚式に幼馴染が泣き叫んでかけ寄って来た。
式の大事な場面で何が起こったのか?
二人を祝福していた参列者たちは突然の出来事に会場は大きくどよめいた。
王子は公爵令嬢と幼馴染と二股交際をしていた。
「あなたの子供を妊娠してる。私を捨てて自分だけ幸せになるなんて許せない。慰謝料を払え!」
幼馴染は王子に詰め寄って主張すると王子は信じられない事を言って花嫁と参列者全員を驚かせた。
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる