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【8】生け贄の代償
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リュミエールが自身の訳の分からない感情で悶えている頃。
泉の畔ではリュミエールの服を身に纏ったアメリアが膝を抱えてこれからのことを思案していた。
泉に映る自身の姿を眺めながらアメリアは大きな溜め息を吐いた。
「私がベラ達のように美しい容姿だったらリュミエール様も番にしてくれただろうに……」
ズキリ、とアメリアの心臓が鈍い音を立てた。
出会ったばかりの横柄で粗暴な、とても土地神とは思えないリュミエールの姿を思い浮かべアメリアは苦笑した。
「私は神様からも見放されるのね……」
そう呟くとアメリアは膝に顔を埋めて己の不甲斐なさに落ち込んだ。
そんな中。
「いや--っ!!」
突如として静かなドルガ谷に緊迫した女性の悲鳴が聞こえてきた。
アメリアは驚いて膝に埋めていた顔を上げ、悲鳴のする方を振り返った。
声は遠くの方から聞こえてきた。
そしてアメリアはその声にとても聞き覚えがあった。
「ベラ?」
アメリアは足元に落ちていた大きめの木の枝を手に持つと、こっそりと声のする方へと足を進めた。
* * *
「ハァ、ハァ、ハァ……」
「痛い! お父様、止めて!!」
ドルガ谷の入り口で伯爵は力の限り抵抗するベラの髪の毛を掴んで、半ば力任せに谷の奥へと引きずり込んでいた。
ベラの顔は伯爵に殴られ、顔半分が赤黒く腫れ上がり、恐怖と痛みにより涙と鼻水でぐちゃぐちゃの様相で、彼女が自慢としていた美しさはもはや見る影もなかった。
「黙れ! 散々我が儘三昧でお前ら母娘は伯爵家から甘い汁を啜っていたんだ。せめて後は伯爵家の為にその身を捧げろ!!」
「ひぃ! 嫌――!!」
気弱で大人しかった伯爵の変貌ぶりにベラは恐怖で顔を引きつらせた。
「やはりアメリアだけでは到底足りなかったのだ。伯爵家の娘達を代わる代わる龍神様に捧げなくては……」
伯爵はジタバタと抵抗するベラを無視し、ブツブツと独り言を呟きながら谷に歩みを進めた。
「わ、私にこんなことをして、婚約者が黙っていないわよ」
最後の頼みの綱として、ベラが婚約者で公爵家の跡取りの子息を引き合いに出す。
伯爵はその言葉に振り返ると鋭い視線でベラを睨み付けた。
「黙れ! そもそもその婚約話も元々はアメリアに来た話だったではないか。お前が無理やりアメリアの縁談を横取りしただけのこと。公爵子息はお前に何の興味も持ってなどいない。傲慢で浪費家なお前がいなくなった所で怒る処か心を痛めることもないわ」
「な、なんですって……!」
伯爵の言葉にベラが言葉を失う。実際、伯爵の言葉は事実であった。
後妻であるセレスティア伯爵夫人がアメリアに来る縁談話を横取りするかのように娘達に回し、アメリアの縁談を片っ端から潰していたのだ。
アメリアは社交界において貴族子息達から密かに人気があった。
アメリアは貧しい辺境の地の伯爵令嬢として、常に国内の事情を気にかけており、贅沢とは程遠い最低限の宝石とドレスで地味な装いでパーティーに参加していた。
そんなアメリアに対して、伯爵夫人や三姉妹達はアメリアとの差を見せつけるかのように派手なドレスと高価な宝石を身に纏い、自分達の美しさをこれでもかと全面に押し出していた。
しかし、そんな伯爵夫人や三姉妹達との思惑とは正反対に、豪華な装いで美しさを下品に強調する伯爵夫人や三姉妹に対し、素朴で控えめなアメリアの姿はパーティに参加する貴族令息達の心を掴んだ。
控えめで慎ましく、国の事情を憂うアメリアの内側から滲み出る純粋な貴族としての気品と可憐な雰囲気は派手な美しさを持つ三姉妹と比べても充分に魅力的であった。
パーティー後アメリアを妻にしたいと貴族子息から沢山の求婚がラングラム伯爵家へと寄せられたが、その事実をアメリア本人は知らない。
そして、ラングラム伯爵はその事実を知っていながらも伯爵夫人達に強く抗議することが出来なかった。
自分より身分の高い未亡人のセレスティアを後妻として娶ったという引け目もあり、何となく面倒ごとから逃げていたいというのが伯爵の本音であった。
しかし、そんなことも最早構っていられない程にこの国は切迫していた。
モルシェルの穀物を王国へと納めるという重要な任務を全うできないことで、伯爵は自身の地位の降格を恐れた。
とにかく雨を降らし、穀物を実らせ、王国に期限内に食糧を納めることこそが今の伯爵の一番の責務であり、家族のことなど伯爵にとって自分の地位さえ守れれば取るに足りない存在でしかなかった。
(妻などまた後からいくらでも娶ればいい。
次はやはり最初の妻のように、控えめな女性にしよう)
泣き叫ぶ娘を引きずりながら伯爵はそんなことをぼんやりと思っていた。
(ベラを龍神に差し出したら次はセレスティアでも連れて来ようか。いや、やはり若い娘達が先が良いか。どうせ、伯爵家に残っている妻も娘達も抵抗など出来ないほどに痛め付けてあるのだから……)
伯爵の目が仄暗く揺れる。
ガサリ――
ふと、伯爵の目の前の茂みが不穏な音を立てた。
野生の熊か狼かと伯爵は身構え、咄嗟に懐に閉まっていた銃に手を伸ばす。
しかし、伯爵の目の前にはそれよりも信じられない人物が青ざめた顔をして立っていた。
「お、お父様……?」
伯爵の目の前には龍神にその身を捧げたと思っていたアメリアが震える両手に棒を握り締め、まるで信じられない光景を見ているような表情で伯爵を見ていた。
「アメリア? 本当にアメリアか? お前何故生きて……?」
伯爵の中でプツリと何かが切れる音がした。
「アメリア! 貴様、龍神から逃げたのか!? それで雨が止んでしまったのか!」
伯爵は決して自分を裏切らないと思っていたアメリアの裏切りに、激しい怒りを覚え大声でアメリアを非難した。
そんな伯爵の姿を初めて見たアメリアは驚きとショックで咄嗟に言葉が出ず固まった。
(これは誰……? あの優しかったお父様? 生け贄に失敗した私のせいで変わってしまわれたの……?)
「答えろアメリア! 何故お前は龍神から逃げてきたんだ!?」
伯爵の剣幕に圧され、アメリアは震える唇で必死に言葉を吐き出した。
「ち、違います、お父様……。私は逃げたのではなく」
パァン――!!
ドルガ谷に銃声が虚しく鳴り響いた。
泉の畔ではリュミエールの服を身に纏ったアメリアが膝を抱えてこれからのことを思案していた。
泉に映る自身の姿を眺めながらアメリアは大きな溜め息を吐いた。
「私がベラ達のように美しい容姿だったらリュミエール様も番にしてくれただろうに……」
ズキリ、とアメリアの心臓が鈍い音を立てた。
出会ったばかりの横柄で粗暴な、とても土地神とは思えないリュミエールの姿を思い浮かべアメリアは苦笑した。
「私は神様からも見放されるのね……」
そう呟くとアメリアは膝に顔を埋めて己の不甲斐なさに落ち込んだ。
そんな中。
「いや--っ!!」
突如として静かなドルガ谷に緊迫した女性の悲鳴が聞こえてきた。
アメリアは驚いて膝に埋めていた顔を上げ、悲鳴のする方を振り返った。
声は遠くの方から聞こえてきた。
そしてアメリアはその声にとても聞き覚えがあった。
「ベラ?」
アメリアは足元に落ちていた大きめの木の枝を手に持つと、こっそりと声のする方へと足を進めた。
* * *
「ハァ、ハァ、ハァ……」
「痛い! お父様、止めて!!」
ドルガ谷の入り口で伯爵は力の限り抵抗するベラの髪の毛を掴んで、半ば力任せに谷の奥へと引きずり込んでいた。
ベラの顔は伯爵に殴られ、顔半分が赤黒く腫れ上がり、恐怖と痛みにより涙と鼻水でぐちゃぐちゃの様相で、彼女が自慢としていた美しさはもはや見る影もなかった。
「黙れ! 散々我が儘三昧でお前ら母娘は伯爵家から甘い汁を啜っていたんだ。せめて後は伯爵家の為にその身を捧げろ!!」
「ひぃ! 嫌――!!」
気弱で大人しかった伯爵の変貌ぶりにベラは恐怖で顔を引きつらせた。
「やはりアメリアだけでは到底足りなかったのだ。伯爵家の娘達を代わる代わる龍神様に捧げなくては……」
伯爵はジタバタと抵抗するベラを無視し、ブツブツと独り言を呟きながら谷に歩みを進めた。
「わ、私にこんなことをして、婚約者が黙っていないわよ」
最後の頼みの綱として、ベラが婚約者で公爵家の跡取りの子息を引き合いに出す。
伯爵はその言葉に振り返ると鋭い視線でベラを睨み付けた。
「黙れ! そもそもその婚約話も元々はアメリアに来た話だったではないか。お前が無理やりアメリアの縁談を横取りしただけのこと。公爵子息はお前に何の興味も持ってなどいない。傲慢で浪費家なお前がいなくなった所で怒る処か心を痛めることもないわ」
「な、なんですって……!」
伯爵の言葉にベラが言葉を失う。実際、伯爵の言葉は事実であった。
後妻であるセレスティア伯爵夫人がアメリアに来る縁談話を横取りするかのように娘達に回し、アメリアの縁談を片っ端から潰していたのだ。
アメリアは社交界において貴族子息達から密かに人気があった。
アメリアは貧しい辺境の地の伯爵令嬢として、常に国内の事情を気にかけており、贅沢とは程遠い最低限の宝石とドレスで地味な装いでパーティーに参加していた。
そんなアメリアに対して、伯爵夫人や三姉妹達はアメリアとの差を見せつけるかのように派手なドレスと高価な宝石を身に纏い、自分達の美しさをこれでもかと全面に押し出していた。
しかし、そんな伯爵夫人や三姉妹達との思惑とは正反対に、豪華な装いで美しさを下品に強調する伯爵夫人や三姉妹に対し、素朴で控えめなアメリアの姿はパーティに参加する貴族令息達の心を掴んだ。
控えめで慎ましく、国の事情を憂うアメリアの内側から滲み出る純粋な貴族としての気品と可憐な雰囲気は派手な美しさを持つ三姉妹と比べても充分に魅力的であった。
パーティー後アメリアを妻にしたいと貴族子息から沢山の求婚がラングラム伯爵家へと寄せられたが、その事実をアメリア本人は知らない。
そして、ラングラム伯爵はその事実を知っていながらも伯爵夫人達に強く抗議することが出来なかった。
自分より身分の高い未亡人のセレスティアを後妻として娶ったという引け目もあり、何となく面倒ごとから逃げていたいというのが伯爵の本音であった。
しかし、そんなことも最早構っていられない程にこの国は切迫していた。
モルシェルの穀物を王国へと納めるという重要な任務を全うできないことで、伯爵は自身の地位の降格を恐れた。
とにかく雨を降らし、穀物を実らせ、王国に期限内に食糧を納めることこそが今の伯爵の一番の責務であり、家族のことなど伯爵にとって自分の地位さえ守れれば取るに足りない存在でしかなかった。
(妻などまた後からいくらでも娶ればいい。
次はやはり最初の妻のように、控えめな女性にしよう)
泣き叫ぶ娘を引きずりながら伯爵はそんなことをぼんやりと思っていた。
(ベラを龍神に差し出したら次はセレスティアでも連れて来ようか。いや、やはり若い娘達が先が良いか。どうせ、伯爵家に残っている妻も娘達も抵抗など出来ないほどに痛め付けてあるのだから……)
伯爵の目が仄暗く揺れる。
ガサリ――
ふと、伯爵の目の前の茂みが不穏な音を立てた。
野生の熊か狼かと伯爵は身構え、咄嗟に懐に閉まっていた銃に手を伸ばす。
しかし、伯爵の目の前にはそれよりも信じられない人物が青ざめた顔をして立っていた。
「お、お父様……?」
伯爵の目の前には龍神にその身を捧げたと思っていたアメリアが震える両手に棒を握り締め、まるで信じられない光景を見ているような表情で伯爵を見ていた。
「アメリア? 本当にアメリアか? お前何故生きて……?」
伯爵の中でプツリと何かが切れる音がした。
「アメリア! 貴様、龍神から逃げたのか!? それで雨が止んでしまったのか!」
伯爵は決して自分を裏切らないと思っていたアメリアの裏切りに、激しい怒りを覚え大声でアメリアを非難した。
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(これは誰……? あの優しかったお父様? 生け贄に失敗した私のせいで変わってしまわれたの……?)
「答えろアメリア! 何故お前は龍神から逃げてきたんだ!?」
伯爵の剣幕に圧され、アメリアは震える唇で必死に言葉を吐き出した。
「ち、違います、お父様……。私は逃げたのではなく」
パァン――!!
ドルガ谷に銃声が虚しく鳴り響いた。
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